ここは今やすっかり名古屋名物となったものと関係のある公園。その背景には複雑な事情やドラマもあるとはいえ、象徴的なものが聚楽園大仏。そして大仏そのものも、東海市の名物のひとつになっています。
名古屋名物誕生の裏話で、主役になる男がかつて住んでいたのが聚楽園(しゅうらくえん)。大仏もその実業家の私財で作られました。子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。
大きさならば鎌倉のものをしのぐ、大仏が鎮座する聚楽園は、現在では東海市の公園。大型遊具で遊べるほか、温浴施設とレジャープールも利用できるしあわせ村が1997(平成9年)に加わって、ちょっとしたレジャースポットになっているのです。
また、聚楽園公園は平洲と大仏を訪ねる花の道として整備されている場所でもあります。東海市役所から続いてここまで、いくつもの公園が集まって憩いの場を紡いでいるのです。
東海市の中で位置的にも、市役所の他にも公共施設の集まる場所として機能的にも、街の中心としての役割を担う一連のスポットに含まれています。
子どもの遊び場としても、大人も含めてレジャーや憩いの場としても注目の公園を、いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べる聚楽園公園をしっかり解説!
- 聚楽園公園(しあわせ村)にあるもの
- 聚楽園大仏
- 遊び場・広場・自然園等
- ヤカン池
- トリム広場
- 見晴らしの丘
- 花の広場
- ふれあいガーデン
- ハーブ園
- 水辺の生態園
- 子供の森
- キャンプ場
- しあわせ村関連施設
- 健康ふれあい交流館
- レストランしあわせ村じゅらく
- 保健福祉センター
- 茶室嚶鳴庵
トリム広場へ向かう芝生の斜面では大型遊具が更新
聚楽園公園の大型遊具を代表するのがローラー滑り台。こういったものは、平洲と大仏を訪ねる花の道ではここだけ。
それもかつては斜面を這うようなローラーすべり台だったものが更新されてもっとスゴイものに! 高さが加わり、機能も増えて大型コンビネーション遊具になっています。
ますます魅力を増した聚楽園公園の遊具。以前はローラーすべり台と斜面に展開するアスレチック遊具の組み合わせ。それがスタート台が高くそびえる、迫力満点のものになりました。
高くそびえているということは、上りルートがあるということ。上っていく始まりのところは、逆にここだけで離脱できる小さなすべり台もついています。
一般的にこうしたセクションは、先に進むまでは意欲がわかない幼児にも対応できる、ここだけ! のショートカットとしても利用できます。
階段でのアクセスに留まらず、対面にスロープもあって、短いすべり台を準備運動に、あらためて挑戦を始めるのに、気分を高められそうな難易度設定も選択肢。
かつては斜面の途中から、アスレチック風遊具で地面をのぼってこれる形でした。高さができたためリニューアル後は、こうした事前のルートももっと一体化。
大型コンビネーション遊具として、そのものを上っていく様子に変わったことで、高さを期待値に変えていく趣向になっています。
そのため斜面を上っていく要素はほぼなくなったといえ、飛び石風の足場で導かれる渡り遊具が、申し訳程度に加わるだけになっています。
上りルートは地面からのものに似た、足場ステップ付きのスロープと階段で進んでいきます。この部分でのスロープは手すりが補助で、補助ロープはないです。
この搭へ上っていくことが大きな変化。だからこそ眺望が得られること。ローラーすべり台の迫力が増したことなどが、聚楽園公園の大型遊具の進化の成果です。
ローラーすべり台そのものの長さはさほど変わっておらず、実は形状も同じような感じ。ただスタート位置でかなりな高さを得たことで、一層本格派になった印象になるでしょう。
ローラーすべり台は機能からみれば、あまり傾斜があることは重要な要素にはなりません。さしたる傾斜がなくとも楽しめるのが本来のいいところです。
そうした点が他のすべり台とは違うところで、ロングスライダーの場合にライバルになる、グリッサンド素材のものなどとの大きな違いになります。
ローラーの転がる音も特徴のため、耳から聞こえる派手な音からの臨場感で盛り上がる面もあるでしょう。
高さも備えることになった、聚楽園公園のロングスライダーでは確かに迫力がマシマシ。
最初は豪快な滑空に心を奪われるかもしれないです。けれども、何度も楽しんでいくとすると、ローラーすべり台特有の遊覧性にも意識が向くかもしれません。
少し迫力に慣れてしまえば、豪快に滑って行きながらもローラーすべり台ならば、周囲も見渡す余裕が持てるはずです。
そうなれば見通しの良い斜面上からスタートする意義が深まり、スタート台が高くなって、大きな池を目の当たりにする価値を、もっと見いだせることになりそうです。
花の道を構成する公園の中では、大きめのふたつが大池公園と共に聚楽園公園でもあり、中心に目立つ池があることがふたつの共通点。
ならば最大の違いは、本格派ローラーすべり台の存在になります。花の道の中でもここだけの特徴になり、目前に拓ける景色を心から楽しむのに欠かせないツールになるのです。
大きくカーブを描いていることもあり、この地ならではの特典のような斜面も、もう一度! と思って上っていくのに強烈な負担になるほどではなさそう。
斜面の途中での遊具の展開はなくなった状況ではあります。再び滑るのでなければ、トリム広場や水場で、違う遊びに取り組んでみてもいいです。
トリム広場には6種類の体力増強のための遊具
ローラースライダーの終着点のところ、斜面をおりてヤカン池に至る間の平坦地には、トリム広場があります。体を鍛えるためという雰囲気の強い、健康遊具のようなものが並んでいます。
健康器具でなく健康遊具? という疑問が付きまとうことが多いこの手のコーナー。聚楽園公園の場合は、ひとところに集まっているのは特徴的。両サイドで強度が違うラダーポール。
ポールの片側は相当高くまで腕力で上っていきます。途中でサイドチェンジすれば一気に両側も制覇。その場合は相当な強度になりそう。スカイラダーは、ごく一般的な雲梯です。
平均台も高さを変えて3つが組み合わされる豪華版。平均台は遊具としても、よく採用されています。トリムという健康状態の調整? といった意味合いも持ちながら、かなり遊具よりなもの。
腹筋ベンチは名前からして、本来の使い方は分かります。子どもにとっては格好の斜面? 足を掛けるのものですからいずれにせよ、まずは上らねばならないでしょう。
ハンガーラダーはつり輪を渡るものです。隣につり輪という名前の似たものもあります。パーツは同じものといっていいでしょう。ハンガーラダーはいくつも並びます。
対してつり輪はふたつを使ってぶら下がるものです。全身のストレッチ、可能ならば懸垂をして鍛えると、看板に書いてあります。
トリム広場の隣には円形のベンチを挟んで、水場を渡れるように石が並べてある場所があります。この水場は斜面の水の流れを受け止めていて、足を踏み入れて遊ぶこともできそうです。
ヤカン池にはデッキが渡されていて、水上をゆったりと散策できます。岸からはさほど離れないものの、しっかり満喫できるだけの距離を走破できます。
ヤカン池のほとりの道には、さらに、まさしく健康器具といったものも並んでいます。駐車場が二カ所ある聚楽園公園で、大型コンビネーション遊具に近いのは、しあわせ村のところのほう。
駅から向かってきたとしても、しあわせ村のところか、聚楽園大仏のところを経由、花の道からの来訪の場合も、丘の上となるこちら側の出入口側から、大型遊具に向かえます。
聚楽園公園のもうひとつの駐車場のある出入口は池の反対側です。しあわせ村方面からならば聚楽園大仏や見晴らしの丘を経由していけば、まずは斜面の上です。
トリム広場などに下りて、池の畔を戻るような感じで進むと、先にしあわせ村の保健福祉センターの大きな建物が見えてきます。その手前にあるのはふみふみロード。
健康ふれあい交流館の真裏に位置するふみふみロードは、足裏を刺激するための周回路で、全国どこでも趣旨を同じくするものは、あるところにはあるはずです。
ただ聚楽園公園にあるのも、中京圏でよくみるそのままで、ここにもある! といった風に安定の様式で周回路を作っています。
子どもでもあくまで興味本位に、立ち入ってみたくなるかもしれない雰囲気。もっとも元気に動き回れば、こうしたものに頼らずとも同じ程度以上の効果を得られそうです。
こうした健康遊具は、健康ふれあい交流館を囲むように続いています。興味を強烈にそそるかどうかは別として、散策も楽しい園内を巡るに当たってスパイス程度には活用できそう。
大型遊具が更新されたことで、しあわせ村の充実した施設も使いこなしたならば、それで聚楽園公園の主要な楽しみは完結したも同然。
それでもこの園内の小さな周回エリアを、遥かに上回る規模が聚楽園公園にはあります。もう一端には小さな遊び場も存在します。楽しみはまだあるのです。
子供の森は街の公園として機能
聚楽園公園の一部ながら、まさしく街中の公園の雰囲気の子供の森。公園の北の端にあり、ここにたどり着くためには園路はなく、一般道を使うしかないのです。
小さな複合遊具と、スプリング遊具があるこの場所、ここまでのアクセスを考えても、聚楽園公園の大きさを物語っています。
見た目だけでなく、実質ひとつの街区公園のように機能。実際にこの公園を便利に使える近隣の方が、大型コンビネーション遊具のところまでいくのは難儀しそうな距離なのです。
しあわせの村はレジャースポットの雰囲気、レストランも
スライダーつきの温水プールは、まさにレジャー施設そのもの。温浴施設もあり、レストランも本格派のしあわせ村はかなり立派な施設です。
いろいろな目的の貸室があり、イベントなども行われるのは健康福祉センター。プール・温浴施設とレストラン、トレーニングルームが利用できる健康ふれあい交流館。
利用にはそれぞれ料金が設定されています。ヘルストロンについては開館日ならば、無料で利用できます。プールと温浴施設は10時から、その他は9時から21時まで利用できます。
プール設備はスライダーもあるスポーツプールと子供、幼児プールの2種類。スライダーは、建物の外まで大きく張り出しています。外に出ている部分はトンネルなので空が見える訳ではありません。
温浴施設部分には14種類の設備があります。水着、キャップ、ゴーグル、タオルセットは有料でレンタルできます。
プール営業時間:10時~21時(祝日以外の第2、4月曜日は17時まで)
プール休業日:第1、3、5月曜日(祝日の場合は翌日)
ガーデンレストランしあわせ村じゅらくは豊富なメニューが用意されたレストランです。喫茶からお食事までしっかり対応しています。
しあわせ村じゅらく
営業時間:9時~17時
休業日:月曜(祝日の場合は翌日)
聚楽園大仏と聚楽園、嚶鳴庵と守口漬
同じ施設管理者が管理しているという意味で、しあわせ村の施設に分類される嚶鳴庵(おうめいあん)。健康ふれあい交流館などとはヤカン池の反対側にあります。料理旅館だった聚楽園の建物跡地に建てられた茶室です。
ここは聚楽園大仏の建立者である、山田才吉さんの住まいでもありました。現在の喜多福總本家の元になる店を1882(明治15)年に創業し、守口大根味醂粕漬を考案した人でもあります。
つまり昭和天皇ご成婚記念となる聚楽園大仏は、主に守口漬を販売した資金によって、1927(昭和2)年に開眼供養されたことになります。守口漬の守口とは守口大根を利用することからきています。
守口大根は非常に長く伸びる(つまり根を張る)大根。2013(平成25)年には世界記録認定のため、一般的に栽培している長さを超えたものに挑戦して、191.7 cmとすることに成功しています(一般的には100~120 cmを目安に栽培)。
守口大根の性質から、生産できる土地は限られることになります。現在の産地はほぼ愛知県扶桑町と岐阜県岐阜市に限られています。木曽川沿いの砂壌土の地域で、柔らかな大地が生み出す特産品になっているのです。
ただ、守口漬の守口とは大阪の守口のことです。こうした細長い大根があったとされますが、現在ではなくなっています(復活の取り組みはあるとのこと)。同じような形の岐阜にあった美濃干大根を、それまでの守口漬とは違う製法で商品化したのが山田才吉さん。
守口大根味醂粕漬が、それまでの守口漬に代わって守口漬と呼ばれるようになり、いまではすっかり名古屋の名産品として名声を確立しています。こうした経緯で岐阜の大根も守口大根といわれるようになりました。
嚶鳴庵営業時間:10時~16時
休業日:月曜(祝日の場合は翌日)
利用料金:1服お茶菓子付き 350円(夏は冷抹茶もあり)
キャンプ場は無料で利用できるスペース
公園管理事務所、または健康ふれあい交流館で事前許可を受ければ、費用も必要ない聚楽園公園キャンプ場。食材、用品等の用意から片付けまで完全セルフ制で、炉以外にもキャンプファイヤーまで(消防署への届け出のうえ)可能、直火の使用だけは禁止です。
聚楽園公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:愛知県東海市荒尾町西廻間2番地の1
連絡先:
052-604-2034(公園管理事務所)
052-639-1600(しあわせ村健康推進課)
公式サイトからの引用
名鉄電車「聚楽園駅」下車、東へ徒歩5分
市循環バス運行時間帯(9時から17時)は、市循環バス「しあわせ村」下車すぐ
【自動車を利用する場合】
駐車場:無料(200台)
駐車場利用時間:8時25分(開錠)~21時30分(施錠)
駐車場は健康ふれあい交流館に隣接してまずひとつ。しあわせ村のところということです。
公園の東側中央付近にもうひとつあります。池の反対側なのでややアクセスしずらいものの、さほどの距離は違いません。
最寄インターチェンジ:伊勢湾岸道東海
東海I.Cのすぐ近くです。とはいえこのI.Cは伊勢湾岸道のみならず、無料の西知多産業道路(国道247号)や、名古屋高速含めたJCTでもある大きなインターチェンジです。そのためどの方面から、どの道路を使ってきているのかによって最適なルートが変わります。
分かりやすいのは西知多産業道路に出て、荒尾I.Cを東(海と反対方向)に曲がる道でしょう。ただしこの道の場合も立体交差している坂道を上った先、アピタ東海荒尾店のところで左折しなければならないのに注意が必要です。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄り駅:名鉄常滑線聚楽園駅(駅前に公園入口あり)
駅前からは聚楽園大仏に向かう、歩行者用坂道への入口があります。遊具には一番近い道となり、しあわせ村施設に向かうにしろ、駅のところにある踏切から続く道路を経由しても、ほぼ同じくらいです。
坂を上るのが辛いなという場合は、聚楽園駅から東海市のらんらんバスを利用してもよいです。運賃は一律100円(小学生以下無料)になっています。
中ルート、北ルートともに利用可能ながら、北ルートは巡回しているためしあわせの村から乗車した場合、駅に向かわないことがあります。聚楽園駅はしあわせの村停留所からは隣の停留所なので、しっかり確認が必要です。
まとめ:レジャースポット色の強い公園に加わった大型遊具
大きな大仏を拝観したり、キャンプ場など遊具のみならず無料の楽しみもあります。そもそもレジャー施設のようなしあわせ村の利用は大きな楽しみ。ただしそのため格安とはいえ有料施設です。
そんな中、大型遊具がリニューアルしたことで一連の平洲と大仏を訪ねる花の道となる公園の中でも、見逃せない無料で楽しむスポットとしての価値が増しました。本格派のローラーすべり台はここだけです。
公式サイト:東海市 しあわせ村・聚楽園大仏