あいち健康の森公園にある子どもの森は、まるでテーマパークのようです。専用の宝橋を渡ってたどり着く、丘陵の森のひとつのルートを進むと、展望台まで続く大きな斜面にはいろいろな仕掛けがあります。
斜面遊具を攻略して進むと、丘の別の面に置かれたロングスライダーに挑めます。最初のロングスライダーの先に控えるのは石の谷コンビネーション。乗り継いでいく、さらにまたふたつあるロングスライダーと並んでいます。
石の谷コンビネーションはこの谷間を上下に駆け巡るルート。キャットウォークや斜面のぼり遊具とも組み合わされて、子どもの森で遊具の集まる三つのエリアのうちのひとつになっています。
斜面遊具を見上げるスモールタウンがあり、石の谷コンビネーションとロングスライダーのエリアがあって、三つのうちもうひとつはウッドサーキット。ツリーハウスのある場所です。
宝橋からスモールタウンかウッドサーキットどちらかに向かい、大まかにこの三つの盛り沢山なエリアを回れるのが子どもの森。いわゆるテーマパークと違い、キャラクターがそこらかしこを歩き回っていたりはしません。
有料の商業施設のように、派手な乗り物がある訳でもないです。あくまで体を使った、強いて言うならば、冒険がテーマと思われる遊び場です。子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。
キャラクターがイメージを作るでもなく、有料の乗物を楽しむのでもない! だからこそあるのは、子どもの感性と体力で自由に遊びを作りだす、公園らしい楽しさです。加えていうならば、舞台装置はファンタジーな味付け。
まだまだ他にも楽しさはてんこ盛りのあいち健康の森公園ながら、ここはまた異世界な独特の魅力を放っています。いつものように独自に撮影した写真を満載して、子どもの森という人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
いろいろな大型遊具で遊べる子どもの森をしっかり解説!
愛知県営公園になるあいち健康の森公園は、一帯の地域の構想もあって大きな公園です。あいち健康プラザはコロナ禍でも軽症者の受け入れ先として大活躍した施設。そんなスケールは遊具にも表れて、子どもの森には特に注目です。
子どもの森は宝橋を渡った先に!
三つの芝生広場に大型遊具が勢ぞろいする、あいち健康の森公園の主な園地側からは、一般道で隔たっている子どもの森。道路は横断しなくとも、宝橋という専用の歩道橋が架かっています。
宝橋だけが入口ということではなく、安全に園路を使ってのルートだというだけで、バス通りになっている通りの歩道からでも、子どもの森に入っていけます。
ただ橋を渡ったゲートのところは、雰囲気からして盛りあがる演出になっていると言えそう。ゲートに書いてある通り、まさにわくわくひろば。もちろん歩を進めたって、裏切られやしません。
バス道りから入っていくと、ゲートは通りません。ここから右のほうに向かえば宝橋のたもと。そのまま正面に向かうとスモールタウンです。そして左に向かえばウッドサーキット。
どちらから入るにせよ、おすすめなのはまずスモールタウンに向かうこと。全体のアップダウンを考えると、ウッドサーキットへ向かうルートは、ほぼずっと上り坂になるからです。もちろん選択肢としてはありです。
スモールタウンに!休憩所もこちら
宝橋から進むならときの広場を経由します。するとすぐスモールタウンに到着。緑の滑走面のワイドスライダーが見えてきます。ワイドスライダーは大きなウッドデッキにもなっています。
ウッドデッキは入口や通路が広いユニバーサル対応に変わっています。ワイドスライダーの裏側にはパネル遊具がふたつはめ込まれています。中央に残された木のところにはベンチも!
ベンチのある側に隣接してザイルネットのブランコが二連一基。いまどきのインクルーシブ対応のものでなく、小さなもの。一度に何人も乗るものでなくちょっと変わったブランコ。
実はスモールタウンはワイドスライダーとウッドデッキのところが、しばらく使えなかった時期があり、それでもザイルネットのブランコはその頃からありました。
かつてのロボットのようなオブジェ遊具は、カバのものに変化です。遊び方はどちらも入り込むもので、その点は継承されているといえるでしょう。
ザイルで編まれたブランコからさらに奥のほうにあるスプリング遊具についても、新しいものに変わっているようです。
ロッキング系のものはシーソータイプも加えられていました。スモールタウンはこんなふうにこのところ、すっかり整備が進んでいます。そして改修が進んでいるのは子どもの森全体に及んでいることです。
以前から一人乗りのスプリング遊具があった場所の隣のところ。スモールタウンの奥のほうには休憩所があり、建物の前には自動販売機もあります。
中に入りこんで遊ぶうねるチューブがあったところは大変化です。四つのウォールを渡れるクライミングウォールができました。大きめのウォールは、スモールタウンの一部か?
それとも背景になる斜面遊具との境目なのか。いずれにせよ、スモールタウンを上から見渡せる斜面遊具と展望台は、この街を象徴する存在になっています。
見上げる斜面は壮大!制覇すればロングスライダーに!
展望台からはウェルネスバレーの様子が一望できます。大府市と東浦町では健康・長寿に関する研究機関、施設を集積するウェルネスバレー構想を進めています。あいち健康の森公園も一部は東浦町なのです。
あいち健康の森はウェルネスバレー構想の一環であり、象徴のようなものでもあります。展望台へのアクセスでもあるのが斜面遊具。踏破の手段は一般的な階段だけでなく、二段に分かれた斜面には、いろいろな登坂手段があります。
下のほうから中ほどまで、ワイドなコンクリートすべり台を挟んで、ステップやロープを使ってクライミングウォールになっていると思っていいでしょう。両端は階段が設えられています。
大筋でリニューアル前の機能を継承しているといえそう。ただ実際に細かく見ると、きれいになっただけではなく、全面的に作り換えたに等しい出来といえます。
中ほどから上についても機能を踏襲しながらも、さらに見直しを掛けたようす。すべり台の上はもとから危険防止のためにも当然、網を掛けてネット遊具。ステップとロープのパターンを変えたウォールが四面。
スパイラルな鉄骨にロープを渡したものも、かつての原型を残しながら、位置を若干変えて残されています。のぼって右の方向、展望台に向かったさらに先は、ロングスライダーのスタート台になっています。
ここからは、ふたつのロングスライダーが選べます。しかもどちらも種類の違う大きな滑り台。ロングスライダーが向かう先は、石の谷コンビネーション。上のデッキで乗り継ぐほうと、下の地面までのものになります。
ロングスライダーの違いは?
乗り継ぐほうのロングスライダーは、ローラー滑り台です。ぐるりと旋回して下のデッキまで下ります。下のデッキからは石の谷コンビネーションへ連絡するか、別のロングスライダーに乗り継ぎます。
連絡するロングスライダーは、グリッサンドすべり台がふたつ。新しいほうと前から残されたもの。新しいほうが大きな弧を描いて長めに外側を滑ることになります。
もうひとつの以前から残されたものは、石の谷コンビネーションの階段すぐ横を、まっすぐに下りて行きます。スピード調整で途中は段になっています。着地点の地面と平行の部分も長いです。
展望台奥からは石の谷コンビネーションとは全く関係なく、ずっと先のほうまで滑り切る長いローラーすべり台がありました。
かつてあった森のトンネルのような雰囲気のものの動画
これは無くなってしまったようです。これだけの長さのものは珍しく、まるで森のトンネルのような面白さがあったため、残念なことです。
いまでは展望台奥からのもうひとつのグリッサンドすべり台が、もっとも長いものになっています。螺旋のローラーすべり台がたどり着くデッキから続く通路の頭上を抜けて、さらに下まで行きます。
行き先はキャットウォークという吊り橋の下の辺り。石の谷コンビネーションの立っている地面が、ゆるやかに傾斜する上のほうです。スタート台こそ修繕されているものの、このグリッサンドも以前からあったままです。
ショートカットのトンネルや吊り橋があることに注目
以前からある展望台奥からのグリッサンドすべり台がまたぐデッキには、トンネルからの出口があることに注目です。これは斜面遊具を上らずに、スモールタウンの奥から繋がっています。
デッキの通路はトンネルを過ぎると、キャットウォークまで続き、渡るとまたデッキに戻り、石の谷コンビネーションやロングスライダーに挑めるようになっています。
キャットウォークの先では斜面のぼり遊具で石の谷コンビネーションのところと連絡しています。もっと進むと階段の坂道で、コンビネーションの足元に進んでいけます。
デッキの通路からも階段を登れば、展望台横にあるふたつのロングスライダーのスタート地点という具合になっています。
石の谷コンビネーションは、斜面一杯に多彩な仕掛けが組まれています。上のデッキからはすべり台がふたつ、さらに丘を上ればまたふたつあることもあって、どちらかといえば上りルート。
最初の赤いネットの掛けられた長いリングトンネルも、あんまり下りてこようという雰囲気ではないような。ここを上りきったところには、別のリングトンネルが連絡しています。
垂直に立っている青色で、やはりネットの掛かったほうのリングトンネルのほうが少し上り易そうに見えます。特に下りたいのならばこちらでしょう。
さらに見た目以上に配慮があるのです。この垂直な方には途中に足場になる水色のネットも渡されています。
黄色いボールのようなものを頂く足場と隣の足場は、ネット掛けラダーで繋がっています。また石の谷コンビネーションは高い位置だけでなく、斜面に沿った地面近くにもルートがあります。
地面近くのほうは横側に寄り添って続く階段との連絡があり、ロープや飛び石、ラダー、クライミングウォール、ネットなどで、ところどころで途中参加・離脱する出入口のようにもなっています。
上部のほうはといえば、黄色の玉の塔の隣は赤い球の塔の足場があり、下側の赤いところと同じようにネット掛けラダーで、今度は赤い部分が続きます。
さらに上下を連絡する黄色いパネルで囲まれたステップになっています。パネルを手掛かり足掛かりに段々と行き来するということになるでしょう。
もっと上側のほうとは大きなステップとロープで進む大きな斜面で繋がっています。一番の力技になるのはこの部分なのか、長い赤いネットの橋が低い位置で掛けられています。
このネット橋の端の辺りが、キャットウォークが跨ぐ一番長いロングスライダーの着地点の付近です。
石の谷コンビネーションの上部、デッキ付近では穴あきパネルが互い違いに大きなスロープを目隠し。ロングスライダーというもの、上りにいかに面白い仕掛けを持ってくるかはお約束の工夫です。
高低どちらのコースもあり、途中からの離脱も進入もいろいろ。もっとも優しい手段は階段と、配慮が行き届いた遊具。けれども刺激もたっぷり、カラフルなところもいいです。
石の谷コンビネーションから、キャットウォークをでたところ。斜面のぼり遊具を上ったところでもありますが、そちらから移動すればウッドサーキットに向かうことになります。
北の原っぱには自動販売機も!
石の谷コンビネーションを後にすれば、ツリーハウスに向かう途中は北の原っぱ。看板に大きな木の家と書いてあるのがツリーハウスのことです。
スモールタウンと同様に、北の原っぱにも飲料の自動販売機があります。
キレイなトイレも整備されています。
園内のトイレはしっかり子ども対応しています。
ツリーハウスとウッドサーキット
巨木を模ったオブジェのツリーハウス。ウッドサーキットの傍らに立っていて、ウッドデッキで周回できるこのコースへの進入は、ツリーハウスの目の前などから乗り込むだけでないです。
ツリーハウスはウッドサーキットの奥の地点への中継所にもなっていて、巨木なオブジェから吊り橋を経由するのがその道筋。なので周回路の一部でもあり、他にも役割があります。
中の螺旋階段を上れば途中は、ウッドサーキットと連絡する吊り橋への出入口。またローラーすべり台のスタート台でもあります。そして一番上まで上ると展望スペースになっています。
ツリーハウスのローラーすべり台は、かつては大木オブジェに巻き付いていて、ぐるりと滑るようになっていました。それが今はゆるやかなカーブのものに変わっています。
ローラーすべり台の行き先は、ウッドサーキットの外周の回廊が囲む内側。改修以前が旋回していたため、簡単に比べられないものの、少し長く速くなったと思われます。
いずれにせよ、ミニタイプくらいの大きさではあります。石の谷のものに対してあくまで、ウッドサーキットを回遊するためのひとつのルートといった感じ。
石の谷コンビネーションのようにたくさんもなく、ウッドサーキットのすべり台はこのローラーすべり台だけです。
大木のオブジェのところは、ローラーすべり台のスタート地点から、さらに螺旋階段で展望スペースに行ってみる選択肢も残っています。
てっぺんで眺めた後は、また戻るだけ。外周路を使わずツリーハウスを経由する場合、吊り橋を渡り、先の小屋を経由していきます。
どちらかといえばツリーハウスという名前に相応しいのはこちらのほう。小屋からは外周の回廊部分への連絡路が続いています。
土台が木のオブジェになっている小屋でもあります。併せてツリーハウスなのだと思えばいいです。ローラーすべり台を滑ったら、外周路、または小屋を経由する選択肢があることになります。
外周路へは階段になってるところを使ってもいいです。またネットリングを使って、さほどの高さではないものの、垂直な行き来にチャレンジする趣向も備わっています。
この部分、はんとう棒を使うセクションも隣り合わせです。回廊が周回しているだけでなく、高さを変化させたりうねっていたりするからこそ、こんなコンビネーションの部分もあるのです。
外周路のほうから進んできた場合、だんだん高くなったこの奥では大きくカーブしていて、内側はネットが張られています。この部分は出入りできるように柵が開口しています。
反対側、低くなっている部分では、ウッドサーキットは吊り橋の下も通り抜けて周回しています。このツリーハウスのところがほぼ地面レベル。段になったところで連絡されます。
木の回廊なのでウッド、それが長くコースとなって周回しているからサーキットということでしょう。グネグネに曲がっている様子はワインディングロード風でもあります。
高くなってくると空中回廊でもあり、地面と行ったり来たりできる仕組があったりしています。
大きなカーブの先では、空中でツリーハウスの小屋のところからの連絡路と合流します。小屋の中は木の幹が突き抜けているだけで、特になんということはありません。
連絡路が合流する辺りが、ウッドサーキットの最深部に当たるのでしょう。雰囲気も森の中といった様子で、うねりや曲がりが冒険気分を高めてくれるセクション。
この最深部の手すりが緑色のところを進むと視界が開けてきます。手すりは青に変わり、ザイルクライミング越しに、ウッドサーキットと掲示されたゲートのような部分が目に飛び込んできます。
手すりの緑と青の境目のところからは、階段でザイルクライミングに向かえます。回廊はぐるりと取り囲むように続き、この青い手すりの大カーブは橋上を進んでいる気分。
ザイルクライミングを見下ろすようになるため、もしかしたらあまり大きさを感じないかもしれません。実際は紛れもない、かなりなスケールの豪快なものです。
ウッドサーキットと掲示のあるゲートらしきところからは、階段でザイルクライミングを遊ぶこと、青い手すりの方向からツリーハウス方面を目指すこと、そして赤い手すりのほうという選択肢があります。
赤い手すりのほうは、ツリーハウスの吊り橋の下まで続いています。それで外周路を周回する一周も完了することになります。
赤い手すりの部分は、激しくうねる並走路あり、ヘアピンカーブの内側にバンクありのアスレチックテイストなセクション。森の散策気分は吹き飛んでしまう界隈です。
ある意味、ウッドサーキットの主要な部分ともいえます。ただヘアピンカープの内側には、広々としたスペースもあり、まったり過す使い方も見出されている様子!
難易度も冒険気分もいろいろな展開があって、なんのことはない散策路のようでいて、ただの空中回廊では終わらず。
ファンタジーな風味と弩級なスケールが面白く、随所に小技も効いた面白い遊び場。子どもの森の三つのエリアはどこもそう。けれどもウッドサーキットは特にそれらしく具現化しているよう。
いずれにせよ、それぞれ個性的なのがたまらないあいち健康の森公園の子どもの森。ここはなかなかあり得ないスケールの子どもの遊びのための専用エリアになっています。
ウッドサーキットという掲示が掲げられる門のようなところの外側には、屋根付きの休憩スペースもあります。ここから坂を上れば宝橋のところ。橋が跨いでいる一般道へもすぐ抜けられて、バス停が目の前です。
広いあいち健康の森の楽しみはまだまだ
地域のウェルネスバレー構想もあり、訪れる人にいろいろな価値を提供しているあいち健康の森。公園だけでなく注目の施設があります。全体像は関連記事をご参照頂けます。
子どもの森を訪れるには(アクセスについて)
住所:愛知県大府市森岡町9丁目300番地(公園管理事務所、子どもの森は森岡8丁目)
名古屋市には多くの市町村が隣接しています(名古屋市の隣には、日本一財政が豊かで有名な村もあったり…)。そのひとつ、名古屋市の南側、知多半島の入口に位置する大府(おおぶ)市(一部は東浦町)にあるのがあいち健康の森公園。
あいち健康の森を訪れるための詳細は、関連記事にも詳しいご案内があります。
【自動車を利用する場合】
駐車場:無料(805台)
子どもの森へは宝橋が架かる一般道を挟み対面する、第2駐車場(245台)が最適です。
第1駐車場460台、第3駐車場100台は子どもの森とは反対のサイドです。
最寄インターチェンジ:知多半島道路大府東海(約10分)
【公共交通機関を利用する場合】
最寄駅:JR東海道線大府駅前よりバス約6分
最寄バス停留所:あいち健康の森公園(知多バス大府循環線、大府C線)
バス料金:大人220円(小児110円)
子どもの森を利用する場合、バス停留所も目の前。本数は限られています。最寄駅からは2 kmほど。歩いて行けるかどうかは、子どもの体力によるでしょう。あいち健康の森公園バス停からは直接、宝橋も使わずにアクセスできます。
まとめ:こどもの森で味わえる独特の世界観
あいち健康の森公園は、保健・健康を主旨にしたウェルネスバレーとしてのあいち健康の森の中心施設です。老若男女問わず対象となる中で、それでも子どもの遊び場としても相当な価値ある場所。
特に子どもの森は、丘陵地を巡る冒険テイストで独特の世界。ここだけでも、他を回ることなく一日費やしてしまいそう。とはいえ、あいち健康の森にはまだまだ楽しみがいっぱい。どうしようか、うれしい悩み一杯になる魅惑の場所です。
公式サイト:公園にあそびにいこう!あいち健康の森公園