神戸、長崎と並んで日本三大美港と称することがあります。そんな清水の港も望む秋葉山。その小山の斜面をうまく使った遊具が楽しいのが秋葉山公園です。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思えた場所をご紹介しています。なんといっても面白いのは丘を登る遊具。途中の仕掛けも楽しみながら登り切れば、帰りはローラー滑り台で一気に降りていきます。
この丘の上遊具広場の冒険の砦の他にちびっこ広場、西久保ちびっこ広場がある秋葉山公園、詳しく見てみます。
子どもが大型遊具で遊べる秋葉山公園をしっかり解説!
目前に迫る身延山地の端を貫いた新東名と東名高速との連絡口なのが清水JCT。この重要な結節点もすぐ近く。
東名高速道の清水I.Cのあるエリアは、この山地と日本平に囲まれています。しかしながら、周囲は平坦な市街地。そこに単独で存在するのが秋葉山(あきはやま)。3つの古墳がある旧跡でもあります。
そもそもが風通しよく、見晴らしに優れる場所です。それに加えてキレイに整備されている点で気持ちのいい公園が小山に展開する秋葉山公園です。
登り切れば眺望も楽しめる!丘の上遊具広場の冒険の砦
駐車場から見える様子だけでも期待が高まります。丘全体に展開する大型遊具は、もはやコンビネーション遊具という括りには収まらないのでは! と思えるほどです。
大きな駐車場がある正面入口から丘の周囲に沿って左に向かうと、丘の上遊具広場冒険の砦があります。右に向かうと幼児向け遊具が並ぶちびっこ広場です。
進んだ先、真ん中に木が植えられているタイル張りの出会いの広場から、さらに左に向かいます。
しばらく行くと冒険の砦の入口に到着です。駐車場からでも出会いの広場からでも、向かう先には大型遊具が見えています。まずはこのゲートを目指しましょう。
ゲートをくぐった先から登っていくのがこの遊具の基本的な作法。とはいえすぐに2つの選択肢が生まれます。
向かって左側はごく普通に階段を行く道。
丘の頂上までのショートカットになっています。
さて、まずは入口から右側のルート(写真では左側)から、仕掛けにチャレンジしてみるのがよいでしょう。うねる坂道を足場を頼りに上っていきます。
90度曲がって、さらに坂になっている橋を渡るとまた分岐が見えてきます。
ひとつは一本橋。鉄製で手すりもしっかりしています。グラグラ揺れませんし、どちらかといえば簡単ルートがこちら。けれども軽く冒険気分です。
もう片方の道はネットを渡る橋です。こちらも吊り橋ではなく鉄で出来ています。ただし、床ではなくネットになっています。そのうえで傾斜しているため少し難易度は高め。
ネットを渡るルートの先は、チューブトンネルを抜けることになります。写真では分からないものの、チューブの方に曲がらずに遊具から降りるショートカットの階段もあります。
ただ、実際にはその階段は降りるというよりも、もう一度チューブをくぐるために上るほうで使われそうです。
チューブを抜けた先で、一本橋のルートと合流することになります。一本橋のルートの先は足場を使って上る、板張りの湾曲した坂道です。
この四角形の部分、湾曲した坂道を下って、ぐるぐる回ってみるのも面白そうです。特に一方通行をお願いする掲示はありません。すれ違うのに充分な幅もあります。トンネルと一本橋は譲り合いが必要です。
さらにジグザグと上ったり下ったりを繰り返す、足場つきの坂が立ちはだかります。下からきた場合の下り坂方向が、足場が斜めになっています。想定しているのは、やはり下から進むことなのでしょう。
最後は吊り橋が待っています。グラグラしますし、ちょっと長めでまさにハイライト。吊り橋を避けたいならば、チューブトンネル手前の階段を下りればよいです。
けれども、推奨年齢も3歳から。決して怯むようなものではないです。サイドのネットにしっかりつかまりながら、着実にクリアしましょう!
そうして到着するのが丘の上遊具広場。秋葉山公園は古墳であることが判明しているもの含めて、いくつかの丘が連なっています。一番北側の丘がこの場所になります。
丘の上に建つ塔はジェットローラースライダー(ローラー滑り台)のスタート台です。
階段を使ってスタート台に向かいます。
スタート台はぐるりと一周して周囲を見渡せるようになっています。爽快な眺望に期待が膨らむローラー滑り台。先をみると結構湾曲しています。しかも何度も!
秋葉山公園、ローラー滑り台の滑走動画
動画で見るとよく分かる通り、最後に大きなカーブがあります。上からはよく見えないので意外なラストになります。
下からみるとなかなかのコーナーだと分かります。
ローラー滑り台そのものは、地面からはあまり離れないで設置されているタイプ。高い位置にあるのはスタートからちょっとだけです。とはいえ短いながら、そこそこスピードは乗るタイプ。
最初のS字コーナーをクリアして加速しながら高速コーナーに入っていくという、なかなか爽快で活発なものです。こうなると短いことはむしろメリット。
ローラー滑り台を滑るのは楽しいものです。とはいえ、滑るためには上らなければなりません。ローラー滑り台単体でみるのではなく、上りも含めて見ると冒険の砦が、とてもバランスがとれて、よくできたものだと分かります。
何度でも滑ってみたくなる、とても楽しい遊具。やはり秋葉山公園の目玉はこれになります。
ジェットローラースライダーのある、丘の上遊具広場からは連なる古墳群のほうに移動できます。谷間にかかる橋を渡るとまずは遠見の丘。
そこからは清水の街や港も一望できます。それはこの先の古墳群も同じ。周遊路が巡っています。住宅街側の出入り口にも通じています。アップダウンのある道になります。けれども時間に余裕があれば、散策しながらちびっこ広場に向かうのもいいです。
幼児にぴったりのちびっこ広場!ツボを押さえた遊具が揃い
駐車場から、であいの広場に向かわずに丘の周囲を右に回ると、徒歩で公園に来るならば目指すとよい、住宅街側の入口があります。古墳を伝ってアップダウンを経由するよりも、ちびっこ広場へ向かうレギュラーな道はこちら。
入口すぐの右側階段を上って、ツタの茂るゲートをくぐるとちびっこ広場です。
南側の斜面に沿って遊具が並ぶ場所です。清水港の方向はこちらになります。
ブランコは幼児でも大丈夫な座椅子型と通常タイプ
斜面を生かして波打つ滑り台。傾斜の変化もある意味、幼児のための演出です。
そして砂場があります。ある意味、基本中の基本、いわゆる公園御三家と標準セットを抑えています。砂場にはしっかりミニハウスがあって、やはり抜かりありません。
公園御三家とは? については関連記事をご参照ください。
関連記事:【おすすめ遊具】公園選び写真満載の参考書、どこにある?が一目瞭然
ちなみに一番下のブランコの手前にはテーブル付きのベンチもある休憩所。ランチタイムも過ごせそうです。
ちびっこ広場のトイレは多目的専用のものです。小さな便器と便座、幼児シートとオムツ替え台があります。子どもや付添の大人に対する配慮が行き届いています。
さて、ちびっこ広場のもっとも奥にあるこれは…
アンパンマン以外の何ものでもありません… ちびまる子ちゃんは清水が舞台なことは知っていましたが、こちらは特に関連はなさそう。
いやいや子どもに人気という点では大いに関係あり! アンパンマンが上から見守る公園御三家と標準セット、幼児にはこれ以上ない組合せのちびっこ広場です。
さりげない児童遊園も入口に!西久保ちびっこ広場
丘の上遊具広場から、横の谷間を下ったところは西久保の住宅街。こうしてみると緑溢れる秋葉山公園が、暮らしの真っ只中にあるスポットだと分かります。
ちょっとした児童遊園は、いつもそんな暮らしの中にあります。丘を登ればエキサイティングな遊具があっても、すぐそこに遊べるスペースがあるのはいいです。
テーブル付きの休憩スペース。高さ低めの鉄棒。ちょっとだけドキドキしそうなロープが足場のブランコ。秋葉山公園の序章としても利用できます。
この住宅街のひと区画向うに、コンビニエンスストアがあります。公園で何かを調達したくなったら、こちらに下りてみるのも手です。
ひなん地に指定!大人にも憩いの場?秋葉山公園の役割は多し
津波の恐ろしさは、古来からさまざまな形で語り継がれていました。けれども東日本大震災の映像の力は衝撃的。沿岸が深くなっている駿河湾では仙台平野やましてリアス式海岸の三陸ほどは津波も波高が増さないだろうと予測されています。
特にこの地は海が近いとはいえ、三保の松原で有名な半島が、天然の防波堤のようになっています。秋葉山公園周辺に大きな被害が及ぶとは想定されません。けれども近隣への被害はありえることです。
きれいに整備された秋葉山公園。いざという時にはきっと充分な活躍をしてくれることだと思います。
平成28年7月には拡張工事が完了。駐車場や土のグランドが追加されて、さらに使いやすい公園になりました。訪れた時には近隣の子どもが運動会の予行演習に利用中でした。
であいの広場と遊具の横には清潔なトイレが維持されています。
どちらにもほぼ同じ様式の多目的トイレが設けられています。
駐車場のある公園正面入口前(であいの広場)には自動販売機があり、飲料は手に入ります。
駐車場横の公園にアクセスする道、園内ではなさそうながら、こちらにも飲料の自動販売機が並んでいました。
芝生がしっかり整備されたゲートボート場では、プレイする人がいっぱい。ローンゲートボールというのも、案外珍しいのではないでしょうか。秋葉山公園を楽しむのは、子どもばかりではありません。
秋葉山公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:静岡県静岡市清水区八坂東1-364-2
国道1号線静清バイパスにある、東名高速道路の清水インターチェンジの隣にあります。駐車場も充分確保されています。バス便も多く、車でも公共交通機関でも便利に利用できる公園です。
【自動車を利用する場合】
駐車場:無料(54台)
駐車場利用時間:7時~19時
清水インターチェンジのランプが、すぐ横を通っています。ただし、駐車場は大通り沿いではなく、住宅街を抜けた先にあります。国道1号線から駐車場に向かう方法が分かりにくいです。
清水I.Cから駐車場への経路:清水I.C西側の静清バイパス、清水I.C西交差点を南に曲がります。高速道路から向かうならば左折になります。
コメダ珈琲店の先、サイゼリヤの手前のとても細い道を左折するのが一番近い道です。その後、先の十字路をさらに左折して道なりに住宅街を進みます。
駐車場は拡張整備時に増設されて、より多くの車が駐車できるようになっています。清水I.C東京寄りの最初の交差点となる西久保を入ったところにも、小さな駐車場があります。けれども、あまり実用的でないので、正面入り口の駐車場を目指すことをおススメします。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄駅:JR東海道本線清水駅徒歩25分、バス便約15分
最寄バス停:秋吉町(しずてつジャストライン)下車徒歩約7分
北街道線、山原梅蔭寺線(清水駅バス停より最寄バス停まで所要時間約5分)
バス運賃:180円(こども運賃は半額)
両路線合わせて毎時4本ほどの便(朝夕はもっと多数)があります。
まとめ:丘全体を使った大型遊具は絶妙のバランス
密集市街地の住宅街にある秋葉山公園。旧跡でもあるこの小高い丘は戦争中には砲台として掘削されて形を変えたといいます。とはいえ豊かな自然はしっかり残されて魅力ある公園となっています。
丘陵を上手に使った大型遊具は、目玉となるジェットローラースライダーのよさを存分に引き出していて、とても楽しく遊べます。利便性も高いこの地でこの面白さ。秋葉山公園の使いでの良さはとても光るものです。