道の駅が公園? と聞けば、何か遊具でも置いてあるの? というのが偽らざる感想でしょう。昨今、高速道路のサービスエリアならば、遊園地かと見紛うようなものが稀にあります。
道の駅はどんどん増えていて、一般的な認識ではドライブの途中で休憩できて、地元などの特産品が買えて、ちょっと売り物になるような食事やお土産が用意されて、なんていうことになるのでしょう。
おおまかにいえば、確かに道の駅とはそんな風なものなハズ。けれども、大型のしかも著名な公園、施設などが集まったものがある! とか、さらに子どもと無料で楽しむ公園に当たる最たるものになっている! などといえば興味をそそられないでしょうか。
多くの人にとって想定外ともいえる、充実した公園にもなるのが道の駅みぶ。それも2つの大型公園と、括目の子ども向け施設(に加えてよくある道の駅機能)で構成されています。
遊び場としての意味合いの強いほうそれぞれは、子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介している「子どもと楽しむ公園」シリーズで、独自に撮影した写真を満載して詳しく紹介しています。
- 道の駅みぶとなるそれぞれの公園や子どもの遊び場になる施設
- 壬生町総合公園
- 栃木県営とちぎわんぱく公園
- 壬生町おもちゃ博物館
この全てが含まれてしまうという道の駅みぶ、こんなスゴイものができた訳、それが公園としても破格の充実ぶりに結びついたことなどなど。とてもおすすめの公園に秘められた新事実としてまとめてみます。
公園選びの参考書!充実の公園、道の駅みぶの秘密を徹底解明その1概略
道の駅みぶを構成するスポットの数々、特徴になるのは大規模な3つの遊び場と高速道路とも連結する部分があることです。
- 道の駅みぶにある施設一覧
- 陸上競技場と大型遊具のある芝生広場の壬生総合公園
- 盛り沢山な遊びがさすが、科学展示館(有料)もあるとちぎわんぱく公園
- おもちゃのまちならでは!なにからなにまで勢揃いの壬生町おもちゃ博物館
- 北関東自動車道のP.Aとしても利用されるみぶハイウェイパーク
(総面積52.4 ヘクタール)
壬生総合公園(壬生町営)
子どもと遊べる大型遊具がひとつ。スタンドが設けられた陸上トラックとサッカー場ではスポーツを堪能できます。大型遊具から眺められる芝生広場は池に向かってなだらかな傾斜。ここは花見や鯉のぼりが季節の楽しみになっています。
休園日:なし
開園時間:24時間
とちぎわんぱく公園(栃木県営)
栃木県営公園9つの中でも、子どもが遊ぶために特化した、ただひとつの公園。大きな吹き抜け天井のある、ガラス張りの屋内の遊び場やテーマパーク風の仮想タウン。ワイルドに遊べる屋外の木製遊具や生垣の迷路など無料で遊べる場所が一杯。
さらに有料ながら科学展示館や乗り物なども少々、レストランは園内にふたつ、しっかり食事がとれるものです。さらにカヌーに乗れる湖や芝生広場、大花壇など季節、天候を問わず盛り沢山です。
休園日:なし(公園内施設に一部定休日があります)
開園時間:8時30分~18:30分(10月~3月は17時30分まで)
壬生町おもちゃ博物館(壬生町営)
壬生町はおもちゃのまちがある街。日本の代表的な玩具企業が集積して世界中におもちゃを提供してきた拠点になっています。格安の入場料で一日中入退出可能なおもちゃの展示館が壬生町おもちゃ博物館でまさに当地ならでは!
屋内に大型遊具、おもちゃがテーマ別に相当な数が展示されます。小さな子どもから、別館にある鉄道模型は下手をすれば大人まで魅了する充実ぶりです。
休館日:月曜日(祝日の場合翌日)、年末年始(12月28日~1月2日)休館
(8月は休館日はありません)
開館時間:9時30分~16時30分
(8月は17時まで、1月3、4日は10時30分~15時30分)
みぶハイウェイパーク(壬生町営、高速道路施設はNEXCO東日本が管理)
道の駅の中核施設で、いわゆる道の駅にある施設。道の駅の条件通り24時間、無休で開設しています。北関東自動車道の壬生パーキングエリアと施設が共用のためみぶハイウェーパークを名乗っています。高速道路と道の駅みぶから、どちらでもアクセスできます。エリア内の各施設と営業時間は次のとおりです。
- みぶハイウェイパーク施設一覧
- みぶのおばちゃんち(レストラン、9時~20時)
- ときめきステーション(物産品販売、8時~20時)
- みぶのやおやさん(特産品販売、9時~18時)
- みらい館(観光交流施設、事務所8時30分~19時)
- 芝生広場
- 緑地広場
徹底解明その2、とちぎ県営、壬生町営、高速道路施設が全部道の駅?
こうしてまとめてみると、それぞれの施設が目的も違って見えます。また運営そのものも別々です。
そもそも道の駅って何?
どうしてこれらが、すべて道の駅みぶとなるのか? それを知るためにまずは道の駅とは何かをまとめてみます。
前提として1966(昭和41)年に施工された「交通安全施設等整備事業の推進に関する法律」によって、道路管理者に国のお金を出すことが決まっています。いちいち法律を定めなくとも内閣府令や省令で支出できます。これを「特定交通安全施設等整備事業」と呼びます。
この交通安全施設等整備事業の対象事業に、道の駅の駐車場が追加されたのが1991(平成3)年。1993(平成5)年には、道の駅の整備についての要綱が策定されました。道の駅の整備を、特定交通安全施設等整備事業(国のお金を国土交通省や内閣の一存で使う事業)とするには条件があります。
主要な幹線道路で夜間運転や過労運転による事故が多発したり、多発しそう! と思われる道路で、休憩施設が充分でない区域ということです。そこで駐車場、トイレ、道路情報ターミナルなどを対象にできるという指針になっています。
難しくなったかもしれません。簡単にいえば、道の駅と国土交通省に登録できれば、道路管理者(例えば市町村)は施設を作るにあたって補助金がもらえるということです。道の駅として登録できる条件も決まっています。
- 道の駅とされるための3つの条件
- 休憩機能(24時間、無料で利用できる駐車場・トイレ)
- 情報発信機能(道路情報、地域の観光情報、緊急医療情報など)
- 地域の連携機能(文化教養施設、観光レクリエーション施設など)
これらが合わさって、地域とともにつくる個性豊かなにぎわいの場となることが期待されます。これらを見てみると道の駅みぶは、一般によく知られる道の駅のイメージを遥かに凌駕して、道の駅の理想を具現化したもののように思えます。
すでに1,000を大きく超える道の駅が生まれています。その中で道の駅みぶほどのものがいくつあるのでしょうか? 簡単には思い当たらないのが実際でしょう。道の駅みぶは意外なものでもありながら、実は道の駅のモデルケースとして稀有なレベルに達していることに間違いはないです。
道の駅とは何かを理解し、道の駅みぶが理想の道の駅であることが分かったところで、ならば道の駅みぶができた過程にはどんなストーリーがあったのかも見てみましょう!
道の駅みぶができるまで、年表まとめ
いま、道の駅みぶを構成している施設は、道の駅みぶのためにできたのではありません。すでにあった既存の施設がまとまって、内容ぎっしりの公園となったというのが実際のところ。一体として機能することで壬生町としても狙う効果を存分に発揮して欲しい! ということなのでしょう。
道の駅みぶがいまの姿になるまで
1965(昭和40)年 壬生町におもちゃ団地が進出、東武線におもちゃのまち駅開業
1977(昭和52)年 おもちゃのまちが正式な壬生町の地名になる
1995(平成7)年 壬生総合公園開園、壬生町おもちゃ博物館開館
2000(平成12)年 北関東自動車道栃木都賀JCT~宇都宮上三川I.C開通、壬生I.C開設
2001(平成13)年 栃木県がとちぎわんぱく公園を開園
2008(平成20)年 北関東自動車道真岡I.C~桜川筑西開通時に壬生P.A開設
2009(平成21)年 道の駅みぶ開駅、みぶハイウェイオアシス開設
年表を追えば、きっかけは壬生町におもちゃのまちができたこと。その後、町は日本のおもちゃの一大拠点となります。時代の流れで、企業の海外流出などが起こると、改めて「おもちゃ」に関連することは町のかけがえのない資源だ! と考えるようになったといいます。
平成を迎える頃、当初は運動公園として計画されていた壬生総合公園は、いつしか町のキーワードに沿った形で、壬生町おもちゃ博物館を内包する計画に代わって行きました。こうして「おもちゃ」や「子どもの遊び」は壬生町にとって大切なテーマとなっていきます。
そうするうちに壬生町だけの力でなく、栃木県の特色ある公園づくり計画や国土交通省の道の駅整備の思惑も取り込みできたのが、「おもちゃ」や「子どもの遊び」に対する想いの深いレジャースポット道の駅みぶということになりそうです。
壬生町営の壬生総合公園はもちろん、栃木県営のとちぎわんぱく公園も運営は県ながら、依然として土地は壬生町のものです。おもちゃのまちを擁する壬生町としての矜持を示したともいえる壬生町おもちゃ博物館の充実ぶりこそさすがながら、壬生町は決して大都市ではありません。
自治体としては市でさえない、壬生町。東武鉄道や関連会社の協力を得て、おもちゃのまちの創設に成功すると、町の発展を背景に町の特色を生かした壬生町おもちゃ博物館を開館しました。
その後、土地を提供して県を巻き込んだとちぎわんぱく公園の整備が当りだったのは、町で運営する壬生総合公園ととちぎわんぱく公園の圧倒的な差をみれば分かります。とちぎわんぱく公園には、子どもが遊ぶのに適した特色を出したいという栃木県のコンセプトがありました。
とちぎわんぱく公園は花と緑の博覧会マロニエとちぎ緑花祭2000の壬生会場跡地でもあり、まさしく自分の街にピッタリのコンテンツを、県の力を使って望外の充実した内容にして手に入れられたことになります。恐らく壬生町だけの力では難しかったことでしょう。
そうこうしているうちに、壬生町にはまたまた大きなチャンスがやってきます。北関東自動車道の整備が進みました。国道50号線にほぼ沿っている北関東自動車道が壬生町に向かって大きく北に迂回しているのは、特に壬生町に大きな政治力があったということではないでしょう。
目指しているのはあくまで宇都宮市。事実、北関東自動車道は壬生I.Cの隣、宇都宮上三川I.Cまで北上したのち再び南下します。北関東の3つの県都とつなぐために、道を作りやすいルートを選べば、水戸と宇都宮を結ぶために北に迂回するには、現行ルートしかありません。
もうほんのちょっとルートを北側にするためには、県境にもなっているけっこうな丘陵を通さなければならなくなります。さらに前橋・高崎方面に向かうためにはやや南下する必要があるのも栃木県南部の山地を避けたいからです。
するとルートは壬生町の辺りを通ることになります。壬生I.Cの設置自体はおもちゃのまちが考慮された部分もあるでしょう。しかし壬生町はこのチャンスを逃すことがありませんでした。道の駅の整備方針にもすばやく反応して、アクセスの面でも町のコンテンツを充実させる機会を生かしたのです。
こうして一見、目的も運営もバラバラの各施設を一体化して強力なコンテンツにするため、壬生町はすべてをまとめて道の駅として登録できるように、国土交通省に申請したのです。申請が通ってできあがった姿をよく検証してみれば、まさしく道の駅の理念を象徴するような理想形ができあがったという訳です。
実際に道の駅みぶについては、子どもの遊びのためという個性が豊かな、にぎわいのある場が実現しているといえます。
道の駅みぶの駐車場は誰のためのもの?
このような事情のため道の駅みぶとしては、みぶハイウェーパーク=壬生P.Aの他に壬生総合公園、おもちゃ博物館、とちぎわんぱく公園のための無料駐車場は、実にたくさんの場所に分かれて約1,600台程度用意されていることになります。
この駐車場が誰のためのものなのかは、もうお分かりの通り道の駅みぶを訪れるひとのためです。それぞれが目的の施設によって利便性の違いはあるとはいえ、どこに目的があってもどこを利用してもまったく差し支えないといえます。休憩に使うのであっても、それはまさに目的に叶う利用方法だといえます。
道の駅みぶの駐車場のまとめとして、それぞれの利便性に合わせて整理して一覧にしてみます。
- みぶハイウェイパーク、とちぎわんぱく公園ピッピとピコの門付近
- みぶハイウェイパーク駐車場(普通車65台、大型3台、内障害者用2台)
- 壬生P.A(普通車20台、大型車14台)
- 壬生総合公園北側入口、おもちゃ博物館、とちぎわんぱく公園正門付近
- とちぎわんぱく公園正門駐車場(303台)、北駐車場(335台)
- 壬生町駐車場(大型25台、普通車228台)
- 壬生総合公園南側入口、とちぎわんぱく公園東門付近
- 壬生町駐車場(大型14台、普通車160台)
- とちぎわんぱく公園東駐車場(407台)
みぶハイウェイパークでは無料公衆無線LANも!
公衆無線LANのFREESPOTが稼働しています。みぶハイウェーパーク敷地内がエリアです。特にみらい館から発信しているので近い方が接続状況がよいです。また接続方法の案内もみらい館にあります。ホームページをご参照ください。
利用時間:5時~23時
お問合せ先:TEL:050-5538-5496
(FREESPOTコールセンター、平日9:00~12:00、13:00~18:00)
関連リンク:FREESPOT
まとめ:道の駅みぶは道の駅の一つの理想形!それに貢献するのは大型公園
玩具界の偉人、富山栄市郎さん(タカラトミーの前身企業の創業者)の苦境を打開した、壬生町との接点から生まれたおもちゃのまち。そうして壬生町の特徴となったのが「おもちゃ」や「子どもの遊び」などのキーワード。
それでもなお栃木県の小さな町に過ぎない壬生町が、そんなキーワードのもと、県の力、国の力までをも巻き込んで、ついには道の駅のひとつの理想形を創り上げることになりました。
他ではなかなか見られない形でレアなものとはいえ、これが本来の道の駅の姿。そんなコンテンツを実現しているのは、おもちゃ博物館を擁する壬生総合公園、子どもが遊ぶための公園、とちぎわんぱく公園のお蔭と言えます。
道の駅みぶ
住所:栃木県下都賀郡壬生町大字国谷1870-2
連絡先:0282-82-3591
公式サイト:道の駅公式ホームページ
(みぶハイウェイパークサイトへのリンクもあります。)