ふわふわドームなどが組みこまれた白い象徴的な建造物や遊具が並びます。そこは駅前というよりも、まさしく駅の構内。奈良県天理市にある天理駅前広場コフフン(CoFuFun)は、駅に近いなどという概念を通り越して、駅が公園になっているような場所です。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。コフフンはお弁当を食べたり、ゆったり時を過ごしたり、街の中の公園として誰にでも優しい魅力がある場所にもなります。
ただしもっとも注目したいのは、子どもが思い切り遊べる場所であること。この地域の象徴的なものの代表となる、古墳をモチーフにした屋外の遊び場に加えて、駅舎内にもコフフンの施設はあります。そこでは乳幼児に対する配慮もバッチリです。
駅前に公園があれば、駅から近くて行き易いとか、駅前だけにいろいろなスポットが揃って使い易く便利だとか、メリットを感じられます。コフフンはもちろんそんな特徴は備えたうえで、遊び甲斐もユニークさもある遊具があります。
場合によっては、充分な台数が確保できない恐れがあるのは事実。それでも無料の駐車場(時間制限有)まで用意されています。大型公園といった規模には至らないながら、気が利いていて高いレベルの意欲で運営されていることを感じられる公園です。
盛んにイベントなども開催される駅にある公園、コフフンを、いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べる天理駅前広場コフフンをしっかり解説!
万葉まほろば線の愛称を持つJR西日本桜井線の駅であり、近畿日本鉄道の天理線の終着駅にもなっている天理駅。その駅舎内と駅前広場が、遊具のある遊び場や憩いの場になっています。
駅にはコンビニエンスストアがあります。さらに加えて、コフフンのショップも入っています。誰にでも、特に子どもにとって楽しい場所となっている天理駅前広場コフフン、コンパクトにまとまって便利に使えるそれぞれを見ていきます。
- 遊び場
- ふわふわコフン
- すりばちコフン
- 多目的広場
- 南団体待合所
- 憩いの場
- ステージコフン
- テーブルコフン
- インフォ&ラウンジコフン
- ベビーコフン
- 小売店舗
- コフフンショップ
小学生以下ならスタジアム気分のふわふわコフン
コフフンのふわふわドーム、ふわふわコフンはそこそこの大きさのひとコブのもの。ひとつだけなので利用は小学生までに制限されています。それはふわふわドームというものを考えると、致し方なしのこと。この点については関連記事をご参照ください。
関連記事:【おすすめ遊具】公園選び写真満載の参考書、どこにある?が一目瞭然
ふわふわコフンは、古墳をイメージした白い建造物に収まっています。このため中で遊ぶ時には、スタジアム気分を満喫できます。
白い砂が眩い内部は、階段状のスペースが回りを取り囲みます。子どもにとって視線が注がれるこの環境はエキサイティング! なかなかの演出です。
同時にしっかり見守りが可能なところもよいところ。ふわふわドームの本物の証となる送風機も、さりげなく建造物の下に隠れています。装置は武骨なものなので、この夢空間では目立たないほうがよいでしょう!
利用時間:9時~17時(季節変動あり)
対象年齢:3歳~小学生
未就学児童の見守りで、大人が立ち入ることは認められています。基本的にふわふわドームでは、しっかり子どもに注意を払っていなければ危険があり得ます。手を繋いだり、周囲に注意を払って遊ぶのが肝心です。
どうやって遊ぶ?自由度が高いすりばちコフン
滑り台のように滑りを楽しむ場でもあり、バンクを走って円周を上ってみたり、傾斜は36度あるという、内部はすり鉢状に穴の開いたコフンの遊び方はいろいろ。
お約束的にロープも降ろしてあるとはいえ、登坂遊具というよりもバンクを生かして欲しい印象です。最上部も開口部以外は柵です。
実は円墳としてほんとうに古墳の形をしているのは、すりばちコフンと連なっているテーブルコフンだけ。あとは逆さになっていたり屋根になっていたりします。その意味では広場内の正統派コフン!
利用時間:9時~17時
対象年齢:小学生
多目的広場の遊具も心踊るユニークさ
それぞれのコフンの周辺は、いわゆる公園らしい遊具が配置された多目的広場になっています。緑のソフトな床部には滑り台やブランコに加えて、ネット遊具やスプリング遊具なども配置。
滑り台やブランコは普通ではない意匠を凝らしたものです。コフフンをデザインしているのは、すでに世界的な評価を獲得している建築家の佐藤オオキさん。3つあるブランコがひとつづつ形が違うこと。
滑り台のユニーク過ぎるほどの異形ぶりなどを見ても、デザインには存分に腕が揮われています。もっとも奇をてらっているというよりも、佐藤オオキさんがコンペを勝ち抜く際の主張が、子どもが自発的に遊びの可能性を開拓し、周りの家族も自分の時間を作れる場所にすること。
こうした考えは遊具新潮流ともいえる流れに合致しています。まだまだ大きな動きではないとはいえ、子どもに遊びの発想を委ねる抽象的なオブジェ系遊具、形を見せ始めているのです。
ごく小さなものながら、難易度高めの大きく捻りが加わったネット遊具、決まり切ったやり方になってしまう、甘口テイストなだけでないのも同じアイディアといえます。ふわふわコフンのところでご紹介した公園選び写真満載の参考書の関連記事にて、こうした抽象的なオブジェ系遊具についてご参照頂けます。
多目的広場には簡単な遊具ならば、ちょっとしたスプリング遊具なども並んでいます。
その中でも単純ながら意外に面白そうなのがこの板。これもスプリングがついています。幼児でもトライできそうなこの遊具から、どんな発想が生まれるのか楽しみです。
さらには、いわゆる健康器具も並びます。
一部のものは子どもも遊びに使えそうです。
ただ、意図しているのはあくまで大人の健康チェック。運動不足の解消でしょう。
多目的広場にあるトイレは子ども対応もしっかりの気持ちよいものです。
遊びに利用できる屋内スペースもあり
駅舎のJR天理駅の隣にある南団体待合所は、団体列車運行の際に利用される場所です。天理教教会の本部のある街の中心駅でもあり、行事などに際して大勢が集まることもあるのです。
南団体待合所は、そんな時以外には子どもが遊べるようになっています。
しかも、間に合わせ程度などとはいえない充実度。ボールプールがあったり。
ソフトブロックがたくさん用意されていたりします。
スーパーノヴァまであるのには驚きです。この遊具丸い部分は回転するようになっています。ギザギザがあるので、乗っている人以外が回してあげられます。保護者が様子を見ながら回してあげる分にはとても楽しい遊具。
ただ、悪ふざけをしたらとたんに危険な遊具になります。しがみついて乗ることもでき、立って乗ってもいいようにできています。小さな子どもが立っている時に不用意に回したら… ということでしっかり注意書きがあります。
上映施設があったり、絵本や知育玩具も置いてあります。そのための机や椅子もたくさん。よく見ると椅子もコフン(逆さの古墳の形)なのが分かります。館内は無料Wi-Fi完備。
イベントのフォトセッション用の衣装など、やはり意欲的な運営です。
利用時間:8時~20時(団体列車利用時は利用不可)
憩いの場として機能するコフンも充実!
地方都市では課題になりえる、寂れた駅前の活性化というのもコフフンのテーマ。大人含めて人が集える場として機能するようにも仕掛けられています。
ステージコフンはイベントスペース
屋外ステージとなるステージコフンでは、ご当地体操のいちょう体操など、健康関連イベントが盛んです。また児童や生徒の演奏会、ダンスセッションなども行われています。もちろんイベントの発想はまだまだ自由です。
利用時間:イベント利用は8時~21時、利用はいつでもOK
テーブルコフンは自由にくつろげる場所
コフンの頂点に大きなテーブル、その周りの椅子に座って過ごせる場所。使い方は自由、お弁当を広げて青空の下で読書も大丈夫。時間もいつでも使えます。
レストランのあるインフォ&ラウンジコフンでは自転車レンタルも
地元食材を利用するレストラン、パークサイドキッチンと旅行案内所が入るインフォ&ラウンジコフン。
パークサイドキッチン営業時間:8時~18時
案内所のインフォメーションではウォークポールのレンタルも! 返却は山の辺の道(天理市を分断する春日断層崖下を歩く、三輪山~春日山を結ぶ日本最古の道といわれるもの)のトレイルセンターでも構いません。
インフォメーション営業時間:9時~16時
覚えておきたいのは自転車ショップのバイシクルカラーで米国TREK社の自転車を貸してもらえることです。
バイシクルカラー営業時間:11時~19時(土日は10時から)
バイシクルカラー定休日:水曜(祝日の場合翌日)
ベビーコフンなら赤ちゃんと一緒でも大丈夫
駅舎の一番南側、天理ステーションショップの一角にあるベビーコフンは赤ちゃんや乳児と一緒の時は助かる場所です。
授乳室を使う当たっても、調乳機、離乳食用に電子レンジなども用意。オムツ替え台ももちろん揃っています。
お世話をする間、お兄ちゃん、お姉ちゃんに退屈せず待っていてもらえるとうれしいです。絵本と玩具があるキッズスペースもあります。
利用時間:9時~20時
コフフンショップで入手できるのは地元物産
天理ステーションショップにはコフフンショップもあります。駅舎にはコンビニエンスストアもあります。コフフンショップはライバルではなく地元物産を販売するお店。柿菓子、ジャム、お茶、調味料などの食料品やハンドクリーム、ペーパーナイフ、ボタンなどの商品も扱っています。
コフフンショップ営業時間:9時~19時
コフフンを訪れるには(アクセスについて)
住所:奈良県天理市川原城町803
連絡先:080-3119-5220
又は0743-63-5016(天理市総合政策課コフフンにぎわいづくり推進室)
コフフンは天理駅にあります。自動車で向かったら、広場内90分無料駐車場か駅前有料立体駐車場を利用します。無料駐車場のほうは90分以内なら、精算機を操作するだけで車止めが解除されます。
【自動車を利用する場合】
天理駅前広場自動車駐車場:90分間無料(43台、内2台は優先スペース)
90分を超えると400円、以降1時間毎に200円
駅前立体駐車場利用料金:1日最大800円(屋上は500円)
*以下括弧内は屋上料金、屋上のカードリーダー使用
最初の30分(45分)100円
60分(45分~90分)まで200円
60分(90分)以降毎時100円
6時間より24時間(4時間30分から24時間まで)まで1日最大料金
24時間以降はこれの繰り返し
ふわふわコフンの道路を隔てた向かい側に、有料の大きな立体駐車場があるため駐車スペースそのものは充分あります。空きスペースがあれば、90分までは広場内無料駐車場がお得。90分を過ぎるようならば、立体駐車場を利用した方がお得です。
公式サイトからの引用
名阪国道(西名阪自動車道)天理インターから5分(大阪市内から約30分)
最寄インターチェンジ:西名阪自動車道天理
大阪方面からの場合、京奈和自動車道路郡山南を利用するのも分かり易いです。天理のひとつ前、郡山でもいいでしょう。いずれにせよ天理駅を目指すので明快です。
【公共交通機関を利用する場合】
公式サイトからの引用
JR・近鉄天理駅よりすぐ(大阪駅や京都駅から約50分)
遊具はJR桜井線天理駅、近鉄天理線終点の駅舎の東側の広場にあります。駅舎内のコフフン関連施設は、南側のJR駅寄りです。
まとめ:駅前どころか駅が公園、子どもの遊び関連施設が充実
駅前にいつも賑わいが欲しいという願いからできた天理駅前広場コフフン。戦略として採用されたのは、子どもが自由な発想で遊べること。そして大人も一緒に楽しい時間を作れること。
その線に沿ってたくさんの種がまかれている公園だと感じます。もっとも花開かせるのは実際に遊ぶ人。アクセス手段含めて良好な環境が用意された公園です。子どもがどんな発想をみせるのか、そんな楽しみもある公園です。
もっともそれだけに見守りはしっかり必要な公園。気疲れがしたら憩いの場でどうやって癒すのか今度は大人の発想が試されそうです。いや、子どものいつもに増しての元気な姿を見れば、そんな心配は要らないのかもしれません。
公式サイト:天理駅前広場コフフン