とにかくいえているのは、天候に関わらず遊べる場所というのはありがたいということ。雨でも寒くても、また実は(寒いよりも)暑すぎても、子どもが屋外で遊ぶ時には配慮が必要になります。
特に幼児については、各地に児童館が設けられています。ただし、とても屋外の遊びを代替えできるものではないでしょう。対象とするのも、あくまで乳幼児であることがほとんど。
屋外で思い切り遊ぶのと変わらないレベルで、身体を動かせる遊び場となると相当貴重なもの。商業施設ならば屋内遊園地として営業するものがあります。そうでなくて公園として無料で利用できるとなるとなおさらです。
また、大型児童館といった趣旨で公園に併設される、幼児に限らない児童関連施設もあります。そんな場合悪天候の時は思い切り屋外で遊ぶのは止めるけれども、そんなときこそ知的好奇心を育もう! といったアイディアなのだなと納得できる施設があります。
いずれにせよ、屋内に遊び場を設けるならば空調などにより屋外よりも費用が掛かることになります。そもそも建築というイニシャルコストがありますし、自由に開放することで不都合もありえますから、常駐の管理者も必須でしょう。そんなこともあるのか公園として全天候型であることは、思いのほか珍しいことだといえます。
充実して遊べる公園を、独自に撮影した写真を満載してご紹介している「子どもと楽しむ公園」シリーズ。すでにそういった珍しい公園を、いくつも取り上げています。そんな公園をまとめてトップ3ランキングを作成してみます。
また雨や暑さに対しては、とても有効な対策となる屋根付きの遊び場。そんなアイディアを実現している公園もご紹介します。初期コストは掛かるとはいえ、遊び場の利便性を増し、悪条件でも変わらず思い切り体を動かして遊べる公園になります。そしてランニングコストは比較的負担が少ないこの屋根付きの遊び場は、先進的なものとして注目したいものです。
公園での遊びを真剣に考える人たち、遊具メーカーの方が公園維持のコストを大切に考えているお話、伺ったことがあります。
関連記事:公園選びの参考書!遊具の秘密を徹底解明編
公園選び写真満載の参考書!天気が悪くても遊べる施設がある公園
- 全天候型の公園、どんな種類があってどんな風に遊べるの一覧
- 屋内に大型遊具のある公園
- 屋内で遊べる施設のある公園
- 児童館が併設された公園
- 屋根付きの大型遊具がある公園
おのおのを詳しくみていきます。
屋内に大型遊具が設置されているのはここ!
雨でも寒くても、暑くても関係なし! どんな天気でもいつでも思い切り遊べる大型遊具が屋内にある遊び場です。
屋内に大型遊具その1 とちぎわんぱく公園(栃木県壬生町)
栃木県壬生町の栃木県営とちぎわんぱく公園。園内にあるこどもの城は、ガラス張りの大きなドームになっている遊び場。そこにいる大きなピンクのモモちゃんは、お話できるだけでなく滑り台であり、足元にはボールがいっぱい満たされています。
きれいな砂場や迷路、水場の渡り遊びなど、たくさんの遊びに加えて随時楽しいイベントが行われる広場でもあります。
とちぎわんぱく公園については、ぱなぱなのまちという屋内の遊び場もあります。栃木県の施設であるとちぎわんぱく公園は、壬生町総合公園のおもちゃ博物館と隣接してほぼ一体というより、事実として道の駅みぶというひとつの括りとして存在する公園だという事情。
このようにご説明しても、何がなんだか分らなそうな複雑な事情が飲み込める記事があります。
関連記事:よく分る道の駅みぶのこと【便利な公園の駐車場にある背景】
入場料が必要な有料の施設とはいえ、屋内の遊び場としては括目のおもちゃ博物館。ここも番外編としてこの記事で、のちほどご紹介しています。
屋内に大型遊具その2 笛吹川フルーツ公園(山梨県山梨市)
果樹園が果てしなく連なる丘陵に、特徴的なアクアアスレチックという水遊び場のある山梨県山梨市の笛吹川フルーツ公園。意欲的な試みが多々あるこの公園には、透明なガラスドームとなるわんぱくドームの中に大きなネット遊具があります。
さらに地下には、興味深い遊びや展示がいっぱい詰まっています。そもそも屋外のアクアアスレチックも濡れることが前提。水遊びができる季節なら、多少の雨でも遊べるという点、その意味でも対応力に優れた公園なのが笛吹川フルーツ公園です。
関連記事:子どもと無料で楽しむ笛吹川フルーツ公園
屋内で遊べる施設のあるのはここ!
大型遊具で遊べるとまではいかなくとも、楽しめる屋内の遊び場はあります。
屋内の楽しい遊び場その1 ちちぶキッズパーク(埼玉県秩父市)
適度な規模感の遊び場なところが、満足に繋がっていると感じる屋内施設のあるちちぶキッズパーク。ふたつの遊具を備えた部屋が、キッズハウスに用意されています。他に乳児向けのプレイスペースや、児童書を備えるロビーや授乳室などが完備しています。
ボールプールが設置されているボールルーム。
ちょっとした複合遊具のあるのはジャングルルーム。
屋内の楽しい遊び場その2 ぐんまこどもの国(群馬県太田市)
冒険のとりでは群馬県最長クラスのローラースライダーが組みこまれた、目を見張る規模のコンビネーション遊具。少々の料金は納得のサマーボブスレーやサイクル広場など、遊び尽くすのが大変な群馬県太田市の金山総合公園ぐんまこどもの国。
大型の児童館として充実した児童会館は、それだけでも内容盛り沢山。サイエンスワンダーランドは、体験型の遊びを提供するマシンが並びます。各種プレイルームやビデオライブラリー、こども図書室などの充実ぶりも驚くレベルです。
スペースシアターというプラネタリウムの観覧だけは、有料プログラムになります。児童会館内も、その他の利用はすべて無料。悪天候でも問題なしなものが、ほぼすべて無料なところが注目のぐんまこどもの国児童会館です。
関連記事:子どもと楽しむぐんまこどもの国広場の遊具徹底解説編
屋内の楽しい遊び場その3 前橋こども公園 児童文化センター(群馬県前橋市)
まぎれもない交通公園として機能している、群馬県前橋市の前橋こども公園。そんな機能だけでも楽しく、特に有料のゴーカートは長いコースをガソリンや電気で動く本物を運転できる注目の公園です。
それが交通公園にとどまらず、コース内の随所に大型コンビネーション遊具に、あまつさえふわふわドームまで揃うというのですから、ぜひ覚えておきたい遊び場だといえます。
そしてさらに加えて、天候に関わらず快適なところが便利に使える児童文化センターまであります。まさしく、ただならぬ公園だといえます。プラネタリムは小学生以上は少々料金が掛かりますが、他は無料。
クライミングウォールのあるみんなのホールで自由に遊べるほか、図書館があります。いろいろなテーマに沿ったルームでは、子どもがクラブ活動しています。
関連記事:子どもと無料で楽しむ前橋こども公園
屋内の楽しい遊び場その4 子供のもり公園伊勢崎 まゆドーム(群馬県伊勢崎市)
ぼうけん山のリアリティと、本格的なチャレンジが楽しい、群馬県伊勢崎市の子供のもり公園伊勢崎。公園を象徴する建物がまゆドーム。名前の通りまゆのような外観をしています。子どものもり公園伊勢崎は、まゆドームの存在の比率が高い公園。この建物は公園の主力です。
幼児向けのなかよし室というプレイルームは、児童館のイメージそのもの。さらに工作体験、パソコン学習、自然環境学習の教室などプログラムがある場所です。
そして雨や暑さをしのげる遊び場という意味ではまゆドームの中だけでなく、ドーム前の回廊に注目です。
屋根があって、ここでまゆドームで貸し出されるこまやボール、竹馬などなど小物遊具で自由に遊べるのです。
関連記事:子どもと無料で楽しむ子供のもり公園伊勢崎
屋内の楽しい遊び場その5 アリオ柏スマイルパーク(千葉県柏市)
無料利用を気兼ねなくしてもらおうというショッピングモールなのが、セブンアンドアイのアリオ柏。一般的なアリオと違いスマイルパークが併設されて公園としての機能がしっかりあります。
そんなコンセプトを反映してモール内でも公園利用を意識した仕掛け、遊び場がたくさんあります。
関連記事:子どもと無料で楽しむ公園 アリオ柏とスマイルパーク
屋内の楽しい遊び場その6 トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園(埼玉県飯能市)
いわゆる遊具らしいものがない公園が、トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園。実はすぐ隣に阿須運動公園という、遊具が充実した公園があるのは事実。駐車場も共有できるふたつの公園。明確に分けてアピールされているのもよく分る世界観が特異です。
これだけファンタジーが追求されて、確立されているのは珍しいものでしょう。ファンタジーなだけでなく、ちょっとした冒険もあるきのこの家をメインディッシュにムーミンの展示館、そして管理事務所棟の2階ミニアリーナも自由に遊べる屋内スペースです。
屋内の楽しい遊び場その7 上尾丸山公園自然観察館と上尾天文台(埼玉県上尾市)
荒川の流れの痕跡となっている大池を中心に年間通して遊べる水遊び場や、大型コンビネーション遊具が楽しい上尾丸山公園。自然観察館での活動もさることながら、別棟となる上尾天文台の天体観測は無料での体験。昼間の太陽、と夜間の星空、どちらも興味深いものです。
関連記事:子どもと無料で楽しむ上尾丸山公園
幼児向け児童館が併設されているのはここ!
雨はもちろんのこと、例えば夏の暑さが行き過ぎたりすると、幼児を連れている時など特に困ることがあります。そんな時に適度に避難して、ほっとできるスペースがあるとありがたいものです。
児童館は幼児が遊ぶのにピッタリの場所。それが公園に併設されて、場合によって出入できれば、ほんとうに便利です。公園の中には児童館が併設された場所もあるのです。
児童館が併設その1 北本市子供公園(埼玉県北本市)
低学年の児童から、幼児に向けて特化されたような特徴のある埼玉県の北本市子供公園。この公園らしいといえば、児童館が併設されていることです。
ふたつの部屋があって、ゆうぎしつはちょっとした遊具での遊び。としょしつは児童書や絵本などを見て過ごせる部屋になっています。
関連記事:子どもと無料で楽しむ北本市子供公園
児童館が併設その2 ネーブルパーク ヤンチャ森(茨城県古河市)
子どもの遊びはダイナミックなものが多い茨城県古河市のネーブルパーク。そんな中で、3才未満のみが対象となる屋内の遊び場がヤンチャ森。子育て相談も受け付けてくれる財団法人が運営しています。
関連記事:子どもと無料で楽しむ公園ネーブルパーク
児童館が併設その3 龍ヶ岡公園たつのこランド(茨城県龍ケ崎市)
幼児向けのみならず、放課後の児童なども重宝しそうな児童館が併設されています。茨城県龍ケ崎市の龍ヶ岡公園(たつのこランド)は大きなものと小さな幼児向け、ふたつのコンビネーション遊具が楽しい公園です。
また、たつのこランドには遊具こそないとはいえ、大きな屋根のついた遊び場もあります。吹き抜けのアリーナといった趣のこんな場所は意外に珍しいものです。このたつのこステージまで含めれば幼児、児童、生徒まで全天候型で過ごせるのは、ニュータウンの公園としてふさわしい相当な高機能といえます。
児童館が併設その4(特例) 六本木ヒルズ(東京都港区)
六本木ヒルズにあるさくら坂公園の滑り台で遊んだ時に、覚えておくとよいおやこ休憩室は六本木ヒルズの施設ながら、使い勝手は児童館のようなものです。
スペースは限られているとはいえ、民間の運営だけあってサービスの内容は濃いです。その上で無料で使えるスペース。六本木ヒルズは市街地再開発事業で生まれたものだけに、一般に解放されている場所がいろいろ配されています。
六本木ヒルズはテレビ朝日のショールームも無料で利用できます。
屋根付きの大型遊具があるのはここ!
屋内ではないため暴風雨などにまでは対応できないとはいえ、雨や日差しをしのげる屋根のついた遊び場のある公園というものがあります。
屋根付きの大型遊具その1 富士西公園(静岡県富士市)
屋根をわざわざ設けたのではなく、高速道路の整備というチャンスを活かしたのが静岡県富士市の富士西公園。
そもそも富士山がきれいに見える公園のひとつで眺望も極上ながら、高く幅広い高架で作られる新東名をうまく利用して、雨や日差しを遮って悪天候でも思う存分遊べる公園でもあります。
屋内に大型遊具が設置されている例には当たらないものの、ある程度の悪天候でも影響のない大型遊具で遊べる公園の珍しい例となります。ただし寒さだけは思い切り遊んで克服するしかありません。
関連記事:子どもと無料で楽しむ富士西公園
屋根付きの大型遊具その2 ちちぶキッズパーク(埼玉県秩父市)
すでに屋内の優良な遊び場のある公園としてあげたちちぶキッズパーク。この公園の売り物は実はふわふわドーム。しかも屋根付きで相当な悪天候にも耐える遊び場です。どうしても耐えらないようなシチュエーションでも、屋内に向かえば大丈夫。
屋根付きの大型遊具その3 武蔵丘陵森林公園 むさしキッズドーム(埼玉県滑川町、熊谷市)
付添の大人は格安とはいえ、入場料が必要です。とはいえ日本初の国営公園、武蔵丘陵森林公園の売り物のひとつむさしキッズドームは巨大な遊具ドーム。例え雨だろうが問題なく遊べるものです。
ただし、むさしキッズドームはドームだけで完結していないので、雨でも遊べるという例としては完全なものではないのです。あくまで参考例として留めて置いて下さい。こうしてみると荒天でも大型遊具で遊べる! というのは極めて稀なものだと改めて実感します。
関連記事:子どもと楽しむ武蔵丘陵森林公園むさしキッズドーム徹底特集篇
番外編!格安の入場料が必要な展示館にも大型遊具 壬生町おもちゃ博物館
屋内に大型遊具を持つとちぎわんぱく公園。運営は違うとはいえ一体だといってよい事実がある隣接する壬生町おもちゃ博物館。入場料が必要とはいえ、ただの博物館ではなく遊び場として括目なのは大型遊具の存在ゆえ。しかもきんぐとくぅいーん、みらいごうと対象年齢によって相応しいものが、違うフロアに揃っています。
関連記事:子どもと格安で楽しむ壬生町おもちゃ博物館
子どもが遊べる有料屋内施設のあるのはここ!
公園内に有料の屋内施設のある公園もあります。
有料の屋内施設その1 愛宕山こどもの国(山梨県甲府市)
園内には県立科学館が併設されています。科学に関わる展示、レストラン、売店などがあります。
関連記事:子どもと無料で楽しむ愛宕山こどもの国
有料の屋内施設その2 富士山樹空の森(静岡県御殿場市)
ビジターセンターは、展示物や富士山天空シアター(映像上映館)での映像で富士山をよく知る体験ができます。自衛隊グッズが買えるのもここの売店!
有料の屋内施設その3 辻堂海浜公園(神奈川県茅ケ崎市)
交通展示館が中学生以下なら無料で利用できます。交通に関わる展示以外にミニ四駆コースがあり、利用は年齢に関わらず有料になっています。
関連記事:子どもと無料で楽しむ辻堂海浜公園
有料の屋内施設その4 ネーブルパーク(茨城県古河市)
ヤンチャ森のネーブルパークには有料で土日祝日、春夏冬休み期間のみという条件付きながら地下迷路という天候関係なしの遊びがあります。
まとめ:雨など悪天候でも遊べる公園ランキングトップ3
これまで特集してきた公園の中で、雨や暑さ寒さなど悪天候をしのげる首都圏の公園の概要は以上になります。どんどん記事が追加されているシリーズに対応して、該当する公園があれば一覧は随時更新して行きますので、遊びのプランにお役立てください。
最後に雨など悪天候でも遊べるという点で、おすすめの公園のトップ3を選抜の理由を添えてランキングしてみます。
第1位 笛吹川フルーツ公園
しっかり空調も効いた地下の遊び場、展示室や、ガラスドーム内に遊び応えのある大きなネット遊具があることが、おすすめとする大きな理由です。大型遊具と地下に展開する展示やちょっとした遊具が加わることで、遊びに幅ができることが決定打となりました。アクアアスレチックも雨でも、また暑さも関係ない遊び場ではあります。
関連記事:子どもと無料で楽しむ夏の公園 笛吹川フルーツ公園ほか
第2位 ちちぶキッズパーク
ちちぶキッズパークはとにかく子どもと保護者に、配慮の行き届いた好感度が高い公園です。規模が適度で遊びやすさを考えると、ナンバーワンでもおかしくない公園。次点としたのは遊具の規模が理由ながら、この規模だからこそいい感じなのも確かです。
第3位 とちぎわんぱく公園
テーマパークのような規模と遊具の面白さ、遊び易さのバランスがよいとちぎわんぱく公園です。屋内部分についていえば、催しのあるないで楽しさが変ってしまうのが評価を難しくします。逆に言えば、タイミングがあえば超絶の遊び甲斐があるといえます。
おもちゃ博物館をほんとうに一体として考えるならば、飛び抜けたレベルになるのも間違いなし。ただし、おもちゃ博物館は有料の施設、こどもの城の縁日という催事も料金が必要であることまで考慮した結果として、3位に留めておきます。