公園で遊ぶとき、大型遊具のことだけ考えるならば、真夏の盛りは最適とは言えないかもしれません。そんなときに、何かいい選択肢はないのだろうか? と考えたならばもってこいの場所もあるのです。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。水辺の林間に置かれているのは、ターザンロープも組み込まれた大型コンビネーション遊具と、ザイルクライミング。
公園に沿って流れる、小平川の渓流に向かう流れ。それを跨ぐ複合遊具は、滑り台や登坂ネットなども楽しめ、展望台としても機能しています。ザイルクライミングと合わせて一通りそれなりに遊びが揃うものながら、ここでどうしても際立つ特徴はじゃぶじゃぶ池です。
それも滔々と流れる急流を分派して、安全に川遊びを楽しめるように作られた天然のじゃぶじゃぶ池なのです。だから流れは山間の清流そのもの。例え、うだるような暑さが襲っていたとしても、気持ちよい冷たさに変わりはありません。
むしろ、ただ足をつけて涼を取っていたとしても、心地よく冷やされる感じは体中に広がって、しまいにはまるでカキ氷を食べている時のように、キーンとした感じが頭に伝わってくるほどです。
渡良瀬川を遡って渓谷をなす辺り、織物で有名な群馬県の桐生市を、ふたつに分断する結果になった周囲の自治体の合併により、2006(平成18)年にできたのがみどり市。この新設された市にあるのが、関東エリアを見渡しても稀な魅力ある小平の里親水公園。
特に夏の遊び場としては、出色のものとなっているスポット。渓流の環境合わせて遠来の訪問に充分見合う公園を、いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べる小平の里親水公園をしっかり解説!
鍾乳洞や湿生植物園にキャンプ場と日帰り入浴施設になる遊湯館。これら山間部のエリアの入口となっているのは、ふれあいの館と食事処の狸穴亭。さらに小平の里には、ほんの少し上流部に離れた敷地となる、親水公園エリアがあります。
川遊びも組み込まれたコンビネーション遊具
親水公園エリアには大型遊具が設置されています。小平川の流れに向かう斜面は、ゆったりとくつろげる林間の親水広場風。広場の周囲を管理棟やトイレ棟、売店、野口水車保存館が取り囲んでいます。
広場に湧き出る流れは川に向かい、川岸にその流れを跨ぐようにして、大型コンビネーション遊具が聳えています。
3階部分が展望台、2階部分からはターザンロープが発進しています。
スタート位置は高い場所のため、なかなか豪快な持ち味のターザンロープ。ただし1階分の段差をいきなり飛び出すような、過激なものにはなっていません。
長いスロープがスタート台のようになっているのは、変わったタイプといえます。
スタートのためにロープを持ってくるときにも、この長いスロープを使います。スタート台の形状はターザンロープの性格を決める重要なポイント。
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この構造の結果、滑空位置がスロープの下端部分で高めです。だから少し刺激度も加わるものといえます。スロープ自体は助走を意識しているというより、ロープを回収するために必要な経路といった趣です。
管理棟とトイレ棟が成すゲートのような付近からは、この2階部分に回廊のようにアクセスできるようになっています。
途中からは川に向かって、滑り台も設置されています。
滑り台は、一般的なステンレスの座面のものではあるものの、なかなか幅広のタイプ。長さはさほどでもない代わり、自由に滑れる余地があります。
回廊にはネットを使って上っていく斜面も組み込まれているため、すぐに川に向かわずとも、ネット+滑り台を何度も試しても大丈夫。水遊び以外の季節のことも、一応は考えてはあるコンビネーション遊具です。
水遊びは、天然のじゃぶじゃぶ池のほうが本番
コンビネーション遊具が跨ぐもの含めて、斜面側の広場からは水の流れが川に向かっています。
小平川とはコンビネーション遊具の反対側となる、広場内の水の流れのところなら、こんな水遊び場もどこかで見たことはありそうです。とはいえこの部分でさえ、水道水が流れている訳ではないです。
天然の水の流れの心地良さは、そこら辺のじゃぶじゃぶ池とは明らかに違うもの。さらに小平の里親水公園が際立っているのは、この水が流れ込む川岸です。
川岸には本来の川の流れとは仕切られて、天然のじゃぶじゃぶ池が作られています。
流れる水は基本、川のほうから引き込んだものです。充分な水量とはいえ、本来の川の流れに比べれば、いたって穏やか。この点遊び場として、よくコントロールされています。
対岸ではちょうど滝となる流れもあります。当然こちら側には、立ち入るべきではありません。
本物の川遊びに違いないうえで、安全性もしっかり担保されています。これはほんとうに秀逸!
天然じゃぶじゃぶ池は、野口水車保存館のところから、コンビネーション遊具の先まで長く、ところによってはそれなりに幅広く確保されています。
水車を使った、ちょっとした遊び心の仕掛けもあって楽しげ。またこれがあることで、万が一川の水量が減る状況になって取水口が機能しなくなっても、導水できるのでしょう。
石や段差による流れの変化にも富んでいて、とにかく単調ではありません。
ザイルクライミングはそこそこの規模
親水公園入口になる駐車場のほうから入ってくると、まず目にはいるのがザイルクライミング。
トイレ棟と管理棟の作る、ゲートのようなところの手前に位置することになり、大きさはそこそこ。高さも挑戦的というほどではなく、かといってミニミニでもないくらい。
幼児が横渡りできる規模にとどまり、少し成長したならば、ちょっと上に行ってみる冒険もあり! という程度の難易度です。
小平の里親水公園部分の施設は
コンビネーション遊具のある、親水広場風のところを取り囲む建物は公園施設になっています。
いちばんコンビネーション遊具よりの建物にはトイレ。
ザイルクライミング側に、多目的トイレがあります。
オムツ替えシートが備わる、トイレになっています。
トイレとの間がゲートのようになっている、管理棟を挟んであるのは売店。
おやつ程度ならば飲食も可能です。ところてんとかアメリカンドッグなどが販売されます。飲み物やソフトアイス、かき氷に、大人には生ビールも! おつまみとしても利用できる枝豆なんかもあります。
さらにぐるりと回り込むと、水車のある建物が建っています。ここからは川を見下ろして眺められます。実際に動いているのは、ただの見世物ではなく、明治時代から精米に使われていた姿を、動態保存しているためです。
この様子を見れるのが野口水車保存館。大人100円、小・中学生50円の有料施設です。
野口水車保存館定休日:12月~3月の火曜日(祝日の場合は翌日)、12月28日~1月4日
鍾乳洞入口付近が小平の里の本拠地
親水公園の下流側、街の方向に200 mほどの場所が、小平の里としては拠点となる場所です。
小平鍾乳洞、湿生植物園、キャンプ場、遊湯館の入口になっています。親水公園に特に更衣の設備はないため、日帰り入浴施設になる遊湯館を、使いたくなることもあるかもしれません。
遊湯館とキャンプ場以外は、売店と管理事務所のあるふれあい館と、食事処の狸穴亭の前にある駐車場を利用します。
親水公園の売店には、食事らしきものはないため、狸穴亭も覚えておくとよいでしょう。季節の野菜てんぷらのついた狸穴定食そば・うどんの他、カレーうどんに自信ありとのことです。
ふれあい館の売店は、特産品などの他、民芸品など、おもちゃのようなものも売っています。
バス停留所は施設の前、川を渡ったところです。(バスは電話で呼び出し、下記のアクセスをご参照ください。)
狸穴亭の裏にひとつだけ、簡単な遊具も設置されています。
鍾乳洞・湿生植物園利用料金:大人310円、小・中学生150円
(どちらも、または片方だけでも同じ料金)
キャンプ場利用料金:
大人(宿泊)250円、(日帰り)150円
小人(宿泊)200円、(日帰り)70円(3歳以上小学生まで)
バーベキューハウス使用料2時間(大)7,000円、(大半棟)3,500円、(小)2,000円
テント料1泊(貸出)2,000円、(持込)550円
バンガロー1泊(大)20,000円(半棟)10,000円(小)3,500円
コテージ1泊(1棟)19,800円(11月~3月は15,000円)
野外ステージ使用料520円(1時間)興業の場合は21,000円
レクリエーションハウス無料(3時間まで)
各種有料レンタル品あり
遊湯館利用料金:大人350円、小人250円(3歳以上小学生まで)
小平の里施設定休日:
12月~3月の火曜日(祝日の場合は翌日)、12月28日~1月4日
(遊湯館は4月~11月の第4火曜も休み、12月31日、1月1日は営業)
営業時間:9時から(遊湯館10時から、狸穴亭11時から)
鍾乳洞・キャンプ場受付17時まで(10月~3月は16時まで)
湿生植物園16時まで(10月~3月は15時まで)
遊湯館20時まで(10月~3月は19時まで)
小平の里を訪れるには(アクセスについて)
住所:群馬県みどり市大間々町小平甲445(管理事務所・狸穴亭・小平鍾乳洞)
連絡先:0277-72-2148
公式サイトからの引用
電車のご利用
桐生→大間々 わたらせ渓谷鐵道で13分
バスのご利用
「電話でバス」は時刻表がなく、事前に電話予約すると、乗りたいバス停から降りたいバス停まで移動できる、便利な乗合バスです。
自動車道のご利用
北関東自動車道伊勢崎I.C.降車後右側「前橋・渋川」方面へ県道73号線経由約30分
太田藪塚I.C.より25分
渡良瀬川もそろそろ上流部に差し掛かろうとする辺り、高津戸峡は耶馬渓にも例えられる景勝地。渡良瀬川は日光足尾まで続き、中禅寺湖の背景の山並みの反対側の斜面に達しています。
小平川は高津戸峡のすぐ先で、渡良瀬川に注ぎ込む河川です。大間々を観光するならば渡良瀬川の上流方向だけでなく、この小平川を遡るルートも、もうひとつの道になっています。小平の里はこのルートにあるスポットになります。
【自動車を利用する場合】
駐車場:無料
親水公園の駐車場は入口付近のひとつだけです。ただし、鍾乳洞のほうの駐車場を利用しても構いません。
最寄インターチェンジ:北関東自動車道路太田藪塚約17 km、伊勢崎約18 km
太田藪塚でも、伊勢崎でもさほど距離は変わりません。東北道方面からなら太田藪塚、関越道方面からなら伊勢崎を利用した方が、それぞれ手前になるのでよいということです。
【公共交通機関を利用する場合】
みどり市では、ワゴン車両を利用した電話でバスを運行しています。230か所設定されているというバス停留所が、鍾乳洞口(遊湯館も)にもあります。特に時刻表はなく、電話で予約すると、適宜運行ルートを組み立ててくれます。わたらせ渓谷鐡道の大間々駅や、赤城駅から利用するとよいでしょう。乗車バス停と降車バス停を指定して予約します。
運行時間:8時30分~18時30分(年中無休)
バス運賃:(1回)大人300円、小学生以下150円、未就学児大人1人あたり2名無料
予約センター番号:0277-72-0011
(当日予約8時~17時30分、3日前予約13時~17時30分)
まとめ:夏で暑いからこそ気持ちのいい公園
海や高原へのお出かけが、まずは選択肢になりそうな真夏のレクリエーション。釣りでもするのでなければ、川で遊ぶのはなかなか視野に入らないものでしょう。特に遊具も揃って遊べる場所となると、ここ! という場所はあまりありません。
地元といえる前橋・桐生地域に高崎や伊勢崎、太田といった地域を加えたエリアから、手軽にアクセスできます。北関東自動車道は北関東一帯をひとつにした感もあります。さらには東京からだって、特別な場所になりえる遊び場でしょう。
小平の里親水公園の夏の魅力は、関東周辺に留まるどころか、どこまで範囲を広げれば同じようなものに出会えるのか、ひょっとして、ここがどこにも代えがたい場所? と思えるぐらいに充実したものといえます。
公式サイト:自然と人とのふれあいの里 小平の里