丹沢を巡る登山客のゲートになっている秦野市の神奈川県立秦野戸川公園には、大自然の中らしく思い切り遊べる子どもの広場があります。季節には本物の川遊びができる、園内の水無川の河川敷には、ふわふわドームと大型コンビネーション遊具が備わっています。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。大型遊具と丹沢山地のビジターセンターの展示や施設は、無料で利用できます。さらに少々の費用で使えるバーベキュー場や、本格クライミングウォールへのチャレンジなども楽しい公園。
クライミングウォールも、体験版の小さな方なら無料で自由に試してみれます。このクライミングウォールのある山岳スポーツセンターには宿泊施設もあり、泊まれる公園にもなっています。
アクティブに遊ぶ遊具は大自然の中で過ごすのにピッタリ。そして、園内では少しだけ丹沢の自然に親しんでみるのもあり。それが成長に連れて、本格的な山登りに挑戦する序章になるやもしれません。
将来の楽しみを抱きながらまずは、大自然に馴染んでみるのにちょうどよい秦野戸川公園を、いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べる秦野戸川公園をしっかり解説!
公園全域は50.7ヘクタールに及びます。主なエリアは秦野市街に向かって流れる水無川を跨ぐ風の吊り橋の両岸と、橋を臨む河原にあります。
子どもと遊ぶ時に注目したいのは、なんといっても遊具のある子どもの広場、場合によっては、バーベキュー場や山岳スポーツセンターになります。他に秦野戸川公園には、多目的グランド、お茶室、自然観察の森などがあります。
子どもの広場の大型遊具は違う遊び方になるふたつ
丹沢から流れ出る水無川の河川敷といっていいでしょう。まさにこれから谷間が開ける辺りという雰囲気は、さすが丹沢の入口だけあります。子どもの広場にある大型遊具はふたつ。ふたコブのふわふわドームと、この地を再現しようという狙いの大型コンビネーション遊具です。
フワフワジャンプ
秦野戸川公園のふわふわドームは名づけてフワフワジャンプ。大きな山と小さな山が瓢箪型に繋がった本物のふわふわドームです。
本物だというのは、それを証明する送風装置があることでひと目で分かります。もちろん、子どもはそんなことは関係なく、遊び始めればすぐに実感します。常に空気が調整されて極上のフワフワ感。
とてもアクティブに遊べて、秦野戸川公園にはピッタリです。ただしふたコブあってもひとつだけなことに違いはありません。幼児にも遊んでもらうために利用は小学生までになっています。
そして、空気を調整する本物だということで稼働時間が決まっています。ご利用にあたっては時間のチェックを忘れずに! ただし、子どもが遊ぶ時間帯はしっかりカバーしているので心配は要りません。
利用時間:9時~16時30分(12月~2月は16時まで)
大型コンビネーション遊具
狙いはこの地を再現しようという大型コンビネーション遊具。山と山小屋をイメージしているコンビネーション遊具の両端を、風の吊り橋をイメージした橋で結ぶ構成です。子どもの広場はフワフワジャンプといい、とてもアクティブな遊具が揃うのが特徴です。
眺めのよい大きな山の部分
高い塔になっているほうは、断崖のある大きな山のイメージ、5歳以上を想定して作られています。
この眺めの良い塔へはマウンテンネット、
ネットアタック、いずれかを経て向かうことになります。つまり頂点へのアプローチはいずれにせよネット。
ネットアタックへは大きな山と小さな山を結ぶ、風の吊り橋をイメージしたロープブリッジから。
この経路の場合、やっぱり止めた! と手前からトンネルスライダーで地上に戻る方法もあります。
マウンテンネットからのアプローチはいきなりゴムグリップ登り
ロープ登りなど急坂を登る手もあります。
このふたつある板の急坂の迂回路は梯子です。
この遊具の山の場合、本来の入口は探検洞窟と名のつくデッキの下の部分です。
急坂への梯子を選ばずステップという木の足場を渡って、
ジャングルジムへ向かってもいいです。
さらに先にある最初の足場へは、パイプ登りというラダーが掛けてあります。パイプ登りは梯子の間隔が2種類です。もう一段上の足場に行けばマウンテンネットのある足場。ここへはゴムグリップ登りで直接行ってもいいです。
帰り道は2段目の足場からビックウェーブスライダーで滑り下ります。
小さな方の山には山小屋もある設定
大きな山のほうの展望塔からは、小さな山となるネットマウンテンが見下ろせます。こちらは5歳未満の幼児が対象となっています。周囲は縁台となって見守りの場。曲がりくねったウェーブデッキからのアプローチは、ちょっとした冒険になっています。
ネットマウンテンの傍らには山小屋トンネル。屋根にあたる部分は尾根筋をイメージしているように見えます。ここへは階段で向かうのです。
尾根筋にはネットアタックからのアプローチも可能。
ただし大きな山に向かうロープブリッジへ直接接続はしません。ネットアタックから階段までの縦走で小さな山は完結。対象年齢でしっかり区切られています。
実は階段を上ってすぐに、ワイドスライダーで下山できる仕組みです。
秦野戸川公園の川遊び場
子ども広場のさらに河原側にはオブジェのような岩が並ぶ風神の砦。この辺りの川は水遊び場になっています。
管理はされているとはいえ、水無川の天然の流れそのもの。
天然の河川ですから当然、流れに変化はあります。もちろんそんな事情がなくても、見守りが肝心なのは言うまでもありません。
水量の変化を考慮して上流側は立ち入り禁止。
渡河のための道が作ってあります。ここを渡れないような水量の時は水遊びは中止です。自然の流れながら、状況を見極めれば安全性に問題ありません。
川の流れの傍らにバーベキュー場
炉の使用料は必要ながら、この大自然を満喫するひとつの方法がバーベキュー。秦野戸川公園で貸出してくれるのは鉄板、網、火ばさみ・運搬用カート、他は食材含めて持込になります。
利用料金:(1炉)
7月1日~8月31日1部(9時30分~14時)3,100円、2部(15時~18時)2,550円
その他の営業日(9時30分~15時30分)平日2,550円、土日祝日3,100円
休業日:12月1日~2月28日
チューリップが名物!小さな庭の見本園
秦野戸川公園の正面口といえるのはやはり大倉の地。丹沢登山の拠点で、渋沢駅からのバスもここまでやってきます。パークセンターもここ。そして小さな庭の見本園という植物園もファンの多いところです。
桜の終わるころ頃から始まるチューリップによって、秦野戸川公園の花見の季節は続きます。さまざまな色で咲き乱れる姿もまた名物です。
背後には農体験場も! 梅、桜と続く花は、菜の花、チューリップ、藤棚のフジ、ギョイコウサクラが集中する季節が最盛期。冬のモミジまでほぼ年間を通して楽しめます。
お茶室となるおおすみ山居
山里庭園が見どころになるおおすみ山居。抹茶などで一服する場所。貸切って催事可能な茶室もあます。
利用料金:抹茶500円(主菓子付)、300円(干菓子付)
それぞれ温かいもの、冷たいものがあります。
(温冷あるコーヒー、オレンジジュースはクッキー付きで300円)
休業日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
県立秦野ビジターセンターは公園と丹沢の玄関口
秦野戸川公園の大倉入口にある秦野ビジターセンター(表丹沢・東丹沢エリア)は、丹沢湖(西丹沢エリア)と共に、丹沢の玄関口になっているビジターセンターのひとつ。ここ大倉の地は、いわゆる表丹沢の尾根踏破の登山口になります。
秦野ビジターセンターの展示室では、登山道の状況や自然情報、見どころなどを案内しています。そして丹沢の自然に親しむプログラムが企画されていて、ここで案内されていたりします。
常設展示としては、丹沢全域の模型や生き物、植物などを案内しています。丹沢に関する情報を得れる図書コーナーもあります。
秦野ビジターセンターの展示室は、秦野戸川公園のパークセンターと同居しています。
ここでは、2階にある和室の無料の休憩室が使えるのを覚えておきたいです。
秦野戸川公園にはレストランはなく、喫茶についておおすみ山居や、バーベキュー場でのソフトクリームやビールの販売があるのみです。ただし、簡単な軽食程度ならばパークセンター前の広場に出店が出ています。
開館時間:9時~16時30分
休館日:年末年始(12月29日~1月3日)
評判の蕎麦屋にも注目!
また公園前の蕎麦屋、「手打ちそば さか間」は名店との評判。秦野自慢の名水が生きた自家製粉の蕎麦にも注目です。
定休日:木曜、第3水曜
営業時間:11時~18時
秦野の名水については水無川の下流、市街地の公園の関連記事で触れています。
山岳スポーツセンターには宿泊施設とクライミングウォール
宿泊施設を備えた山岳スポーツセンターは、大倉入口からは風の吊り橋を渡った先、こちらを先ず訪れるならば、対岸の諏訪丸駐車場を目指したほうがよいです。
高さ15 mになる大きなクライミングウォールの他、宿泊室、研修・トレーニング室が利用できます。研修・トレーニングルームには室内クライミングウォールがあります。
大きなほうと、室内のクライミングウォールの利用は、費用の他に神奈川県山岳連盟が認める資格が必要になります。
資格を得るために講習会に参加するなどの方法があります。そのように本格的に取り組む気がなくとも、トラバース(横行)専用となる高さ2 mのミニクライミングウォールは無料で自由に遊べます。
開館時間:9時~17時
休館日:月曜日(祝祭日、夏休み期間は開館)、祝祭日の翌日、年末年始
屋外クライミングウォール
利用料金:午前470円、午後620円
研修・トレーニングルーム
利用料金:午前160円、午後210円
有料設備の料金は一人につき、他に大会や団体など専用利用料金あり
宿泊施設
利用料金:(一泊)小学生1,550円、中学生以上3,090円
部屋は一時利用(9時~17時)可能、1時間160円
関連リンク:神奈川県立山岳スポーツセンター
丹沢山地について
神奈川県最高峰となる蛭ヶ岳(1673 m)など1500 m以上の山が9座。ほかに著名な東端部の大山(1252 m)など、県の北西部を占める山地です。
首都圏の登山の場として、身近でありながら、変化に富み、それなりに険しさもあって人気があります。エリアは神奈川県の6分の1ほどにも及びます。年間の登山者は20万人を大きく超えると神奈川県が公表しています。
秦野戸川公園内でも、山岳スポーツセンターの背後に自然観察の森や観察池があり、丹沢山地の冒険気分を味わえるようになっています。
秦野戸川公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:神奈川県秦野市堀山下1513(パークセンター)
連絡先:0463-87-9020
新東名の秦野丹沢スマートICは公園からすぐに設置されています。公園の正面といえる大倉までバスが運行、人気の登山の拠点でもあり、市街地から遠い割にはバス便も使えます。登山客はここに戻って来るとは限らないため、バスを利用するしかない場合があるのです。
【自動車を利用する場合】
駐車場:有料(30分以内は無料)
駐車料金:
2時間まで100円(310円)、2時間超200円(520円)、10時間超400円(1,040円)
かっこ内は土日祝日、夏休み(7月21日~8月31日、年末年始(12月29日~1月3日)の料金。
利用時間:8時~21時
大倉駐車場(普通車150台、中型車10台)はパークセンター裏だけでなく、斜面下にももう一面用意されています。
大倉とは水無川対岸になる諏訪丸駐車場(普通車77台)。秦野丹沢スマートICを下りるとすぐの場所です。山岳スポーツセンターへは、こちらが近いです。
水無川駐車場(普通車75台)は子どもの広場からもっと下流、多目的グランドA、少年野球場を経た先になります。
最寄インターチェンジ:新東名高速道路秦野丹沢スマートICすぐ
新東名の秦野丹沢スマートICを下りればもう公園が目の前です。新東名の開通で自動車での利用が極めて便利な公園になりました。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄り駅:小田急小田原線渋沢駅北口のりば2よりバス便約15分
最寄バス停留所:大倉(神奈中バス渋02系統大倉行き終点)
毎時2本程度の運行になります。土日祝日は大倉行朝の7、8時台と大倉発16、17時台は毎時4本運行します。
まとめ:本格的なチャレンジの前線基地で味わう冒険は本物気分
丹沢登山の拠点だけあって、奥深い山の入口ながら整った施設が特徴の公園です。豪快に遊べる遊具と一緒に、川遊びでも、バーベキューでも、クライミング体験でも、少し大自然を味わう楽しみをプラスするのがポイントに思える公園です。
公式サイト:神奈川県立秦野戸川公園