コラム

肩こりにおすすめ!正しいリュックの背負い方と選び方



こんにちは、Fuenteの中村です。
毎日肩こりに悩んでいる方はとても多いと思います、かくいう私も肩こりです(泣)。

どうして肩こりが起こるのか原因は人それぞれですが、最近は肩こり予防に良いからと多くの人がリュックを選んでいます。デスクワークの増加やスマートフォンの使用で肩こりに悩む人も増えていますが、みなさん何とか肩こりをひどくしないようにと工夫したり努力したりされていることがうかがえます。

ただ、リュックだから肩こりにならないとは言えません。リュックの背負い方、選び方、中身の詰め方などが自分に合っていないとかえって肩こりが悪化してしまうことも。

そこで今回は、姿勢や痛みの専門家であるいわさき鍼灸整骨院(和歌山県和歌山市)の院長であり柔道整復師・岩崎漁次先生に、肩こり予防に効果のあるリュックの背負い方や姿勢についてうかがいました。

肩こりの原因は?「姿勢」

岩崎先生は「リュックを使う使わないに関わらず、日常生活の動作の中にあるクセだけで人の体歪み、血流状態が悪くなります。それが痛み=コリにつながってしまう」といいます。

実際に診療でも肩こりを悩みにあげる人が多いといい、岩崎先生が全国の調査結果を調べたところ、肩こりに悩んでいる人は30代〜40代の男女5万人のうち、約73.5%も!

「これだけ肩こりを感じている人が多いので、国民病とも呼ばれています。肩こりは外傷ではないので慢性疲労のカテゴリに入る症状で、主な原因は姿勢です。どうしても人には動きにクセがあったり、カバンやスマートフォンなど日常的に持つものによって負担がかかりやすい箇所があります。それによって姿勢が乱れ、負担のかかったところが血行不良を起こし、最終的に痛みとなって出てくるのです」(岩崎先生)

リュックは両肩に同じように負担がかかるため、「血行不良が起きづらい=肩こりになりづらいといえる」と岩崎先生はお墨付きを与えてくれます。「両手も空くし、猫背の改善にもなるので育児中の女性にはオススメ」とも。

ただし、それでも間違った持ち方や負担のかかるリュックを選んでしまうと、肩こりは起こってしまいます。

では、リュックを使っているのに肩こりになってしまう原因は何なのでしょうか。
大きく考えられる理由は次の3つです。

■リュックで肩こりが起こる原因
・ベルトの長さが合っていない
・肩ベルトが細い
・荷物の入れ過ぎ、詰め方が間違っている

心当たりはありましたか?
ファッション性の高いリュックであればベルトが細く長い物も多いです。
逆に登山などアウトドア用リュックはベルトが広く、体に合わせた調節が可能です。

ではどういったリュックを選んでいけば良いのか、具体的に一つずつ見ていきましょう。

肩ベルトは幅の広い物を選ぼう

まず体に負担がかかりづらく、肩こり予防となる理想的なリュックについて岩崎先生に具体的にうかがいました。

◆体に負担がかかりづらいリュックの選び方
①両肩左右均等な荷重に分散が出来る。
②出来る限り体幹の中心部でカバンを持つことができる。
③体よりも大きくないサイズのカバンである。
④体に当たる部分が広く、荷重分散できる。

この4つの条件が揃うものが理想的なリュックといえます。
もちろんリュック以外のカバンでも同じなのですが、この条件がそろいやすいカバン=リュックですので選ぶのであればリュックが理想的です。

中でも、【肩ベルト】はリュックの最大のポイントです。
原則としてベルトは広いものを選びましょう。また、どうしても細いベルトのものを愛用されているのなら、ベルトにクッション等を取り付けて厚みを出し、血行不良が起きないよう分散させましょう。

【肩ベルト】が最重要ポイントであることがわかりました。
購入後に変えられないパーツですし、買う前のベルトの太さチェックは大切ですね。

ベルトが細いと体の一点に負担がかかりすぎるため、せっかくリュックを選んでも、重さが集中して肩こりの原因になりやすいとのことなので、通販でお買い求めであれば、ベルトのサイズ感も抜けなくチェックしましょう。

厚みも多少あった方が、肩への負担は少なくなるので、もし可能であればリュック用のバットを購入して後付けするのが良いですね。

肩ベルトの長さを正しく調節

肩ベルトの太さの次に重要なポイントは、肩ベルトの【長さ】です。
これはお手持ちのリュックのベルトを適正な長さにするだけなので、どなたでも実践可能!リュックをご愛用の方はぜひ長さ調整を意識してください。

「ベルトの長さの調節はリュックの高さ(位置)を調整することとイコールです。
リュックの底部分が自分のおへそから指3つ下の「丹田(タンデン)」と呼ばれる人体の重心の中心に近づくように合わせます。体の負担が少なく、肩こり予防になります。

また、リュックを背負った状態で背中あての部分がなるべくご自身の背中に密着するように長さを調整してください。リュックが動くことで、体に大きな負担がかかります。理想はリュックがぴったりと体にくっついていること。

さらに、リュックの形状として可能であれば、肩と脇の間に軽く指の隙間が出来る程度に調整すると、血行不良が抑えられ腕の痺れも軽減できます。」(岩崎先生)

岩崎先生は背中との隙間をできる限り埋めて、リュックがガチャガチャと動かないようにしてほしいと力を入れて話されていました。確かに、歩いているときにリュックが腰にあたって前後左右に動く…ことってありますよね。それは肩だけでなく体全体にとって、ストレスがかかっている状態だそうです。

肩ベルトの調整と一口に言っても、とても重要なポイントだったのですね。

ベルトの長さやリュックの高さ(位置)は姿勢にも関わってきます。背中とリュックの間が開いてしまう程に緩めてしまうと、体が前かがみになってしまい肩に負荷がかかってしまいます。

■リュックの調整ビフォー・アフター

いわさき鍼灸整骨院のスタッフさんをモデルに、岩崎先生がリュックのベルト調整をしたビフォーアアフターです。

同じリュックなのに、ここまで姿勢が変わります!
買い換えなくてもこれだけ変わるので、ぜひ肩こりにお悩みであれば実践してください。
(荷物の中身は同じで、もちろんリュックも同じものです。)

この写真のように、リュックにしたからと言っても使い方が間違っていれば肩こりが軽くなるわけではありません。
リュックの選び方、背負い方等の様々な積み重ねが肝心ですね。

荷物は正しく詰め、入れ過ぎないように

当たり前のことですが、たくさん入る大容量のリュックとはいえ、荷物を入れ過ぎてしまっては肩への負担が大きくなります。

でもお子さんを連れて出かけるママさんなら、「おむつも着替えも持って、ミルクセットも持って、動画を見せるタブレットも持って…」となるのも仕方がないですよね。お子さんの荷物は減らせません。

特に女性は荷物が重い傾向にあり、全国調査では女性600名のカバンの平均の重さは2.2kgとの結果が出ています。実際にママさんたちのバッグは2kg〜3kgの方が多いので、平均よりも重いことに。重ければ重いほど体への負担が増しますが、詰め方次第で負担を軽減できます。

◆正しい荷物の詰め方
①(底)軽いもの→重いものの順番で詰める
②重いものは片方に寄せず、中心に入れるか分散させる

まずおむつや服をリュックの底に入れ、次に水筒やタブレットなど重いものを乗せるように入れます。
不思議ですが、かなり体感する重さが変わりました!

■<番外編>最大の肩こり防止効果が期待できる方法
最後に、肩こり予防のための工夫を一つお伝えします。

皆さん、登山などアウトドア用のリュックなどで体に巻き付けるようにベルトが付いているのを見たことがありませんか?チェストストラップなどと呼ばれることもありますが、ベルトの横幅を調整するものです。抱っこひもなどにも腰にベルトが付いていますね、それと同じです。

実はどうしても重い荷物を背負うのであれば、このベルトが効果的だそうです。しかし買ったリュックに付いていなければどうしようもない…。そんなときに使える方法を岩崎先生が「少し現実的ではないかもしれませんが…」と控えめに教えてくれました。

お手持ちのタオルやスカーフ、もしくはゴムベルトなどで肩ベルトを合わせるように結ぶ!
これで肩への負担はグッと減り、全体にかかる力が分散されます。「どうしようもなくツライときは実践してみても」いいかもしれません!

実は、このようなリュックのベルト調整アイテムは”チェストストラップ”や”チェストベルト”として市販もされています。

なおこちらの製品はチェストストラップ付きとなっております、是非ご検討ください!

 

リュックの利点まとめ

肩こり予防に理想的なカバンがリュックとはいえ、さまざまな積み重ねによってより肩こりをなくし、楽に持てることがわかりました。

正しくリュックを選んできちんと背負うことは、肩こりだけでなく健康面でも女性にとって利点があると言います。

「特に妊娠・出産を経験した女性は妊娠中にそり腰になって、治せていないまま生活している人も多いです。その上に赤ちゃんを抱っこしたり、重い荷物を体に負担をかける形でずっと持っていたりすると全身の血行不良を引き起こし、産後のむくみや下半身太りの原因、肩こりや腰痛などにつながります。ぜひ正しい背負い方を試してみてくださいね」(岩崎先生)

お手持ちのリュックも、少しベルト調整をしてみて、快適に使えるようにしてみてくださいね。新しくリュックを購入するときは、ベルトの幅や厚みのチェックをお忘れなく♪

【取材協力】

(写真後列中央が岩崎先生)

いわさき鍼灸整骨院
住所:和歌山県和歌山市米屋町3BLISSビル1F(ぶらくり丁商店街内)
http://iwasaki0707.blog.fc2.com/

院長プロフィール
岩崎漁次(柔道整復師・鍼灸師)
2009年関西医療学園専門学校柔道整復科、2012年同校東洋医学科卒業
中村鍼灸整骨院(大阪住吉区我孫子)で10年間勤務後、小学生からの夢であった整骨院を開院。自分が受けたい治療を患者様にも提供していくことをモットーに、来て良かったと思っていただける整骨院を目指しています。