コラム

新型コロナは菌を乗っ取ってヒドクなるの?



深刻な問題となっている新型コロナウイルス感染症コビッド-19)については、いろいろな情報が飛び交っています。新たに出現したウイルスによると考えられ、時として急に劇症化する肺炎が、生命の危機に直結しているため、警戒が深まっています。

POINT
  • 手洗いを徹底すること
  • 人との接触を減らすこと

こうした対策は、ウイルスの性質からも有効なことが確認できます。

とはいえ、人は社会を作って生活していて、特に都市においては人と接触せずに暮らすのは難しいことです。新型で適応する治療薬もワクチンもないため、医療に関わる人たちも暗中模索な状態。

IPS細胞の研究で著名なノーベル賞生理学・医学賞受賞者の山中伸弥先生が提供するサイトでも、どれだけ証拠があるのかに基づいて情報分類をしていたりします。

関連リンク:山中伸弥による新型コロナウイルス

それでも残念ながら本投稿の時点では、皆が熱望しているような確定的で、即座に解決に繋がるような情報はないようです。こうなると医学の知識などない場合には、どうしてもはっきりしない情報に右往左往することになります。

例えばプレボテラ属の細菌が劇症化と関係しているという考察が、海外から伝わってきています。プレボテラ属の細菌に対処することは、抗生物質を使用することで可能です。そして少し知識があれば、この考察はとても興味深いものであることが分かります。

何かを鵜呑みにするのではなく、断片的にでも正しい知識をいろいろ蓄えることで、みえてくるものもあります。そんな行動に役立つ情報を今後いくつか、まとめてご提供したいと思います。

ご紹介が後になりました。いつもフェンテブログでは「子どもと楽しむ公園」シリーズや、「公園まとめ」を担当しております、本田耀一郎です。「子どもと楽しむ公園」シリーズは、一般的なウェブメディアとは一線を画する志を持って制作しているものです。

子どもと一緒に公園を利用した経験をもとに、子育て中の皆さまが楽しく過ごせる公園を探せるよう、せっかくのスポットで何かを見落とすことがないよう、また訪れた時にはどのくらいの準備や時間が必要なのか、目安になる情報で満たされるよう心掛けています。

そのために必ず現地に赴き、隈なく写真や動画を撮影して、よく分かるように努めています。シリーズに置いても大切なのは、皆さまのご判断の材料となること。場合によっては、ご判断のもとになる背景の事情まで調査していたりします。

私のキャリアの中では、医療関連のコンテンツを手掛けたことがあります。その過程では医療従事者がどのようにスキルを高め、証拠(しばしエビデンスと称するもの)を検証するのかを学びました。

現在の社会情勢の中では、公園の利用に制限も出始めています。力を注いできた公園情報が生かしきれない局面には、悔しい思いもあります。けれどもこの状況は、きっと乗り越えていけるはず。そう信じて、また存分にご参照頂けることを期待します。

それまではすでに取材してあるものの楽しさは、お伝えして事情に合わせてご利用頂くとともに、今を乗り越えるために役立ちそう! と思えることもお伝えしたくコラムに寄稿させて頂くことにします。

プレボテラ属の細菌と新型コロナウィルスの関連性

プレボテラ属の細菌は、土壌のほか人の腸内や口腔内、反芻動物の胃などで見つかる細菌(グラム陰性嫌気性桿菌)です。この細菌に対しては抗生物質で対処可能です。新型コロナウィルスが人の細胞だけでなく、この細菌も利用しているのではないかというのが話の肝です。

見つかる矛盾点に対する整合性

アジスロマイシンヒドロキシクロロキンの併用投与で、コビッド-19による肺炎に対して効果があったらしき報告は、確かに散見されました。アジスロマイシンはマクロライド系の抗生物質です。

マクロライド系ということは、ペニシリンなどの系統ではないということ。つまり細胞壁を作れなくする作用とは違う働きの抗生物質で、遺伝子の働きに関わって抗菌作用を示すものです。

ならばウィルスにも! と期待したくなりますが、残念ながら効果は確認できません。どちらかといえばヒドロキシクロロキンのお陰なのかといえば、そう思いたくなるところはあるのです。

ヒドロキシクロロキンは、マラリアの予防治療薬に使われ、また皮膚エリマトーデス全身性エリマトーデスの治療薬で、この病気はなぜか圧倒的に年齢層を問わず女性に多い、免疫に関わるものです。

作用の仕組みがよく分かっていない薬ながら、免疫が過剰に働く病気に効果が認められています。全身性エリマトーデスなどの免疫の異常に関係するのでは? と思われる病気の疾患群のことを膠原病と呼んでいます。

ヒドロキシクロロキンは、膠原病全般に使われることがあります。コビッド-19における劇症化も、間質性肺炎が大きな問題とされる症状です。肺胞の間質が厚く固くなり、しまいには繊維化して酸素が取り込めなくなります。

間質性肺炎も因果関係がいろいろで、膠原病もきっかけになります。ヒドロキシクロロキンが試されたのは、こうした経緯によるのでしょう。ただそうであっても、顕著な成果が報告されたのは、抗生物質であるアジスロマイシンが併用された場合だったのです。

その状況下で興味深い新たな情報が、本来ウィルスには効かないことが分かっているアジスロマインシンの役割に対する考察になります。アジスロマイシンを投与すればプレボテラ属の細菌には効果があります。

ウイルスは生き物を乗っ取るもの

ウイルスは生物なのか? という点には議論があります。生命の営みの基本となる、DNAからRNAが転写されてタンパク質を合成する仕組みを、ウイルスは自分では持っていないからです。ウイルスは遺伝物質のみがタンパク質に包まれたものです。

それが他の生物の細胞に入り込んで、乗っ取った細胞の仕組みを使い、自らの遺伝子で増殖させます。人と人が接触しなければウイルスが広まらないのは、これが理由なのです。ただし、ウイルスが乗っ取るのは人の細胞に限りません。

動物や植物、または細菌の場合もあります。違う生物間で感染が広がるかどうかは、その時点でのウイルスの性質によります。だから本来は人と人の接触だけでなく、あらゆる生物との接触を避けておくのが、賢明というふうに考えることもできます。

その意味では安倍首相が、犬と戯れる動画を配信したことも違う意味を持ちます。どこか空気が読めず、配慮が足りないようにみえるという以前に、見識を問われるものでもあります。

アジスロマイシンヒドロキシクロロキンの併用投与について、効果が期待できそうだと報告したのは、ディディエ・ラウールというフランスの研究者です。実はこの人はウイルスは生物ではないという考え方に、異論を唱える論者でもあります。

リケッチアの研究を続けていたラウール氏は2003年に、ミミウイルスと呼ぶことになるものが、遺伝物質とタンパク質でできたまさにウィルスだと、はっきりさせた業績のある人です。ミミウイルスは比較するとあまりに大きいために、細菌だと思われていたのです。

ミミウイルスはアメーバを乗っ取って増殖するもので、さらに2008年にラウール氏は、ミミウイルスの増殖の仕組みを使う、スプートニクというウイルスを発見しています。ミミウイルスは、他のウイルスに利用されてしまうウイルスということです。

こういった、従来のウイルス観を変えてしまうほどの成果のあるラウール氏の報告は、大きな関心を引きました。けれどもすぐにヒドロキシクロロキンが、この疾患時に問題ある副作用を起こす可能性を指摘されたり、論争が起こっていたのです。

乗っ取られたプレボテラ属の細菌が劇症化と関係しているのでは? というところまでの考察はラウール氏のものではないものの、アジスロマイシンの効く細菌の方に対処することで、成果が上がっている! というならばとても注目できることです。

腸内細菌叢と免疫に関係?

腸内に存在する約1000種類程度の細菌のうち、バクテロイデス属が優勢な人、プレボテラ属が優勢な人,ルミノコッカス属が優勢な人の3つのパターンが分かっています。このエンテロタイプと呼ばれる分類は、肥満と関わりを持って説明されることがあります。

もしかしたら肥満と腸内フローラなどという文脈で、聞いたことがあるかもしれません。バクロテロイデス属の細菌には脂肪の取込を抑制したり、ルミノコッカス属の細菌は脂肪の吸収を促進するなど、それぞれ特徴を持ち、栄養を取込むにあたって役割を果たします。

腸内細菌叢のバランスが崩れれば(ディスバイオシスな状態)、病原菌が優勢になることもあります。膠原病などが発症している場合に、腸内細菌叢がディスパイオシスになっている研究結果もみられます。

プレボテラ属の細菌の増加と、膠原病のひとつになる関節リウマチを結び付ける論文もあります。そもそも免疫系の病気を起こし得るプレボテラ属の細菌が、新型コロナウィルスに乗っ取られたら、ウイルス増殖の場になって、もはや正常な姿ではありません。

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免疫系が一層の攻撃を加えてもおかしくない存在です。免疫系が過剰に反応して、それが全身に及び、間質性肺炎を引き起こしているとすれば、抗生物質で新型コロナウィルスが乗っ取った細菌を叩くことで回復に向かったことが、理解できないことではなくなります。

まとめ:情報は吟味できると役立つもの

注意すべきなのは、こうした考察は検証途上のものです。あらゆる情報は自ら吟味することでより役立つものにできます。まずは山中伸弥先生のサイトなどにもある通り、どこまでの証拠があるのかを考えてみるべきでしょう。

それでも抗生物質はウィルスには効かないという間違いのない事実も、違った仕組みによって、それだけで片付けられない真実に結びつくこともありえます。プレボテラ属の細菌と新型コロナウイルスの関連がどのように証拠づけられるのかは、まだ分かりません。

今後もこのような新しい知見は、いろいろでてくる可能性があります。今回の内容も、もっと基礎知識を解説する必要があると思います。これから少しづつひとつひとつ、ちょっとした豆知識となるように、まとめていきますので、よろしかったらご参照ください。



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