ふたつのドラゴンが象徴になる、愛知県大府市の大府みどり公園。どちらも長い体を表現する遊具の連なりになっています。芝生に横たわり、園路も跨いでいるほうがメカドラゴン。こちらは頭部も大きなコンビネーション遊具。鉄骨が目立つのが命名の由来でしょう。
頭部が迫力満点の石のオブジェになっているほうは、ストーンドラゴンとして少しだけ小規模。尻尾に向かうに連れて、林間に入ってゆきます。大小のドラゴンの他にも、このモチーフの意匠はいろいろと点在していて、徹頭徹尾な公園のシンボルなことが分かります。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。公園西側には北崎大池、小さめの星名池とため池のある場所。他にも小さなため池に囲まれているのは、知多半島に続く名古屋の東側の土地柄とでもいうもの。
愛知用水が地元の有志たちの努力で1961(昭和36)年に完成するまでは、水利が悪く頼みの綱はため池だった地域。公園のドラゴンが、龍と一緒のものかは別として、かつては水神として祀られていたものが、楽しい冒険の神様にすり替わって存在しているかのよう。
このふたつのドラゴンの遊具で遊ぶほかにも、快適な水遊び場が、特に夏には公園の売り物です。やはり水とは、切っても切れない縁のある公園として、じゃぶじゃぶ池にも注目なのです。
地元にゆかりを感じさせる、生活密着型とでもいうべき市の公園。それにしてはなかなかの規模、あえてお出かけするくらいの価値はありそうな公園です。いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べる大府みどり公園をしっかり解説!
- 大府みどり公園の主な見どころ
- 冒険遊び場(メカドラゴン・ストーンドラゴン)
- 中央広場(パーゴラ・じゃぶじゃぶ池)
- 芝生広場
- バーベキュー場
メカドラゴンはピンクの遊具が連なる道の名前
メカドラゴンといっても、巨大な複合遊具ではありません。全体を統一して貫くのはピンクの色だけ。このイメージカラーが共通な以外は、まるっきり違った趣向の遊具が次々と連続しています。
ドラゴンは地面を縫うように表れているということなのか、おのおのも連結されているのでなく、園路で繋がっているだけの部分もあります。逆に園内の丘へ向かう架橋として、機能している部分もあります。
公式にはロボットのイメージとされて、なるほどメタルなものを連想させるオブジェも配置されています。
公園の、特に遊び場に置かれたものが、明確な意味を持っていなくてはならない訳は、どこにもありません。頭部の周りにいくつか置かれたものも、特に何か機能することもなし。それでも、なんだか気になってしまうところはあります。どこか思い入れは深い公園です。
メカドラゴンの頭部は、リングトンネルを進むとターザンロープに繋がるコンビネーション遊具です。
リングトンネルの入口の両サイドには、対になってザイルクライミングも設置されています。確かに公園内でも遊具の密度は高い場所です。
大きく開けられた、ドラゴンの口から発進するようにして遊ぶターザンロープ。スタート台は低いタイプです。
それから実は、ターザンロープも独立したものです。連結はしていません。
そういう意味では、これも対になっている半円形のラダーも、わずかにくっついているとはいえ、連結している状態ではないです。
厳密にはこの部分もいわゆるコンビネーション遊具というよりも、あくまで遊具の道。だからメカドラゴンの頭部でどうやって遊ぶのかは、極めて自由度が高いのです。
とはいえ、基本はリングトンネルを伝って上っていくのが面白いルート。一度は通ってみたい外せない部分です。リングの間隔も広く、ネットトンネルといってもいい感じで刺激的でもあります。
上った先からラダーを下りていけば、ターザンロープに向かうところです。もちろん両サイドの半円のラダーに向かってもよし、頭部をリングトンネルの方向に戻って離脱してもよし。上からしばし眺望を楽しんでいいのです。
こんな風にふたつのドラゴンが横たわる冒険遊び場は、基本的に遊具の道です。もうひとつのストーンドラゴンの頭部からでも、どちからでも胴体を進むとふたつのドラゴンの尻尾が交わるような感じの配置です。
少し間隔を開けて、メカドラゴンは胴体のほうに続けて進んで遊べます。
ロープが渡されていたり、いろいろな形の鉄パイプを潜り抜けたりの障害物部分。
掌が描かれた丸いプレートの裏には高さが表記されています。黒い輪っかに掴って進むところ同様、届かなければスルーです。
さらに少しの間隔を挟んだ先には、陸橋のようなものが!
これはゴムマットの橋になっています。軽快に飛び跳ねるように抜けていけます。
ネットを上ったところはリングトンネルというより、もうネット遊具そのもの。
抜けたところから、園路を跨ぐ橋になっています。ちなみに下の園路は、公園の北東側の入口に繋がります。第2駐車場があるところです。
渡り切ったところは丘の上、とりあえずメカドラゴンは終端を迎えます。
左右どちらかに短いチューブスライダーを使うか、まっすぐ突起付きのスロープで下りることになります。森の中に向かえばストーンドラゴンの尾の部分です。
ストーンドラゴンのイメージカラーは緑で林間も冒険
メカドラゴンの終端部らしきところから、林間を進むとストーンサークルが見えてきます。さらに先に見える緑色の部分がストーンドラゴンの一端。
尾の部分の辺りです。ストーンドラゴンのイメージカラーは緑。
体の後半は林間に展開するアスレチック遊具のような感じです。頭部が石のオブジェなストーンドラゴン、終端部もやはり石のオブジェです。
尻尾の末端の逆の方向には、真ん中が網の床でシースルーになっている台場。ふたつの樹脂製のスライダーが、台場の両端に対になっています。
どうやら後脚の部分ということのよう。足の形をしたクッション材に向かって、滑り台からは下りることになります。
となると、台場の先は胴体部分ということでしょう!
ここは起伏が設けられた渡り部分。あくまでドラゴンらしく細長く作られています。その中に、飛び石、ネット、スロープと仕掛けはいろいろです。
さらに前脚の辺りに至って
首の部分を経たのち、頭部となっている石のオブジェになっています。ストーンドラゴンの尻尾のほうに少しだけ分岐があるとはいえ、こんな風にふたつのドラゴンの頭部を結ぶ道に、遊具が一連で並ぶのが大府みどり公園の冒険遊び場です。
遊具の末端と頭部は接してさえいません。頭部の切れ込んだところに階段があっても、そこには上らないで! という注意書きがあります。
首の部分はちょっとしたハイライトになる豪快な吊り下げリングの渡りです。
ところで前脚の部分、ぐるりと見下ろせるのは搭になっているからです。
何気ないことながら、こうして冒険遊び場を細かくみてくると、この搭にはとても気になる点があります。なぜピンク色で、緑に塗られていないのかということです。
ひょっとして、この搭の突起がメカドラゴンの尻尾の端? 屋根を架けるでもなく、ただコンクリートの突起があるのは、あまりに不自然でもあります。
そう思えば、メカドラゴンの終端かと思った部分。どちらかといえば後脚のような形です。公式パンフレットをみると搭は、ストーンドラゴンの一部。それでもこれは! と思わざるを得ません。
管理事務所横の噴水のところはじゃぶじゃぶ池
公園の南東の端にあるのが入口広場。大府みどり公園の正式なエントランスは、ここになります。そこからタイル敷きの園路を進むと、管理事務所のある中央広場。
中央広場にはパーゴラが、石のアーチのように装飾されています。その前に噴水が湧き出ていて、水が溜まっています。
ここは通年で稼働はしている大府みどり公園のじゃぶじゃぶ池。立て看板には泳がないで! という注意書きも。そうはいっても、実際に小さな子どもでも泳げるような水深がある、じゃぶじゃぶ池もないでしょう。
特に大府みどり公園のじゃぶじゃぶ池は、どちらかといえば浅いタイプのほうです。この噴水、ときにはかなり高く吹き上がるのが面白いところ。公園の玄関口らしく、造り込まれたメルヘンな雰囲気もよい感じ。
園路のほうからずっとタイル張りが続いていて、きれいで安心して使える水遊び場。正式なじゃぶじゃぶ池なので、水の管理もしっかりしています。泳がないというほかにも、サンダルや靴で入らないように! とのお願いもあります。
パーゴラの下には、小さなものながらベンチがあります。この木陰のベンチは、混雑時どころか普段でも、とても充分なスペースではないです。周囲の木立の影など含めて、見守りしながら休憩するためにも、シートや簡易テントなど持参するとよいでしょう。
芝生と森を駆け巡るのも過ごし方のひとつ
エントランスから中央広場のさらに奥には、広い芝生広場もあります。自由に遊ぶにも、持ち込み用品でゆったり過ごすのも思いのまま。
冒険遊び場の裏手や、ドラゴンのゲートの先は野外体験の森になっています。もうひとつの市民の森よりも、野趣と起伏に富んでいるのはこちら。森の雰囲気そのものを散策できます。
かなり小振りになる市民の森のほうは、メカドラゴンの胴体の先、北側の出口から道路を渡ったところ。こちらは緑に囲まれた一本道といった感じになっています。市民が記念日に、植樹をしてできた森なので市民の森といっています。
人気のバーべーキュー場を利用するには
じゃぶじゃぶ池のある中央広場に隣接しているのはバーベキュー場。
予約して利用となるので、前日までに管理事務所に連絡して済ませておきます。
予約受付時間:9時~17時
休業日(管理事務所も):月曜(祝日の場合翌平日)、12月28日~1月4日
施設概要
バーベキューサイト31区画、炊事棟(屋根付、蛇口7基)、灰捨場
利用料金:
炉付きサイト11区画1,080円
持ち込みサイト20区画540円
日よけ1,000円
販売品(木炭1箱500円、網1枚500円)
(利用料金は1日、1サイトの標準人数は10名まで)
炉付きと持ち込みサイトを選んで、思い思いに楽しめるのが、開放的な雰囲気と相まってよいバーベキュー場です。全般的に、施設が行き届いているのが印象的な、大府みどり公園です。
大府みどり公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:愛知県大府市北崎町大根2‐193(大府みどり公園管理事務所)
連絡先:0562-48-8566
公園のすぐ北側は豊明市になっています。そこはちょうど、いわゆる名四国道が通っている場所。国道1号線と連絡する豊明インターから、6車線の高速道路のような一般道が始まった辺りです。伊勢湾岸道路もこの道の上に通されています。
【自動車を利用する場合】
駐車場:無料(170台)
駐車場利用時間:9時~19時
自動車での利用はとても便利な公園です。ただし名四国道からみて、大府みどり公園のところの道路は立体交差。どこで本線を離れたらいいのかは分かりにくいです。名四国道に特に案内はないため、豊明ICと北崎ICの間の南側にあるとしか説明できません。
北側の第2駐車場のほうが遊具には近く、第1駐車場のように公園の前の道を渡る必要もないです。駐車場は南側の第1駐車場のほうが大きいです。どちらを利用してもさほど変わらないので、遊具で遊ぶ場合でも、第2駐車場にこだわる必要はないと思えます。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄駅:名鉄名古屋本線前後駅約2 km
最寄バス停留所:大府みどり公園(大府ふれあいバス東コース、大府駅利用)
バス料金:1乗車100円
じゃぶじゃぶ池やキャンプ場に向かう、入口広場のところ、第1駐車場のある辺りにバス停留所もあります。大府駅を含む市内巡回の東コースを利用します。大府みどり公園は巡回ルートの駅の対面のようなところ、1日合わせて7便ある右、左まわりどちらでも時間の合う方を選択して大丈夫です。
まとめ:冒険遊び場の拘りを確かめにいくのも一興
ふたつのドラゴンが主役となる冒険遊び場、さらに水遊び場もキャンプ場も、ちょっとしたオブジェも、なんとなく拘りを感じる公園です。
それだけに、意外な楽しみを見つけてもおかしくない公園です。そこのところは、ぜひ自らの目で確かめに行って欲しい! と思えます。きっと子どもにも感じられるものなハズです。