例え距離は離れていても「アルプスとあづみの」が共通の魅力となっている国営アルプスあづみの公園のふたつの地区。安曇野の湧水の源で、高原リゾートらしい季節には、突き抜けるような空を支えるように、街に寄り添い聳える北アルプスの山麗に位置します。
その景観や自然の素晴らしさを差し置いて、敢えて遊具で遊ぶときに、やはりここが最も注目に値する場所だ! と言えるのが大町・松川地区の林間レクリエーションゾーンになります。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。堀金・穂高地区のマシュマロドーム(ふわふわドーム)が景観に馴染む様も、もちろんあまりに見応えある風景。
高速道路は長野市に向かってしまうため、安曇野を一般道で北に進んでたどり着くもうひとつの地区は、さらに少しだけ山のほうに入った森の中。確かにこの大自然こそが、メインテーマ、そこで過ごす時間が、至極のものなのは、子どもにとっても一緒のハズ。
されどもアルプスあづみの公園大町・松川地区の森の中を、中ほどまで進めばそこで、刮目のユニークな遊び場に出会えます。さらに隣接したアスレチック風味で複雑に展開するコンビネーション遊具や、ふたつの地区で共通の遊びとなるサイバーホイール。
森の魅力をたっぷり味わえる森の体験舎の傍、隣の入口周辺のゾーンとの境目にある空中回廊の遊具含めて、楽しい遊具が集中します。だからそこに的を絞って、いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べる林間レクリエーションゾーンをしっかり解説!
国営アルプスあづみの公園大町・松川地区の遊具での遊び場は、アルプス大草原の一画にある大草原の家の周囲になります。この屋内遊戯場を挟んだもうひとつの芝生広場になるアルプス広場で、サイバーホイール。さらに園路を挟んで林間アスレチックがあります。
建物を豪快に貫くネット遊具には刮目!大草原の家
公園のちょうど真ん中辺り、大部分が森になっている国営アルプスあづみの公園大町・松川地区で、大きく開けているのが、アルプス大草原。まばらに木々が立ち並ぶ芝生の広場を、迂回するように設けられた空中回廊の、後半部分の終着点でもあります。
建物の前には、公園随一のビューポイントにもなっているデッキがあり、そこからも館内に入っていけます。
デッキ上の入口から覗けるものは、なにやら大きなネットでできたもの。
館内は靴を脱いで利用します。ビニール袋が備わっているので、入れて持っていくといいでしょう。
この空中回廊からの入口は、すでに建物の中では3階です。この階に戻ってくるとは限りません。むしろ、公園の遊びの順路を考えれば、戻ってこない可能性のほうが高いです。
だからなのか、下の階にはある下駄箱のようなものも、最上階には見当たりません。
ちなみにベビーカー置き場も、1階になっています。
ロードトレインが到着するのも、もちろん地上部分となる1階です。
空中回廊を抜けて上からになるのか、下の階からになるのかいずれにせよ、大草原の家で一番の見どころになる遊具は、1階から3階までを貫くネット遊具です。
それどころか正確には、3階を貫いているだけに留まっていません。空中回廊から入った3階部分から、さらに上る部分もあります。
上ってぶら下がってみるところまであるこの部分。
とんがり屋根の上までは続いていないとはいえ、豪快な仕掛けです。
ただこの最上部、中は案外リラックスムード。ぶら下がってみるところに通じる穴以外はなだらかな傾斜のみ。1階から上ってきた場合の、安息の地となっているのか、ここから始める場合は、まだまだ序の口となるのか。
最下部となる、1階のボールプールに至る中間地点は、かなり複雑な構造になっています。
2重構造になっていて、やはり迷路のよう。
不安定な足場がまた、意趣に富んでいます。これは小さな子どもへの、アシストにもなるでしょう。
内部に入り込んでは、さらに行く道ありの…
閉ざされるルートもありの、展開はいろいろ
2階部分からの途中参入もできます。もちろんここでもう止めて置いても大丈夫。
柔らかなネットを使った遊具は、管理が大変ながら、独特の魅力があります。屋内だからこその設置だろうことは想像に難くないながら、これだけのスケールになれば、とにかく刮目のものです。
建物の中はネット、もしくはエレベーターだけがルートではないです。館内は木質感にあふれています。
そんな雰囲気そのまま、各階を連絡する木の階段はもちろんあるものの、ネットによる遊びについては、まだ他の趣向のものもあります。
1階と2階を結ぶショートカットとしてあるのが、板で囲われた冒険ルート。
上って行った先の2階部分は床ではなく、ネット張りのスペース。
この冒険ルート、内部はラダーとネットで進みます。やはりネット尽くしの大草原の家でも、囲われた感じがひと際変わった雰囲気です。
2階部分の隣のネット面には、穴も開いています。
穴からの垂直なネットは大きく垂れ下がっています。
2階部分は回遊性も高く、ネットのルートを渡ったりもします。
この枠よりもし背が高ければ、立ったままでは抜けられません。橋というより木枠のネットトンネルのような感じ。
大規模ネットが通じているボールプールがある1階には、休憩スペースもいくつか。
ホールになっているところは案外広く、イベントが開催されることも!
複雑なルートを渡る楽しみが一杯!林間アスレチック
大草原の家の1階から空中回廊とは反対側に抜けて、やや坂を下るとアルプス広場。ここもまた冬には、ゲレンデとして利用される場所です。サイバーホイールのコーナーを過ぎて休憩所の前に物見台が建っています。
アルプス広場を眺める場所であり、林間アスレチックの入口でもあります。
デッキ部分を曲がりくねりながら進んだ先にはコンビネーション遊具が置かれています。
基本的に入口の物見台のような、高さを売り物にするタイプではなく、さまざまな渡りルートの組合せ。ただし、傾斜面に設置されているところがミソといえばそう。
だからそれなりの滑り台で遊べるようにはなっています。あるのはチューブスライダー。
ステンレス座面がうねるワイドなもの2種類です。
他に組み込まれているのはターザンロープ。コンビネーション遊具の一角から、森に向かってスウィング!
ターザンロープの近くには、独立してクライミングウォールもあります。
斜面の上のほうからの、コンビネーション遊具への出入り口には、ユニークなものも!
どうやって遊ぼうか、ちょっと迷いそう。そうはいっても、それは誉め言葉に値します。いろいろな発想が浮かんでくる! だからこそ遊具です。
縄の大きな一本橋はなかなかの迫力。こういったものに限らず、とにかく渡りに関してはかなりのバリエーションがあります。
難易度が高いものもちらほら。
もっともルートはそこだけでなく、挑戦するかどうかは子ども次第。ただところにより、人と年齢を選びそうな部分はあります。見守り切れるかどうか微妙なところは、気をつけたいかなと思います。
さほど高さはなく、どのくらいのリスクがあるかは、なんともいえないところ。全般的に攻めの姿勢は感じるコンビネーションになっています。
入口のほうにはパネル遊具の並ぶところもあります。幼児であっても避けなければならない遊具ではありません。
大町・松川地区にもサイバーホイールあり
大草原の家から、林間アスレチックに向かうアルプス広場に置いてあるサイバーホイール。
自由に使える反面、数は多くないため混雑しているなら、譲り合いが肝心になります。
ここから空中回廊は後半部分、森の体験舎からが林間レクレーションゾーン
空中回廊はアルプス大草原に向かって、森の体験舎のところから後半部分が始まっています。ちょうどロードトレインののりばのある所が、再スタート地点。アルプス大草原のれき原の花畑は、もうすぐそこ、目の前です。
空中回廊の前半部分は、森の体験舎の2階部分に向かって伸びて、直接繋がっています。公園の地図上は、森の体験舎が林間レクリエーションゾーン、公園入口よりのくもの巣遊具は、センターゾーンになっています。
ちょうどこの辺りが境界ということになります。デッキからも森の体験舎の中は入れます。ただし、いろいろな体験プログラムが行われるのは1階でです。
創作工房はいわゆるクラフトワークの場、公園内の自然素材を利用します。食工房は地元の食材を使った料理を作って、食べてみるものです。メニューはまんじゅう、五平餅などおやつのようなものから、パンやパンケーキ、クレープにピザなどまでいろいろです。
回廊から繋がっているとんがり屋根の大屋根広場は焚火もできる屋根付きの広場。いずれにせよ森の体験舎を活用するには、イベント状況をチェックしたほうがいいです。
関連リンク:大町・松川地区イベント情報ページ
森の体験舎から空中回廊の後半部分を進むと、すぐに視界は開け眼下にはれき原の花畑が広がることになります。この対面が大草原の家です。
大草原の家までの空中回廊には、ノウサギ、サル、キツネ、カモシカの足跡と、自分のものを比べてみる仕掛けがあったりします。
カモシカの足跡まで確認すると、現れるのはパラボラ。もうすぐそこに大草原の家も見えている辺りです。
パラボラアンテナは対面していると、それぞれの前で呟いた音が対面のところで、明瞭に音像を結ぶものです。物理現象ながら不思議体験の遊びとして、みることがあります。もっともアルプス大草原のこの地点では、空中回廊と行き来する階段などはありません。
大草原の家までは75 m、森の体験舎からは250 mの地点です。れき原の花畑のところでも、地上と連絡しているとはいえ、そこはかなり森の体験舎に近い場所。パラボラを試してみたいとすれば、誰かが最初から下に回っておかなくては、面倒なことになります。
空中廊下の前半部分のハイライトはくもの巣遊具
さて、公園入口から森の体験舎に徒歩で向かうには、空中回廊を利用するのがなんといっても分かりやすい道。林間レクリエレーションゾーンとなる空中回廊の後半部分は、アルプス大草原の縁を迂回するような見晴らしのよいデッキです。
対して森の体験舎までの空中回廊の前半部分は、まさしく林間を進みます。だから途中にあるいろいろな趣向も、テーマは森の探索になっています。
デッキ自体が下が透けて見える作りながら、さらに森の中の園路や、林間の地面を覗き見る細かい格子状に穴の開いた床面も至るところに設置されています。
森の観察ポイントを解説した案内板を参考にして、木々の種類を観察したり、この林の生き物についての知識を得たりして、進めるようになっています。
長さは端から端までなら9 mという空中回廊、鳥やリスなど木の枝にとまれるような小動物の視線で森をみる施設だという案内もあります。
確かにベビーカーや車椅子でも、安心して森を探索できるものとして、こういった森の探索デッキというものはとても有効です。
林間の湿度や温度をモニターする機器は、この散策ルートの環境をデータで実感するチャンス。
ラビットイヤーはうさぎの耳理論? で森に潜む音を聞いてみる遊びです。
テレイドスコープは、要するに万華鏡。遊び心に溢れる森の眺めの変化を楽しむものです。
そうして森の中を進むと、センターゾーンに位置する空中回廊の前半部分が終盤に差し掛かる直前に、くもの巣遊具が出現することになります。
すでに森の体験舎が見えている辺りになります。そこまで行けばアルプスあづみの公園大町・松川地区のセンターゾーンは終了。先は林間レクリエーションゾーンになり、遊具の遊びとしては中心地になります。
ただし、センターゾーンに位置するとはいえ、くもの巣遊具は、主要な大型遊具のひとつ。林間レクリエーションゾーンの徹底究明をするならば、この境界線にある遊具も知っておきたいものになります。
ここは、公園のゾーニングにこだわらず、大きなネット遊具になるくもの巣遊具も詳しくみておきます。
ようするに、巨大なネット遊具といえるくもの巣遊具。
空中回廊の途中から分岐して、
また戻る迂回路部分でもあります。
迂回路は円形のデッキに繋がっています。
円形デッキは螺旋階段で地面と連絡しています。
空中回廊と円形デッキの連絡は、ちょっとスリリングな木の板の吊り橋です。それなりの高さがあります。そうであっても当然、しっかりネットで保護されて危険はないです。
そして長いネットトンネルが、斜めにつながっています。構造体となるリングの間隔はかなり広いです。だからリングトンネルではなく、ネットと格闘する感覚です。
ネットトンネルが接続する先はピラミッドにも似た、やはりネットの構造体になります。
くもの巣遊具そのものは、螺旋階段と組み合わせで単独で存在しているといってもいいです。どちらから、どのようにいこうが、それは遊ぶ人の自由です。ルートはお好きなようにです。
どこかピラミッドを思わせるネット立面体。あくまでピラミッドに例えるならば、エジプト式と南米式とが併せられた形式。
ストレートな斜面の部分もあり、
段々になっている部分もあります。
一番上の段までは、段のあるほうで数えれば3つです。このピラミッドのようなもの、案外高いものであり、ストレートな斜面は、なかなか上り切るのが大変なことが具体的に分かる部分です。
ちょっと見ただけでもよく目立つことで分かる通り、だからネットトンネルもとても長いものなのです。道理で迫力満点なハズ。
空中回廊を結ぶ板の吊り橋。完璧な安全対策が施してあるとはいえ、スリリングなのは、この高さがゆえでしょう。特に公園入口側は、中継地点を入れて長いルートになっています。
くもの巣遊具はすぐ先の森の体験舎に、1階から向かうために、先に地上に降りるルートにもなります。
空中回廊から森の体験舎には、2階からのアプローチですから、どちらにせよ下の階に向かうことになります。
ベビーカーや車椅子、またはどうしても楽をしたい! などの理由でエレベーターを使うならば、空中回廊を迂回せずにそのまま利用するといいです。ただし、くもの巣遊具を必ずもう一度上らなければ、森の体験舎を利用するのに困るということはないです。
アルプスあづみの公園大町・松川地区を訪れるには(アクセスについて)
住所:長野県大町市常盤7791-4
連絡先:0261-21-1212
休園日:月曜日、12月31日、1月1日
(休日の場合翌平日、夏休みは除く)
開園時間:9時30分~17時
(7月、8月は18時まで、11月~2月は16時まで、イルミネーション中は21時まで)
入園料:大人(15歳以上)450円、小中学生・幼児無料
公式サイトからの引用
長野自動車道安曇野I.C.から大町まで国道147号線で約40分
駐車場:無料(大型遊具のある国営公園としては珍しいケース)
最寄インターチェンジ:長野自動車道路安曇野
利用に適した公共交通機関:JR大糸線信濃大町駅からバス便
自動車で向かう場合には、安曇野I.Cから少し距離があります。電車で向かった場合には、距離的な最寄駅よりも、地域の観光拠点駅で特急列車も停車する、信濃大町駅を利用するのがよさそうです。アルプスあづみの公園大町・松川地区へのアクセスの詳細は、関連記事をご参照ください。
まとめ:屋内遊戯場含めてユニークなもの、大型のものなど遊具が集中
国営公園らしいスケールの中、過ごす時間を充実させるものは沢山あるアルプスあづみの公園。場所が離れているため運営的なことを除けば、別の公園と思った方がいいでしょう。それでも共通のテーマは感じられるとはいえ、遊具の魅力も、加わるアトラクションもそれぞれ違う魅力。
だから甲乙はつけがたいとはいえ、大町・松川地区の遊具には、ここならではの確かな魅力があります。広い大自然を堪能できる公園ながら、林間レクリエーションゾーンに遊びが集中していることもいい点です。それぞれの季節で楽しいアトラクションがある公園。
高原らしく屋外で遊べる林間アスレチックなどに、いつでも遊べる大草原の家も加わるところが秀逸です。
もうひとつのアルプスあづみの公園、堀金・穂高地区の詳細は関連記事をご参照頂けます。
ふたつの地区併せて概観した関連記事もあります。
公式サイト:国営アルプスあづみの公園