子どもと無料で楽しむ姫の沢公園【静岡県熱海市、人気の遊び場】



遊びながら子どもの体が鍛えられそう! と親ならば期待したくなるのがフィールドアスレチック。『フィールド』『アスレチック』という字面からすれば、野原に運動になる器具が備わっているということ。

面白いものでフィールドアスレチックの遊具は木製の場合が多いようです。自然と共にという暗黙の前提があるのか? 実際のところの定義としては野山に置いてある(木製など自然素材の)遊具を、次々に走破していく施設といったところでしょうか?

自然の地形を走破する登山やハイキングの流れを汲んでいること。そこに課題となるアスレチックが組み合わさっていること。そうしたものが、本来のフィールドアスレチックといえるでしょう。

子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。熱海の背景となる日金山の大自然に広がる姫の沢公園

どの季節に訪れたとしても、花が咲いているところが見られる! という大自然の真っ只中、人の手の加えられた何かを見つけに行く公園です。そして姫の沢公園のフィールドアスレチックはとてもワイルドな本格派です。

子どもがフィールドアスレチックにトライできる姫の沢公園をしっかり解説!

様々な種類の800余種を数える草花とアスレチック。この二つが人の手の加えられた何かの代表となっています。子どものアクティビティという視点では最も注目したいのはフィールドアスレチック。姫の沢公園の場合はかなりの本格派。ロングコースとして設定されるすべてを走破するならば、到底遊びとは言えないレベル。

大人の挑戦に充分耐えうるハードな活動以外の何ものでもない! と言えます。それでは、子どもと楽しむ公園には当たらないか? と言えばそうではありません。

姫の沢公園にはショートコースの設定があり、遊びの一環として楽しみたい場合はこちらがよいのです。ショートコースであっても、山登りのハイキング気分が味わえます。フィールドアスレチックとしてはあくまで本格派です。

ともすればやり過ぎになりかねない姫の沢公園のアスレチック、まずは子どもと楽しむにはどうしたらよいのか、詳細をみてみたいと思います。

姫の沢公園の概要

姫の沢公園の概要
施設、設備と特徴 料金
アスレチックコース
ロングコース 十国峠と公園を結ぶ最大50の設備を巡る 無料
ショートコースA アスレチック広場入口からの14の設備を利用 無料
ショートコースB 峠の広場入口から10の設備を利用 無料
スポーツ広場
人工芝多目的グランド サッカー、グランドゴルフ、ラグビー、フットサル他 有料
自然の家
宿泊施設 団体利用のみ 有料
キャンプ場 教育関連団体で利用 有料
陶芸センター
陶芸施設 体験コース(陶芸、絵付) 有料

実はフィールドアスレチックというのは日本語なのです。それもこの言葉が英語から作られたのは、1973(昭和48)年に日本フィールドアスレチック協会が設立された頃だと推測されます。実際に英英辞典を引いてもfield athleticという言葉は載っていません。

そんなフィールドアスレチック、姫の沢公園のものはフィールドアスレチックらしいイメージにピッタリくるワイルドなもの。姫の沢公園と比べれば、街中の公園でトリムコースなどといっているものは、疑似体験といってもいいかもしれません。

幾通りかのコースが選べる中、いずれにしても山を縦走するのが姫の沢公園の特徴です。そして本格派でありながら完全無料で利用できます。

姫の沢公園のアスレチックコースでは、コース設定で体験内容がガラリと変わります。どのように回るかは重要な問題ですから、そこを詳しく見てみます。

子どもと楽しむのに最適なのはショートコースA

メインゲートからほんの少し坂を上った先、林間駐車場に車を停めて公園に向かうとアスレチック広場になっています。

この広場はショートコースAの1番から4番、ロングコースの38番から40番のアスレチックが並ぶ場所です。ショートコースAの出発点でありロングコースの終点でもあります。

ちなみに最寄バス停留所姫の沢公園は、ショートコースA1番のアスレチックのところを下ったあたりになります。

ショートコースA 1番 ジャンボ輪投げ

幼児ならばこのアスレチック広場で遊ぶだけで充分、それだけならいわゆる遊びの範疇です。いわゆるフィールドアスレチック風な、遊具のある公園という感じでもあります。

看板を見ると一見フラフープなのか? と思いかねないですが、絵でも輪っかは体の前に抱えています。

抱えて放り投げて杭に通すのが基本。素直にイメージ通りに遊べばよいようです。

ショートコースA 2番 丸太ゴロゴロ

次に来るのは丸太を使ったもの。

少し傾斜のある中、丸太をゴロゴロ転がして運びます。適度な負荷があって年齢それぞれ楽しめそうです。

ショートコースA 3番 ジャンボソロバン

ソロバンというのも、ますます縁遠いものになりつつあります。

タイヤをソロバンの珠に見立てて、これも丸太との組み合わせで運ぶものになっています。

ショートコースA 4番 父ちゃんがんばれ

なにやら大掛かりな仕組みが描かれた看板にことさらな注意書き。

看板に懸念が書かれていた通りだったのか、4番の遊具は見当たりません。推測するに動き出した遊具は自重で止めるものだったのでしょう。ちょっと無理があったみたいです。

ロングコース 38番 ヘッドスライディング

アスレチック広場ロングコースの終点でもあります。ロングコース末尾の3つの遊具も広場で遊べます。

捕まって滑り下りてみたら! という趣旨のようです。表面がつるつるに磨かれているのが分かります。

ロングコース 39番 ちから時計

時計の形をしていて長針と短針らしきものがあります。

それぞれ押して回してみることになります。真ん中で押すのと端で押すのと比べてみるといいですね!

ロングコース 40番 わんぱく砦

いわゆるコンビネーション遊具。ごく簡単なものです。

迂回路が設定してあります。

頑張れるならこっち。アスレチック風なクライミングウォール。

遊戯系の楽しみとして滑り台が待っています。

いよいよ舞台はフィールドへ

ショートコースAも5番を目指すところからアスレチック広場を離れて姫の沢公園らしい本格派になっていきます。そもそもフィールドアスレチックとは、こなすべき課題が決まっています。そのため何事からも自由な、いわゆる遊びとは明確に違います。

そんな世界観に突入するのにふさわしく、さっそくなにやら柵がもうけてあります。「通れます」と書いてあるからには行くな! という意味ではありません。

夜間のいのししの進入を防止するための柵だそうです。姫の沢公園の立地を物語っています。

ショートコースA 5番 五輪競技

タイヤでできた吊り橋になります。

いちおう5輪でつくってあります。

この時には落ちても濡れることはない状況。まあ、いずれにせよ落ちることもないでしょう。

ショートコースA 6番 アップupアップup

看板の絵に描くのが難しいほどのアスレチックコース。姫の沢公園ショートコースAのメインステージはこれです。

脇に迂回路があります。これはあまり快適ではありません。本筋のルートもなかなかの難易度。

網を渡り、足場を使ってよじ登り、最後には丸太の急傾斜を渡ります。

ショートコースAの6番に辿り着くまででも、それなりに山に分け入った感はあります。

次の7番の遊具までは90 mあります。斜面に設けられた細い道を進みますが、それほど上りではありません。

ショートコースA 7番 タイヤ釣り

大仕掛けのものはこれで終わりです。ショートコースAについては10番のアスレチックまで続きます。ロングコースの11番までいくと他のコースに合流です。とりあえず残りもご紹介するとはいえ、ここまでで引き返してもよいかもしれません。

山の斜面に吊り下げされたタイヤを、引っ張り上げるアスレチックです。アスレチック広場の遊び風のアスレチックから、本格的フィールドアスレチックにすでに踏み込んでいます。

ショートコースA 8番 北斗渡り

7番までで引き返してもよいと書きました。8番のアスレチックまでは行くとしても6番から7番までと同様の道をさらに進むだけです。

ただし、あるのはこんなアスレチック。上って渡ってみるものです。正直特徴がある訳では…

この8番から先に進むにあたっては、アスレチックなものがあるというよりも、フィールド走破という別の意義を見出さなければなりません。この先の道は山登りそのものです。

ショートコースA 9番 ミニクライミング

登山路にはこんな風に走破が容易くなるよう、人の手が加わった場所があります。そんな場所の体験ができます。

何事も体験、経験してみることに意義があり! と思えるならば斜面を登ってみるのもいいかもしれません。

上り切ってみるとさすがに眺望が開けます。

ショートコースA 10番 リンボウ峠

いよいよショートコースAの終点となります。

そこに待っているのはこんなアスレチック。看板には鉄棒のように使わないで欲しいと書いてあります。あくまでのけぞって下をくぐるものです。ここまで来るのはそれなりに苦労があります。敢えて来なくても大丈夫という配慮なのか? そう思えばなかなか親切な設定です。

ロングコース 11番 ケンケン丸太

さらに70 m坂を上ればロングコースに合流します。

ケンケン飛びをするここがロングコースの出発点

ロングコースショートコースAもしくはショートコースBを経由する仕組みです。

紅葉谷ハイキングコースは山中を歩くショートコースB 7番へのショートカット? ルートです。

ショートコースBにも見どころあり

姫の沢公園ロングコースショートコースBについては今回は詳細をご紹介しません。どちらも気軽に子どもと遊ぶという趣旨には馴染みません。

幼児には特にです。どちらもあくまでハイキングのついでという感じ。山歩きが楽しめることが前提になると思います。

けれどもショートカットBについては車で向かうならばショートカットAとともに是非堪能して頂きたい見どころがあります。抜群の眺望が待っているのです。

ショートコースB 1番 未知との遭遇

ショートコースBの始まりの場所が峠の広場、ここにある未知との遭遇は遊具風のアスレチックです。

梯子もしくはネットで上る展望台でもあります。

ショートコースB 2番 火の見やぐら

もうひとつの2番の火の見やぐらもよじ登れば同じ眺めが手に入ります。

こちらは鐘を鳴らしてみるというのがミッション。

この広場にはナンバリングからは外れた滑り台のあるコンビネーション遊具も置かれています。つまりアスレチックではなく明確に遊具だということです。

ショートコースB 3番目 軽便鉄道

軽便鉄道は次のポイントへの入口です。ここから下って行くと10番までのアスレチックを経てロングコースの11番の地点に到達します。

そこからはショートコースA、もしくはロングコースを経てアスレチック広場まで向かうことになります。

3番の軽便鉄道から次の4番のアスレチックまで175 mもあるのです。

峠の広場最寄の駐車場へは、伊豆スカイラインの熱海峠出口の前から横道に入って、坂を上っていきます。ここへ行くには自動車を使うか、相当な距離を歩くしかありません。

もしアスレチック広場まで下りて行ったならば再度坂を上ってくるか、バスで十国峠まで行き、ロープウェイで頂上に登ったあと峠の広場まで山を下りなくては再び戻ってこれません。

峠の広場だけを車で訪れるなら簡単です。もしショートコースBまたはロングコースを走破したい場合推奨されるのはアスレチック広場のある林間駐車場に車を停めてバスで十国峠に向かい峠の広場に下りてアスレチック広場まで戻る形となります。

姫の沢公園を訪れるには(アクセスについて)

住所:静岡県熱海市伊豆山字姫の沢1164
姫の沢公園管理事務所連絡先:0557-83-5301

箱根の著名なスポットを目指すバス便があります。また自動車で訪れたとしても、十国峠からのコースを選択するならば、まずはバス便を利用することになります。街中ではないながら、公共交通機関でも利用しやすいのはさすが箱根エリアといえるでしょう。

【自動車を利用する場合】

最寄インターチェンジ:小田原厚木道路小田原西、東名高速道路沼津

熱海市の姫の沢公園林間駐車場アスレチック広場に最も近い林間駐車場(57台)

駐車場:無料(林間駐車場57台、峠の駐車場20台、さざんか駐車場46台他大型3台)
*他にスポーツ広場駐車場があります。これはスポーツ広場利用者の専用駐車場です

姫の沢公園は伊豆スカイラインの熱海峠料金所の近くです。熱海、箱根、湯河原などを経由して十国峠、熱海峠を目指すルートとほぼ同じになります。

熱海市姫の沢公園のさざんか駐車場公園のメインゲートの横を入るさざんか駐車場(46台)

熱海峠より熱海市街地方面に坂を下りてすぐのところに公園入口があります。

熱海市姫の沢公園の峠の駐車場伊豆スカイライン熱海峠出入口付近から入ったところにある峠の駐車場のひとつ(合計20台)

どちらから目指すのかによって最適なルートは変ります。最寄インターチェンジは箱根へのアプローチに便利なところ。あくまで箱根から熱海峠方面に向かう場合の話になります。

【公共交通機関を利用する場合】

最寄駅:JR新幹線、東海道本線、伊東線「熱海」駅よりバス便(2番乗り場)

最寄バス停留所:姫の沢公園停留所(伊豆箱根バス関所跡・箱根園行)
所要時間:熱海駅より25分
バス運賃:大人430円、小学生220円
未就学児無料(料金の発生する人ひとりにつき2名まで)

9時、10時台2本その後14時台まで毎時1本のペースになります。十国峠を目指す場合はそのまま乗車して10分程度の次の停留所となります。帰りの熱海駅行き最終便は16時40分となります。

まとめ:本格ハイキングの手始めに!ショートコースでも雰囲気は満点

遊びといえるのはアスレチック広場の辺りと峠の広場だけ。遊具らしい遊具も、おのおのひとつだけ。あとはミッションをクリアする本格派のフィールドアスレチックです。本格的なハイキングの手始めと考えたほうがよさそうです。

子どもと楽しむのに最適なショートコースのAから始めて、子どもの興味の行方によっては先々に展開があるでしょう。どんなパターンに進むのかは子どもたち次第。いずれにせよアスレチックのつまみ食いだけでも、大自然と眺望には満足できるハズです。

公式サイト:姫の沢公園



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