夏にはひまわり、秋にはコスモスが咲き乱れる花畑を持っていて、すっかり人気の的になっています。そんな名声を博しているのは、兵庫県小野市のひまわりの丘公園。ただし、ひまわりなどの花畑は、あくまで季節のもの。
花が咲かなければ価値がないのかといえば、そんなことはありません。子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。海賊船パニックワールドを中心に遊具が揃う、わんぱく広場はとても魅力的な遊び場。
確かに非日常な盛り上がりをみせる花畑と、逆にいつでも楽しめる大型遊具の他にも、何かと楽しめかつ、お出かけの目的になるものが沢山ある、むしろ日常的に便利に使えるスポットだ! というのが偽らざるところなのです。
いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。もちろん「子どもと楽しむ公園」シリーズらしく遊具が中心になるとはいえ、もっと見どころもあるひまわりの丘公園。
いわゆる「使えるところ」がどんななのか? ひまわりやコスモスを鑑賞するためにもアクセスはどうなっているのか? など、余すことなく網羅するようにします!
ひまわりの丘公園の遊具の大幅リニューアルは2022(令和4)年12月24日に完成しています。本編のメイン遊具の画像はリニューアル前のものです。
子どもが大型遊具で遊べるひまわりの丘公園をしっかり解説!
遊具はわんぱく広場にまとまっています。その中で海賊船が、パニックワールドになっている様子について詳細をみてみます。
わんぱく広場の主役は海賊船パニックワールド
2艘の海賊船がモチーフとして並んでいます。ひまわりの丘公園で遊具のある場所、わんぱく広場の主役となる遊具が海賊船パニックワールド。周囲に単独の遊具もあるとはいえ、これでほぼすべてではあります。
とはいえ、え? それだけというなかれ。わんぱく広場の主役は海賊船パニックワールドであっても、海賊船が主役なのではないです。それは、ほんの一部分。
球状の足場を吊り下げた橋を渡った先にある、もう一艘にしてもやや大きくなるとはいえ、パニックワールドの中で派手な存在にはなりません。
名前からすれば、巨大な船形遊具があるのか! と期待したくなるかもしれません。海賊船パニックワールドの実態はむしろ、海賊船が停泊する母港。
ここから出撃する、秘密アジトのイメージだと思った方がいいです。港町を象徴する見晴らし搭と、港湾設備のイメージにいろいろな冒険が組み込まれた感じ。
長いローラーすべり台もあれば、ターザンロープもあります。アスレチック風の回廊も随所を巡ります。海賊船は回廊の一部のように機能しているに過ぎません。パニックワールドの冒険こそが注目すべきところです。
海賊船パニックワールドのパーツとして、圧倒的な存在感になるのがローラーすべり台。そもそも出発地点となっている搭も、ハートフルシティおのという表記と伴に描かれるひまわりや、海賊のキャラクターが並ぶ屋根が目につきます。
ぐんと突き出てそびえ立つ搭に上ったところから、ぐるりと360°周回している豪快なロングスライダーになっています。
搭へ上っていく仕組みは、それこそいろいろ。もちろんよくある感じの階段もあるものの、迂回路があるというよりも、あらゆる趣向が詰まっているといったほうが適切です。
海賊船のほうからのルートは丸太の吊り橋。アスレチック遊具風のルートが、集約される場所から渡されています。
内側にシンプルな階段が隠れる、塔の入口的な場所の両端には、少しチャレンジになるルートが接続されます。うねる長めのラダーで上に行けば、ローラーすべり台を滑る姿をすぐ横で確認できる場所です。
対面になる場所からは、さらに難易度があがるクライミングウォールでのアクセスがあり、通じているのは同じ場所。
塔の地上部分の真ん中には、迷路が仕組まれています。
迷路を挟んであるのは、クライミングウォールです。つまりこちらからは、直接2階へのアプローチ。足場が間隔を変えて並ぶ斜面では、ロープに掴ってアシストを受けられるのは、途中からになっています。
2階からはさらに階段で、上を目指すことになります。
上ったところは建屋部分の屋上デッキのようなところ。下の階ではローラーすべり台を横目に眺められるのに対し、屋上からは見渡すような眺めです。
さらに塔に上れば、ローラーすべり台に到着します。
ひまわりの塔があるため、公園内の最高地点ではないにしろ、来訪者が上れるところならば、一番高いところ。これからじっくり楽しむ滑走の様子を、丸ごと見下ろすことになります。
搭の足元には、アスレチック風の渡りでルートが作られています。連絡しているのは2艘の海賊船と、波止場になぞられる部分だけでなく、ブランコに向かったり、ターザンロープに向かったり。
ターザンロープは面白いタイプで、立ち乗りできる足場付き。
塔のところから、4連のブランコとターザンロープのところまでで、海賊船パニックワールドのすべて。遊具があるのはコンパクトといえばそのとおり、確かに小さくまとまったスペースです。
ただし、遊びの密度は高い! とても満足できる遊び場といっていいです。海賊船を少し見下ろす、波止場のように見える建屋は、すべり台の宝庫になっています。チューブすべり台に短いローラーすべり台もあります。
面白いことに、全体が複雑な構造のすべり台と捉えてもいい構造です。ミニミニハンモックネットに挟まって、チューブすべり台が2つ並ぶサイドが、すべり台サイドとして…
階段代わりとでもいうべき手段が並ぶのが昇降サイドで、階上の通路を挟んで連続している形の遊具といえます。
リングトンネルや、突き出た棒を使うクライミングウォールまで付いています。
真ん中の通路は、低いデッキから階段で上るようになっています。ジグザグ平均台のほうは、滑り降りるデッキに向かうもので、波止場風の部分の低いデッキには、丸太渡りをしてみてもいいのです。
低いデッキに続く階段でないサイドは、半ば独立したようなパート。ここにも小さな階段があります。
小さな階段からのデッキに通じるのは、ごく低い丸太吊り橋と平行して、短いローラーすべり台。
チューブすべり台の横にはランダムに板を張られた部分があります。何かと思えば、基本的には、ここの行き来を制限するガードのように機能しています。そして、この板張りのところには、隠されたものがあるのです。
置かれるのは鎖を編み込んだスロープ。さらに横に抜ける穴があり、チューブすべり台の先のデッキと連絡しています。例えばチューブすべり台の後、ネットを渡ってここから、鎖のスロープを経てローラーすべり台に向かったりできます。
壁に据えられた音声遊具は、見えない向こう側と通話するもの。いろいろと細かい仕掛けにも注目したい部分がある遊具になります。
複合すべり台遊具を波止場として、停泊する海賊船へのアスレチック風渡りルートにも、まさにパニックの連続というくらいに、多彩な挑戦が仕掛けられます。
マストらしきものが立つデッキでは、足場と地上を結ぶネットスロープ。
大きな足場と丸太を渡る部分は、場合によって補助ロープを利用する難易度。
さらに、吊り丸太の橋に続き、真ん中の足場を経て、もう一度吊り丸太で旋回ローラーすべり台の搭に至るルートになっています。
また、吊り下げられた大玉渡りは、この大きなほうの海賊船からのもの。船の中央部分から続いて、もうひとつの小さなほうとの連絡はありません。
平均台のように使えそうで、腰掛にもなりそうな低い柵が境界になって、海賊船がもう一艘ある形です。小さなほうの海賊船は特にやさしい感じ。ミニミニの2連ローラーすべり台、ステンレス座面ともに、かわいいものです。
パネル遊具の存在を考えても、小さいほうの海賊船は幼児のことを考えてのものです。
わんぱく広場にある他の遊具は?
わんぱく広場には周囲に、単独の遊具も少しだけ。海賊船パニックワールドはどうやら敷地を指すので、含めて考えるものらしい状況ながら、実際には別物のように佇みます。4歳までと記される、すっぽりと嵌れる椅子型のブランコが2組2基。
スプリング遊具も含めて、一連の海賊船パニックワールドへの挑戦はちょっと早い子どもを意識しているかのよう。遊具の難易度レベル的にいえば、海賊船がシンプルであっさりとしたものなのは、ちょうどいい橋渡しとも考えられます。
海賊帽をかぶった、おサルのキャラクターのジャングルジムとすべり台も、海賊モチーフながらパニックワールドの一部というより、単独の遊具でしょうか。よくあるすべり台と、よくある(あった?)ジャングルジムが、合体してさりげなくユニークなものです。
波止場らしき、すべり台遊具の隣にちょっとだけあるのは、健康器具のコーナー。こちらは大人への配慮?
マッサージ器? と思いたくなるようなローラーの台はボディストレッチ。これがストレッチ効果があるかは、やや疑問を抱くものながら、子どもが喜びそうです。これなら立派に遊具認定です。
屋根付きの休憩場所はふたつ。それぞれ屋根の様式が違うもののベンチがあることは共通。訪問時には、芝生にテントも張ってありました。
わんぱく広場にも子どもと利用するのに便利な、設備の整ったトイレがあります。大きなベッドもある多目的室付き。面白いアイディアだと思うのは、オムツ替えシートが外にあることです。
ひまわりの搭と円形花壇の周囲はいつでも植栽あり
1991(平成3)年にふるさと創生事業で自治体にお金が配られた時に、その資金でできたひまわりの搭は、周囲から公園の位置を確認できるシンボル。わんぱく広場隣の場所に立っています。
御影石で作られた高さ20 mの搭の最上部にひまわりを彫り込んでいます。ひまわりは小野市の花に制定されています。
わんぱく広場とひまわりの搭に挟まれているのはロックガーデン。ちょっとだけ地面が盛り上がっています。
ひまわりの搭の足元から、サイコロガーデンの向こうには南にある第1駐車場への園路。
園路のところにある花の小径ぱれっとガーデンは、シュラブ(低木や灌木を指す)、カラーリーフにより、花が終わっても楽しめるように宿根草、1年草を全体の背景として植栽。
並んでいるシュラブガーデン、ドライガーデン、キッチン&フルーツガーデンで、季節ごとに彩りのあるように計画されています。
広場での遊び場としては芝生と親水施設
わんぱく広場のひまわりの搭とは逆の方角には、広い芝生の多目的広場。
第1駐車場からは、ひまわりの搭への園路の他に池の横を抜けてくる道もあります。
芝生の一角には、パラソルやテントの休憩場所が随所にあるのも特徴。
遊べる噴水はミスト機能もある水遊び場。ここには噴水22カ所、ミスト4カ所が仕込まれています。GWの頃から寒くなる前まで土日祝や長期休みの期間中心に稼働します。
親水施設稼働時期:夏季10時~16時30分
(毎年の時期は小野市公式サイトで確認)
ひまわりの丘公園にある施設
公園西側に沿って地域交通の南北軸を担う、国道175号線が抜けているひまわりの丘公園。公園の敷地南西の角にあるひまわりの丘交差点から入ったところが、公園第1駐車場の入口。駐車場の周囲に食品、飲食関連、特産品などのお店や児童館などもあるのも特徴です。
産直品の直売所となるサンパティオおの
駐車場に入ると正面に目立つのはサンパティオおの。JA兵庫みらいによる、地元の野菜や果物を販売する農産物直売所です。
同居するように並んでいるのはひまわりベーカーリーカフェ。シンプルな塩パンが一番人気だという、自然派のパン屋さん。地元発祥の酒造米で有名な品種、山田錦の酒粕や米麹を活用した米紛パンなども評判です。飲み物のほか、ソフトクリームやかき氷もあります。
サンパティオおの営業時間:9時30分~16時30分
(12月31日~1月5日は休業、カフェは月曜日定休)
小野物産館オーストは食品に限らない名産物店
農産物が中心のサンパティオおのに加えて、物産全般をカバーする小野物産館オーストもあるのは注目です。食品も和洋菓子なども揃え、お土産に利用できそうなものもいろいろ。特産の工芸品も扱いがあり、品揃えは豊富です。
小野物産館オースト営業時間:9時30分~16時30分(12月31日~1月2日は休業)
市内の個人向けの委託ショップとなるボックス出店もあります。小野市といえばそろばんやハサミ、包丁などの家庭用刃物。そんな意味では、毎週日曜日9時~13時(12月31日~1月2日の場合は休業)のみ営業する刃研ぎ館が面白い存在です。オーストの近くで営業します。
刃研ぎ館料金:包丁、ハサミ類、鎌300円~1,000円
(包丁は500円、特別料金となるものあり)
公園管理事務所になるパークセンターのところにコインロッカー
公園管理事務所となるパークセンターも一角です。
入口横にコインロッカーがあるのは、覚えておきたいポイント。
隣には大きなトイレ棟もあります。
パークセンター休業日:12月31日、1月1日
雨でも遊べる屋内の児童館チャイコム
行政的なくくりとしては別物とはいえ、どうみても公園敷地内で地続きに隣接する小野市立児童館チャイコムも、子育てにはありがたい存在です。児童館の要件である遊戯室、幼児室、幼児トイレ、図書館、集会室など揃っています。利用にあたって事前の手続きなどもありません。
チャイコム開館時間:9時30分~17時30分(12月29日~1月3日は休館)
園内にはキツネ塚古墳あり
2基の円墳が園内に残っています。名前の由来は、キツネが住処にしていたためとのこと。案内版にその旨記されています。
レストランそろばん亭ではトンカツを賞味
ひまわりの丘交差点のところで営業する、トンカツ屋のそろばん亭も公園の施設。レストランの営業そのものは、地域に関連店舗含めて数店を構える民間企業がやっています。
そろばん亭営業時間:11時~21時30分(12月30日~1月1日は休業)
評判のひまわり、コスモスの花畑は公園南側の道路の向かい側
すっかり評判を呼んでいる花畑は、第1駐車場や周囲に集まるいろいろな施設のある一帯から、道路を挟んで南の向かい側になります。管理をしているのは小野市とはいえ、だから公園の敷地にあるというよりも、公園から眺める場所のような感覚が実際のところです。
ひまわりやコスモスは1年草。逆にいえばこのために、道路を隔てたいつものひまわりの丘公園の園地で、広大なスポットに何もない場所が広がるという季節はない訳です。花畑はあくまでも臨時のもの。その季節に出会えば儲けものながら、普段の面白さをまったく損なうものでもありません。
ひまわりの丘公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:兵庫県小野市浄谷町1545-321
連絡先:0794-62-1147(パークセンター)
開園時間:8時30分~17時
主要国道が通っており、車で来園しやすい公園です。バスもあるとはいえ、やはりおすすめしたいのは自動車を使うことです。
コミュニティバスはふたつのルートがあるとはいえ、片方は曜日が限定され、併せても本数が多いとはいえないです。ただ、よく時間をチェックして使いこなせば、公園まで運行しているので悪くはないです。
【自動車を利用する場合】
駐車場:無料(333台)
第2駐車場は国道175号線の向かい側です。ひまわりの搭の近く円形花壇のところから、歩道橋をそのままの高さで渡れます。これで周囲が丘になっていることが分かります。駐車場に向かっては、なだらかなスロープになっています。
最寄インターチェンジ:山陽自動車道路三木・小野(約7.1 km)
南側の三木・小野I.Cでなく、北側の中国縦貫自動車道滝野・社I.C(約7.6 km)からでもほぼ同じ距離。どちらも国道175号線で向かうだけなので、分かりやすいです。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄り駅:神戸電鉄栗生線小野駅、JR加古川線河合西駅 約3.7 km
最寄バス停留所:らんらんばす北回り循環ルートひまわりの丘停留所
バス運賃:100円(小学生以下、65歳以上無料)
最寄り駅は小野駅、河合西駅とも距離はほとんど同じです。歩けるかどうかといえば、バスを使うのが無難です。小野駅から公園のところまで、小野市コミュニティバスのらんらんバスが運行しています。北回り循環ルート(毎日運行、所要時間35分)、万勝寺ルート(月、火、金曜運行、所要時間22分)を利用します。
まとめ:施設が充実で便利な公園、もちろん遊具と季節の花も魅力
遊具が面白いのはもちろん、いろいろな施設があって保護者が出かけるにも便利なところはよい公園です。花畑は評判通りとはいえ、あくまでイベント的な売り物です。
公式パンフレット:ひまわりの丘公園パンフレットPDFへのリンク