大きなコンビネーション遊具が遊び応えあり! です。東京のやや離れた郊外といえるでしょう。圏央道よりはずっと内側、埼玉県上尾市にある上尾丸山公園。上尾市の市街地でなく荒川の流れの近く。周囲も公園内も自然に恵まれています。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。一般的な運用とはまるで違い、1年中遊んで構わないという水遊び場は中間地点。南入口には大型遊具の児童遊園地。北入口から「あげお花しょうぶ祭り」の舞台となる花菖蒲田を進んだ先のアスレチック広場。
子どもの遊びで注目なこの3つのほかにも、ゴールデンウイークには大池を横断するように乱舞する鯉のぼりが、子どもを祝福します。上尾天文台での天体観察も興味深い催し。これらすべて駐車場含めて、その気になれば一切のお金を使わずに遊べる完全無料の公園。
さらに春の「上尾さくらまつり」の主役となる修景池周辺中心に植えられたソメイヨシノの桜並木(約250本)、初夏の菖蒲、秋には壁泉を彩るもみじの紅葉など、大人にも愛されている公園です。
広くて大きく、自然豊かな中で活発に遊べる東京近郊の上尾丸山公園を、いつものように独自に撮影した写真を満載して、お出かけのプランに役立つように見てみます。
子どもが大型遊具で遊べる上尾丸山公園をしっかり解説!
1978(昭和53)年に水と緑の調和をテーマに開園しただけに、名前の通り約2.4 haにも及ぶ大池が大迫力ながら、それに限らず総面積は約14.88 ha。芝生広場や運動広場、さらには水生植物池や自然林、修景池として整備された小さめな方の池もあります。
細長くカーブを描いて公園のほぼ全域に横たわる迫力の大池、一見川のようにも見えます。グーグルマップなどで上空から見ればこれは! とピンときます。現在すぐ近くを流れている荒川は、この地域にかつての流れの痕跡を沢山残しています。
そういった名残りのうち、大池ははっきりとした大きなもののひとつです。南側の河川敷だったらしき平坦地に大型コンビネーション遊具のある児童遊園地。
北側のカーブを描いた円弧の内側は、ちょっとした斜面になっています。この斜面の林間には、アスレチック風の木製大型遊具が置かれています。まずはこのふたつの大きな遊具に注目してみます。
ダイナミックな児童遊園地の大型遊具で競演するもの
児童遊園地の大型コンビネーション遊具は、ローラースライダーをはじめとする滑り台、ネットトンネルとおのおのの足場を結ぶ吊り橋が組み合わされたものです。
真ん中の高い塔からは黄色いローラースライダーが大きな弧を描きながら発進しています。
下の階からはいたって普通の滑り台。ローラースライダーの対面に設置されています。
残りの対面からは、それぞれ板の足場が吊るされた橋が伸びています。特に2連になっているほう、公園南入口から見て奥側の橋の先は、旋回する滑り台に連結する台場。
360度まではちょっと足りないものの、かなりな旋回ぶり。チューブ式でないのは珍しいかも! さすがにガードが添えられています。
反対側の吊り橋の先からは中央の塔への階段が連絡しています。真ん中の大きな塔がフロア2段、両サイドにフロア1段の小さな塔というのが、おおまかな遊具の構成。
さらにブランコがくっついている形です。
上りの手段としてはロープを使う丸太の斜面と梯子。
ネットでできた梯子上のもの。
フロアをくり抜いた穴に続くリング梯子など。この台場には階段はありません。迂回するならブランコ横の階段から3つの塔を、吊り橋を使って経由してきます。
そのブランコ側の台場にも板の斜面があり、こちらは足場兼グリップを使い上ります。
中央の高い塔の最初のフロアに向かうのは螺旋階段風。ただし、いわゆる階段ではなく棒がぐるりと導いてくれるだけ。
とても面白い趣向です。這って行っても、可能ながらバランスを取って立って歩いていってもいいでしょう。
距離をかけて歯ごたえを楽しむならば、長いネットトンネルを利用する手もあります。
くねくねした部分と斜面が組み合わさっています。経路がいろいろで複雑な組み合わせのため、見掛け以上に相当遊べる複合遊具になっています。
林間の斜面にはアスレチック広場
大池がカーブを描く斜面の内側にあるアスレチック広場には、もうひとつのローラースライダーや、ターザンロープ、木製のアスレチック風複合遊具が置かれています。
ローラースライダーが発進しているのはわんぱくとりで。緑色に塗られた木製の遊具です。
片方の端からローラースライダーが発進するこの砦。
全体はL字型で上ったり、下りたり渡ったり。
両辺が交差する要の位置にはちょっとした冒険が隠されています。
ここで挑むのは垂直棒での遊び! それほど高く、長くはありません。見守りつきなら随分早くからやってみれそう。
遊具には6歳から12歳用だと掲げてあります。どんな公園でもこういった掲示が意味するものは、あくまで子どもだけで自由に遊ぶ時にはということ。
この過ぎない高さと刺激は、上りでも下りでもほど良い感じ。ただし、上りで棒から床面に移動するのはある程度の力が要りそうです。いずれにせよ、どうするかの判断は6歳以上でも保護者がしっかり見守っていてするしかなさそうです。
ローラースライダーと反対側の台場は、ごく一般的な木製の階段。
そこから垂直棒に向かってゆく吊り橋も、隙間すらない木の板のもので幅も充分。明らかに難易度をあげているのは、この短いはんとう棒がゆえです。
棒を使って遊ぶか否かは別として、穴からの転落さえ気をつければローラースライダーの利用には問題はなさそうです。いずれにせよ、あくまでも見守りをお願いしたいというのは公園での子どもの遊びの鉄則。よく承知して遊びたい遊具です。
アスレチック広場の緑色の木製アスレチック遊具は、もうひとつあります。
こちらは渡りが中心になっています。
途中の吊り橋は明らかに難易度が上。特に丸太が連なっていない方は相当スリリング。おまけに結構な傾斜がついています。見た目からして判断がつくだろうということなのか、特に年齢制限など注意書きはありません。
ロープを使う斜面上りもなかなかハードな長さ。途中の迂回路もなく、スタート地点のネットが入口なのか出口なのか、この急斜面は上りなのか下りなのか、なんとも解釈し難いものになっています。
つまりこれは遊具というよりも、かなり本気でアスレチックさせたいフィールドアスレチックなものということになるのでしょう。わんぱくとりでのことさらな表示といい、なにかユニークな上尾丸山公園のアスレチック広場です。
ターザンロープについては、設置場所に傾斜もなく単レーンのごく一般的なものです。スタート台には6歳から12歳までとの表示。特に終点での衝撃からの転落を恐れて、このような制限があるのもよく見ます。
他に木製遊具では丸太渡りというか、平均台というかそんな感じのもの。4本が組み合わされています。
木製遊具が揃うこの広場にはやや唐突に感じる、樹脂製のスプリング遊具も少々! ただし耐候性が気になる木製遊具と同じくらい、スプリング遊具もメンテナンスが大切です。
季節を問わず1年中利用可能なのが珍しい!水遊び場
児童遊園地とアスレチック広場の中間地点、そこで大池に並んで広がる芝生広場を挟んだ流れが水遊び場になっています。
秋には紅葉が取り囲む景色が美しい壁泉から続くのがこの流れ。木陰でもあり気持ちよく遊べます。年間通して利用できるとはいえ、シーズンはやはり暖かい時期でしょう。清掃日となった場合は夏でも利用できない時があります。
利用時間:11時頃~15時(夏休みは10時頃から)
芝生広場に隣接しているので、持込テントなどを設営しながら水遊びもいい感じです。
水遊び場のある辺りのアスレチック広場側、管理事務所の向かいのところには休憩所。
日曜日は売店もオープンします。普段は飲料の自動販売機が利用できます。
椅子とテーブルは自由に利用。
ここからは眼下に続く芝生広場と大池の眺めもいいです。
ローラースケートやスケートボードは運動広場で
児童遊園地の隣には運動広場。南入口から入ってすぐの土のグランドです。さらに周回路があるので、特にローラースケート、スケートボードなどはここで遊んで欲しいとのことです。
修景池に向かう運動広場脇の通路にたくさんの自動販売機があります。トイレもこの辺りです。
上尾丸山公園内のその他の施設
公園入口近くの表示や標識こそ正式名称の上尾丸山公園ながら、バス停名や道路標示を見ても、地元では丸山公園で通っています。あまり遠来の客は意識していないのか、遠くから案内している標識などは、ざっと見る限りありませんでした。
園内の上尾市バーベキュー場も市内在住か在勤、在学という条件付きの利用です。けれども公園としてのクオリティはその範囲に留まってはいないと思えます。遊具の他にどんな施設があるのかも、みておきます。
利用方法はさまざま、自然学習館
北口駐車場から入ってすぐのところにある建物は自然学習館。展示ロビーで上尾の自然を展示しています。
この展示ロビーには空調の効いた屋内のフリースペースがあります。一休みできるテーブルと椅子が置かれています。
落ち着いてトイレを利用したい場合もここにある! と覚えておきたいです。子どもサイズの対応もあり、オムツ替え台も備わっています。
図書類も並べられ、イベントなどを行うほか、工作実験室や会議室、多目的室、和室など団体利用できる部屋があります。
またJAさいたまの丸山公園直売所もこの建物に入っています。
別の棟となる上尾天文台は、3種類5台の望遠鏡を備える天体観測施設。星空だけでなく昼間に太陽の観察も行っています。天候不良でなければ太陽は土日の13時~17時、暗くなってからは土曜日の19時~21時(6月~8月は30分、後にずれます)、随時受付で無料で参加できます。
ミーアキャット、アライグマなどがいる小動物コーナーも無料
檻の中には、ミーアキャット、アライグマ、ウサギ、ヤクシマヤギ、ワオキツネザル、ムジエボシドリなど。なかよしひろばではモルモットとのふれあいがある小動物コーナー。
こちらも入場料や料金は不要ながら遊べる時間や曜日が決まっています。その点だけ注意です。
小動物コーナー開園時間:9時~16時30分(10月~3月は16時まで)
休園日:火曜日(祝日の場合は翌日)
なかよしひろば開催日:水曜日から日曜日
利用時間:10時~11時、13時30分~14時30分
上尾丸山公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:埼玉県上尾市大字平方3326番地
連絡先:048-781-0163(丸山公園管理事務所)
上尾道路を使って自動車で向かうのが便利な公園です。上尾駅からのバスは公園の2ヵ所に停車します。
【自動車を利用する場合】
駐車場:無料(484台)
南口駐車場(第1駐車場177台、第2駐車場150台、公園南入口児童遊園地隣)
北口駐車場(97台、場内に自然学習館バス停あり、天文台隣)
北駐車場(61台、公園北入口)
駐車場利用時間:6時~20時
最寄インターチェンジ:首都圏中央連絡自動車道路桶川北本(約5.2 km)
東京方面からの場合は、さほど距離は変らない首都高速大宮線の与野I.Cの利用を検討できます。このルートは大宮周辺の混雑を抜けなければならないことは考慮すべきです。
いずれにせよ、国道17号線のよく整備されたバイパスとなっている上尾道路を利用することになります。桶川北本I.Cからの場合、丸山公園北という交差点があります。与野I.Cからの場合には、アリオ上尾のある壱丁目北交差点を左折するのが一般的でしょう。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄り駅:JR高崎線上尾駅バス便約25分
JR上尾駅からバス便があります。公式サイトでの案内は
市内循環バス「ぐるっとくん」/JR上尾駅西口から、バス乗り場(5番)平方丸山公園線(リハビリセンター行き)で「丸山公園南口」または「自然学習館」下車
東武バス/JR上尾駅西口6番のりばから「丸山公園」行き(約25分)終点下車
となっているように上尾市の循環バスと東武バスの2路線があります。上尾丸山公園の周囲こそ荒川沿いの農耕地も多いとはいえ、特に駅から上尾道路の辺りまでは市街地です。けれどもそこから上尾丸山公園方面に向かうのは、ややマイナーな路線になります。
ぐるっとくんは上尾駅西口とリハビリテーションセンター間を恵和園経由で巡回している路線です。丸山公園行は1日4便、上尾駅行きは1日5便のみです。
公園南入口にある丸山公園バス停から発着となる東武バスと併せても、かなり運行本数が少ないです(丸山公園バス停留所は大宮駅間も運行、それでも少ないです)。
バスを利用する場合は事前によく時刻をチェックした方がよいでしょう。
関連リンク:ぐるっとくん時刻表、東武バス時刻表(該当するのは丸山公園行のみ)
まとめ:上尾市民のための公園ながら、ぜひお邪魔したい充実度
上尾市の運営する公園で、第1の目的は市民の憩いと文化活動のための場所。とはいえかなりの充実度のため、お邪魔させてもらう価値はあります。遊具が立ち並ぶというほどではないにしろ、それぞれの遊び甲斐も充分です。
関連リンク:上尾市ウェブサイト上尾丸山公園