遊具のある丘の斜面の下から、すでに目立つのがぶどうの形の遊具。そんないかにも楽しそうな雰囲気の公園が、山梨県甲州市の塩山ふれあいの森総合公園です。子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。
果物の形の遊具や、ちょっと変わった珍しい遊び方のターザンロープなどでダイナミックに遊べる、フルーツパラダイスと呼ばれる丘の他にも、塩山総合グランドに面する芝生広場に遊具が並び、水遊びできるひょうたん池といった場所があります。
このエリアは独特の地形の影響もあり、多く見られる名物は、果樹園とその産物のフルーツ、そして盆地を見渡す眺望。盆地を囲む丘陵には夜景の名所が数多くあるのです。
楽しい遊び場はフルーツテイスト! そして運動施設と昆虫の森などとして植林された、眺めのよい丘がある塩山ふれあいの森総合公園もまた、どちらの雰囲気も兼ね備えています。
お約束の夜景スポットでもある塩山ふれあいの森総合公園。遊具だけが魅力ではないとはいえ、ご当地テイストで作られているところはやはりユニーク。訪れてみたくなる個性を踏まえて、いつものように独自に撮影した写真を満載して、お出かけのプランに役立つようにご紹介してみます。
子どもが大型遊具で遊べる塩山ふれあいの森総合公園をしっかり解説!
さまざまな植林がなされた丘陵部には、さくら、つつじ、もみじ、はぎ、きくといった、観賞用の植物が季節に色を添えます。そして公園全体のちょうど中央部となる斜面の、花木園周辺を主にして、甲州八珍果園とする果樹が植えられた場所があります。
甲州八珍果としているのは、ぶどう、もも、すもも、なし、ざくろ、りんご、かりん、かき、うめになります。もっとも本当に果樹園に適しているのは、甲府盆地でも扇状地の辺り。塩山(えんざん)ふれあいの森総合公園はもうちょっと山地側のほう。フルーツとともに生きる街の終端部といえます。
遊び場そのものが丘の斜面というのは、たくさんある例ではないでしょう。これはやはり眺望を生かしたものにしたい! という意思の表れのはず。いずれにせよ、雄大な眺めが気持ちいいのは間違いないです。
そしてフルーツパラダイスは、果実の恵みをくれる好適地となる大地を、象徴的に表すジオラマのよう。斜面にある大型遊具はぶどうのみならず、もも、かき、りんごなどの形をしています。
運動施設の隣の芝生広場にある遊具のメインも、ももを模ったスタート台からのチューブスライダー。どこでも楽しさと気持ちよさが、しっかり融合しています。
果物の形の遊具が満載!フルーツパラダイス
ひと目ですぐに分かるぶどうの形の遊具。その周りの大型の遊具も、よく見れば果物です。
ぶどうの遊具は房のいくつかが、展望できる透明の窓になっています。
ということは、ぶどうの遊具は上っていく仕組みがあるはず! という推察ならばご名答です。
もっとも、房の下の方にも展望窓はあります。だから幼児で上に登れないとしても大丈夫。ぶどうの遊具は両サイドに進入路があるので、突起のついた部分の登坂さえ回避できます。
ももの遊具の方からならば、小さな滑り台についている程度の階段から、まっすぐ平らな橋が渡されています。大人では頭がつっかえそうながら、黄色い渡り棒のところからでも同じです。
こうして中にはいれば、下の房からでも充分雰囲気は味わえます。そして上層階にいけるならば、垂直に上るネットにトライして、ちょっとした歯ごたえありの遊具にもなります。
なにしろ斜面にあるメリットは、こんなところにも出ています。いちばん下の展望房だって、バカにした眺めじゃないんです。
難易度が上手に組み合わされているのは、ももの遊具のほうも同じです。階段のとなりのリングトンネルは短いながら、ぐっとねじ曲がっていてそれなりの苦労があるでしょう。
黄色の渡り棒も上の部分を渡っても、下の部分を渡っても、違うのは感じるスリルの程度だけで面白さは同じ。渡り部分はもっとたくさんあって、ぶどうとももはかきの部分と相互に色々な方法で連絡され繋がっています。
かきからももへは一本橋を渡ったのち、黄色い渡り棒を経由します。
かきからぶどうへは、ネットと丸太のハイブリッド橋で下りたのち、丸太坂を上れば突起のついた坂からぶどうへの道です。
かきやぶどうから下りたところからは、これも渡りの遊具。
途中にボールの足場があったり、一本橋になっていたり。もちろんこちらから上るのもあり。
この黄色いボール渡りの玉、たまに公園で見るものではあります。ただ、ちょっと気になるのが、斜面の下にも写っている同じようなもの。
あの玉に向かうのは、かきやぶどうから下りたところからです。もうひとつのルートとして、うねる木の板の道があります。
これはターザンロープ!?
いやターザンロープというのは、果物遊具の上の段に置かれたものをいうのが一般的。
なにが言いたいかといえば、あたかもターザンのようにぶら下がるものだということです。
この黄色い球は、坂の上にある渡り遊具を見ても分かる通り、足場です。この上に立って(無理なら座って?)滑空するものです。これは珍しいです。でも、だからぶら下がりません。
よしんば、ターザンロープのロープはロープウェイだとしても、これはレールウェイです。
これって、オリジナルな遊具を作るというよりも他の意図があるのでは? と思えば、もしかしてこれもフルーツ! 甲州八珍果に照らし合わせればかりんなのでは。もっともかりんは、こんな丸いものばかりでなく、楕円のほうが一般的ですけれども…。
フルーパラダイスの果物遊具の両サイドからはローラー滑り台が発進しています。
ひとつは至って普通のローラー滑り台。こちらはどこを探しても果物の形はないです。塩山ふれあいの森総合公園の大型遊具の中では珍しくもです。
もうひとつのほうはリンゴかなと。ただ姫リンゴみたいなものがくっついているのが、気になります。
これってサクランボ! ご承知のとおりリンゴの木にサクランボはなりません。ただ形はいかにもサクランボです。甲州八珍果には含まれないものの、とても期間が短いサクランボ狩り。塩山ふれあいの森総合公園の周囲は、甲府盆地でも本場のひとつです。
そうしてみると、さらに坂の下にあるこの飛び石も怪しいのです。これもぶどうなのでは? ピンクの丸いのはももでしょうか。すももなら赤いはず。いや赤くしてほしかった!
さらに下りたところがフルーパラダイスの一番下です。ここには幼児向けの遊具があります。
パネル遊具とスプリング遊具。どちらもこの景観とペアなところはやはり特別。
激しく動かすと、目が回ってくらくらするやつもありました。
公園のある斜面の足元、芝生広場の遊具
フルーツパラダイスなどがある丘陵部は公園内を横断するフルーツライン(県道38号線)のあたりで一旦なだらかになります。園内の橋で道を横断すると芝生広場があります。
一部の案内図ではなぜか、公園の範囲はフルーツラインまで。けれども芝生広場やその先のスポーツ施設もれっきとした塩山ふれあいの森総合公園です。
芝生広場の大型遊具のモチーフもこれまた果物。ももということになるでしょう。
チューブスライダーで遊ぶ遊具です。それも意外に長め、やはり斜面を生かしています。
それもあってか、いくつもの明かり取り窓のついたもの。チューブの中が真っ暗じゃありません。
それから、しっかり半円分渡るリングネットトンネル。リングが少なくネットが多いタイプですから、難易度高め設定のものです。芝生広場の遊具も間に合わせではないです。
あとはシーソーがひとつに、
砂場と屋根のある場所として四阿(あずまや)があります。
噴水も高く噴き出るひょうたん池は水遊び場
フルーツラインを芝生広場の方に向かわず、丘の上に行くと、水の流れるせせらぎと水遊びをするひょうたん池があります。
ひょうたん型の片方の円の中には噴水が付いています。周囲には見守りや休憩に使える段差と、屋根のある場所があります。稼働するのは4月~10月で木曜日に清掃日があります。
甲府盆地夜景の名所のひとつ、富士見展望台
名所となっている塩山ふれあいの森総合公園から夜景を眺めるならば、芝生広場となっている園地斜面の足元にある、いずれかの駐車場(P-2、P-3が最寄)に停めて上って行った辺りにある、富士見展望台を利用することになるでしょう。
ということは、もちろん明るいうちでも素晴らしい眺望が待っています。フルーパラダイスがあるのは、このちょっと先になります。ルートとしては、フルーツパラダイスから先でも、遊んだ後でも選択できる園路が整備されています。
塩山ふれあいの森総合公園の運動施設
- 塩山ふれあいの森総合公園スポーツ施設リスト
- 塩山総合グランド(夜間照明付き多目的グランド)
- 市民体育館
- 塩山ふれあい館(柔剣道場)
グランド、体育館、ふれあい館連絡先:0553-32-1116
- 隣接のスポーツ施設
- 塩山B&G海洋センター(隣接の屋内プールとトレーニングルーム)
関連リンク:B&G海洋センター利用料金
塩山ふれあいの森総合公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:山梨県甲州市塩山小屋敷
連絡先:0553-32-5072(甲州市都市整備課 公園・道路担当)
合併でできた甲州市の中心市街地はかつての塩山市のものと重なります。塩山ふれあいの森総合公園からもよく見えている単独峰の塩の山(しほうみの山が変化という説あり、塩を産出する訳ではないです。)を従える市街地の、更に向うの山地の一番端にあたる場所にあります。
甲府盆地は西端をなす静岡糸魚川構造線に沿った釜無川と、東北部から南西部に流れる笛吹川の作る扇状地が特徴的です。特に笛吹川は多くの支流が両サイドから流れ出て、やがて盆地の南側を横断して釜無川と合流し、富士川となって海に向かいます。
甲州市は笛吹川の上流部に当たり、市街地の辺りではすでにいくつかの流れに分かれていて、それぞれが果物王国の礎となる扇状地を持っています。園内の遊び場、フルーツパラダイスとはまさにこの地にも当てはまる名前なのです。
【自動車を利用する場合】
駐車場:無料
P-1からP-8までの駐車場が点在しています。P-4はフルーツパラダイスの真下ながら止められる台数がとても少ないです。
しかも狭い道に入って、曲がりくねりながら進むことになります。そのためあまりおすすめできません。
フルーパラダイス最寄駐車場:P-4(非推奨)
フルーツパラダイス利用に比較的便利な駐車場:P-2、P-3
芝生広場に隣接の駐車場:P-5、P-7、P-8
ただし、その他の駐車場を利用してもさほど不便はありません。駐車場は公園の南側にある塩山総合グランドの周囲に配置されている感じです。
公園を横断する主要アクセス路の通称フルーツラインの南側に大きな塩山総合グランドが見えます。フルーツラインの北側(丘陵の坂部分)にあるのはP-4、P-2 、P-3駐車場のみです。
塩山総合グランド奥:P-1
塩山ふれあい館隣:P-6
最寄インターチェンジ:中央自動車道勝沼(約10 km)
勝沼I.Cからは、塩山駅周辺の甲州市中心市街地を抜けてもよいです。けれども、おすすめはインターチェンジを降りたあと、国道20号線を東に少しだけ進み、甲府盆地を抜け出るちょうど手前のような雰囲気の柏尾交差点を左折する道です(ここで車線が減り分岐します)。
そこからは果樹園のある扇状地を抜ける県道38号線(通称フルーツライン)になります。県道38号線は柏尾交差点から進んですぐに右折することになるのでご注意下さい(フルーツラインの看板あり)。そのまま勝沼のブドウ園があるエリアを抜けて、塩山ふれあいの森総合公園に向かう道です。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄り駅:JR中央線塩山駅(約3 km)
公園までのバス便はありません。歩けない距離ではないとはいえ、小さな子どもと訪れるならば、タクシーを利用(約8分)するのが無難です。やはり自動車の利用がおすすめの公園です。
まとめ:いかにも楽しげな公園、遊具には歯ごたえ
果実といったら、フルーツの実という以外にも成果という意味でも使われる言葉。その価値やおいしさから、しばしば昂る気持ちの対象となるものです。その名に恥じずギュっと詰まった魅力は、楽しさだけでなく、遊びの充実感ももたらしてくれます。きれいな景色は、塩山ふれあいの森総合公園ではほんの添え物です。