まさしく東京都心そのものな中央区、子どもと無料で楽しむ公園には無縁なのかといえば、そんなことはありません。あかつき公園は公園御三家の遊具をしっかり押さえるばかりでなく、その発展形の遊具もあり、さらにはありそうでなさそうな素朴な素材で楽しく遊べます。まさしく「遊び場」らしい公園といえます。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思えた場所をご紹介しています。ビルが立ち並ぶ築地の街に位置して、その隙間に空き地のように存在する冒険広場があります。
児童遊園としてひと通りが揃った保健所側は、付近で働く人の憩いの場にもなっています。そういう意味では、隣接する築地川公園、隅田川の河岸の明石町河岸公園、そこをあかつき公園と結ぶ聖路加タワーなど聖路加関連の緑地帯含めて、大きな水と緑のスペースになっています。
都心部ということで、平日と休日で大きく様相が変わるこの近辺。子どもと遊ぶという視点では、休日こそ利便性が高いあかつき公園。いつものように独自に撮影した写真を満載して、お出かけの役に立つよう人気の遊び場を詳しく見てみます。
子どもが大型遊具で遊べるあかつき公園をしっかり解説！
こんな空き地はずっと残して欲しい！ 場所柄から、ほんとうに空き地ならばそんな願いはむなしいだけしょう。けれどもここは区立の公園、子どもの頃に遊んだとしてこの場所は、きっと大人になっても残っていてくれるハズ。
道を隔ててふたつのエリアに分かれていて、いかにも公園然とした保健所側と言われるエリア、どことなく街角に残された空き地の遊び場の雰囲気を感じさせる冒険広場。それぞれの特徴が楽しいあかつき公園です。
冒険広場はよくできた街の広場、活発に遊ぶにはこちら
あかつき公園のシンボルのように冒険広場真ん中には山が築かれています。
山の途中からはターザンロープが並んで2レーン。スタート地点はやや高さがあります。少し勢いがつくだけに滑走も長め。スタート台の高さが微妙に違っていて、選択できるように調整されています。
脇のスペースにはクライミング遊具があります。ウォールがゴツゴツとして岩を摸しているのでしょう。登ったり上を乗り越えたりするだけでなく、穴が開いていて潜り抜ける面白さもあります。
素材としてはさりげないものながら、時に公園で利用されるのがタイヤ。世の中で大量に消費されているものですから、古タイヤならば沢山あります。
そんな古タイヤ、あかつき公園の冒険広場ではかなりな役割を果たしています。
順番に飛び移って遊べるように並べてあります。分岐していたり、隣のレーンに移動できるようになっていたり。
よじ登っていけるように、大きなタイヤから順番に積み上げられているものも。
タイヤの吊り橋は5つのタイヤを連結。手前の足場の加工をみても廃材を適当に並べておけばいいや！ などといういい加減さは微塵も感じられません。
タイヤをソロバンのコマのように動かして遊びます。対象年齢に合わせてあるのでしょう。大きさ、高さの違う2セットを用意。
ところでタイヤがとてもキレイだと思いませんか？ これは別に新設された遊具じゃあありません。前からずっとあるものです。
あかつき公園はタイヤがとても活躍している公園です。だからといって新品を使っているのではなく、もちろん古タイヤを利用しています。
タイヤは主にゴムでできています。弾力があるというゴムの特徴は、遊具に利用するのにはピッタリ。そして衝撃を吸収するという製品としての特徴も、活発に遊ぶという点ではもってこいの素材です。
調達だって安くつくでしょう。この再利用はとても良いアイディアです。ただ、それだけでは済まないのも古タイヤの利用です。タイヤは自動車の高速での走行、それに伴う衝撃や充填された空気の高い圧力に耐え、さらに空気漏れをしないような剛性などが必要です。
ただ柔らかいだけの物ではないのです。そのため気をつけなければ、ささくれ立って刺さったりする恐れが充分にあります。あかつき公園のタイヤがいつもキレイにみえるのは偶然じゃあありません。
安心して遊べるように、メインテナンスと交換をしているからこそなのです。地面に埋まっているようなタイヤも、管理人の方がチェックして適宜交換しているとのことです。
山の斜面にも足場として活用されているタイヤ。活用の仕方にも知恵が溢れていますし、さらにキレイで安全に維持することも念頭に置かれています。これだけでもあかつき公園やるな！ と思います。だからこそ楽しく遊べると思えば、ほんとうに管理のいい公園です。
タイヤと並ぶあかつき公園の名物といえば土管。もちろん公園に必ず土管がある訳でなく、あるほうが珍しいかと思います。
けれども、公園というか空き地に土管というイメージがあるのは「ドラえもん」の影響でしょう。のび太たちがたむろする公園には土管があります。
漫画の中ではいろいろな使い道がある便利なもの。時には落ち込んだのび太が土管の中で物思いにふけっていたり…、土管の中のタイヤはそんな時の椅子替わり？ いや、ただの障害物でしょうか？ シンプルなだけにイメージが膨らむのはいいところです。
4つが連なる、まさしく「ドラえもん」の世界の組合せ、上ったり座ったり、さすがにリサイタルは開かれないかもしれないです…
単独のものもそうですが、土管が転がったら危険です。外からは見えませんが、鉄筋の基礎が土の中に埋まっていて、そこに固定されています。この4連の土管では足場も兼ねた支えがあります。
反対側からも同じように階段がついて足掛かりに。さらに個々の土管もしっかりコンクリートで固められているのが分かります。
いまや東京に限らず、空き地も少ないでしょう。ましてやそこに置いてある土管など見ることはなくなって、目にするとすればマリオのゲームの中くらい？ けれども、あかつき公園に来ればいまだに土管にふれられるのです。
さて、タイヤと土管というユニークな遊具で遊べるあかつき公園冒険広場。冒険広場の真ん中に位置する山、ターザンロープの反対側を見てみると…
この斜面は滑り台として使います。
勢いよく滑る豪快なもの。固定されたタイヤを足場に下りても構いません。とはいえタイヤはやはり上りに使う方がよさそう。
長いほうの階段はコンクリート製
短いほうはステップが打ってあるだけの階段状になっています。
短いほうの階段はターザンロープのスタート台に向かいます。
ふたつの階段に挟まれて、またまたタイヤが活躍しています。
足場となる組合せが複雑です。縦、横、平積み、互い違いといろいろ。
冒険広場側のトイレは簡易なものです。けれども心配はいりません。道路を渡ってすぐ、保健所側のエリアに立派な多目的トイレがあります。
あかつき公園のふたつのエリアを分ける道路とは反対側にも冒険広場の入口があります。
道を隔てた向うは、かつて流れのあった築地川の支流を埋め立てた場所。
築地川公園となって解放されている区域となります。
あかつき公園冒険広場のちょうど隣は遊具がちょっとだけある場所。ブランコ、滑り台、スプリング遊具が並んでいます。
あかつき公園保健所側は幼児に対応、御三家遊具も完備
空き地のイメージを残し、遊具もオリジナルな冒険広場。対してあかつき公園の保健所側には、いわゆる公園らしい遊具が揃っています。
冒険広場とは2車線の道で隔てられています。平日は間違いなく、横断歩道を渡った方がよい交通量があります。
保健所側は子どもの遊び場は一部に過ぎません。揃えられた遊具はどちらかといえば幼児がターゲット。
とはいえ、いわゆる公園御三家の遊具を押さえています。幼児向けの一般的な遊具についても充実していて満足できます。公園御三家の遊具については関連記事があります。
関連記事：【おすすめ遊具】公園選び写真満載の参考書、どこにある？が一目瞭然
都会の緑のオアシスのような園内、木陰のベンチはピクニック気分のランチタイムにも絶好です。
ただし、平日は利用者が多いです。この点はさすがに東京の都心部です。けれども、休日はまた景色が一変するのも東京都心ならでは。中心繁華街でなければ休日の東京はのんびりしたものです。
あかつき公園の保健所側の広場は水遊び施設でもあります。霧の噴水と名前がついているように、どちらかといえばミストシャワーの水遊び場です。ドバドバと湧き上がるのは真ん中だけ。周りのミストシャワーが季節には涼しげです。
災害時の給水ステーションがあったり
疲れを癒す足裏マッサージスペースがあったり、憩いの場でもあるあかつき公園です。
さて、とはいえ保健所側の遊具も充実していますからよく見てみましょう。
まずは公園御三家、基本のひとつの滑り台。冒険広場に広くて豪快なものがあります。保健所側には幼児向けの象さんタイプ。
さらに御三家として欠かせない鉄棒とブランコも揃っています。足を入れて腰掛けるタイプと立ち漕ぎできるもの。両方を揃えるのはお約束かもしれません。けれども、ふたつづつというのは充実しています。
さらに公園遊具の基本セットを構成するために必須の砂場には囲いと日よけがしっかり。ありがたい配慮です。
さらに、古典的なジャングルジムとはいえ、ちょっと変わったラウンドタイプ。
カラフルなシーソーは見るからにワクワクします。
とても短いものですが、ローラー滑り台もあります。短いとはいえ幼児向けだと思えばジャストなサイズではないかと！
幼児がターゲットのこの一角では珍しい、対象年齢高めの雲梯もありました。
いくつかあるスプリング遊具では、大迫力の大きなものに注目です。
はんとう棒はなかなか高さがあります。必ず上まで登らなければならない遊具ではないです。心なしか下の方だけ擦れた跡が目立つような…
冒険広場と保健所側の道沿いには多目的トイレ。
子どもや子供連れへの配慮がしっかりなされています。
ところで東京らしいなあと思う掲示が張ってありました。
公衆トイレならたくさんあるよという告知です。
あかつき公園の概要と周辺の様子
あかつき公園利用の概要
住所：東京都中央区築地7丁目19番1号
冒険広場の利用時間：9時～17時（11月1日から3月31日の間は16時まで）
かつて文化が花開いた土地柄
あかつき公園のある中央区は、いろいろな文化の発祥の地です。このあたりだけみても東京税関、慶應義塾、立教学院、女子学院、明治学院、女子聖学院、暁星学園、雙葉学園などが発祥した場所だという記念碑が見られます。
公園内にシーボルトの記念碑があるのは、外国人居留地のあったここが江戸蘭学発祥の地で、かつ日本に残した娘が産院を開いたからだそうです。
あかつき公園には築地児童館が隣接していて、これまた子どもにとってはよい遊び場です。
入口は公園とは反対側になっています。
路地を抜けた道に面しています。
ただし児童館は基本的に区民の施設とのことです。
聖路加タワーには公園利用時に便利なお店が
公園からもひと際目立つのが聖路加タワー、あかつき公園は住所は築地、もちろん築地市場場外なども遠くはないです。けれどもどちらかといえば、聖路加病院や関連施設のある明石町の近くです。
聖路加とは医者と画家の守護聖人とされる聖ルカを漢字で当てたものです。したがって「せいろか」と発音されることが一般的ながら、正式には「せいるか」です。関係者は正しい発音を広めたいようです。聖路加タワーのある界隈の英語の表記はセントルークスになるようです。
あかつき公園からは交差点の斜め向かいになる聖路加タワーには、コンビニや飲食店が揃っています。
入口からエスカレーターを上ると…
ホール内にも自由に使える椅子やテーブルが並んでいます。
建物を抜けると隅田川沿いの明石町河岸公園。
ビルの前の空地にもテーブルと椅子が並んでいます。ビジネスマンらしき人が多いです。けれども、これもまた平日の景色。休日はもっと空いています。
目前には東京のウォーターフロントに臨む景観です。
水上バスで遊覧も楽し！発着場は目の前
ここには水上バスの乗り場があります。
この明石町・聖路加ガーデン前乗り場は、浅草や両国（国技館前）、お台場などを周遊する路線が発着しています。
関連公式サイト：浅草・お台場クルーズ運行コース・料金・運賃（東京水辺ライン）
料金：大人620円、小学生310円（お台場、浅草、両国それぞれまで片道）
船着き場からは聖路加タワーを通らずに公園に向かう道もあります。
あかつき公園を訪れるには(アクセスについて）
東京メトロの日比谷線築地駅、有楽町線新富町駅などが最寄駅となります。いうまでもなく、電車やバスで気軽に行ける場所です。駐車料金さえ払えば、いつでも車で行ける場所でもあります。けれども自動車を利用する場合、休日は違う手段があります。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄駅：東京メトロ日比谷線築地駅徒歩3分
【自動車を利用する場合】
駐車場：なし
あかつき公園は駐車場はおろか、駐輪場さえもありません。車で訪れる場合には有料駐車場を利用することになります。周辺には民間駐車場があります。また聖路加タワーにも時間貸の駐車場があります。けれども注目したいのはパーキングメーター。
1時間300円必要ですし、1時間を超える利用も認められません。けれども周辺のパーキングメーターの駐車枠は日曜・休日・正月三が日には対象外となっています（実際のご利用に際しては駐車禁止の標識がないことをご確認下さい）。
路上では12時間まで（日没から日の出までの間は8時間）駐車できることになっています。あかつき公園の隅田川側の道路だけでなく、一本裏の水たきで有名な料亭治作の前などにもパーキングメーター設置の道路があります。
憧れの大庭園を擁するつきじ治作。各部屋ごとに専門の仲居さんがサービスをしてくれる日本料理店です。
まとめ：遊び場として充実の公園、さらに周囲には東京らしい遊びが！
車で訪れたとしても休日なら実際には無料で利用できることで、あかつき公園にはさらに魅力が加わります。聖路加タワーには無料の展望室があります。タワーからの眺望を楽しむのもよし。
水上バスを利用して浅草、両国もしくはお台場まで往復（もしくは浅草、両国なら帰りは電車でも面倒ではありません）の遊覧航行を楽しんでもよいです。水上バスは無料とはいかないとはいえ、まさしく東京ならではの遊び方です。
そしてなにより管理のいいのが、あかつき公園のいいところ。都会の真っ只中に佇む優良な公園として要チェックです。
