郊外の大きな公園は遊具の種類も多く、駐車場も無料で用意されたり、一日ゆったりと遊ぶのにはもってこい。もしくは大都市に限らず、駅前の公園の利便性も気軽に遊ぶにはとてもよいものです。そして、そんな公園は自ずと皆に知られていきます。
それでも、魅力的な公園は有名どころだけではない! と実感することがあります。それは小粒でもピリリと痺れる魅力がある公園に出会ったとき。遊具がちょっと辛口の難易度で面白いのが、平塚市の真土大塚山公園です。
公園の規模に惑わされることなく、コンパクトだからこその遊びやすさをポイントにまとめてみた関連記事もご参照頂けます。
神奈川のイチゴ狩りのメッカが近く、遊具は冒険心いっぱい
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思えた場所をご紹介しています。春の訪れをいちごの甘さと一緒に感じられる、真土大塚山公園はそんなスポットでもあります。行政からも、地域の人のための公園という位置づけがされています。
けれども、平塚市のいちご狩りスポットが間近という立地です。ならばセットで楽しむことで、楽しさが倍増しそうな公園。少し遠くからでも訪れる価値もでるというもの。
チャレンジングな遊具は、なかなかの魅力です。平塚市のいちご狩り情報を交えながら、イチゴの季節以外でも立ち寄りたくなるスパイスの効いた公園。小規模ですがご紹介したいと思います。
平塚はイチゴ狩りのメッカ?
神奈川県には全国的に有名なものがいろいろあります。港町横浜に箱根の温泉、湘南海岸もよく知られているハズです。箱根の手前の小田原も、戦国の歴史に登場しています。そうした地域と比べると、県央部というのはあまり特徴がないのかなと思われそうです。
神奈川県の県央部を見てみると
神奈川県の県央部といえば海に近いほうから平塚市、厚木市、少し小さな市でいうと伊勢原市という場所もあります。江戸時代から親しまれた大山など、丹沢山系は関東ではそこそこ知られています。秦野市も伊勢原と同じように丹沢と関係の深い地域です。
平塚市でも沿岸部は湘南海岸の一部と捉えられつつあります。何しろいまやかつての相模ナンバーではなく、走っている車のナンバープレートには湘南と書いてあります。
湘南ナンバーのお膝元、拡がる農業地帯にあるのは
その沿岸部に広がる平塚の市街地を少し北に行ったところ、ちょうど湘南ナンバーを管轄する陸運支局がある辺りが真土大塚山公園のある場所です。
湘南ナンバーに関していえば、軽自動車の検査協会も同じ場所の一角を占めています。新幹線が通り抜けているのも実はこのへん。そして一帯は農業地帯でもあります。
この一帯から丹沢の山に向かう県央地域では、イチゴ狩りができます。神奈川でイチゴ狩りといったら三浦半島か県央部(ほか横浜市内に数か所点在)。中でも真土大塚山公園の近くには、いくつかのいちご園が集まる湘南いちご狩りセンターがあります。
JA湘南の「あさつゆ広場」にある湘南いちご狩りセンター
JA湘南の大型農産物直売所あさつゆ広場で、受付してもらえる湘南いちご狩りセンター。5つのイチゴ狩り施設(圃場)を擁して、神奈川を代表するイチゴ狩りスポットになりました。
湘南いちご狩りセンターを含めたエリアはひらつか花アグリを形成しています。有料のフラワーガーデンと農業と園芸の体験学習施設花菜ガーデン(正式名称神奈川県立花と緑のふれあいセンター)、あさつゆ広場、湘南いちご狩りセンター、農業相談所農の体験、交流館、市民農園マイ菜ファームが集まってます。
湘南いちご狩りセンターは、イチゴ農家が協力して運営しています。その日一番良い状態の農園に、案内してもらえる仕組みです。
湘南いちご狩りセンター利用料金:30分食べ放題、練乳おかわり無料
小学生以上1600円、未就学児~2才900円(4月4日~はそれぞれ1200円、700円)
いちご狩り営業期間:1月5日~4月末日
住所:神奈川県平塚市寺田縄424-1(あさつゆ広場)
営業時間:10時~15時(受付終了14:30分)
駐車場:無料(花菜ガーデン駐車場を利用)
電話番号:090-6709-4051
予約客優先のため予約をしたほうがよいです。
圃場一覧 | |
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湘南いちご狩りセンター | なんちゃんいちご園 |
いちごはうす石塚 | |
南里農園 | |
石塚いちご園 | |
にみちゃんいちご |
湘南いちご狩りセンターへのアクセス
最寄りインターチェンジ:小田原厚木道路平塚IC
平塚方面に向かいすぐの「ひらつか花アグリ入口」を右折します。
バス便:平71・74系統バス
JR平塚駅北口(8番乗り場)~小田急小田原線秦野駅(1番乗り場)運行のバスに乗車
「平塚養護学校前」下車徒歩5分。
子どもが大型遊具で遊べる真土大塚山公園をしっかり解説!
真土大塚山公園のメインは、ローラー滑り台のある大型遊具です。滑り台部分はぐるんと大きくカーブしています。
規模は普通、カーブが特徴?曲者の仕掛けアリ
大型といっても至ってシンプルではあります。ローラー滑り台も長さは短いです。ただ短くて低いので思い切ったカーブが設定できるという利点があります。
この遊具、大きく二つのデッキに分かれています。ローラー滑り台に向かう部分と、もうひとつのデッキ。二つの連絡路になっている部分がまずは曲者です。
ジャングルジムのようなものながら、骨組みはもっと大雑把。渡りに使うのはロープです。足がかりも不安定ですし、グラグラします。そうですちょっと難しいのです。
スタート地点も案外辛口
そもそも最初のデッキに登るのも、安易な道はありません。クライミングウォールとなり、決して短いものではありません。よくあるパターンだと簡単な迂回路が設定される訳ですが…
むこう側は、ロープで渡る鉄骨の渡しです。途中に迂回路はありません。
いちおう、もう少し簡単な梯子上のルートがあります。ただし写真手前の梯子も、怖い子どももいるでしょう。いずれにせよクライミングウォールか、湾曲した梯子しか上る手段はありません。このデッキの上から景色を眺めるだけなら、向う側の網をよじ登ってきてもいいですが…
ローラー滑り台にフルコースで向かうためには、とにかく最初のデッキ、どちらかの手段で上るしかありません。
確かにローラー滑り台は急カーブが楽しいとはいえ、特に変哲もないものです。ただ辿り着いて滑り始めるまでの、難易度が高いという面白い趣向です。滑り台を滑るという結果の楽しみよりも、その機会を得るための過程に重きを置いています。遊具の哲学的に触れるような思想があります。
最後にまたひとつ試練が…
ローラー滑り台がついているデッキに向かうために、2番目となる試練。綱渡りを成功させても、さらに追い打ちをかけます。
最後の試練を乗り切ってこそ辿り着く滑り台、結果は案外短いです。必然的に即座に! またまた試練に立ち向かうことになります。長い滑り台も面白いのはいわずもがな、けれども何度も繰り返し滑りやすい短いものも面白いです。いやこのテンポのほうが楽しいこともあります。ローラー滑り台の奥は深いです。実際に、子どもはどうなのでしょうか? 遊んでいる子どもはとても楽しそうに見えます。
小さな子どもにも適した遊具も
もちろん真土大塚山公園が、小さな子どもを拒否している訳ではありません。手前の遊具は登りやすく滑り台は長めです。これまた絶妙な配置になっています。上手に傾斜を生かしています。
顔が描かれた遊具は面白くて楽しくて、適度にチャレンジできます。小さな子どもがよじ登るなら、結構な運動になりそう。見守る大人も安心でかつ運動にもなって好感度高い遊具です。
地道ながら、小さな子どもの遊びに欠かせないのが砂場。砂場もちゃんとあって大きいです。明るくて清潔そうなのはポイント高いです。
砂場の遊び道具は持参必須。砂場の道具入れには、汚れても大丈夫な専用の小型のカバンが欲しいです。ざっと洗えたりすると便利ですね。
公園での遊びの自由な選択肢あり
フリーのグランドも広いです。こちらも芝生とかではなく土です。広さは充分ですから、好きな遊びができます。こちらも遊び道具を忘れずに持っていきたいです。遊具は少ないですが自由度は高い公園です。
ちょっとしたものですが、この杭渡りも何気に難しそう。登り坂を上に向かっては特にそう。
ガンガン揺らしてくれよ! といっているようなデザイン。大人しくまたがるのもアリなかわいさも感じます。意外な対応力をみせる小さな公園です。
地域公園としては決して小さくはないですが、大きくアピールできるような何かがある訳でもないです。長いローラー滑り台がある訳でも、大型遊具が軒を連ねる訳でもありません。それにしてもこの難易度の設定具合や、設計思想がちょっといいなと思わせてくれます。チャレンジングで冗長でなく変化に富んでいます。
成長の過程でチャレンジするには、見守りがあったほうがいいでしょう。場所と子どもによってはすぐ下で、万一に備えたほうが安心かなという難易度に思います。とはいえ、一人で遊んで怖いと感じるならば、他の遊具も用意してあります。あまりに簡単なものばかりでは、逆に面白くない子もいるでしょう。
丘に駆け登るのもいい運動だと思います。フリーのグランドの広さといい、その気になればどんどん面白さが見つかる公園でもあるようです。オブジェのようなアーチが、入口と丘の前にあります。丘の方の大アーチといいどこか哲学な感じのする公園です。面白いスパイスが効いています。
トイレなどの整備も抜かりなし、コンビニ至近
トイレは身障者対応のものを含めて備わっています。公園は平成8年にできたということです。トイレもこの年代の公園の標準的な機能のものでしょう。特に不便はありません。
敷地の真横にあったコンビニはなくなっています。けれども東側にドラックストアとコンビニがあります。ちょっとした調達に困るような場所ではありません。おやつや軽食を取るならば、土のグランドや遊具のあるところよりも、丘のほうにいったほうが快適のように思います。その場合はベンチはありませんから敷物をお忘れなきよう!
真土大塚山公園は古墳の公園?
チャレンジングな遊具とグランド広場の他に、真土大塚山公園を構成するのは眺めの良い丘。丘のある西側を中心に、公園には桜が155本、ツツジが10,285株などの他、四季を通して咲く花がたくさん植えられています。
桜の咲く頃も有名なスポット
3月下旬の桜の季節から続いて、次にはツツジの開花となります。この頃がやはり見どころと言えそうです。多くの人が楽しみにするいわゆる花見の場所としても絶好の場所です。なにしろこの小高い丘があまりないロケーションです。平塚の主要な花見の場所のひとつになっています。丘の部分には草地もあります。
実在の古墳がモデルで再現されたものです
この小高い丘は大塚山古墳という、実在したものを模して作られたとのことです。実際には少し南側に昭和の中頃まであったというのです。それが消滅してしまったといいます。平塚市の博物館のガイドブックにある写真を見ると、それなりの大きさの墳丘が畑の中にはっきりと写っています。昭和10年に埋葬品が出土して存在が分かった後、戦後にかけて詳細はちょうど調査中だったとのこと。
昭和に起こった古墳消滅のミステリー
この大きさのものが消滅したといわれても、ミステリーでしかないです。この一帯が以前は砂丘地帯で、古墳も砂丘に土を盛ったものなことは分かっているようです。砂の塔閣ではありませんが、土台が砂だったならば、いきなり消えてしまうこともあり得るのかとちょっと驚くべき話です。
参考リンク:平塚市博物館ホームページ
真土大塚山公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:神奈川県平塚市西真土三丁目1019-1
市道真土金目線を挟んだ真土小学校の向かい側に公園はあります。
【自動車を利用する場合】
駐車場:ありません
残念ながら真土大塚山公園には駐車場がありません。また周囲に民間駐車場もごくわずかです。自動車での利用はとても不便です。公共交通機関を利用する方が無難です。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄り鉄道駅:JR平塚駅北口
利用バス停留所:「坂口」下車徒歩7分
運賃:大人290円、小人150円(IC運賃大人288円、小人144円)
真土大塚山公園へのバス便一覧 | ||
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系統 | 行き先 | 所要時間 |
平63系統 | 田村車庫行(住宅前・横内下経由) | 約18分 |
平67系統 | 田村車庫行(神明中学校・横内下経由) | 約11分 |
平68系統 | 愛甲石田駅行(住宅前・横内下経由) | 約18分 |
平86系統 | 伊勢原駅南口行(大田・横内・総合公園経由) | 約18分 |
4系統合わせると多くの便数があるため便利です。
まとめ:春の訪れとともに花開く公園、けれども遊具はいつでも魅力的
イチゴ狩りにお花見にと、旬の季節は春なのかと思う真土大塚山公園です。けれども遊具の難易度の設定、適度な規模のローラー滑り台は、とても魅力的です。わざわざ行くには利便性がよくないのが難点。
とはいえ機会があって訪れるならば、それなりに満足できる公園です。丘の上からの富士山の眺めもいい感じです。気軽に通えるご近所の方がうらやましくなります!
(湘南いちご狩りセンターと真土大塚山公園は徒歩で約4 kmの距離になります。)