よく整備された芝生広場を見下ろす斜面に、風雲南城がそびえ立っています。風雲南城は、4つの違った種類の滑り台が発進する大型コンビネーション遊具。さらにその足元にどんぐりハウスと呼ばれる、幼児対象の小さな複合遊具とパネル遊具などのあるコーナーも設置されています。
そして風雲南城を最上部まで上れば、丘の上にはアスレチック風の遊具があり、風雲南城の滑り台とは別に、独立したローラー滑り台もあります。子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。
道具を持ってくればそれぞれに自由に遊べる多目的広場は、いくつかのスポーツに対応しています。公園一帯は起伏のある複雑な地形。街から来ると入口となる風雲南城のある芝生広場からは、市の大きな遊戯プールと立派な野球場に連絡しています。
このエリアはマレットゴルフ場でもあり、来訪者にはスポーツ目的の人も多い公園です。ただ、そこをさらに抜けて行くか、もしくは公道を公園とは関係なしに大きく迂回すると、千曲川側の50 mの競泳プールの裏手にもまた、冒険の森に遊具があります。
ふたつの遊具のある場所を巡りながら、公園内を探索してみるのも南城公園の楽しみ方のひとつ。どんな遊び方があるのか、しっかり計画して頂けるように、いつものように独自に撮影した写真を満載して、お出かけのプランに役立つようにご紹介してみます。
子どもが大型遊具で遊べる南城公園をしっかり解説!
日本一の河川、千曲川(下流の新潟県では信濃川)の流れを見下ろす河岸段丘の上に、市街があるのが長野県の小諸市。市街地の南側、千曲川の断崖にも隣接する丘陵の一帯が、そのまま公園になっています。
子どもと遊ぶ目的で、風雲南城だけを目指して終わりならば話は簡単です。ただし、南城公園のすべてを見てみようと思い、もうひとつの遊具のある場所に向かうならば、ちょっと分かりにくいところのある公園です。
走破!? をしようと思うならばある程度は準備したほうがよいです。どのくらいの準備かといえばマレットゴルフ27ホール、コース延長830 mのうちの半分、展望台コース側を抜けるくらいです。
大したことはない! といえばその通り。幼児と向かう場合には、おのおの考えておいてください。もっともふたつの駐車場を車で移動するならば何も心配いりません。やや複雑ながら公園内を抜けても、一旦公園を出て、公道を迂回しても構いません。
南城(みなみじょう)公園のあらまし
先ずは公園のあらましを把握してみます。
- 南城公園のあらまし
- 遊具のある場所
- 芝生広場(風雲南城・どんぐりハウス・ローラー滑り台)
- 冒険の森
- 運動施設
- 多目的広場(フットサル・バスケット・スケートボード・スケート・MTB)
- 野球場
- レジャープール
- マレットゴルフ
- その他
- こもれび広場(散策の森)
風雲南城が大きな存在感!緑の絨毯もきれいな芝生広場
駐車場に隣接しているのは、きれいに芝生が広がる場所。丘の上で気持ちよく過ごせるこの芝生広場で、なんといっても目につくのは風雲南城。南城公園の子どもの遊びの絶対的中心地はここです。
大型複合遊具はたいてい上ってゆくこと自体が目的。けれども風雲南城はちょっと勝手が違い、設置されている斜面そのものを上っていくのも主な方法です。やはり芝生となっている、大型コンビネーション遊具の設置面には直接上れる部分もあります。
両サイドに設けられた階段を上っても構いません。遊具の傍らの斜面にも、さらに階段や階段状の部分があってそちらを選んでもよいです。そしてもちろん風雲南城にも上りルートがあります。
いくつもある上りルートの最上部からは、風雲南城とは別にローラー滑り台も発進しています。風雲南城はローラー滑り台の出発点への道でもあり、まったく関係のないものでもあります。なにしろ風雲南城には4つも滑り台が並んでいます。
そしてその内のひとつは、ローラー滑り台同様に斜面の最上部から出発しています。充分ロングスライダーと呼ぶにふさわしい長さ。そしてローラー滑り台とは趣向を変えて一気に滑ってみたら! という意図を感じるものになっています。
滑走面が平らなステンレスではなく、棒状にして並べてあることは抵抗を減らすため。そうして勢いをつけるが故に、ガードがついていることで急降下の意図ははっきりみてとれます。
実際に案内看板を見ても、風雲南城は6歳~12歳の児童が対象。ローラー滑り台は加えて幼児もおすすめになっています。
ローラー滑り台はよりゆるやかな傾斜でも、快適に滑りを楽しめるのが特徴の遊具です。敢えて出発台も別に設けて使い分けているところなど、ローラー滑り台の活用方法はよく分っているな! と感じさせるものです。
アスレチック風の遊具のある最上部がまさに起点。ここにある選択肢は豊富です。
- 風雲南城の設置斜面、最上部での選択肢
- まずはアスレチック風遊具を制覇する
- 風雲南城に進入していろいろな冒険をする
- ローラー滑り台を堪能する
- ロングスライダーを急降下する
といった選択肢が、芝生広場を見下ろして景色を眺める! と一緒に提示されるのです。ちなみに最上部には、ベンチや芝生広場にいくつかあるユニークな休憩ベンチなどはありません。
このユニークなものも普通のものもベンチなどはないとはいえ、アスレチック風遊具の周りも芝生なので寝転がるのは自由です。
さて周囲はさておき、風雲南城に乗り込んでみましょう。
とはいえ斜面の最上部からとなると、お城の天守と思しきところへは一直線。
ネットリングを渡るだけです。
それでは嫌だというならば斜面の下から飛び石を経由(またはしなくても)、
なにかが口を開けたデザインの入口からのうねるリングトンネルや、急傾斜のネットを使ってまずは最初の台場に向かいます。
もしくはクライミングウォールを利用してもよいです。こちらはどれもそれなりにハード。また4つの滑り台のうちのひとつは、青い樹脂製のうねるストレートタイプ。1段目からすぐ降りる場合はこれ。
もしくはもうひとつ、赤い旋回している滑り台も1段目からです。それから実は最初の台場に上るにせよ、鉄製の階段がさりげなく隠れています。簡単なルートもあるのです。
そうやって目指す天守閣で得られるのは、透明な窓からの眺望。
そんな天守閣への出入りには、斜面の上からも障害物いろいろの迂回路もあります。リングトンネルと、どちらが労が多いかといえば微妙な線。
2段目の台場からは、オレンジと赤の足場のついた坂道を上ります。
この坂道のうえの2段目、中断からはチューブスライダーがグネグネとS字を描いて滑降しています。スライダーは1段目からふたつ、2段目からひとつ。最上部からひとつで4つです。
2段目の台場を結ぶネット橋は、使用禁止になっていました。少し困るのはこれでは赤いルートは、先にすすめないこと! 青い階段を上れば天守閣です。
ほのぼの遊びのどんぐりハウスはローラー滑り台とともに
風雲南城のローラー滑り台側の足元には、幼児対象となるエリアがあります。
小さな複合遊具に加えてパネル遊具、スプリング遊具、2列2段の立方体でできたミニジャングルジムを配備。
2連タイプと普通のミニ滑り台を備える小さなコンビネーションはどんぐりハウス。微笑みをたたえた屋根が名前の由来でしょう。
さらに傍らにはクライミングウォールも! ミニサイズとはいえこの難易度でも、やはり幼児向けなのでしょうか? 表示を見ても、公園の公式案内看板を見ても3歳~6歳対象エリアに含まれています。
横行だったり戯れるだけなら、ほどよいチャレンジ? 較べてみると斜面の上にある大きなものとは全然違います。もちろん幼児はいつでもどこでも、しっかり見守りをお願いします。
芝生広場に大型コンビネーション遊具と共にある多目的広場では
芝生広場の駐車場とは反対側、どんぐりハウスなどがあるさらに奥の一番端っこには多目的広場があります。
フットサル・バスケットに使えるコートは、簡易版とはいえ自由に使えるのが手軽でいいです。必要なのはボールだけです。
スケートボード・スケート・MTBも道具持込。専用エリアがあるのはどこにでもという訳ではないので覚えておきたい特徴です。
南城公園の遊びをコンプリートするなら冒険の森まで
大型で目を見張る風雲南城のような迫力はないとはいえ、南城公園をすべて遊び尽くしたいならば、冒険の森まで足を伸ばさなければなりません。千曲川寄りの丘の上、野球場は完全に見下ろすところまで行きます。
徒歩の他、園内でも一旦外にでて公道を迂回しても自動車で向かえます。ぐるりと360度旋回する滑り台。
タイヤブランコがふたつ
シーソーやスプリング遊具など割合に単純な遊具が少しだけあります。
斜面のロープ上り遊具は荒れ気味。
冒険の森にあるドッグランはお休み中です。
利用料金の必要な運動施設について
南城公園は野球場とマレットゴルフ場、そして市民プールのある公園でもあります。利用の概略を記しておきます。
大栄小諸球場
小諸市南城公園野球場が改名して大栄小諸球場となった両翼92 m、中堅122 mの球場です。ラバーフェンスを使用したのは長野県初。本格派にして安全性の高い球場になっています。利用料金は入場料を徴収するかしないか、市民かそうでないかなどで違います。
関連リンク:小諸市公式サイト大栄小諸球場利用料金表のページ
南城公園プール
7月、8月の一定期間開場している南城公園プールは流水プール(1周171,1 m)と、それに囲まれた水深の浅い子供プール、岩場を模した噴水プールのある施設です。遊戯プールとは離れたエリアには50 mの競泳プールもあります。
利用料金:大人(高校生以上)400円、中学生200円、小学生以下100円
(3歳未満は付添が必須で無料、小学校3年生以下も付添が必要)
マレットゴルフコース場
訳するならば木槌ゴルフとなるのがマレットゴルフ。木槌を思わせるT字形のスティックで行うゴルフのようなものになります。日本マレットゴルフ協会がルールを管轄する日本生まれのスポーツです。ロングショットがないため手軽にプレイできるのが特徴です。
コース概要:27ホール(南城コース18ホール、展望台コース9ホール)、パー108、全長830m
利用期間:4月中旬から11月中旬
南城公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:小諸市甲字南城1984
連絡先:0267-23-7287
周囲も自然豊かとはいえ小諸市の中心市街地も近い場所にあります。南城というのは地名でもあり、小諸駅のすぐ前にある小諸城址懐古園の南側という意味もあるのでしょう。懐古園には動物園と小諸市児童遊園地があります。一緒に利用するのに何の問題もない距離です。
【自動車を利用する場合】
駐車場:無料(300台)
第1駐車場が風雲南城のある芝生広場に隣接しています。自動車で利用するのもとても便利な公園です。
第2駐車場は競泳プールの裏手です。冒険の森へは最寄駐車場になります。
最寄インターチェンジ:中部横断自動車道佐久北6.6 km(約12分)
上信越自動車道佐久(約8.2 km)を利用してもさほど変わりません。東京方面から来た場合には、佐久小諸JCTを回りこむ感じなので、佐久I.Cで降りてしまったほうがよいです。ただし、どちらにせよ大きく変わる訳ではないです。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄り駅:JR八ヶ岳高原線東小諸駅徒歩約7分(芝生広場まで約650 m)
バス便はありません。最寄駅から徒歩で向かいます。JR小諸駅からでも約18分ほどです(芝生広場まで約1.4 km)。
まとめ:歴史ある城下町と一緒に楽しめる公園
豊臣秀吉の古くからの家臣で出世も果たした仙石秀久が、島津攻めでの取り返しのつかない失態で領地を召し上げられたのち、小田原征伐で失地挽回を果たして与えられた地。奇跡の復活で再び大名となったのが小諸です。現在の城址は仙石氏が入城したのちに改修したものです。
小諸城の整備に限らず城下の発展に尽くした仙石秀久が今に伝えるものとしては特産の蕎麦を蕎麦切り(現在の食べ方のそば)として広めたことが伝わっています。小諸のそばもこの頃からのことです。
遺構である懐古園とともに訪れるならば、1日しっかり遊べるといえる南城公園。歴史とダイナミックな遊びと名産品を一度に味わうならば、ちょっとした小旅行も大満足になるというものです。
関連サイト:小諸市公式サイト南城公園について