誰もが長く大きな身体をイメージするだろう龍。そんな龍をモチーフとする、高く、長く、大きなコンビネーション遊具がある街があります。それも街の中心部のすぐ近くにふたつです。
そして遊ぶ側からすれば、さらに都合がいいことにどちらも違った持ち味があって、それぞれ面白い遊具なのです。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。爽やかな空気が気持ちのよい高原の街の一画。毎年7月末の龍神まつりの主役が飾られる龍神の館のある龍神の杜公園。
公共施設や病院、清涼な空気を求めて進出してきた著名精密機器メーカーなどが集まる場所に、大きな球場やグランドがある雪窓公園。豪快に遊べて、甲乙つけがたい楽しさがありながら、どちらもテーマとするのは龍です。
それぞれの特徴をしっかり見極めながら、龍にまつわる背景もしっかり注目し、いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型龍神遊具で遊べる雪窓公園、龍神の杜公園をしっかり解説!
龍神にまつわる伝説の舞台に相応しいふたつの遊具。どちらかを選ぶのでなく、できればどちらも楽しんでみて欲しい遊具です。
こちらは高さがテーマ?龍神の杜公園の龍の巨大コンビネーション
御代田(みよた)駅からものの5分も歩けば辿り着く、龍神の杜公園の遊びの主役は龍の巨大コンビネーション遊具でしょう。もっとも本当の主役は公園内の館に鎮座しています。龍神まつりで舞い踊る45 mの龍神の一大ステージとなるのも、公園内のお祭り広場です。
- 龍神の杜公園の概要
- 龍遊の広場(遊具のある場所)
- 龍の広場(エントランス部分)
- 龍神の館(龍神の展示室)
- お祭り広場(円形ステージ)
- 龍神庭(日本庭園)
- のびのび広場(芝生広場)
- テニスコート(御代田中学校が専用使用)
- 展望広場(端部の芝生広場に東屋あり)
龍のコンビネーション遊具で目指していくのはロングスライダー。そこに至るには実に多彩な手段があります。ロングスライダーへの直接のショートカットはなしです。
アクセスドームとでもいったら、まさにそのままの部分を必ず経由する仕組みです。こういう単純な仕組みなのに経路は複雑というのは案外珍しいかも。
ドーム状の屋根部分からロングスライダーへの登坂路が出ています。この出発点とでもいうべき、屋根に上る手段がぐるりと配置されています。
順番に見てみましょう。黄色の出っ張りに手足を掛けて上ります。さほど距離がないとはいえ緩くはない曲面です。少し力は必要でしょう。
ネットは内側、外側にもっと頼りになる梯子があります。このルートは一番簡単そう!
ネットだけの部分。グラグラして案外楽ではないです。方法はこの3種類。
上ったところは手すりが切れていて、屋上に上がれるようになっています。
ドームの周囲を巡回できる緑色の鉄板の通路は中段部分に当たります。実はこのドームに見える部分は球状です。影になっている下の半円部分はネット。
そして直接、球の一番下にアクセスする入口もあります。
チューブトンネルを、くぐり抜けてもいけるのです。
いずれにせよ、中に入ったら登って緑の鉄板部分に抜けられるようになっています。
もちろん、緑の通路から内部に進入してもいいです。
内部から頂上へは行けません。中で遊んでみるだけです。
緑の円周路に沿った外側の下には、約半周に渡るデッキ部分があります。
デッキの両端は緑の通路への坂道であり、片側はチューブスライダーへの道でもあります。
デッキのもう片方の端は、ネットトンネルとの連絡口にもなります。
コンパクトながら実にいろいろな要素が詰まった部分です。なかなか面白い遊具なんじゃないでしょうか!
龍の尾の部分にはミニミニローラー滑り台です。
すわ日本一短いものを更新か! と思わせました。高さを見ると微妙に記録更新はならずか。
もっとも、いまは使用中止です。それから、ここから続く尾をイメージした緑のリングトンネル、難易度も日本一短いクラスの滑り台にはふさわしくありません!
他にも、けっこう厳しい仕掛けが用意されるこの出発点となるグローブ。まさに光と影が競演する、多彩な魅力がある遊具。この部分、小さいからといってバカにできない奥深さがあります。
龍神の杜公園の大型以外の遊具は?
龍の巨大コンビネーションの周りには他の遊具も少々。なんとターザンロープは2連でしかも同じレーンを並走するタイプです。
ターザンロープのエントランス寄りには砂場、奥にはブランコや鉄棒があります。
動物を模したスプリング遊具も3つあります。
遊具のある龍遊の広場のエントランス寄りはお祭り広場でした。公園のさらに奥はよく整備された芝生ののびのび広場です。
エントランス付近、龍の広場のトイレもとてもキレイです。
こうなると当然のごとく、多目的トイレは子ども対応バッチリです。
どちらかといえば長さがテーマ?雪窓公園の大型コンビネーション遊具
御代田駅前の龍神の杜公園に対して、雪窓公園はもう少し公共施設や街の中枢となる企業のある方にあります。雪窓公園もスポーツ施設などそういったものの一角だといえます。
大きな面積を占める雪窓球場と多目的グランドの運動施設の他、遊具のあるチビッコ広場、芝生広場といった子どもの遊び場も加わる公園です。
遊具のあるチビッコ広場横の駐車場から足を踏み入れれば、やはりあるのは龍の大型コンビネーション遊具。
こちらの龍の口はまさにエントランスといったお手軽な雰囲気。ラダーは上からいっても下からいってもいいでしょう。
それでももっと簡単にというならば、龍のアゴの辺りの階段でも大丈夫。
もっとも次は少々傾斜のあるネットトンネルです。けれども網も細かいもので問題なくどんどん進めそうです。
雪窓公園の大型遊具もまた、トンネルを渡り切ったあとは、最後の方にあるロングスライダーを目指すことになります。その道筋にいろいろな仕掛けがあります。
尾っぽの辺りこそ高さがありますが、龍神カラーであろう緑のボディ部分の長さを冒険する感じです。
このリングトンネルが尻尾のハズ! だからロングスライダーは龍のボディには該当しません。
もしかしたら振り上げた足なのかと思えば、それは橋のたもとのジャングルジムの辺りですよねえ?
ちなみに前足部分には小さなすべり台。
反対側はターザンロープです。
もっとも、龍なんですから尻尾が2本あったっておかしくないです。なにしろ頭が三つも八つもあったりするのが龍という奴です。
ボディ部分の橋は軽く縦横に湾曲した足場つきの太鼓橋。下には雲梯がついています。
腰にあたるジャングルジムのところからは、長い尾の部分として鉄棒の橋。そして、また足場付きのところを上って、最終セクションになります。途中のサイドにはネットの登坂路もあります。
雪窓公園の大型遊具以外の遊具は?
大型遊具の他には鉄棒やブランコ、スプリング遊具。
雪窓公園にはシーソーもあります。それも左右にクロスしたもの! とはいえ十字形なんじゃあなく、縦横クロスして設置してあるだけです。
子どもはやはり、カバにも注目!
休憩所横の水飲み場もカエル。オブジェが利いた公園です。
どちらも滑りのよさを意図したロングスライダー、対決の焦点は!
龍神の杜公園、雪窓公園どちらも、それぞれ高さ、長さを特徴とする大型コンビネーション遊具が中心の公園です。魅力はそれぞれ。
けれども同じなのは、どちらもロングスライダーを目指す遊具だということです。雪窓公園の方はロングスライダーにショートカット可能ながら、龍神の杜公園については必ずドームに上らなければなりませんでした。
ところでここまでの写真で、このふたつの公園の最終目標、ロングスライダーがローラー滑り台ではないことにお気づきでしょうか。
どちらもステンレスらしき金属のパイプが縦に並んだ、隙間のある滑走面の滑り台です。一般的なステンレスの板の滑走面よりも接地面が少なく抵抗がより掛からないハズです。
最近はグリッサンド滑り台という同じ狙いの素材が使われたりします。この滑り台、爽快に気持ちよく滑走させたいという狙いがはっきりしています。
実際に龍神遊具対決を体験しようとなさる場合には、是非この滑り味がどんな具合なのか感じてみて頂けたらと思います。
龍神の杜公園のほうが高さがあって、より長いことは間違いないです。けれども安全対策のため傾斜が緩んでいる区間は長いです。子どもは果たしてどんな感想を持つことでしょうか。
龍神遊具誕生秘話、御代田の龍神まつりとは
龍神まつりそのものは、特に格別な長い歴史があるのではなく昭和の頃に地元に伝わる伝説をもとに始まったものです。浅間山はもちろん、高原野菜やカーリングと並び、すっかり町のシンボルとなった龍神に魅せられる人も増え、賑わいをみせる御代田龍神まつり は毎年7月最終土曜日に12時~21時に開催されます。
元ネタとなる甲賀三郎龍伝説は、もともと諸説ある話で、名前の通り三重県の甲賀といったり、信州といったり、三郎が暮らしていた場所もいろいろ(当地では信州)。三郎が龍になるのですが、穴に落ちるのは共通ながら場所と経緯もいろいろ。
甲賀三郎が龍となって戻ってくるまでの異界での出来事や後日譚にも、いくつかのバージョンがあります。
おおまかに共通になっているのは、甲賀三郎が3人兄弟であること、美しい妻がいたこと、それを兄弟が妬んで計略によりある穴に落とされてしまうこと、話の前段のこのあたりは一緒です。
その後、いずれにせよ甲賀三郎が異界から戻る場所が、どの話でも浅間山のふもとの沼ということなのです。そしてこの沼は御代田町の真楽寺の大沼だとされます。
その時に龍になっていた甲賀三郎は、身を投げて同じく龍になった妻とともに諏訪湖に行きます。その後については、諏訪湖で暮らしたという話もあれば、今の諏訪大社の上社、下社はそれぞれが祀られたものだとする話もあります。
つまり龍になったこと、現れたのが御代田町の真楽寺の沼なこと、その後(龍として)暮らしたのが諏訪というところだけは共通なのです。
雪窓公園、龍神の杜公園を訪れるには(アクセスについて)
龍神の杜公園
住所:長野県北佐久郡御代田町大字御代田2505番2
連絡先:0267-32-3129(建設水道課 都市計画係)
雪窓公園
住所:長野県北佐久郡御代田町大字御代田4107番42
連絡先:0267-32-3111(建設課都市計画係、内線38)
龍神の杜公園は駅からすぐ。龍神まつりの際には通行止めになって、出店も並ぶお祭り通りとなる道を行きます。雪窓公園は少し距離があります。けれどもバス便はないので、自動車での利用がおすすめになります。
雪窓公園の周辺は大林児童館や御代田南中学など公共施設、御代田中央記念病院や地元の中核企業、シチズンの関連会社など街の中核となる地域です。
公園案内図には含まれないながら道を隔てた大林児童館側にはフットサルコートのある、ヘルスパイオニアセンター、体育館となる御代田町B&G海洋センター、テニスコート、ゲートボール場なども並んでいます。
【自動車を利用する場合】
駐車場:無料(どちらの公園も!)
龍神の杜公園は、駅前からくる線路沿い道路側公園エントランス付近に駐車場があります。御代田中学校入口交差点のやや駅寄りのところです。
雪窓公園は町営グランド前交差点のところにある駐車場(多目的グランド横)を利用しても構いません。もっとも大きな駐車場はここです。ただしチビッコ広場のすぐ隣にも駐車場はあります。
ほかに雪窓球場横にも駐車場があります。公園敷地の中でチビッコ広場とは対角線上になり、野球場があるために大回りをしなければなりません。とはいえ、それほど距離はありません。
最寄インターチェンジ:上信越自動車道路佐久インターチェンジ5.5 kmほど
どちらもまずは中山道(県道9号)を向かうのが基本ルート。龍神の杜公園は御代田駅に向かうのと同じルートです。雪窓公園は旧小田井宿付近を右折して東の市街地に向かいます。ルートは多少違えど最短距離はほぼ同じです。また、どちらも迂回路もいろいろ使えます。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄り駅:しなの鉄道御代田駅
龍神の杜公園:徒歩5分(約400 m)
雪窓公園:徒歩25分(約1.8 km)
どちらもバス便はありません。
まとめ:豪快で楽しい大型コンビネーション遊具の肝はロングスライダー
どちらもロングスライダーを目指し、爽快に滑り下りるのが大筋の遊び方。一気に下りて楽しむタイプの滑り台は刺激が強いハズ。同じようでいて微妙に違うロングスライダーでどんな反応をみせるのか、観察するのがむしろ親の楽しみになるかもしれません。
どちらも清涼な空気の御代田を満喫できるキレイな芝生広場を備えています。芝生で過ごす時間も考えて準備をするとより楽しめる公園です。