海辺で遊べる気持ちのよい公園になります。巨大な難破船をかたどったアスレチック遊具がなにしろ目立ちます。静岡市の広野海岸公園の浜辺にはさらに海にちなんだ遊具、滑り台が組み合わされたコンビネーション遊具が揃い、季節にはジャブジャブ池でも遊べます。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。静岡市の一番西のほう。中心市街からは安部川を越えた河口右岸、焼津市との境となっている大崩海岸からそびえる花沢山の手前、最後の市街地となっている辺りにある遊び場。
駿河湾が目前に広がる公園の景観からは、思いもよらない街の中の遊び場です。そしてここは、生しらすが賞味できる珍しいスポット。知る人ぞ知るグルメの地になっている用宗(もちむね)漁港に隣接しています。だからこそ、ランチタイムの楽しみも尽きない、おいしい公園でもあります。
子どもが大型遊具で遊べる広野海岸公園をしっかり解説!
海辺にあること、市街地に近いこと、帆船遊具が豪快で目立つこと。遊び場としての広野海岸公園の特徴はこんなところでしょうか。分かり易く付け加えるならば特産の海産物、しらすを堪能できること。ただし、多くが揃っているとはいえない中、帆船以外の遊具に注目すべき特徴もあります。
シンボルとなる帆船遊具!目指すは吊り橋や展望デッキ
なんといっても公園のシンボルは、帆船遊具になります。真ん中でぽっきり折れて座礁した大型帆船がモチーフ。後部には海側に向かった展望デッキがあります。
帆船遊具はアスレチック風の仕掛けを巡るコンビネーション遊具でもあります。
真ん中の折れたところは砂に埋まっている設定。船の前半部と後半部に分かれている形になっています。
ふたつのデッキを吊り橋が渡っていて、真ん中のマストのところに足場となる中継地点が設けられています。つまり吊り橋は2本、中継地点も見晴らしのよい場所です。
金属製で幅広の滑り台になっているのが後側のデッキ。ひとつのレーンの中でもいいですし、ふたつのレーンを使ってもどちらでも、一緒に競争できたりしそうです。
前側の部分はアスレチックな坂道とデッキの下部への通路になっています。
前側のデッキに潜り込めば吊り梯子で上れる仕組みです。当然グラグラします。
前後デッキ、どちらも吊り橋のフロアに行くには、もう一段上る仕様になっています。
一層一層上っていく手段は梯子、リング、ネット、普通の階段と実にさまざま。
あえて言うならば、このデッキに向かう船の後ろ側には迂回路はなく
前側には簡単な階段もある形ですから、後ろ側の難易度がやや高いという事になります。
ただし、後ろ側にある展望デッキ風の場所に出るならば、前側を上って吊り橋で後ろ側に向かえば簡単な方法でも大丈夫です。
ちょっと難易度の高い上りをこなさなくても到達できる回り道はあるということです。
この帆船遊具、よく見てみるとルートが沢山あって、思った以上に時間を使えそうです。
迫力だけでなく想像以上に芸が細かいと思います。自由に遊べる選択肢、沢山あることは大賛成できる遊具といえます。
単純ではない魚礁遊具の面白さ、秘められた魅力に注目!
魚礁という何となく分るような分からないような言葉。正確に何かということは漁業関係者でもなければ、なかなか知らないことでしょう。広野海岸公園は隣接する漁港、小型船のマリーナと関係が深い場所です。そんな公園だからこその命名に思われる遊具。ぱっと見、滑り台だということは分かります。
対になって存在しているふたつは同じもの。全体に網が張ってあります。また内部に入るためのような穴が沢山見えます。魚礁というのは海底の隆起部で漁場となっているところ。
または、自然にそうなっている場所は天然礁といい、人工的に作った隆起物でできた漁場だけを、魚礁とする考え方もあるようです。いずれにせよ漁業や漁場に関係するイメージからなのでしょう。突起物に網や穴場が絡んでいるところが、まさに魚礁ということなのだと思います。
ただし、このネットがあるのはイメージのためだけではないです。下からよじ登れます。
外から穴をくぐるとあるのが、垂れ下がったネット。これを使って垂直に上っていけるようになっています。
上って行けば出るのは、ネットの一番上のあたり。傾斜がきつくなった頂上付近です。
さらに上に進めば、頂上の足場まで乗り越えて行けるようになっています。帰りは滑り台を滑走!
逆にネットを伝って下りていくのもありなのでしょう。つかまる所は沢山あります。危険とは思いませんが、なかなかスリリングなことは間違いないです。
もちろん、もっと簡単なルートも用意されています。外側からネットの穴をくぐって…
隆起物の中をスロープで進めるようになっています。ここから頂上にいっても大丈夫。
幼児向けには大きな複合遊具も!
ふたつの青い屋根の塔が連結されたコンビネーション遊具は、魚礁遊具よりも幼児向けと考えられます。チューブで連絡されていて、おのおの違うタイプの滑り台で下りるようになっています。
滑り台はチューブタイプあり
2連タイプの直線でちょっとうねったもの
同じ2連タイプでもカーブしたものと3種類。
上りについては幼児用にふさわしい階段だけでなく
ちょっとした冒険も用意されています。こちらは高さはあまりないとはいえ、少し難しいでしょうか?
ロープにつかまって足場をよじ登るこちらなら、未就学児でもたいていはいけそうです。体一杯使うにはちょうどいい頃合いかな。
海に向かってダイブ! とにかく絵になるターザンロープ
帆船遊具の隣、海よりの場所には木製のターザンロープ。あまり傾斜のあるタイプではない穏健なタイプです。
海に向かってダイブ! な感じが楽しそうです。木で組まれているので海とともに絵にはなりますね。
水遊びは海ではなくジャブジャブ池で!
帆船遊具のターザンロープとは反対側にあるのはジャブジャブ池。岩場のようなところから流れ落ちる水が溜まって穏やかな浜辺の雰囲気。水深は浅くあくまでジャブジャブ池です。
基本は夏の時期の遊び場になるでしょう。いつ頃利用できるのかといえば、特に利用期間は決まっていません。ただし冬季には水も止めることがあります。ともかく広野海岸公園は海水浴場ではないです。遊泳できる場所ではないので水遊びならここでです。
海辺でゆったり過ごせる多目的芝生広場
いろいろな遊具のある広場から第1駐車場に至る場所は、芝生が敷き詰められたスペース。自由に使える場所なので、テントなどを持ち込む人も沢山いらっしゃいます。ヤシの木がムードを盛り上げます。
この芝生広場の遊具よりの場所には何やら楽しげなものが… これはバイキンマンですね。
他にも主役のアンパンマン他キャラクターが勢ぞろい! 同じ静岡市の秋葉山公園でも見かけるものです。こうなると静岡ならではな気もしますが、どうなのでしょうか? 身近なところにあればうれしい、子どもが喜んでくれそうなオブジェです。
関連記事:子どもと無料で楽しむ秋葉山公園
見晴らし山からは富士山が眺められることも!
山の向うは焼津市、西は花沢山を望む見晴らし山。山といっても実際は、ちょっとした盛り土くらいの高さです。頂上から見れば、反対方向には場合によって富士山が顔をのぞかせるようです。そんな時にはかなり意味を持ってくる見晴らし山です。
売店はお手軽な軽食メニューがうれしい
土日祝日に営業している園内の売店は、軽食やスナック類を販売しています。地元漁業組合の経営だそうで、なかなかリーズナブルです。船の形をしているのが広野海岸公園らしい感じ。
休業日:12月~3月中旬の期間、営業期間の平日、雨天日
メニュー一覧
- フライドポテト120円
- フランクフルト200円
- アメリカンドッグ200円
- ソフトクリーム150円
- たこ焼き350円
- フライドポテト100円
- やきそば200円
- かき氷(季節メニュー)200円、ミルク増プラス50円
無料がうれしい釣り護岸、クロダイに挑戦がおススメ
海で天然ものを釣るということで、遊漁料のようなものは必要ありません。さらに公園の護岸の利用料みたいなものもないです。環境の整った釣り護岸になっています。
安心の釣り体験にはピッタリ。ただし道具は持参して下さい。管理者の静岡市からもクロダイが釣れる場所なので頑張ってみてはとのことです。
(天候などの状況により護岸の利用が停止されることがあります。)
岩礁をイメージ?多目的トイレは最低限の設備
見晴らし山と遊具広場の間のあたりに、岩のような外観の建物があります。公園内のトイレは第1、第2の駐車場近くと合わせて3か所。中でも遊び場に一番近いのはここです。
多目的トイレの機能としては最低限。車椅子対応に加えて、オムツ替えシートが備えてあります。
ランチタイムも魅力!生しらすで有名な用宗漁港の海産物に舌鼓
用宗漁港の奥にはどちらも漁港直営となる直売所と、いろいろな丼を食べさせるお店があります。一見すると小さな小屋にしか見えないのが、しらすとまぐろの丼を専門で食べさせるどんぶりハウス。漁のあるときだけになる生しらす丼を600円で食べさせるこの店、知る人ぞ知るお店なのです。
注目のメニューの一部(いずれも時価のため変動はありえます。)
- 釜揚げしらす丼500円
- 生しらす丼600円
- 用宗丼A(まぐろ漬け&生しらす)800円
- 用宗丼B(まぐろ漬け&釜揚げしらす)800円
いわしの稚魚となるしらす、用宗はその名産地として名高い地。加工場もいっぱいあって、釜揚げやしらす干しなどなら比較的手に入りやすいものです。南アルプスや富士山を源とする河川が注ぐ、駿河湾の栄養と水質のよさが用宗のしらすの評判を決定づけています。
そして港から漁場が近いことが、生しらすまでおいしく頂ける秘密。それだけでなく網船2、すぐに氷で締めて港に向かう運搬船1の3艘がひとつのチームを組みます。この用宗方式が抜群の鮮度を誇る理由になっています。
漁港周辺含めて用宗の特産品を味わうのも、広野海岸公園の楽しみです。丸ごと食べられるしらすは栄養たっぷり。特に用宗でも生しらすの時期は特別なチャンスです。子どもと一緒のランチタイムに検討してはいかがでしょうか。
広野海岸公園を訪れるには(アクセスについて)
用宗駅から歩いても、平坦な住宅街の道を公園入口まで1.3 km程度です。バス停は用宗街道(県道416号線、旧道の国道150号線)にあります。
最短距離となる道を行くならば、用宗駅からバスに乗るのはあまり意味がないかもしれません。周辺部とはいえ静岡市の市街地、休日の駐車場は混雑していることが多いようです。
住所:静岡市駿河区広野海岸通1
【自動車を利用する場合】
静岡の海側を走る国道150号線で向かいます。広野交差点を県道416号静岡焼津線(国道150号線の旧道)方面に曲がった後、長田南小学校近くの信号機のある交差点を海岸方面(南方向)に向かいます。用宗漁港を目指します。
最寄インターチェンジ:東名高速道路静岡インターチェンジから約5.5 km
(I.Cから南に向かい国道150号線経由15分ほど)
駐車場:無料(220台)
利用時間:6時~21時(12月~2月は20時まで)
【公共交通機関を利用する場合】
最寄の用宗駅と静岡駅を結ぶバス便の利用が便利です。昼間は毎時2本ほど運行。夕方以降は毎時1本になります。
関連リンク:しずてつジャストライン時刻案内「なんじ?君」
最寄駅:JR東海道本線用宗駅徒歩25分(遊具のあたりまで)
最寄バス停留所:広野バス停留所徒歩13分
(しずてつジャストライン用宗線JR静岡駅北口7番乗場~JR用宗駅前路線)
まとめ:利便性と気持ちいい環境が両立、遊び応えはちょっと意外?
街の中の海辺の公園、鉄道利用もさほど不便ではありません。漁港のグルメを含めて周辺環境が楽しめる公園です。とはいえ遊具の面白さもなかなかのもの。迫力の帆船、意外な歯ごたえのある魚礁遊具と魅力は充分です。
さらに一日じっくり楽しみたいならば、芝生広場や砂地で楽しむ小道具、釣り道具など用意は万端にするのが遊び尽くすコツのように思います。広野海岸公園は確かに、遊具が満載ではありません。
公式サイト:静岡市 広野海岸公園