外から見ただけでも回廊がずっと続くように見える、大きな円を描いている建物は、まごうことなき遊具。長野県松本市の信州スカイパークにある大型木製遊具は、そんな奇想天外ともいえる遊具建造物です。
あまり類を見ないものだけに、想像もつきにくい遊具の中に入って見れば、やはり予想以上に複雑な構造になっていて、ぐるりと一周できる内部を制覇するのは、ただ事ではないことが分かります。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。大型木製遊具のスケールは、登って見れる遊具建造物の塔の上からでも一目瞭然のもの。そしてそこには、実にさまざな遊びが仕組まれているのです。
この大きさの中に潜んでいる、数々の仕掛けもさることながら、ぐるりと見渡す視野の中でさえ、まだまだ遊具が並んでいることが分かります。このターミナルゾーンは、長野県松本平広域公園信州スカイパークとして県随一となる広い敷地の、ほんのひとつのゾーンでしかありません。
信州まつもと空港の2,000 mに及ぶ滑走路を包み込む、信州スカイパークを一言で説明するのは難しいことです。たくさんの魅力がある公園の中で、空港に隣接するターミナルゾーンが、人が集う場としてはやまびこドームや、豪快な噴水の修景池のある広場などみてもセンター的役割。
もっともここは、Jリーグの松本山雅F.Cの本拠地アルウィンがあるように、他のゾーンは、本格的な運動施設がある場所にもなります。他にも遊具やアミューズメント施設のあるゾーンもあり、とにかくひとかたならぬ公園。
それでもターミナルゾーンの大型木製遊具は、飛び抜けて特徴ある遊具といえます。この大型遊具に焦点を当て、この周囲に並ぶ遊具も含めて、いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
関連記事では信州スカイパークのすべてが、ひと通り分かるようになっています。
関連記事:子どもと無料で楽しむ長野県松本平広域公園信州スカイパーク
子どもが大型遊具で遊べる信州スカイパークをしっかり解説!
- 信州スカイパークのターミナルゾーンにある大型遊具一覧
- 大型木製遊具(大型円形建造物+小型ハウス)
- コンビネーション遊具
- ザイルクライミング
- ターザンロープ
信州スカイパークには、他のゾーンにも遊具やアミューズメント施設があります。そういったものが広い敷地のどこにあるのかは、全体像を記したものとはまた別の関連記事をご参照頂けます。
関連記事:子どもと楽しむ信州スカイパーク遊具探索編
大型木製遊具 大型円形建造物が圧巻!
緑色の大きな屋根に、明かり取りの窓が並ぶ円形の建造物が、大型木製遊具の本体部分になります。外観として2つの黄色い塔が見えます。ただし、実際に登れるのは高いほうのひとつだけ。
他に外から確認できるだけでも、いくつかの滑り台、ネットやラダーにロープ、ステップが設置された斜面、通話パイプなどなど、すでにどこの何から遊んだらいいのか迷うほどの多彩さです。
大きな明かり取りの窓が並んでいるのですから、内部に入れることも容易に想像がつくでしょう。この大型木製遊具について本当の特徴は、遊びが25種類詰まっている多彩さよりも、中の構造の複雑さです。
単純な回廊に遊びが並んでいるのではなく、ぐるりと一周巡るだけでも相当な冒険になります。そもそもこの遊具の内部は、1周とはどのルートか決めるのが難しい複層構造になっていて、それもあちこち入り組んでいて一筋縄ではいきません。
大まかな構造としては、入り組んでいて一欠けらに語ることは憚られる、緑色の大屋根の中を敢えてまとまりとして分類すれば、下で支える柱の構造体が成す軒下の部分と分けて考えられます。
内部と軒下を結ぶ連絡路の多くが遊具でもあり、実はひとつで多機能なものだったり…
連絡はしていない部分も一方から他方を伺うことは、視覚的にも、聴覚的にも冒険を彩る要素になっています。
太鼓橋のように盛り上がった青いところも下が透けて見えています。
下からも上が透けている床下は、それはそれで仕掛けがあります。
一見内部から滑り出すようなチューブスライダーは、実は軒下からの出発。内部からではありません。だからこそ滑ってみるだけで、ちょっと苦労がある仕組み。
滑り台が実は軒下に隠れているだけでなく、秘められた冒険は下部でさえ、まだまだ続いています。
ところで外観としても特徴のあるドームが、4つ屋根に取り付けられているのも見えます。
このドーム、四季折々の夜空を表したもの。自然光によるプラネタリムで、青い太鼓橋のようなところに投影されている光はこれです。この光も下から見えています。
黄色い部分は、ちょうど青い部分とは凹凸が逆。演出は同じシースルー。
木の床のスリットも同じ趣向です。
高いところに意図的に設けられて、スリルを感じるものではあります。下は屋根付きの、丸く広い板張りのスペースのある、中庭のようなところへの出入り口部分。
基本的に床下まで、あますことなく遊びを配しています。高い床の部分のスリットも、出入り口をただそれだけにしない演出です。
なにしろ木製大型遊具の下部構造として、軒下にさらに違う軒下があったりもしています。
そんな風に軒下だって簡単に分類できるほど容易い構造ではないものの、内部の仕掛けもさらに輪を掛けて興味深いです。例えばラダーで連結されること自体はごく一般的。けれども大きな鏡も配置されることで、なかなかの異世界感。
そして割と普通に見える緑のはんとう棒の横、並んでいる赤いラダーは、意外や変形の階段でもあったりします。なんとも見どころ一杯の遊具。ただ大きいだけではないです。
登れるほうの塔も、緑の屋根の内部からのアクセス。そびえる塔からの眺望は、なかなかのもの。
狭い階段を登っていかなければなりません。素晴らしい眺めの代償はちょっとした苦労。
大抵ならこの塔から周りを見回すことが、最大の目的になりそうなものです。ところがこの遊具構造物のただならぬところは、こんな刺激も多くの中のひとつ。惹起される好奇心や探求心は留まるところを知らない、極上の遊具になっているのです。
外周の構造物に囲まれた中庭部分に、玄関口のようなイメージで、屋根付きの円形踊り場があります。もっともこのスケールです。一旦冒険を中断してのんびりするのにもいいスペース。
他にも軒下部分に、板の間の休憩スペースがあります。まだまだ訪れる価値のある信州スカイパークであっても、ここをおざなりにできないところはある意味辛いところ。やはりできるなら、しっかり時間を確保して訪れたい遊び場です。
大型木製遊具 廊下で連結された小型ハウスは幼児向けの配慮
大型木製遊具には別棟的に、廊下で連結されたミニハウス部分もあります。それは青、赤、黄色それぞれ3つの棟になっていて、傍らの看板でも、緑の屋根のほうは児童(6歳~12歳)向け、ミニハウスは幼児(3歳~6歳)向けと案内があります。
本体ともいうべき緑の屋根の構造物から、階段で下りると別棟へのルート。3つの小棟の中央にはベンチというか、乳児でもハイハイできそうな板張りの台があります。3色の建物に囲まれているところがミソ。
小さなクライミングウォールが緑色なのでとてもカラフルなスペース。定番の手法ながら気持ちを盛り上げてくれます。意外に垂直な壁登りは大型木製遊具でもここだけ。ちなみに丸い板張りの台は、これまた側面が3色に塗られたものも並んでいます。
ただ真ん中のスペースは、やはりちょっと大きいのです。本体部分の中庭のデッキにも通じるコンセプトですが、こちらは露天。そして2段構えなところが違います。
3つのハウスのうち、赤と青のハウスは繋がっています。
赤青のコンビのほうは幼児対象とはいえ、ただ甘いだけの遊具ではないです。ハウス内にはクライミングウォールで進入します。
連絡路もネットの橋。途中には穴も開いています。
青いハウスは行き止まりで、やはりネットで下りられるようになっています。
もっとも下にいっても、行き止まりなことに変わりありません。
丸と四角という形だけでなく、連結ネット橋の穴とは地面に対する仕様も違います。見た目よりも複雑なのは、緑の屋根の本体部分同様という訳です。
対して黄色いハウスのほうは、滑り台小屋なだけです。
両端に滑り台のあるコンビネーション遊具とその周囲にも遊具
大型木製遊具と隣り合わせの林間にも、いくつかの遊具が置かれています。
ひとつはよくある、ちょっとしたコンビネーション遊具。両端に滑り台があるパートを、樹脂製のトンネルが結んでいます。低い方の段には階段もあります。高い方にはネットの坂。
難易度に差があるのかといえばさにあらず、反対側ははんとう棒とクライミングウォール。どちらが難しいかは、決められません。それから階段の横にも黄色いラダーもあるのです。
他にはジャングルジムと、フリースローのバスケットゴール。通常の形に加えて追加でふたつ、合計3つのゴールがあるものです。ボールは置いてあります。遊具ではないものの、熱中症警戒度ボードも置いてあります。
さらに、スプリング遊具がふたつあります。
展望台の丘にザイルクライミングとターザンロープ
さて、木製大型遊具の林間方面とは逆、滑走路方向の丘には、ザイルクライミングとターザンロープが並んでいます。
ザイルクライミングは大型とまではいえないそこそこのもの。ただし、いろいろな遊具のある信州スカイパークでも、ザイルクライミングはここだけにしかありません。
ターザンロープは、公園内で他のゾーンにもあります。そのいくつかの内のひとつながら、ここだけの特徴もあります。それは2連式であること、スタート台はなく丘の傾斜を利用するタイプであること。
そして、なんといってもロープの先にはボールが吊り下がっているタイプであること。この形ならばボールに座ってみること含めて、掴り方に選択肢が生まれます。
丘の上は展望台になっています。信州まつもと空港の滑走路や空港ターミナル、大型木製遊具も見下ろせる場所です。
とはいえ、やはり大型木製遊具の塔の展望には敵いません。狭い階段を登っての眺望は、子どもなりの特権になるものです。
それでも展望台の丘は、2019(平成31/令和元)年信州花フェスタのメイン会場となった、花で埋め尽くされた光景が見事な場所。
ザイルクライミングとターザンロープは、そのスペックには関わらず、心踊る演出があるロケーションになっています。
信州スカイパークを訪れるには(アクセスについて)
住所:長野県松本市神林5300(アルウィン)
参考住所:長野県松本市大字空港東8909番地(信州まつもと空港)
連絡先:0263-57-2211(信州スカイパークサービスセンター)
信州スカイパークターミナルゾーンは信州まつもと空港と隣接するエリアです。空港を目指して訪れれば、ターミナルゾーンにあるやまびこドームを見つけられるはずです。
駐車場:無料(1号~14号、玄関前、体育館前)
ターミナルゾーンの駐車場は、8号P(普通車179台)、9号P(普通車72台)、10号P(普通車163台)です。ターミナルゾーン松本市今井プールと駐車場に隣接する、みどりのプロムナードゾーンの11号P(普通車42台)を利用してもいいでしょう。
最寄インターチェンジ:長野自動車道路塩尻北約4 km
バス便の出発駅:JR篠ノ井線松本駅(松本バスターミナル)
信州スカイパークへの詳しいアクセスは全体像の分かる関連記事をご参照ください。
まとめ:広大な公園にて遊具での遊びに集中するならターミナルゾーン
とにかくあまり見たことがないであろう、大型木製遊具で遊んでみるのは滅多にない体験となり貴重です。連結する幼児ハウス、コンビネーション遊具、ザイルクライミング、ターザンロープと遊具がひととおり揃う場所でもあります。
一気に集中して遊具で遊ぶならば、まずは目指す場所です。ここが欠かせないのも事実ながら、まだまだある公園の魅力。あとはじっくり遊具を探索してみるといいです。ターミナルゾーンが特筆ながら、他のゾーンへの訪問や、そこの遊具も忘れないで欲しい信州スカイパークになります。
公式サイト:長野県松本平広域公園信州スカイパーク