大きなローラー滑り台を伴う、大型コンビネーション遊具が楽しい奈良県営馬見丘陵公園。子どもが遊びに出かける価値も充分。一方で大人も自身の目的を持って訪れる公園でもあります。
この公園の特徴は、古墳と花。古墳といえば奈良と云ってもいい中で、馬見古墳群は3つの代表的集積地のうちのひとつ。毎春恒例で人気の、馬見チューリップフェアの開催場所でもあります。他にもまだまだ季節の花々があり、イベント施設も充実です。
公園は奈良県河合町(公園館等)と広陵町(大型遊具等)に跨っています。かなり広い敷地を巡るのに、遊具以外でも子どもへの刺激も充分。古墳に関してはこんな風に見せてくれる場所はあまりないでしょう。公園館での展示も注目すべきものです。
ただ、遊具のことだけを考えるならば、敷地が隣り合わせになる広陵町が設けた竹取公園も視野にいれたほうがよいです。その場合、馬見丘陵公園の遊具の遊び場とは、ふたつの公園を合わせた敷地の北と南で、かなり離れていることに注意してください。
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子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。古墳と、花の咲き乱れる様子は屈指のレベル。遊具を考えると大型で楽しめるものと、竹取公園まで一緒に考えれば、相当な遊び甲斐ありです。
いつものように独自に撮影した写真を満載して、大型遊具と水遊びのできる渡渉池を中心に、その他の魅力にも触れながら、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べる奈良県営馬見丘陵公園をしっかり解説!
馬見丘陵公園で子どもと遊具で遊ぶ時に、利用するのは公園の北エリアと呼ばれるところになります。
池上橋を渡った先、池上古墳と前池を背景にする大型遊具
北エリアの駐車場からは、北口前の道路を横断しなくとも、池上橋という歩道橋で安全に向かえます。渡った先にある大型遊具には、緩やかに壮大に弧を描くローラー滑り台が組み合わされています。
滑り始めた方向からは、180度反対側に向けて下りて行くものです。
スタート台へは高く上っていくタイプです。この地は馬見丘陵になっていて、奈良盆地の中央西側、大和川が大阪平野に出ていく辺りに蓋をしているように見えなくもない、標高70 m程度の低めの丘陵地です。けれども丘の斜面を使うのではなく、単独で屹立しているのが特徴。
橋を渡ってきた方向からは、入口らしき部分を通じて、ラウンドしているデッキが2重になった大型遊具に導いてくれます。ローラー滑り台に直接上っていく階段は、この2層目からになっています。
実はこの円形の大型遊具の中心部分は、ローラー滑り台に向かって出発する2層目のデッキへのアクセスになるだけではないです。池上橋のほうからは裏手に回ると、意外なほどに仕掛けがあることに気づきます。
だから、遊具に辿り着いたらまずは、とても目立つ高いスタート台にすぐに向かって、豪快に滑ってみて大丈夫。
そうして着地して前を見れば、橋の方から見たシンプルな印象とは裏腹に、遊びの選択肢がまだまだ見つかります。
そもそもデッキになっているのは、奥のほうに進むと段差が生じるからです。そこではデッキからぶら下がるネットや、ラダー上りも楽しめることになります。
逆側から見ると、1層部分のデッキは2層目。こちら側では地上から滑り台、クライミングウォール、太鼓橋、飛び石などが接続されています。
とてもエキサイティングなのはレールスライダー。
吊り手に掴って、足場までひとっ飛びするのは痛快です。
円形の中心部で上層部に向かう方法は、外周部のタワーがひとつ。
内部の捻じれたネットを使って、方向転換も加えながら上り切るのは難しいほう。
円周デッキの内側に向かい、
中心部の螺旋階段を使うのは楽な方法。どちらかを選べます。
古墳と池を臨む方向からは、地上3層目にあたる2段目のデッキ。そこからさらに、2段階に分けて階段を上っていく、ローラー滑り台のスタート台は、やはり相当な高さといえます。
下の層のデッキ部分からでさえ、地上の吊り手を持ってレールを滑る遊具だって見下ろす感じです。
大型遊具のある場所は、前池に向かってずっと下っていく地形です。そんな斜面を利用するよりもスタート台は、塔のように高く上る仕様です。
これにより上からは、前池を従える池上古墳の様子がよく分ります。馬見丘陵に連なる馬見古墳群を保全するのも公園の重要な役割。大型遊具の遊び場も、そんなテーマに沿った考えでできているようです。
円形のデッキの下の段からは、U字を描くローラー滑り台の内側に向かって、縄の一本橋が渡されています。
先にあるのは滑り台で、ちょっとだけ幅の広いものです。
水遊び場の渡渉池の周りに、砂場やもうひとつの小さめの複合遊具
大型遊具のある場所に隣接して、また別の遊具が設置されています。砂場があるのも、ここになります。ふたつの間には渡渉池もあり、季節には楽しい水遊び場です。
池上橋を渡ったところからいえば、一番奥の少し高くなったあたりが砂場で、そこにあるのは、小さな2連の滑り台付きコンビネーション遊具。
大型のほうと、砂場にある複合遊具に挟まれたところ。そこにある徒渉池の傍らには、板張りの屋根付きテラスが、しっかり設置されています。
この辺りからも、池上古墳を、前池越しに眺めることになります。
大型のコンビネーション遊具の方向は、ローラー滑り台側からやや見下ろすような地形です。
なので低めとはいっても、小型のほうもやはり、池上古墳の展望がテーマになる遊具。
主役は砂場で、展望台と連絡橋、それから滑り台が組み合わされた、かなりシンプルな複合遊具です。
砂場の周囲でいえば、存在感は徒渉池の水源が立派なもの。噴水になっています。
水が流れるのは4月~9月で、時期は限定とはいえ、馬見丘陵公園の遊び場で大きな魅力のひとつ。ただし、水質など管理はしているもののプールほどにはいかないため、利用上注意して欲しい事項もいくつか書いてあります。
馬見丘陵公園ってどんなところ?
大阪平野への出入り口部分でもある馬見丘陵は、大和川側から河合町、広陵町、香芝市にまたがっています。東西は約3 km、南北は約7 km、丘陵の東部にある馬見丘陵公園には、馬見古墳群の中群といわれるものの多くが園内にある、もしくは隣接しています。
丘陵西部の開発から古墳群や自然を守るための県営公園
丘陵西部の宅地化など開発が進む中、古墳群や自然を守るため1984(昭和59)年に都市計画決定した奈良県営公園のひとつになります。1991(平成3)年古墳関連の展示のある公園館などによる開園を経て、少しづつ整備が続き、2012(平成24)年全面開園に至りました。
- 馬見塚丘陵公園の4つのエリア
- 緑道エリア
- 緑道部分(緑道北口~花笑み橋)
- 北エリア
- 大型遊具、砂場、徒渉池の遊び場
- 池上古墳
- 前池
- 集いの丘(大型テントあり)
- 花見茶屋(カフェあり)
- 花壇(馬見花苑、彩りの広場=ダリア園)
- 北駐車場
- 中央エリア
- 5つの古墳(ナガレ山古墳、別所下古墳、乙女山古墳、一本松古墳、倉塚古墳)
- 上池・下池
- 各種広場と古墳の丘
- 公園館
- 南駐車場
- 東駐車場
- 南エリア
- 2つの古墳(狐塚古墳、三吉2号墳)
- ダダオシ池
- 南駐車場
最寄駅からの公園アプローチになる緑道エリア
池部駅から約2分ほどの緑道北口から、花笑み橋先になる北エリアの大型テントまで約1,150 mの公園へのアプローチの道です。
遊び場とイベントスペースやカフェレストランもある北エリア
すでにガイドした池上橋を渡った大型遊具、砂場と前池、池上古墳以外にも、道を隔てた駐車場側が北口のある北エリアになっています。大きな芝生の広場になる集いの丘にはイベントに使える大型テントがあります。
花見茶屋もイベントスペースで、中には自慢のパンケーキやコンフィチュールに、軽いイタリア料理も楽しめるカフェプリュスエフ。植物では集いの丘の桜は、ソメイヨシノに限らず14種、約1,000本で観賞できる期間が長いです。馬見花苑はチューリップなどの大きな花壇。彩の広場はダリア園になっていて、中でも高さが4、5 mにもなる皇帝ダリアがみどころです。
古墳展示の公園館と5つの古墳がある中央エリア
5つの古墳と古墳関連展示のある公園館がふたつの池の周囲にあります。北エリアの大型テントからエリアを横切って公園館まで約1,050 mです。バラ園や菖蒲園に加えて、梅林など樹木も種類いろいろ。紅葉ならこちらです。
奈良交通の馬見丘陵公園停留所は中央口から入った公園館隣の中央駐車場にあります。公園館から約700 mの東口も中央エリアにあって公園の東南の角です。そのため南エリア東口と道を隔てて中央東口があります。さらに公園の南西の角が南口になっています。
公園館
利用時間:9時~17時
休館日:月曜日(休日の場合翌平日)、12月28日~1月4日
中央エリアの古墳でも、歴史に関心はない子どもが、興味本位に楽しめそうなのがナガレ山古墳。この古墳は崩壊してしまっていた部分を修復しており、葺石と埴輪列が復元されていて、古墳が作られた当時の姿を具体的にイメージできます。
大きさだって105 mに及ぶ墳丘全長のもので、古墳の素の姿が見れるのはなかなか貴重。それも装飾を含めて、復元されているのが秀逸です。大人でも興味深いところ、装飾も含まれることで、子どもの心も揺さぶってくれそうな古墳です。
巣山古墳の隣接エリア、竹取公園への連絡もここになる南エリア
南口のところにある歩道橋が公園館から約600 mほどのダダオシ橋。中央エリアからダダオシ橋の先になる巣山古墳の周辺が南エリア。やはり歩道橋を渡って行ける竹取公園への連絡もここからです。
巣山古墳は馬見古墳群最大の墳丘規模で、全長は220 mだったと考えられて(周濠の水で削られていて、埴輪列が露出してしまっていたほど)、日本の古墳で23番目となる大きさです。この大きさは大王クラスといえ、この前方後円墳も天皇陵であってもおかしくないものです。
ただし、埋葬者は不明で天皇陵とはされていないものの、文化財保護法による特別史跡となっていることもあり、隣接はしていても公園内には含まれていません。
馬見丘陵公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:奈良県北葛城郡河合町大字佐味田2202番地(公園館)
連絡先:0745-56-3851
公式サイトからの引用
近鉄田原本線「池部駅」下車、緑道北口(緑道エリア)まで徒歩2分
近鉄大阪線「五位堂駅」より奈良交通バス33系統「馬見丘陵公園」下車すぐ西名阪自動車道法隆寺ICから:法隆寺IC出口を右折(大和高田方面)→県道5号線を道なりに南下→寺戸南交差点を右折→巣山古墳西交差点を右折→馬見丘陵公園前信号を右折(中央駐車場)
【自動車を利用する場合】
駐車場:無料(872台)
駐車場利用時間:8時~18時(6~8月は19時、11~2月は17時まで)
大型遊具に近いのは北駐車場。公園北口にあり県道5号線を南下したのち、公式サイトにある寺戸南よりも手前、寺戸北で右折して、その先を案内看板どおりにまた右折します。右折というより雰囲気的には、道なりに曲がる感じです。
公式サイトに道順が案内されているのは、中央駐車場(204台)。中央口から入ったところで公園館の隣です。
北口、中央口、南口に臨時駐車場があります。そのうち中央口臨時駐車場(143台)だけは、離れた場所にあります。公園入口でいっても、タダオシ橋付近中央南口付近になります。
タダオシ橋付近ならば、広陵町の公園になる竹取公園の駐車場もあります。竹取公園でも遊ぶならば、こちらの利用を検討するのもよいでしょう。また、逆側の北側の端、緑道北口に河合町スポーツ公園と施設駐車場があるものの、こちらは町民専用施設とのことです。
中央東口の東駐車場(79台)と南エリア東口の南駐車場(44台+臨時52台)は、道を隔てて向い合せ。巣山古墳の前方部側にあります。特徴としては古墳の近くというだけです。
最寄インターチェンジ:西名阪自動車道路法隆寺
【公共交通機関を利用する場合】
最寄駅:近鉄田原本線池部駅約150 m(緑道北口まで)
最寄バス停留所:馬見丘陵公園停留所
(近鉄大阪線五位堂駅から奈良交通バス)
緑道を使って歩くならば、池部駅を利用します。大型遊具からの距離でいえば、中央駐車場の馬見丘陵公園バス停留所からも、すぐそこという訳ではないとはいえ、池部駅からは輪をかけて距離はあります。逆にバス利用の場合には近鉄の路線も、利用する駅も違う点はご注意ください。
北駐車場が遊具の目の前なことを考えると、自動車で向かうのが便利な公園ではあります。ついでに竹取公園へも移動することまで考えたら、なおのこと自動車で行きたくなります。
まとめ:大型遊具はひとつだけ、施設は充実して環境もよし
決してすぐ飽きるような遊具ではないとはいえ、大型コンビネーション遊具はひとつだけ。ただし、稼働している季節ならば徒渉池の水遊びも加わったり、芝生を活用したりと利用し甲斐はあるはずです。竹取公園まで含めれば、たっぷり遊べることも間違いなしです。
もっとも、事によれば古墳そのものや関連の展示を、広くてしっかり整備された公園と一緒に楽しめるならば、刺激度としては特別なものがある公園ともいえます。
公式サイト:奈良県 県営馬見丘陵公園