全体としては無料で楽しめるものばかりではないにしても、岐阜県美濃加茂市のぎふ清流里山公園に出かければ、一切の費用を掛けずに無料で楽しむことができます。それが心から満足いくものなのかといえば、もちろん納得のものなハズ。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。「子どもと楽しむ公園」シリーズで、最も特集したいと思っているのは、完全無料の公園。完全無料といっているのは、駐車場や入場料など含めて無料の公園。
レストランやカフェがあったとしても、例えばお弁当を持参したりすれば、一切の費用が掛からないで楽しめる公園です。そういう意味で「その気になれば」一切お金を使わずに済むのが、完全無料と考えています。
そうして考えればぎふ清流里山公園も、まごうことなき完全無料の公園。ただし、そういってしまっては、若干片手落ち? になる疑念が拭えないところが、なんとも悩ましいところです。ここで「その気になる」ためには、相当な決意が必要になりそうなのです。
なにしろここは、かつては完全無料どころか、入場料が必要な公園。今でも全体的にテーマパーク然としており、極めて魅力的な有料アトラクションが存在して、販売されている商品も多種多様、さらにここには道の駅も併設されていて物産店もあります。
飲食関連にしても、ぎふ清流里山公園に出向いて、園内の店で一切何も口にしないで済ますのも、なかなか難しそうです。それではここをお出かけ先に選んだ意味が、あまりなくなりそうでもあります。
そうはいっても、無料で楽しめるものだけ巡っても、納得いくものだって揃うのも事実。いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場の中でも無料で遊べるのは何か、お出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べるぎふ清流里山公園をしっかり解説!
ぎふ清流里山公園で、無料で遊べる大型遊具という意味では、大樹の遊具だけになります。それだけ? とがっかりすることはありません。稀なほどの規模になるネットタワーは魅力充分。どんなものなのかしっかり解説します。
入場門の手前、駐車場からすぐのところに屹立する大樹の遊具
無料の広い駐車場は、道の駅みのかもの分、高速道路を下りずに利用できる美濃加茂ハイウェイオアシス分含めてすべて、入場門のところにあります。その駐車場に隣接して大樹の遊具が置かれています。高く聳えてとにかく目立ちます。
具体的に入場門の手前が、道の駅に該当する部分。つまり24時間使える駐車場やトイレがあるということ。また岐阜の特産品売店おんさい館にはカフェがあり、地元野菜の青空市場含めて飲食物が調達できることもあり、オープンデッキの休憩施設もある場所です。
三つの高い塔が連なる形がユニーク
高く聳えて目立っている大樹の遊具は、3本立て。塔の部分が3つあって、それぞれを繋ぐように連絡する、空中リングトンネルが渡されています。言ってしまえば、とても大掛かりな遊具になっています。
塔は高さがそれぞれ違っています。2層、3層、4層のものが、三角に配置されて並んでいる状態。それぞれの層がネットのフロアになっていて、鉄の大きな輪に張られている格好。
当然のことながら、側面や天井になる部分から落ちたり乗り越えたりできないように、すべてが網で覆われています。その覆われた内部で各階層を上っていく仕掛けが、組込まれています。
この大型遊具がとりわけ目立つ理由のひとつは、塔の形状が先細りでなく、上に行くほど広がっていることもあるように思います。大きな各層の鉄の輪を支える柱は、斜めに外に開くように立っています。
遊具の中に入って行くためには、これもまたネットが張られる地上部分の層のところから、ネットの足場の助けも借りてラダーを上るか、階段を使うようになっています。面白いことに階段が最初の層まで架けられているのは、一番高い塔です。
確かにこの遊具、ただひとつひとつ塔に入り込んで、上を目指すのではなく、横に隣の搭へ渡りながら、行ったり来たりするのが面白いところ。一番低いところから! という訳ではないのも当然ではあります。
階段の大きさをみても、最初の層もそれなりに高いことが分かります。よくみればそれぞれの塔の鉄輪の間隔、階高とでもいうものが違っているのにも気づくでしょう。
特に最初の地上からネット遊具内部へ入り込む階高が高くなっているのは、面白さのためだけではなく、網の外側を上ってみよう! などと思わせないためには効果的に思います。
支柱が上に向かって外開きなのも同様で、そう思うと木目の飾り柱は、特に構造的に必要ではなさそうながら、木登りのように使ってみようと思わせないでもないです。
支柱や階段の脇から、そんなことに挑めてしまうため装飾上の良い効果がある反面、危険を誘発する可能性もある皮肉なものになっています。注意書きでも、外側を上らないことと、危険な行為は保護者が注意して欲しいと強調しています。
内部に組み込まれているものは実にいろいろ。さらに3つの塔を巡るという複雑なルートは、そうそう攻略し切れるものではないです。充分安全なトライが仕組まれている遊具。安心して遊ばせられるものとはいえ、余計なことはしないよう見守りも忘れずにです。
大樹の遊具を利用に当たっての注意点は?
大樹の遊具の網の外側は使わないというのは、当たり前といえば当たり前のこと。そういったこと以外にも利用上把握しておきたい件があります。無料の遊具はこれだけなことを考えると注意したいのが、対象年齢が6歳~12歳になっていること。
幼児は使えず、それに伴い基本的に中学生以上見守り含めて、大人も遠慮して欲しいということのようです。そうなると幼児が遊べる大型のものは、入場門の先に進んだ有料のレジャー施設になり、他にはいろいろある乗り物を目指すことになります。
他にまるで楽しみを見い出せないことはないものの子どもと一緒なら注意したほうがよい点です。ではどんなものがあるのか? について無料のものはご紹介を続けます。有料のレジャー施設は関連記事を用意します。
また24時間活動しているエリアにあるものの、利用時間も設定されています。ぎふ清流里山公園の営業時間よりも短いので、その点もご留意ください。さらに雨天・荒天の場合は、利用できなくなります。
大樹の遊具利用時間:10時~17時
ぎふ清流里山公園で大型遊具以外に無料で楽しめるものは?
大樹の遊具から入場門へ向かえば、道の駅みかもでもある物販店があります。入場門を過ぎた部分も加わるハイウェイオアシスゾーンを抜け、アドベンチャーパークや遊びの広場などの有料レジャーのさらに奥のほう。村里・里山と野辺のゾーンにも無料の楽しみがあります。
大きな木造建築のやまびこ学校に昭和パビリオンあり
村里・里山と野辺のゾーンには、旧朝日村庁舎や木造校舎のやまびこ学校や双六学校など、かつての姿そのままの大型の建築物が、移築されています。特にやまびこ学校は、ただ移築保存するだけでなく、なつかしの暮らしパビリオンとして利用されています。
昭和パビリオンとなっている旧校舎内では、昭和の時代の暮らしや街並みを再現しています。1階は昭和の暮らしぶりの展示です。家電製品は別として、もしかしたらいまだこんな暮らしもあるのかもと、子どもでも理解できそうなものもあります。
他にもう何のことやら、さっぱり分からないかもしれないものまで、いろいろあってなかなか興味深いものです。
階段で2階にあがると、展示は街の様子に変わります。踊り場には人によっては垂涎のものなのかもしれない、ブリキ看板が並んでいます。もうわざわざ作られることはなさそうなブリキ看板、素材はいざ知らず、コカ・コーラのデザインが変わらないのは感心する点。
2階には昭和なつかし商店街として、街が作られています。たばこ店も、駄菓子屋も、個人の電気店も、他の業態に取って代わられようとしているもの。窓に飾られているようなレコードを売る店は、一般的にはもはや壊滅状態でしょう。
写真プリントも少なくなり、証明写真の注文も減ったであろう個人のカメラ店、個人営業の喫茶店も、どんどん淘汰されているハズ。
こうしてみると、やきとり屋さんの様式というのは、他の街並みに比べて、いまだ変わらぬ部分もあるのが興味深いところです。
かつての学び舎のまま、展示スペースに充てられている教室もあります。これだって鉄筋コンクリートの校舎以外に、大人でも郷愁を感じられる人がどれだけいるのか。子どもと一緒の場合、どんな刺激があるのかは計り知れないところです。
大きな無料の休憩所は飛騨路
園内のガイドマップには飛騨路と表記されている建物は、遊びの広場からハイウェイオアシスゾーンに少し食い込んだところ。地図上でもそのように表記されて、ゾーンの一番奥に位置します。
屋内の大きな休憩スペースになっています。配膳の設備もあり、各テーブルにはガスが引いてあります。この建物なにが飛騨路なのかといえば、飛騨牛の焼肉店だった様子。すでに営業はしていません。
土日祝日には、ボランティアによる手づくりおもちゃの組立体験ができる、創作工房わらべも入っています。ただしわらべでの工作は有料。代わりにといえるかどうか、普段から竹馬とぽっくりが置かれていて、自由に使えるようにもなっています。
かいこの家は無料の展示館
入場門から入ってすぐのところから昭和というよりも、古民家風の街並みが続きます。一番手前のかいこの家は最たるもの。このハイウェイオアシスゾーンについては、店舗や体験施設が多い中、かいこの家は暮らしを展示する場所で、料金の掛かるものもありません。
茅葺の大きな家ではこんな暮らし! という風情が体験できます。
生活だけでなく、ひな壇に並ぶ人形もなかなかの見どころ。
古民家の土間のところには、かいこについて、その生態や繭、道具などの展示があり、養蚕について理解できるようになっています。
かいこの家の軒先にも、素朴なおもちゃが置かれて、自由に遊べるようになっています。
夏に限定ながらじゃぶじゃぶ池も無料
夏に利用できるじゃぶじゃぶ池もなかなかのスケール。季節限定ながら見逃せないもので、利用は無料です。むしろこの辺りで有料で営業していた、アクアチューブやペダルボートは最近のシーズンは見合わせ中です。
じゃぶじゃぶ池を利用するための洗面、着替え所も、じゃぶじゃぶ池に隣接する有料アミューズメントが集まる遊びの広場のところに、用意されています。洗面、着替え所は無料で利用できます。
どんぐり広場でイベントも、昭和座、能楽堂でもチャンスあり
ふたつのゾーンの境目のあたり、園内を往復する里山バスの乗り場のところにある多目的広場がどんぐり広場。土日は無料イベントが開催されることもあります。芝居小屋の昭和座も隣接する場所、無料の公演がある場合もあります。
どんぐり広場を挟んで昭和座のある辺りの反対側、茶店だんご茶やの奥にある能楽堂で愛好家が能や狂言を披露していれば、これも見学できます。
ぎふ清流里山公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:岐阜県美濃加茂市山之上町2292‐1
連絡先:0574‐23-0066
営業時間:9時~18時(12月2月は10時~17時)
(里山の湯は10時~22時)
定休日:12月~2月の水曜日(里山の湯は無休)
最寄インターチェンジ:東海環状自動車道路美濃加茂IC
駐車場:無料(乗用車3000台、大型バス50台)
最寄駅:JR美濃太田駅バス便
最寄バス停留所:ぎふ清流里山公園
ぎふ清流里山公園への詳しいアクセスの解説は、公園の全体像を解説した関連記事をご参照ください。
まとめ:無料の大型遊具には抜きんでた特徴もひとつだけ
無料で遊べる大型遊具は、ただひとつ。入場門も抜ける前のところに置かれています。その規模も、遊びも、そうそうあるものでない特徴があるものです。公園の奥に進めば、無料の楽しみもあります。そうはいっても、目立つ遊びは有料のものになります。
公式サイト:ぎふ清流里山公園