名峰富士の名前を冠する富士市。富士山麗でよく見られますが、ここも湧水の街。地域をけん引してきた製紙産業もまた水の恵みがもたらしたものでした。そんな湧水のたもと、水の湧き出る地形の特徴もうまく活かされています。楽しい遊具も充実の公園、それが原田公園です。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。なにしろ、うれしいのは水のせせらぎが気持ちいい環境。そして大型遊具やローラー滑り台もひととおり。丘の上には芝生広場も広がります。
駐車場を含めて、ここも完全無料の(その気になればお金がまったくかからない)公園です。いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べる原田公園をしっかり解説!
- 原田公園で子どもと無料で楽しむメインの遊具
- ローラー滑り台
- ザイルクライミング
- 複合遊具
これら遊具があるのが川辺にある児童広場。ここでは体を動かす遊びが主流になります。ザイルクライミングについてはいろいろな遊び方があります。とはいえ、てっぺんまで登ろうなど存分に遊ぶならば上級生向け。
それだけでなく、しっかりいろいろな年代をカバーしています。隣接しているのが幼児広場。こちらには幼児用のファンシー遊具、さらに丘の上の芝生広場横に一般的な滑り台や鉄棒、回転式のジャングルジム(グローブジャングル)があります。
なんども滑ろう!ショートタイプのローラー滑り台
遊具が設置されている児童広場は、公園の脇を流れる川の岸となっているところです。ここは谷間でもあります。
ローラー滑り台のスタートは、児童広場に向かって谷となる地形の斜面から。自然の地形を生かしたタイプです。入口から遊具で遊ぼうと児童広場に勇んで向かえば、坂を下りるのももどかしい! というかのごとく一気に児童広場に行く手段にもなります。
原田公園のローラー滑り台は、スタート地点が地面と同じ高さで、そこから滑り始めるため、割合にとっつきやすいローラー滑り台です。ゆるやかにカーブしながら、ほぼ斜面にそって下りていきます。
長さもそれほどありません。けれどもカーブしながら一瞬地面を離れて公園を見渡すところは爽快です。
もう一度滑るための登りも、それほどきつくはありません。長いローラー滑り台は登り坂がきつく、一度でお腹一杯になったりすることもあります。ここにあるのは、なんども繰り返し滑って楽しむタイプといえるでしょう。
行くしかない?高さが迫力のザイルクライミング
この高さが特徴だといえるでしょう。やはり迫力があります。てっぺん目指して登ってみるのがひとつの目的であっても、行かなくてはならない訳ではないです。下の方でロープ渡りを楽しむのでも、ももちろん構いません。
だだ、大きなほうに分類されるものだけに、できるならチャレンジしてみたいこのザイルクライミング。網目は中央付近が細かくなっていて、そんな気持ちの背中を押すような仕様。てっぺん付近は梯子感覚! 上れば揺れはよく伝わります。
それでもしっかり掴まれる間隔ならば、勇気も持てるはず。全身使うこの遊具は、方向によって違う網目の間隔もよく見て、どうやって攻略するのか考えることを要求される知育遊具でもあります。その点、子どもの成長も期待できるうれしい遊具です。
底面が編み込まれていて、落ちたとしてもマット以上にやさしく受け止めてくれそうです。地面まで見通せますから怖いことは怖いでしょう。ただしっかりつかまることができるならば、簡単に落ちたりはしない遊具です。態勢が崩れてもすぐどこかに手や足や体が掛かります。
遊べる年代は幅広く、上級生も満足の仕掛けアリなのが複合遊具
小さな砦のようなミニコンビネーション遊具も設置されています。地面は砂というか細かい砂利のような感じで柔らかタッチ。基本は四角い床面が段差になっていて、順番に上って滑り台で降りるという遊具です。
ですが段差を上る他にも、もっと苦労してよじ登る方法がある遊具になっています。例えばネットを伝っていく方法もあります。これは4段ですからちょっとした変化を楽しむ感じ。
もっと冒険したい子どもや、やらせてみたい付添の大人なら、見守りながらバーを使ってみるのも面白そうです。この遊具は大人ならば、しっかり手の届く範囲の大きさです。
砦からの脱出は滑り台。幅広のタイプと狭いタイプ、どちらからでもお好みに合わせて選択!一緒に滑ったりできてしまいそうな幅広タイプは低めからのスタート。
幅広のほうが一段高い位置から滑ることになります。狭い方は、いわゆる滑り台といった形。
選択肢があって難易度の設定が細かいな! と思うと推奨年齢は3才~12才。全体に遠慮気味な感じもするのは、広い年代設定のためなのですね。
とはいえ厳しいチャレンジを用意することも忘れていないようです。雲梯を伝って砦に乗り込むのは上級生向き。ザイルクライミングと幼児広場の遊具の間に設置されています。幅広い年代の子どもに対応する、ただ小さいだけでないコンビネーション遊具になっています。
古典的なもの、ファンシーな今風のもの、どちらも揃ったその他の遊具
ローラー滑り台やザイルクライミングがある児童広場は、複合遊具を結節点のようにして幼児広場と隣り合っています。電車型の遊具とスプリング遊具、小ぶりな複合遊具に家を模した遊具があります。カラフルでファンシーな模型遊具。乗り物を自分の世界に取り込めるのは、子どもにとって心踊る体験!
原田公園では河川敷でなく、丘の上にもちょっとだけ遊具が置いてあります。こちらはとても古典的な遊具。ある意味、公園の遊具といえばこんな滑り台に鉄棒が定番。あとはブランコがあればまさに御三家遊具。
その意味ではここにあるあとひとつ、回転式のジャングルジム(グローブジャングル)は豪華版だったのかもしれません。ちなみにこの奥が第2駐車場になっています。入口にある第1駐車場が満車ならばこちらに来てみます。
川岸のほうの幼児広場はカラフルですしとても今風。丘の上の遊具とは対照的です。小型ハウスにあるのはまさに自分のテリトリー。シンプルながらやはり、想像力を掻き立てる要素が仕掛けられています。どちらかというと心に訴える遊具といえるでしょうか。
見た目はファンシーなスプリング遊具は、しっかり体に訴える遊具です。幼児広場の遊具は心にも体にも響くもの、どちらも揃っています。さらにミニチュア複合遊具もそう。カラフルなだけでなく形状がファンタジーです。
これこそ有機的というもの。無機的でない分親しみが湧いてくるというもの。こんな模様は大人からしても、遺跡の岩を登っている印象を受けたり…。確実に人が何かを考えて残した足跡の印象。果たして子どもの目にはどう映っているのでしょうか。
地域防災の拠点としても整備される原田公園の概要
ご紹介した大型遊具のある児童広場や幼児広場の脇を流れているのが松原川。中島水神堂と原田中島遺跡という近くの湧水地が水源となり田宿川、滝川などやはり街の中の湧水が水源となっている川、湧水が流れ込んだりしている川と合流していきます。
最後に沼津市と富士市の間にあった沼や湿原の名残りとなる沼川と一緒に駿河湾に注ぎます。この河口が富士の眺めで名高い田子の浦です。
富士市は海岸寄りは平坦地です。もともとはいにしえからの富士川の土砂で埋め立てられた土地です。その平坦地までは富士山からのなだらかな傾斜が続いています。原田公園の辺りはその境目になります。
川岸から谷間の斜面を登った丘の上まで原田公園は拡がっています。丘の上は富士山の絶好のビューポイントです。
少し富士山よりに新東名高速道路が走っています。その辺りまでなだらかな傾斜が続いた後、海岸沿いの平坦地との間には少し変化に富んだ風景がみられます。
原田公園や取り囲むそんな風景は湧水ポイントが数多く、その気になれば少し足を伸ばして湧水めぐりもできるスポットなのです。水に恵まれた丘の上ということで原田公園を作った時には遺跡が発見されて、縄文時代から一貫して人が住んでいた跡があったとのことです。
園内の丘の上と川岸の間の斜面地にはといずみの滝が流れています。
この流れはきれいな遊歩道のせせらぎの道となり、公園入口のほうに向かっていきます。
公園の入口すぐのところにある、足水は流れの終着点。誰でも自由に触れられる水遊び場となっています。
原田公園の設備、休憩スペースはどんな感じ?
重大な災害の時に公園は、当面の生活拠点の役割を求められます。そのための機能を備えた防災公園としても整備されている原田公園。
伴って防災設備のある芝生広場と多目的広場(グランド)のところが、トイレなども充実しています。ふたつの広場の間にある一見屋根付きの休憩スペース。
即座に雨風もしのげる仮設避難所に変身できるようになっています。必要なものはベンチに仕込まれています。
一見何の変哲もないベンチですが、こちらも防災のための仕掛けがあります。
煮炊きができるようにかまどに変身する仕様です。暖かいものが食べられるありがたさってあるのだと思います。非常時には当たり前のことが当たり前にできなくなります。
いわゆる多目的トイレも整備されています。
温かみのある木の内装の質感も機能も、今望みうる最高クラスのものではないかと…
障害のある方だけでなく、子育て世代にもよく配慮されています。清潔で気持ちいいですしね。
同じ公園内でも駐車場から入った入口付近のものとは格差が生じています。
こちらも多目的トイレとして表示してあります。
多目的トイレもというよりも、身障者対応トイレという感じ。ちょっと古色蒼然でどうせなら丘の上のほうを使いたくなります。
防災設備以外でも、屋根付きの休憩スペースが用意されています。防災設備の配置された丘の上にも、日差しを遮る屋根付きベンチがあります。
児童広場にも休憩スペースがあって松原川の横、せせらぎを感じられる場所になっています。
入口から坂を下ったすぐそばに、コンビニエンスストアもあります。ちょっとした買い物なら用は足りるでしょう。
原田公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:富士市原田字飯森東704
JR東海道本線吉原駅より市内を走る岳南電車線の岳南原田駅から700 mほどです。両駅間の所要時間は9分、毎時2本程度のペースで運行しています。運賃は大人250円(小人130円)。街の中の公園ですから自動車に限らず電車でも利用しやすい公園です。
【自動車を利用する場合】
駐車場:無料30台(仮設の第2、第3駐車場あり)
最寄インターチェンジ:
東名高速道路富士インター10分ほど
新東名高速道路新富士インター14分ほど
【公共交通機関を利用する場合】
利用鉄道駅:岳南電車線「岳南原田」駅徒歩9分
他に公園入口付近に最寄バス停留所「宇東川上」があります。富士急静岡バス「吉原中央駅~富士見台団地」路線のバス停です。このバス路線は事情を知らない人が使いこなすのは難しそうです。
吉原中央駅というのは駅と名がついていますが、鉄道駅ではありません。バスターミナルで岳南電車線吉原本町駅から歩くか富士駅や新富士駅などからバスを乗り継ぐかしなければ辿り着きません。(しかも吉原中央駅から徒歩の場合、もっと近いバス停があります。)
まとめ:広い年代をカバーする遊具の楽しさ、けれども芝生広場の眺望にも気をとめて!
原田公園は遊具が魅力的な公園です。幼児から児童まで対応できるのもいいところ。けれどもそれだけではちょっと片手落ち。丘の上の広場の快適さ、眺望も存分に楽しみたくなります。湧水をはじめ自然環境に恵まれています。それでもここは街の中でもあります。
近くで調達可能なものも多いですから、丘の上の芝生や多目的スペースも活用することを考えたい公園です。自前の遊び道具も忘れずにピクニック気分で遊びたい公園です。となると荷物を持って坂を上りますから大きめのバックは用意したいところです。
原田公園は富士山がきれいに見えて子供と楽しく遊べる公園、地元はもちろん、東京から日帰りでお出かけにもぴったり。こんな公園をまとめた関連記事もご参照頂けます。
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