インタビュー

よく分かる扇谷先生のスキンケア講座徹底理解インタビュー



皮膚科医として実家の扇谷医院で金曜日と隔週土曜日に保険診療しながら、大学病院や複数クリニックで皮膚科診療に携わる扇谷咲子先生。フェンテでは先生にお願いしてスキンケア講座を執筆頂いたところです。

皮膚科医、扇谷咲子先生のスキンケア講座皮膚科を専門に診療に携わっている医師の扇谷咲子です。フェンテさんからスキンケアについて、知っておくとよいことを解説して欲しいとご相談があ...

先生から、「ちょっと専門的すぎましたか?」とご心配頂き、ならばもっと理解できるように、スキンケア講座をさらに解説して頂ける機会を作ってもらいました!

扇谷咲子先生

記事の中ではお伝え出来なかったことや、「子どもと楽しむ公園」シリーズの本田耀一郎が具体的に伺ってきたことを、そのままインタビュー形式でお届けします。

子育て中だから知りたい!基本を押さえて時短スキンケアも

本田
本田
扇谷先生、スキンケア講座のご執筆ありがとうございました。
扇谷先生
扇谷先生
読者の皆様にはお役に立てたでしょうか?
本田
本田
はい、きっと良い情報として喜んで頂けているとは思います。今回は更に分かりやすく、場合によっては深掘りも! お願いします。
扇谷先生
扇谷先生
では、なるべくフランクに、でも深掘りにも対応できるように解説していきますね。

教授の言葉と受けた衝撃!

本田
本田
まずは読者の皆さんへのご紹介がてら、少しだけ先生のことをお伺いできればと思います。スキンケア講座でもご紹介させて頂いた扇谷医院は、実際は外観よりも、もっと奥行きがありました。
扇谷先生
扇谷先生
はい、祖父の頃には入院患者さんも受け入れていましたので、表だけ見るより大きいかもしれませんね。京都の町屋などと同じ感じかな。
本田
本田
先生がお育ちになった富山は、製薬や立山連峰が湛える伏流水による酒造りなど、伝統の産業があると思います。そうした仕事の製造所とか酒蔵とか、そんな歴史的由緒ある趣を感じさせてくれました。
扇谷先生
扇谷先生
趣があるといわれると聞こえがよいですが、まぁ古いだけかもしれないですよ。父も医師で私が診療するので三代目。地元の患者さんをずっと診させてもらっています。
本田
本田
先生はなぜ、皮膚科医になろうと思ったのですか? やはり環境からもご影響が?
扇谷先生
扇谷先生
祖父と父が医師という家庭で育ったので、医師という仕事は身近な存在でした。医学部に入り、皮膚科の最初の授業で衝撃を受けた教授の言葉があるんです。
本田
本田
おお
扇谷先生
扇谷先生
教授がおっしゃったのは「皮膚は人体最大の臓器です」ということです。肺や肝臓、脳よりも大きいんだ! と衝撃を受けました。実際に日本人の成人の平均で約1.6 ㎡の面積、だいたい畳1枚分を占める大きさなんです。
本田
本田
考えてもみなかったですが、ちょっとビックリ。皮膚って体全体を覆っているだけに、一番大きい臓器になるんですか!
扇谷先生
扇谷先生
そうなんです。一番大きい臓器が健やかな状態じゃなければ、不調をきたしますよね。
本田
本田
そりゃそうなるように思います!
扇谷先生
扇谷先生
肌の状態は、自分や他人の目に入りますし、見た目や触った質感が悪くなると、精神的にも気になって気分が落ち込んだり、ストレスになります。
本田
本田
そんな風に気にされているかたが、たくさんいらっしゃいますよねー。
扇谷先生
扇谷先生
スキンケアを含めて、お薬による治療など手間と時間を少しかけると良くなったという結果がわかりやすいので、皮膚のトラブルで悩んでいる方の手助けをしたいなぁと思い皮膚科医を目指しました。
本田
本田
僭越ながら、素晴らしいお志だと思います!

スキンケアではやはり保湿が大事!

扇谷先生
扇谷先生
本来、ある程度自分の皮膚の修復機能や再生能力で皮膚トラブルは治せるはずです。でも保湿や、市販の化粧品や、お薬を使用しても回復の兆しがなければ、ちょっとした不調でも、下手に長引かせるよりも、気軽に皮膚科を受診してもらえるといいなと思っています。
本田
本田
はい! ところで先生の記事のとおり、病院に行くようなトラブルが無い日常生活でなら、やはりスキンケアのポイントは保湿を心掛けることでしょうか?
扇谷先生
扇谷先生
そうですね、やはり保湿は大事なことです。よく保湿しすぎて悪いことはないと患者さんにも伝えています。
本田
本田
保湿剤を使うといいのですよねー。ワセリンとかはよくありますよねー。
扇谷先生
扇谷先生
もちろん、質の悪いモノを使って、毛穴を詰まらせてしまってはいけません。何を、どのタイミングで、どれくらいの量を使うか、ということはとても大事です。
本田
本田
ものによるということですか・・・、あと使い方ですね。

無理せず実現!時短スキンケアにも

扇谷先生
扇谷先生
でも、そんなに難しく考えないで、日常のルーティンワークとして、ごく自然な行為としてスキンケア保湿ができるといいな、と思っています。
本田
本田
手間いらずの時短スキンケアはみな目指したいのでは! スキンケアとはなにか、教えて頂いていました。3つありましたね。
扇谷先生
扇谷先生
①落とす ②水分や美容成分を補う ③保護、キープ です。
本田
本田
書いてあったそこは、しっかり覚えました!
扇谷先生
扇谷先生
手を洗う、顔を洗う、それから入浴するという、洗ってキレイにするという場面があるはずです。さらにそんな時にちょっとだけつけ足すケアなら、あまりご負担はないかなと。
本田
本田
ことさら手間をかけずとも、習慣に組み込む!
扇谷先生
扇谷先生
汚れを落とすことは、次の水分や美容成分を補うために、大事な下準備となるのですよ。
本田
本田
効果的にするために、そういう意味もあるということかー
扇谷先生
扇谷先生
汚れを落としたら、その後にバーーーッと一気に保湿するのが大事です。ポンプ式っていいですよね。蓋をあけるというひと手間がないのはすごく楽でありがたいです。また1プッシュで約1.5gと出る量が一定なのも、使用する量にムラができなくて良いですね。
本田
本田
スキンケア講座にも、finger tip unitというのがありましたね。
扇谷先生
扇谷先生
あれはあくまでも適量の参考に、ってお話なので、日常はそんなに難しく考えなくてよいですよー。
本田
本田
よかった! 特に2歳差育児とかで、細かくどれくらいってのは厳しそう。上の子は何ポンプで、下の子は何ポンプ・・・・とか暇はないはず。手間なく時短になるよう意識したいです。
扇谷先生
扇谷先生
あと、容器のことでいえば、日常臨床でも、軟膏チューブで処方するよりも、ジャータイプの容器で処方した方が明らかに外用剤の減りが早いです。しっかりと患者さんにお薬を使用してもらえるようです。

ジャータイプの容器とは、浅く口元の広い容器のこと。多くは回して開ける蓋つき。

扇谷先生
扇谷先生
特に保湿剤と混合して処方すると、伸びもよくなり患者さんもしっかり塗ってくれるようになります。でも、ジャータイプは直接手を突っ込む方が多いので、やはり不衛生になることもあります。ポンプタイプの方が、容器内に雑菌が入りにくいですね。
本田
本田
便利で手間なしなだけでなく、汚くならない! 大きなトラブルなく日常のことなら、ポンプ式でもよさそう。
扇谷先生
扇谷先生
衛生面でもノズルの先に、直接手が触れないからよいといえますね。
本田
本田
あそこはさわらないほうがいいんですね・・・

子育ての中で意識して近づく理想のスキンケア

扇谷先生
扇谷先生
親御さんができる大事なこととして、「入浴後に保湿は当たり前!」と無意識な行動として習慣づいてくれると、いずれお子さん自ら、保湿剤を塗ってくれるようになるのが理想で、嬉しいですね。
本田
本田
親子で使えるオールインワンジェルなんかだと、一緒に使えるのが“売り”ですが、当たり前のように自分で塗ってくれるのはいいなー。「ママ、パパ、塗るの忘れているよ」なんて指摘されるようになったりして。
扇谷先生
扇谷先生
ふふ、そうなるといいですね。特に幼少期や乳児の時は、自分の意思で行動する、というよりも、親御さんの管理下の基で生活しているので、まずは周りがサポートしてあげないといけませんからね。
本田
本田
子育て中でいえば赤ちゃん肌は、大人の半分ほどの薄さで非常にデリケートってことでしたね。
扇谷先生
扇谷先生
そういったデリケート肌に使うものは、やはり良いモノ、良い成分のものを使ってあげたいですよね。もちろん、一緒に使う親御さんの手もスベスベになる、というのも理想。ママ世代の手荒れ、乾燥による荒れも日常診療で気になっています。
本田
本田
そっか、塗ってあげるということは、自分に使っていることでもあるんですね。一緒に使えば、これも時短スキンケアの一種か。
扇谷先生
扇谷先生
お子さんの事で受診なさっていても、ママの手荒れの方が気になって、思わず『お母さんの手荒れ、大丈夫ですか??』とこちらから声をかけてしまう時があります。
本田
本田
自分のことは後回しになりがちですねー。
扇谷先生
扇谷先生
実際には、酷い手荒れを本気で治す時は1日4~5回、お薬を塗ってください、と患者さんにお願いします。でも、『日中はべたついて塗れない』、『2回だって無理、4~5回なんて無理無理』、と言われることはよくあります。
本田
本田
そういうお声があること、スキンケア講座で伺いました。
扇谷先生
扇谷先生
塗る回数が少ないなら、せめて浸透がよいもの、質が良い物を使用してもらいたいですよね。

オールインワンジェルなら時短になる?効果は?

本田
本田
今日はぜひお伺いしたいことなのですが、オールインワンジェルなんかはいいのですかね。間違いなく手間なく時短にはなります。
扇谷先生
扇谷先生
よいひとつの選択肢だと思います。保湿が大切ですからあれこれ欲張るより、しっかり水分保持と思えば、手軽なのはいいんじゃないですか。
本田
本田
保湿のために例えばオールインワンジェルを使っていて、効果が上がっているな! と安心していいのはどんな状況ですか?
扇谷先生
扇谷先生
保湿が充分できているということでよいですか? だとしたら、触ってモチモチとしている、ツヤがある、ザラザラ感が無い、という触り心地がよいこともひとつの参考になります。そして、締め付け部位や摩擦を受けやすい部位、関節など湿疹やかゆみが出やすい部位をかゆがらないということも参考になります。
本田
本田
これは皮膚のバリア機能がバッチリ向上して、効いてる! って安心できるのならどうですか。
扇谷先生
扇谷先生
効いてますか? と聞かれた時にはもし医薬品だったなら、ある程度お答えできます。でも皮膚のバリア機能ということでしたら、向上というよりも、他覚的、自覚的にもしっかり機能しているかどうかを考えた方がいいですね。
本田
本田
機能していれば教えて頂いたような状態になっていて、機能していないとトラブルを招くこともあるということでよいでしょうか?

この時はよく分からずスルーしてしまいましたが、他覚的とは診察や画像検査、医学的検査により、客観的に捉えられる症状のことのようです。
(本田耀一郎)

扇谷先生
扇谷先生
しっかり保湿に気を使って頂いてトラブルを起こしにくくはできるでしょう。もし困った状態になってしまったら診療させてください。ただ原因が何かや、何が皮膚や体でおきているのかはよくお話を聞かないとなんともいえません。
本田
本田
確かに治療が必要な状況であれば、診察を受けて薬をもらわないといけないですね。
扇谷先生
扇谷先生
治療をしている間は経過観察をして、症状が改善しているかどうかよくみて判断しています。そうやって診察していることでなくては、責任持ってお答えはできないんです。
本田
本田
効果があるかどうかは、ひとりひとりの状況で判断しないと何も言えないのですね。
扇谷先生
扇谷先生
そうなのです。
本田
本田
もちろん先生の診療を受けにいくのがよいのでしょうけれども、どの程度までなら判断できるもんでしょうか。
扇谷先生
扇谷先生
みなさんで判断できそうなことならば、いつもと同じスキンケアをしていても改善しない、湿疹やかゆみが出たら、「あれ!?」と思って頂ければなぁと思っています。いずれにせよトラブルがあったら自己判断はしないで、受診してくださいね。
本田
本田
いつも同じアイテムを使用しているからこそ、気づくこともあるんですねー。

皮膚のバリア機能とは!

本田
本田
そういえばバリア機能ってよく聞きますが、具体的にはどんな機能なんですか?
扇谷先生
扇谷先生
皮膚には色々な役目があります。外界からの異物や紫外線の侵入を防ぐとともに、体液成分の喪失を防ぎます。
本田
本田
ふむふむ
扇谷先生
扇谷先生
また皮膚表面は皮脂膜により弱酸性に保たれていることにより細菌・真菌の侵入を防いでいます。
本田
本田
! 皮脂膜というのができてんだー。
扇谷先生
扇谷先生
そして皮下脂肪組織は外力に対しクッションの役割を果たすほか、エネルギーの貯蔵庫としての働きを持っています。
本田
本田
えと、溜まり過ぎると太っちゃうやつ・・・ですね。
扇谷先生
扇谷先生
まぁ、そのクッションになる皮下脂肪組織は、真皮という少し深いところに存在しています。
本田
本田
なるほど。
扇谷先生
扇谷先生
バリア機能とは、体外からの細菌や化学物質・紫外線などを容易に侵入させないという守る役割と、体内からの水分の喪失を防いで皮膚の水分を適度に保持するという2つの役割のことを意味しています。
本田
本田
ふむふむ、ふむふむ・・・とにかくも守ってくれる仕組みなのかー。
扇谷先生
扇谷先生
外界と接している皮膚の表皮の最外層を角質層といいます。角質層は角質細胞という細胞が数層から数十層積み重なったラメラ構造をしています。
本田
本田
ラメラ構造・・・、なんかすごそう。
扇谷先生
扇谷先生
ラメラとは層状という意味で、角質層の細胞と細胞の間を、脂質層と水分の層が交互に規則正しく重なって構成されています。細胞間脂質が接着剤のように細胞間に存在し、より強固に細胞をつなぎとめています。角質層の厚さはわずか0.01~0.03mmですが、外界とのバリアとして非常に重要な役割を担っています。
本田
本田
おおおお、やっぱりすごそう。
扇谷先生
扇谷先生
また、水分層、親水層に水分を保持する機能があり、水分を保持してくれます。
本田
本田
それが役割なんですねー。あとししつそーでしたっけ。そっちはどうなっているんですか?
扇谷先生
扇谷先生
脂質層は細胞間脂質を示し、具体的には、セラミド・脂肪酸・コレステロール・リン脂質などで構成されています。
本田
本田
あ、セラミドなら分かりますよー! いや、フェンテさんから聞いたことあるだけなんですが。あと、保湿といえば、ヒアルロン酸も有名ですよね! では、それらを外から塗って補ってどんどん水分を貯めておく! ということなのかなー。
扇谷先生
扇谷先生
うーん、そんなに単純ではないんですよね。そして、ヒアルロン酸はタンパク質で、真皮層という表皮よりも深い位置に存在しています。もしかしてそうした成分を塗ると、どんどん体に取り込まれると思っていませんか?
本田
本田
え、そのために塗るのではないんですか?
扇谷先生
扇谷先生
そう思ってらっしゃるならば、それは誤解です。ヒアルロン酸もセラミドも人が体の中で作っているものですから、安全性は高く、皮膚にふれて問題があるようなものではないです。
本田
本田
はい・・・
扇谷先生
扇谷先生
確かにヒアルロン酸は、関節内に注射して補充することもします。そうであっても、もし体に塗った分だけどんどん取り込まれたりはしません。取込まれるとしたらとても怖いことになります。
本田
本田
えー、そうなんですか。怖い事?
扇谷先生
扇谷先生
そもそも生物の体は細胞分裂によって作られるので、塗ったものがそのまま体の一部になったりはしません。しかもバリア機能があるので、分子が大きいものは入りません。
本田
本田
はい・・・
扇谷先生
扇谷先生
仮に塗ったものがそのまま体の一部に変化するとしたらです。過剰になったりとか、問題が起こりえますよ。
本田
本田
うわあ・・・
扇谷先生
扇谷先生
そうですねー、例えば何かを肌に塗った時には、皮膚表面から吸収されることもあるでしょう。そうだとしても、使われる時には血液やリンパ液で回収されてより低分子なものに分解されてからでしょうねー。
本田
本田
なるほどー。

適切な入浴時間あり!お風呂とスキンケアの関係

扇谷先生
扇谷先生
また、湯舟に長時間浸かったからといって、皮膚に水分が全部とりこまれて膨れてブヨブヨになったりしませんよね。私がお世話になった教授は「洗いすぎ」や「長風呂」しすぎないように!と医学生向けの授業や、患者さんによく話していました。
本田
本田
え!? 長風呂はよくないんですか? 温まって血行が良くなって、肌にとってもよいのかと。
扇谷先生
扇谷先生
できれば20分以内におさめてほしいです。それ以上は浸透圧の影響で余計に肌が乾燥することが考えられます。皮膚の必要な水分まで奪われてしまいます。
本田
本田
指先、シワシワにふやけたりしますよねー・・・。それはじつは水分取られてるんですかー。
扇谷先生
扇谷先生
それともうひとつ、ナイロンタオル皮膚炎という皮膚炎もあります。
本田
本田
それは病気なんですか?
扇谷先生
扇谷先生
はい。摩擦黒皮症タオルメラノーシスとも言われています。ナイロンタオルなどで長年、ゴシゴシと擦って、摩擦を加えることによって、色素沈着(黒ずみ)をきたしてしまいます。鎖骨部、肩部、上背部などの骨の直上におこしやすいです。
本田
本田
そんな皮膚トラブルもあるとは。洗う時に使うものも気を付けなければ。

ヒト型セラミドはよさそう!

本田
本田
先生のおっしゃるスキンケアの基本(フェンテ注:むろん洗ったのち補う、保護すること)としてやはり、どういった成分の物を使用するかは大事となってきますよね。
扇谷先生
扇谷先生
フェンテさんの商品は、ヒト型セラミドを3種類配合しているのがよいですね。
本田
本田
聞いたことはあっても、セラミドのこと・・・なんか分かってないような気がしてきました。
扇谷先生
扇谷先生
セラミドは肌の一番外側の、角質層の必須成分です。角質細胞どうしの隙間を満たし、細胞どうしや細胞と水分をつなぎとめています。表皮は0.2 mmほどですが、その最も外側の角質層はわずか0.02 mm程度しかありません。
本田
本田
さっきのお話であった保湿のおおもと!
扇谷先生
扇谷先生
最外層で、外表のあらゆる刺激からセラミドは、皮膚の内部を守ってくれています。肌のバリア機能を正常に働かせるために重要です。ただ、年齢と共にセラミドの量は減ってきます。
本田
本田
あー、ならば生まれて間もない赤ちゃんの方が、むしろ天然のセラミドは多い!
扇谷先生
扇谷先生
はい、でもですね・・・
本田
本田
赤ちゃんは先生のスキンケア講座にあったとおり表皮、皮膚が薄いから、バリア機能が弱い!
扇谷先生
扇谷先生
そうそう
本田
本田
セラミドも蒸発するとかして、なくなったりするのかなー。蒸発しやすかったりすると、水分の保持も難しくなる?
扇谷先生
扇谷先生
うーん、蒸発はしません。ただ、間違った洗いすぎ、こすりすぎなどによって、バリア機能が破綻することで、流れてしまうことはあります。なので、自己産生したセラミドだけでは足りない可能性があるので、外からも補ってあげる。その時に、親和性の高い、角層までの浸透性の高いヒト型セラミドはよさそうですね。今は研究が進んで、セラミドの分類も細分化されています。でも、さすがに細かい分類は私たち皮膚科医もすべては覚えていません。
本田
本田
ヒト型セラミドは、本来体が作ってくれているものみたいな種類なんですね。そういうものなら安心して使えそう。
扇谷先生
扇谷先生
そうですね。まぁ一概に言えませんが。「自然派」「オーガニック」「防腐剤フリー」と表記されているものが必ずしもよいとは限らないこともあります。

シロキクラゲエキスには古典的存在感?

本田
本田
ところで、先生、シロキクラゲエキスってどう思いますか? ヒアルロン酸Naよりも保湿するらしいのですが。
扇谷先生
扇谷先生
実は不勉強で、今回、フェンテさんにお話を頂いて知った成分でした。なので、私なりに調べてみました。シロキクラゲ多糖体は、分子量80万~100万の酸性複合多糖体であり、水によく溶け、高い水分保持と粘性をもち、水溶液の感触は類似の酸性多糖であるヒアルロン酸と比較して塗布時のベタつきや乾燥時のつっぱり感の少なさが特徴です。

引用:シロキクラゲ多糖体の基本情報・配合目的・安全性 | 化粧品成分オンライン

本田
本田
古くは楊貴妃が美容のために食したとか!
扇谷先生
扇谷先生
そうなんですか?
本田
本田
古い文献で、楊貴妃や西太后が美や滋養強壮のために! って書いてありました。
扇谷先生
扇谷先生
そんなに古くから使われているものなのですね。漢方としても使用されているようですね。
本田
本田
とても希少な高級食材だとか。

使い勝手のよさは大切!

扇谷先生
扇谷先生
商品を選ぶとしたらもっと重視したいことがないですか? 保湿バリア機能のためには、外の刺激に触れなくすればいいのですが、それがベトベトしたり、塗りにくかったりすると嫌なのでは。
本田
本田
先生としても利用者目線の使い勝手は気になるということですね。
扇谷先生
扇谷先生
投薬するときの患者さんの声にはいつも耳を傾けています。使いにくくてお薬を止めてしまうことも避けたいですからね。そういう意識があると薬でなくとも使いやすさは気をつけたいです。
本田
本田
そうですよねー
本田
本田
グリチルリチン酸ステアリルはどうですか? グリチルリチン酸ジカリウムの2倍の効果があるらしいのですが。
扇谷先生
扇谷先生
2倍? 抗炎症作用が2倍ってことですかね。グリチルリチン酸ジカリウムは医薬部外品ですが、厚生労働省が承認して化粧品類に広く使用されているものですね。基本的にグリチルリチン酸は甘草に含まれる生薬成分で、優れた消炎作用があるので、医薬品にも使われています。消炎作用がありますね。特に漢方で甘草はよく含まれていて馴染みがある成分です。
本田
本田
そうなんですね。
扇谷先生
扇谷先生
グリチルレチン酸ステアリルというのは・・・すぐ分ると思うので確認してみましょう。
本田
本田
はい
扇谷先生
扇谷先生
グリチルレチン酸ステアリルとなると「油脂類に対する溶解性の高さと紫外線や自動酸化に対する安定性の高さが特徴」になるようですね。
本田
本田
ほおほお
扇谷先生
扇谷先生
脂溶性で形が変わりにくくなった状態ということですね。化粧品に配合される場合は、抗炎症作用、抗アレルギー作用があるという文献があります。また、医薬品でも抗アレルギー作用目的で配合されているようですね。
本田
本田
そうなんですね。
扇谷先生
扇谷先生
汎用されている成分で、有効性があるDataがあるのは安心ですね。もちろん配合分量の上限は設けられているようですが。

アトピー性皮膚炎のこと

本田
本田
詳しく教えて頂いたアトピーのことなんですがー
扇谷先生
扇谷先生
アトピー性皮膚炎ですね。
本田
本田
アトピー素因がある場合は特に小さなうちからケアしておくといいと!
扇谷先生
扇谷先生
友人の医師の事例をご紹介しました。その場合はよい結果が出ていますね。
本田
本田
アトピー素因のうち、家族にアレルギー性の疾患の例があるかの話は分かるんですが、IgE抗体を産生しやすいと気をつけないといけないのですか? 実は免疫の話はフェンテブログにも調べて書いたものがあるんです!
よく分かる免疫や抗体!心配せずに克服する新型コロナウイルス【獲得免疫編】すでに見えているものもあるのに、なぜことさらに危機だけが煽られるのか、メディアのようなものがそうするのは、視聴率やクリック数を意識するか...
扇谷先生
扇谷先生
あら、本当だ。なかなか詳しくて、読み応えありそうなので後から読んでおきますね。
本田
本田
ありがとうございます。そこで抗体の種類も調べてあるのですが、IgE抗体は詳細を突き止められておらず詳しく書けませんでした。
扇谷先生
扇谷先生
免疫については、簡単には話せないですし、IgE抗体を産生しやすいかどうかも、自己判断はできないと思います。診断はまかせて頂いて、分かりやすく説明できる機会があればいいですね。

まとめ:ちょっとだけ心掛けてスキンケアを!

本田
本田
これは続編に期待かなー、先生いろいろありがとうございました。今後ともよろしくご指導お願いします!
扇谷先生
扇谷先生
みなさん、ちょっとだけ心掛けてスキンケア頑張ってください!


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