いくつかの大型遊具を始めとして、子どもが楽しく遊べる少年の森。茨城県の県庁所在地、水戸市の市街地のすぐ近く、利用するのがとても便利な千波公園にあります。
使いやすく便利といえばそれもそのはず、千波公園はあの天下の偕楽園とほぼ一体となった公園です。行政的には千波公園は、偕楽園公園の一部なのです。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。日本三名園のひとつながら、同じように殿様が作った兼六園、後楽園とは違い、水戸藩の庶民も利用できたというのです。まさしく元祖公園ともいえる偕楽園。
偕楽園と同じように、千波湖を囲む丘陵を利用しています。丘陵の森の中に多彩な遊具があるのが、千波公園少年の森です。そしてスワンやボートで遊べる、千波湖の湖畔にもまた遊具が並んでいます。
いうまでもなく有名な梅林のみならず、偕楽園で子どもと遊ぶという点でも注目したいのが千波公園。いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べる少年の森をしっかり解説!
千波公園というのは、偕楽園本園から見下ろせる千波湖の周辺を指しています。かつては、現在の水戸駅南口付近まであったという千波湖。
やや小さくなってしまったとはいえ、周囲3 kmの湖畔は遊歩道となり、緑地や公共施設が配置されています。市民ランナーにもとても人気のあるコースです。
湖畔から坂を上った少年の森は遊具が一杯!
湖畔を囲む丘の上、少年の森の遊具はアスレチック色が濃いです。体を存分に使って遊べるのがうれしい大型遊具が並んでいます。
丘陵の突端部の斜面をうまく利用した活動的な公園です。まさしく森の中になっていて、市街地にあるとは思えない雰囲気もいい感じ。
千波湖畔からは迂回して平坦な道を行くことも、あえて森の中をまっすぐ抜けて行くこともできます。
偕楽園本園から千波湖方面に下りたあたり、観梅の季節の臨時駅偕楽園の前のあたりが、千波公園の入口といえるでしょうか。
蒸気機関車「D51」が展示されている駐車場がその入口付近にあります。そこからなら、少年の森までそれほど坂を上らずにアプローチできます。
D 51駐車場の脇にも遊具があるのですが、まずはこの駐車場の奥にゲートのある、少年の森から見ていきましょう。
もっと大きく迂回すればより平坦なルートもあります。そうしなくとも、ここからなら上りはほんのわずかです。
森の中の遊歩道を抜けると…
広い芝生広場にたどり着きます。
芝生のエリアを抜けた先にあるのが少年の森、斜面に立ち並ぶ多くの遊具が見えてきます。
敷地内には芝生の広場から続く平坦な部分と
斜面部分があって、それぞれに特徴を生かした遊具がいっぱいです。
一部にはしっかりした見守りが必要になりそうな部分もあります。けれども、対象年齢として幼児から児童まで、それぞれ楽しく過ごせそうな難易度です。遊具には種類があるので、どの年齢層でもそれなりに遊べるでしょう。
中でもやはり目立つのは、丘を登ったあたりにある一番大きなコンビネーション遊具。一方のエンド部分には滑り台がいっぱいです。
下の台座からは幼児でも簡単に遊べる小さなすべり台。大きな3つの滑り台に直接アプローチするには、手足をフルに使って梯子を上らねばなりません。
もっとも、別ルートの橋が用意されています。大きな滑り台、梯子は上れないとあきらめなくても大丈夫!
連絡橋へは短い階段で向かえるようになっています。斜面をうまく活かして設置されているのがよい工夫です。
反対側からアスレチック遊具を使って乗り込んでもいいです。相当なバランスと腕力が求められる、こちらは少し難しいかな? もちろんスルーしても何の問題もありません。
アスレチック遊具を逆に複合遊具の中央部分に向かうと、チューブの螺旋式滑り台のスタート台に行くことになります。
更に先には、砦のような遊具が待っています。いろいろな方法で登りに挑めるこの遊具、チューブで渡る上層とザイルを渡る下層、それぞれの面白さがあるルートを選べます。
梯子もしくはロープを伝って壁登りをするほかに、チューブをくぐって砦のような遊具の上層部に行く方法があります。手前は短い梯子と階段が連絡されています。
この砦の上層部に到着するには、実はチューブを通るのが一番簡単。ロープを伝わって壁で遊ぶとしても、入門編としてはむしろ降りてみるほうが先なのかもしれません。
登れなくても降りることはできる場合があるでしょう。壁は結構急斜面で長さもあります。
案外、渡りに関しては下のルートの方が苦労しそうです。けれども、つかまりながらなら問題ありません。
この砦のような複合遊具の裏側は梯子です。けれども、やはり最後にはこの壁面を制覇したい遊具です。この遊具の先は、斜面を生かしたいろいろなアスレチック遊具になっています。
クライミングウォールというよりも横移動する使い方になるのでしょうか?いずれにせよいろいろな渡りが楽しめます。
渡りの隣にはザイルトンネルが架けられています。
途中で乗りこめる(あきらめる?)くらい、長めのトンネルになっています。
一本橋の先はザイルの渡り、そしてザイルクライミングと続きます。後に駐車場が見えています。実は千波湖畔からのアプローチの他に、直接隣にある駐車場からでも少年の森を利用できるのです。
千波湖から国道50号水戸バイパス方面に向かう道からアプローチすれば、こちらが公園入口になります。
駐車場にきれいなトイレが設置されています。
しっかり多目的対応。
子どもの利用に対しても、しっかり配慮されています。
隣の駐車場から続く平坦部分には、単独の定番遊具が並びます。ザイルクライミングは小さめ。
ターザンロープは斜面を利用していません。従ってそれほど勢いはつかない、穏健なタイプです。
この岩登り遊具はあまり見たことがありません。こんなオリジナリティあふれる遊具も!!
幼児向けの小さな複合遊具も平坦なところにあります。大きなほうはまだ早そうと思うならば、こちらで存分に遊べます。
ローラー滑り台もそれほど長くもなく、急傾斜でもなく、あくまで多くの遊具の中のひとつの楽しみです。
丘の頂上付近には、クラッシックなブランコと滑り台もあります。こちら側は閑静な住宅街になっているのが分かると思います。住環境のみならず、千波公園がすぐ隣だなんてすばらしいですね!
千波湖の向う側は水戸の中心市街地、偕楽園公園の緑地帯に囲まれた少年の森のもう片方には住宅街が広がっています。このエリア、どこでも快適な森林浴にもなる散策ができる訳ではないのです。環境の良さと遊具の楽しさが光っている少年の森になります。
湖畔の遊具もなかなかの遊び応え!
さて、千波公園で子どもが楽しく過ごせるのは、少年の森に限ったことではありません。
徳川斉昭公肝入りだという偕楽園の好文亭。現存していた水戸城を含む街を焼き払った、アメリカ軍の無差別爆撃がありました。その空襲により損壊したのち、復元されています。広い公園の文化財をわざわざ狙う必要もないはずです。
とはいえ、目の前を走る常磐線も攻撃目標だったらしく、線路沿いの丘陵周辺も焼き払われているのです。好文亭を望む湖畔のあたりが千波公園の入口といえるでしょう。「衆と楽しみを同じくするの意なり」という斉昭公の言葉が残されています。
中国の孟子にある「古の人は民と偕(とも)に楽しむ、故に能く楽しむなり」という偕楽園の名前の由来について説明されたものです。それは千波公園を含む、今の偕楽園公園に続くスピリット。
千波公園のエントランスとなるここには、観光案内所や茶店、レストラン&カフェなどがあります。食事や休憩にレンタルサイクルなども利用できます。
それから、しっかり水戸光圀公の銅像も立っています。こちらは漫談の方のイメージが強いのかもしれませんが…。ともかく水戸の名物は納豆などというなかれ、偕楽園公園こそがまさしく名物。こんな公園はなかなかありません。
さて、そんな千波公園のエントランス付近にも、注目すべき遊具があります。
食事や休憩ができる湖畔の好文カフェ。その隣のあたりには、今どきのコンセプトをうかがわせる遊具がいくつか並んでいるのです。
この湖畔の遊具も子どもと千波公園で遊ぶ時には、見逃せないものです。ロープジャングルジムは、ザイルクライミングより迫力はなくとも、楽しさは負けません。
ジャングルジムのようなものも、柱と鉄棒の組み合わせになる目新しい形。
このブランコだけは古色蒼然としています。
スプリング遊具は、4人で遊べば一層面白そうです。一家で子ども4人というのは、なかなかないことで、難しいでしょう。ぜひお父さん、お母さんも参加して下さい。
ひとりひとりで楽しめるものもちゃんとあります。
水戸市民でも知っている人は少なくなっているだろう昔のことになります。昭和の時代には、ここは大掛かりな機械仕掛けの乗り物がある、有料の遊園地だったのです。
時代の流れか遊園地は閉園となりました。その跡地は「その気になれば一切のお金を使わずに遊べる公園」となっています。無料の遊具が充実した千波公園、少年の森も湖畔のほうでも、子どもがたっぷり楽しく遊べるスポットです。
湖畔のD 51のある駐車場の奥には多目的トイレがあります。
こちらもきれいで子ども連れの利用に便利な配慮がしっかりしてあります。
水戸市偕楽園公園のあらまし
(公園、緑地帯は無料、施設には有料のものがあります)
偕楽園公園一覧表 | |
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名称 | あらまし |
偕楽園本園 | 徳川斉昭の開いた梅林、竹林、杉林や好文亭などもともとの偕楽園 |
常盤神社 | 明治元年に光圀公、斉昭公を祀るために園内に創立 |
偕楽園拡張部 | 千波公園など新たに拡張されたエリア |
茨城県護国神社 | 昭和16年創建の戦没者を祀る神社 |
徳川ミュージアム | 彰考館(大日本史編纂事業を行ったところ)を受け継ぐ財団の博物館 |
茨城県立歴史館 | 茨城県の歴史関連資料の保存館 |
茨城県立県民文化センター | 大ホール、小ホールに展示室、集会室 |
茨城県近代美術館 | 多くの近代美術品を所蔵する |
緑地帯 | 桜川緑地、逆川緑地、紀州掘緑地、沢渡川緑地など周辺に連なる緑地帯 |
千波公園を訪れるには(アクセスについて)
少年の森の目の前にも、千波湖畔にも、無料駐車場がたくさんあります。水戸市街のすぐ近くです。バス便も不自由しません。水戸駅からは距離があります。とはいえ南口、北口どちらからでも道すがらは千波湖を周遊するコースになります。時間に余裕があるならば、散策しながらでも楽しいはず。
【自動車を利用する場合】
最寄インターチェンジ:北関東自動車道路水戸南(約20分)、常磐自動車道路水戸(約30分)
どちらからでも水戸駅や千波湖方面を目指します
駐車場:多数の無料駐車場があります。
(千波公園西側駐車場、偕楽園下駐車場は基本有料です)
蒸気機関車が展示されている駐車場ゲートから森を抜け、芝生広場を通って遊具のあたりに向かいます。
千波湖の反対側になる入口から少年の森に隣接する駐車場に向かえます。
少年の森に一番近い駐車場はここです。
さらに隣接して仮設の駐車場があります。こちらは未舗装ながら、かなり広いです。
道を隔てて公園協会横に15台分の少年の森臨時駐車場もあってこちらを利用しても構いません。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄駅:JR常磐線水戸駅
(徒歩約15分で千波湖東側に到着、ただし少年の森までは駅からそこまでと同じくらいの距離があります。偕楽園駅は観梅の季節の臨時駅となっています。)
最寄バス停留所(少年の森):関東鉄道バス千波山停留所
(水戸駅北口通過の県自動車学校行バス、所要時間11分、料金大人280円、小学生140円、付添ありの幼児無料)
他に偕楽園方面に向かうバスはすべて利用できると思っていいです。なかでも水戸駅南口からの茨城交通「偕楽園南口」停留所などが便利です。
まとめ:市街地のすぐそば、じっくり遊ぶならば水戸の街を丸ごと堪能
子どもの遊び場としての充実ぶりで覚えておきたい千波公園少年の森です。けれども偕楽園公園全体の見どころは、それに留まりません。無料で遊べる湖畔の遊具のみならず、有料にはなりますが千波湖のボート遊びも定番です。
観光施設も盛り沢山、湖畔の散策も楽しい千波公園、隣接する水戸駅南口付近には宿泊施設も沢山あります。水戸の街を丸ごと堪能するのも名物、千波公園(偕楽園公園)のよい楽しみ方かもしれません。
公式サイト:千波公園
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