コラム

よく分かる免疫や抗体!心配せずに克服する新型コロナウイルス【獲得免疫編】

すでに見えているものもあるのに、なぜことさらに危機だけが煽られるのか、メディアのようなものがそうするのは、視聴率やクリック数を意識するからなのかもしれません。重症化した場合の対応は、確かに厄介なコビッド-19新型コロナウイルス感染症)です。

アレルギー疾患、例えばアトピー性皮膚炎などで悩む方がいます。コビッド-19の重症化も間質性肺炎が目立っています。この場合両肺が同時にやられることからも、免疫の過剰反応が疑われ、全身性の症状として血管の炎症もあることから、確定的に思えます。

こうした免疫に関わる疾患は、遺伝子の個人差などによる発症度などの研究も進んでいるものの、ほとんどは対症療法となるのが現実です。そして原因と考えられるものに触れたからといって、必ず発症するものでもなく、発症するのも多い割合ではありません。

コビッド-19の重症化もアレルギーによるアナフィラキシーショックも、結果が重大だけに警戒も諸々の理解も必要。けれども免疫の働きが悪いものなのかといえば、そうではありません。免疫が働かなければ、それどころではない問題が起こります。

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錯綜する情報の中、よい判断材料はないのか、探してお伝えしたいと思っている本田耀一郎です。免疫について、安心して生活する上で、だから期待できるとよく分かるようにすることを目的に、自然免疫編をまとめてあります。

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体が持つ自らを守る仕組みの免疫のうち、先兵隊ともいえる自然免疫も偉大な仕組みながら、さらに加えて獲得免疫と呼ぶ仕組みもあります。抗体はなんと遺伝子を組み替えてまで病原体に対応しています。だからどんなものにも対処して病気は治るのです。

そうした仕組みが、病気の勢いに負けることもあります。抗体の機能が効果的に働けなかったり、免疫の仕組みを活性化させる分泌物質が、サイトカインストームなど、残念ながら望ましくない作用になることもあります。

いろいろな働きが病原体とせめぎあうことになり、医療として手助けをしても適わないこともあります。それでも、もともと備わっている免疫の仕組みで、コビッド-19であっても、多くの場合打ち勝ち、発症しても治癒しています。

すでに死亡率が高くないことを指摘してきました。何が幸いしたのかまだ定かでないものの、諸外国に比べてどうやら重症化の例も少ないという傾向もみえています。頼もしい状況を踏まえて、獲得免疫とされるほうの抗体免疫細胞についてもよくみてみます。

自然免疫に続いて体を守る獲得免疫

健康に好ましくない病原体などは、骨髄で造血幹細胞から血液細胞として分化したもののうち白血球とまとめて呼ばれる、いろいろな免疫細胞によって対処されています。自然免疫編で触れたのはこのうち、先兵となってすぐさま働いてくれるほう。

血管網で体全体を巡る血液や、血管から一部染み出た細胞を包む組織液、さらにリンパ管に入って鎖骨の下の静脈角から血液に戻るリンパ液などを通して、体中をくまなく巡って活躍するのが好中球などの仲間三つ。

さらにガン細胞なども見分けてくれるNK細胞ナチュラルキラー細胞)も体中を巡っています。好中球などと違うのは、細菌や真菌などを貪食(取込んで消化)する機能に対して、細胞の異常(ウイルス感染、癌化など)を見つけて攻撃し破壊できるところです。

また寿命もずっと長いです。NK細胞は造血幹細胞からの分化の過程が、T細胞B細胞など獲得免疫の仕組みで働くものと同じように、リンパ球系幹細胞を経て作られるリンパ球の仲間になります。けれども単独ですぐに立ち向かえるのがNK細胞です。

さらに単球というものもあります。血液中でやはり病原体を貪食するもので、好中球などの骨髄系幹細胞を経て分化するものの仲間で、自然免疫を担うだけではないのに注目です。さらに変幻自在にいろいろな役割を果たすものです。

獲得免疫は免疫細胞がチームワークを発揮!

単球は通常では好中球よりも少ない存在。それでも血小板などと脾臓に蓄えられて出番を待っているものもあります。驚きなのは血管からでると、マクロファージ樹状細胞など別のものに分化したりすることです。

マクロファージ樹状細胞も貪食する力もあるため、自然免疫の一翼も担っています。ただ働きはそれに限らないため、自然免疫編では触れませんでした。どちらも獲得免疫の働きの中で、T細胞と連携して働くことがあります。

特定組織にマクロファージがある事も分かっていて、それは単球から分化したものでないとか、蓄えられている脾臓もリンパ節のように免疫細胞が働いている場だとか、免疫細胞の働きが一筋縄ではいかず、分類も容易ではないことを示してくれる存在です。

やはりそれぞれが連携もしていて、マクロファージ貪食した病原体由来のものに反応して、単球好中球の応援を促したりもしています。それでも分かりやすく特徴を捉えるならば、マクロファージ大食細胞と訳されることもある、貪食の働きが顕著なものです。

免疫細胞の中では大柄でもあります。掃除屋というイメージで捉えると、病原体だけでなく寿命のきた血液細胞など、自他問わず機能しなくなった細胞を処理する役目では、重要なことからピッタリきます。

余計なものを処理するという意味では、血中のコレステロールなど脂質を破壊しようとした結果として、脂質が蓄積した泡沫化という現象もあります。泡沫化マクロファージは場合によって、動脈硬化や毛細血管の血栓の原因になるのが観察されています。

当初からコビッド-19では、持病を持っている場合に高リスクと言われてきました。例えば糖尿病はハイリスクな持病の最たるものです。糖尿病といえば、糖を代謝するインスリンが働かなくなり、高血糖な血液が血管をボロボロにするという認識になるでしょう。

泡沫化マクロファージについては、この糖尿病で血管がボロボロになるということを、具体的に研究したものの中にもみられ、複雑な機序で高血糖下で泡沫化が促進されることを示したものもあります。重症化のメカニズムが分かれば大進歩。

コビッド-19で血管症状も注目されてきている中、サイトカイン類の産生元になるマクロファージが関わっている事例です。いわゆる高リスクというものが何か、こうした研究のどこかに答えがあることを期待したいものです。偶然ではないと分かればかなり安心です。

また、脂質への対応の結果として栄養過多の場合、マクロファージが病原体に対処することを邪魔するとする考え方もあります。脂質に対処する分、力が削がれるという訳です。マクロファージ白血球のうち、さほど多くを占めていないものになります。

樹状細胞は電子顕微鏡で撮影すると、たくさんの長い突起とリンパ球が確認できることから名前がつきました。これこそが抗原提示という、T細胞を攻撃に導く役割を果たす主役となるものです。

樹状細胞リンパ液などだけでなく、皮膚組織内、そして鼻腔など身体の外でも待ち構えます。肺や胃腸などの内臓では、実はいわゆる体内(胸腔、腹腔内など)側の面と、体の外の部分から続いている面が、表裏なのは想像できるでしょうか。

例えば食べた物がまず触れるところは、いわゆる体内ではないです。そこは皮膚の表面と同じ外の部分。樹状細胞はそういうところでも、異物を待ち構えています。そして抗原を取り込むとリンパ管の随所にある、作業場ともいえるリンパ節に運んでいきます。

細胞性免疫というほうの獲得免疫の働きはT細胞が担当

獲得免疫の働きはこうして始まります。まだ抗原となるものに出会ったことのないT細胞ナイーブT細胞)は、抗原を持ち帰った樹状細胞などの情報を受取り、活性化が始まります。樹状細胞だけが果たす、特別な役割でT細胞は働き始めます。

ナイーブT細胞は、実はこの段階ですでに情報を受け取るための成熟の過程を経ています。心臓の上にある胸腺(Tは英語でのThymusから)で、あらゆる抗原と戦うための仕組み(TCR受容体遺伝子再構成)が働きます。

また、自分を攻撃しないための仕組みも用意されます。そこでは2重に淘汰が起こっていて、そんな選抜の過程を経て準備が整います。ほんとうはここまででも、とてもナイーブな存在とは言い難いのです。

遺伝子再構成によってかなりのパターンで生まれたナイーブT細胞のうち、対抗すべき抗原に合致して活性化したものは、エフェクターT細胞と総称される、いくつかの働きのT細胞に分化、さらに状況によってはまた役割を変えて分化したりもします。

それぞれの機能は、病原となったり不要な細胞の破壊や除去、抗体産出、逆に過剰な働きを押さえたりさまざまになります。病原体を取込んだ印を読み取る力もあるため、自然免疫では難しい対応もできるなど、細胞性免疫の強みになる対応もあります。

きっかけとなる働きをする樹状細胞は、単球が血管外に出て分化していました。樹状細胞も、ただそれだけでない興味深いことがいくつかあります。そもそも、造血幹細胞からできる免疫細胞は、前駆段階では、骨髄系幹細胞リンパ球系幹細胞に分かれています。


骨髄系幹細胞から単球を経て分化するものと、リンパ球系幹細胞からできるもの、どちらもあります。樹状細胞が病原体に出会い活性化するにつれて、貪食する能力よりも抗原提示の役割を強めることも観察されています。

T細胞については、こうして免疫が打ち勝ったあとは、同じ抗原がまたやってくることに備えて一部を残します。残ったものがメモリーT細胞で、2種類できます。リンパ組織と炎症などの起こる局所にそれぞれ残ることになります。

こうして次の機会に同じ抗原ならば、すみやかに対応できる免疫記憶抗原特異性のある免疫を獲得することになります。そして獲得免疫にはもうひとつの仕組みもあります。T細胞は、こちらにも関わっていきます。

液性免疫というほうの獲得免疫の働きはB細胞から

獲得免疫のもうひとつが、抗体によるものです。主役のB細胞も、免疫の働きをする細胞で、リンパ球の仲間になります。

リンパ球の仲間
自然免疫担当
NK細胞
獲得免疫担当
B細胞(液性免疫)
T細胞(細胞性免疫)

B細胞造血幹細胞リンパ球系幹細胞となり、そこから分化して抗体を作る免疫細胞です。T細胞B細胞レセプターで機能の仕方は違うものの、あらゆるものに対応するための多様性は、やはり遺伝子再構成によって用意されます。

骨髄遺伝子再構成によって、やはり莫大なパターンの用意されたB細胞が、病原体を捕まえると活性化が始まります。病原体の種類によっては、抗体産出へ向かい、また場合によっては、捉えた病原体をT細胞に示せるようにします。

このパターンの合致する病原体と同じ情報を、すでに樹状細胞から受け取っているT細胞ヘルパーT細胞)が確認できると、抗体の産生に弾みがつきます。この仕組みのほうが主流派のようで、B細胞T細胞と協調して働くことになります。

抗体の働きの分類
  • 病原体と結合して細胞への結合、侵入などをできなくする(中和作用)
  • 病原体と結合して貪食する目標となる
  • 標的細胞を破壊する反応を活性化

病原体が人の細胞に結合して発症している場合は、先にその病原体のレセプターに抗体が結合してしまえば、もう侵襲できなくなります。これが中和作用です。取りついてT細胞マクロファージNK細胞などに、攻撃目標として示すのがもうひとつの役割です。

さらに体内の補体(多くの場合タンパク質分解酵素)を活性化、連鎖反応させて溶解に導く流れを引き起こすために結合します。抗体がどのような病原体でも対応できる、遺伝子再構成で用意するのは、適合する受容体(抗体の場合Fabフラグメント)になります。

抗体の基本的な形はY字型で、立ち上がった人が体でYを作るとして、その時に腕を使うところ、上部の二又のところは、両方とも可変領域と呼ばれます。それぞれ2重になっていてB細胞が成熟過程で再構成した遺伝子の配列になっています。

B細胞DNAに不変の雛形としてあるものでなく、いくつかの遺伝子の配列のパーツを、その時々に組み立てたものです。Yの字の足の部分は、他の免疫細胞が結合する足場のような役割をします。足の部分もやはり2重です。

そしてそれは、最も基本的な形で数も多い抗体のIgGの場合で、抗体には全部で5種類あります。IgD、IgEは似た形、IgAは腸管や気道の粘膜や初乳にも含まれていて、可変領域でないところで2つに繋がっています。もっともIgAも血中ではY字です。

IgMというのが独特で、IgGのような形が可変領域を外にして、足の底で5つ繋がっています。IgGに先駆けて、まず最初に働く抗体で、可変領域でとにかく病原体に結合するのが目的だと思えば、合理的な形になっています。

そうして病原体の増殖をできなくしたり、破壊できれば治癒に向かうことになります。この形を記憶する仕組みもあるために、同じ病原体であればすぐに対応できます。やはり該当するB細胞の遺伝子配列パターンが残されるからです。

これがリンパ球であるT細胞B細胞の特徴で、成熟するということが意味することです。B細胞もやはり成熟の過程では遺伝子再構成だけでなく、自己免疫疾患も起こさない準備をします。攻撃対象が自分になる配列パターンのB細胞は、自ら排除します。

NKT(ナチュラルキラーT)細胞はとても少数派

免疫細胞リンパ球に当たるものは、自然免疫を担うNK細胞獲得免疫に当たるT細胞B細胞の他にNKT細胞が見つかっています。攻撃作用が強く、破壊力があり、特に腫瘍を抑える効果が長く続くなど作用には期待が寄せられています。

糖脂質を抗原として、抗原受容体が1種類しかないという、獲得免疫として働く免疫細胞としては、ちょっと不思議な性質も分かっています。また有効なサイトカインや、細胞死を誘発する物質を作ることも分かっているなど、注目すべき点は多い免疫細胞です。

まとめ:神秘的なほどに複雑な獲得免疫、遺伝子再構成がカギ

いったいどんな進歩の過程でこれほどの仕組みができているのか、驚くほどに神秘的といえるほどの仕組みで、生命は繋がれています。遺伝子再構成の仕組みで、基本はどんな病原体にも対応できます。

遺伝情報の一部を転写するに過ぎず、世代交代も早いRNAウイルスとなるコビッド-19のウイルスは、変異の早いことは事実でしょう。そうはいってもウイルスの変異は悪い方向にいくだけではないです。免疫疾患もゲノムの解明により、理解が進んでいます。

特異的な症状に対してどう対応するのか、普遍的で壮大な進歩の結果としての免疫は信じて、新型コロナウイルス専用療養施設を収用してでも設置するなど、医療体制について、アィデアが凝らされていけばいいなと願います。

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本田耀一郎の記事は公園の写真集としても機能しています。

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