いまや街の象徴ともいえるバルーンのイメージは、高さのある大型遊具の迫力にピッタリ。長野県佐久市の市民交流ひろばは駅前公園であり、イオンモール佐久平にも隣接するという超絶の利便性を誇る公園になります。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。国定公園に東西を挟まれ、北には浅間山を含む国立公園が広がる高原都市。大型遊具は取り囲む山々が空の景色を際立たせる街で、その眺望を一手に引き受けている様相さえあります。
地域柄トップシーズンといえる初夏から初秋までは、高原の気持ちよさを際立たせる親水施設も稼働します。強力な交通手段によって、遠来からの観光地としても見逃せない街。
その拠点になり得るロケーションながら、駐車場を含めてその気になれば一切お金を使わずに遊べる完全無料の公園。そんな市民交流ひろばをお出かけのプランに役立つように、独自に撮影した写真を満載して見てみます。
子どもが大型遊具で遊べる市民交流ひろばをしっかり解説!
市民交流ひろばは駅前公園といっても、一般的なものとも違ってまた特別。佐久平駅はなにしろ新幹線の駅なのです。新幹線で東京方面の隣は軽井沢駅。浅間山や蓼科の山々も美しい盆地にできた街は、1997(平成9)年の北陸新幹線の開業によって造られたものです。
それまではまったく何も存在しなかったこの地には、いまでは商業施設やホテルなどが立ち並び大発展を遂げています。そしてこの地には、子どもにとっても抜かりなく格好の遊び場も用意されたのです。
大型遊具と幼児専用遊具のあるつどいのひろば。さらに大きな芝生広場、クレー広場を併せ持つ太陽のひろばの一角にはじゃぶじゃぶ池がある親水施設があります。
また、佐久市は佐久バルーンフェスティバルの会場としても知られます。大型遊具のモチーフにもなっている熱気球。熱気球グランプリという競技会は、風向きによって市内の会場、千曲川スポーツ交流広場をスタートするか、目指して飛ぶのかを決めます。
伝統の佐久凧にも通じる空の景観の目的は「子どもたちに感動を!」とのこと。市民交流ひろばにも気球の係留設備があり、例年夏休みの期間に、体験試乗のイベントが行われています。
大型遊具の周りにはたくさんの幼児向け遊具!つどいのひろば
市民交流ひろばの大型遊具はバルーンのある塔、ふたつの高さが特徴。爽快な眺めの反面、急な階段を上ったりしなければなりません。上ってしまえば、いろいろな滑り台で戻ってこれます。
だだし、もし怖気づくようなことがあっても大丈夫。大型遊具の周囲にもたくさんの遊具が配置されています。
ふたつのバルーンの塔がある大型遊具
佐久市の市民交流ひろば、やはり目立つのは2段階でそびえるふたつのバルーンの塔。
塔に向かうのは急角度の狭い階段のみ。狭いのは子どもでも、階段上ですれ違えないようにするためでしょう。
これならば、ひとりづつ慎重に進むしかありません。そんな配慮も納得の急角度! これは譲り合う気持ちを育てることにも繋がります。遊具におけることさらな挑戦、決して何となく仕掛けられたものではないでしょう。
上った先からは、ローラーすべり台が発進します!
上の塔も下の塔も、バルーンの下の篭のようなところには上れません。あくまで形を模してあるだけです。
上の塔からは違った選択もでき、螺旋チューブのスライダーを使ってもいいのです。
ここで注目したい点があります。360度2回転のチューブスライダーを使うには、けっこうな階段を下ることになります。
こちらもなかなかな傾斜があります。途中にはのぞき窓があって面白い趣向ながら、こちらはほんの余興です。
この構造が本当に物語っていることは、市民交流ひろばの塔の高さなのです。チューブスライダーの樹脂の部材は規格品です。製造に型が必要なので、あくまで規格品を組合せて作ることになります。
つまり階段を下りたこの場所が、規格として標準的な塔の高さです。どこかで最上部から2回旋回するチューブスライダーがあったとしたら、大抵の場合はこの高さのハズ。ここの塔はやはり少し高いのです。
高さでいえば、下の段の塔の足場とのちょうど中間くらいに赤い2回旋回するチューブのスタート地点があります。
較べてみると小さく見えてしまう、下の塔からのストレートチューブのもの。
実はそんな小さいものじゃあありません。こっちも結構大きくて高いところから滑ります。
途中の透明の窓は変化を与えるとともに、閉塞感なく楽しむ工夫。思ったよりも長いこのチューブスライダーでは効果的に思います。
この大型遊具には、塔からは遥かに見下ろした場所にも小さな塔が並んでいます。こうして見るとピンク色の屋根のこれらでさえ、案外高い位置にあるようです。
段差をつなげるトンネルチューブもユニークな形です。こんな造形をしてまで、空中回廊の変化や高さにこだわっているように思われます。
ピンクの屋根の高い方からは、微妙に1回転まではしていない螺旋のチューブ。よく見てみると階段も小さな踊り場付で2段になっています。
一本橋が多用されているのも目につきます。そんな空中廊下の端の方、低い部分にも滑り台がたくさん。
一番低い部分は、複雑な階段と多連の滑り台でも完結できます。幅広い年齢に対応するという意味では、ニクイ演出です。
3つ並んだ滑り台。少しづつ滑り始めの高さに違いがあるもの。このタイプよく見かけることがあります。市民交流ひろばでは上りの足場の複雑さと相まって、とても効果的に思います。なんど滑ったらすべてのパターンをこなせるのでしょうか。
木の足場を使ってうねる斜面を上る方法もあります。
高い塔のほうに進むなら、吊り橋を通って目指すことになります。
渡り切ったところに幅広いステンレス製の滑り台もあります。ここで止めておいてもいいです!
さらに先にはネットの足場が!
このルートは、ピンクの屋根の塔への迂回路的な道になっています。こうしてやはり2つのバルーンの塔を目指します。
白いネットの足場には、これまたネットを使って上れるようにもなっています。高さ、大きさだけでなく、かなり多彩な要素が組み合わされた大型遊具です。
頂上の高さゆえ、長大とはいえないまでもローラー滑り台も思ったより長いのです。
幼児用などの他の遊具も!
大型遊具の傍らの砂地には単独の遊具があります。多くは幼児向け。
とはいっても微妙なものもあります。アスレチック風味のものは、幼児でも保護者と一緒なら楽しめそうなもの?
このツイストしたラダーなどは相当に微妙です。逆に小学校低学年くらいまでは楽しめそうです。いやここは高学年でも大丈夫?
一本橋や飛び石になる木は、手を貸してあげて幼児が楽しむのにちょうどよいくらい。そしてもっと大きな子どもなら自由に遊べそう。
明らかに幼児専用というのはこのパネル遊具でしょう。申し訳程度のラインナップなことが多いこのパターン。
市民交流ひろばのものはかなり大きくて多彩です。
これだけの種類が揃っていればかなり楽しいでしょう。
幼児専用コーナーが侮れないのも市民交流ひろばの特徴になります。なんというかスパイスが効いた感じ。
もう一歩踏み込んだ感じが、そこらかしこにみえるのが好感度高い公園です。
広さ3.2 haのうち1 haを占める太陽のひろば
大きなフリースペースになっているのが太陽のひろば。南側が芝生広場。北側の長野県佐久勤労者福祉センターの隣は土のエリアも広がっています。
水景施設として噴水や水の流れ、じゃぶじゃぶ池があります。また熱気球のアンカーも太陽のひろばに設置されています。
稼働時期:5月~9月末
利用時間:9時~17時
市民交流ひろばの他のエリアや隣接する施設
- 市民交流ひろばの概要
- つどいのひろば(遊具広場)
- 太陽のひろば(芝生広場に水景施設や健康遊具)
- こもれびの森(健康遊具が点在)
- つどいの丘(植物ガーデン)
- 出会いの散歩道(遊歩道)
市民交流ひろばの北側には、佐久平交流センターが入っている長野県佐久勤労者福祉センターが建っています。駐車場と交流センターの間にはこもれびの森があります。
こもれびの森には健康遊具が点在していて、森というよりも地域の草木に囲まれた場所。もっともこれから植林された木は、さらに本格的な森を形成していくのかもしれません。
体操器具の中にはまさしく遊具らしいシーソーも!
佐久平交流センターの駅側には、バスケットゴールやスケートボードのハーフパイプのようなものも作られています。
いわゆる市民ホールとなる佐久市佐久平交流センター。ホール、音楽室、会議室、視聴覚室、情報研修室、文化教養室などがあります。
公園として利用する時には、トイレなどを使わせてもらうと助かりそうです。
もっとも駐車場隣、大型遊具の側にあるトイレも多目的トイレとしてだけでなく、小児と一緒でも何ら問題ない設備です。ベビーシート、ベビーチェア、チェンジングボードなどひととり揃っています。
トイレの前には飲料の自動販売機もあります。
トイレの前の辺りにはこもれびの丘。
確かにゆるく築山されています。けれどもどちらかといえば植物園。
健康遊具のあるこもれびの森の近くには大きな屋根付きの休憩スペースがあります。
遊具のあるこもれのびひろばに向かう道にも、健康遊具とウゴウゴがありました!グッドデザイン受賞の(特に公園担当者に)人気の遊具です。
イオンモール佐久平は隣接
佐久平駅にできたイオンモールは、特別巨大なものではないです。フロアは2階でスーパーマーケットのイオン佐久店と専門店街がある、いわゆるイオンモールです。
飲食店はファミリーバイキングの豆乃畑、イタリアンレストランのサイゼリヤ、中華レストランのそうきてい、こだわり和食と甘味の暖家、コーヒーショップのスターバックスとハンバーガーのマクドナルド、たこ焼きの銀だこ、フードコートに果汁工房果淋、リンガーハット、ちゃーしゅーや武蔵、はなまるうどん、九州鳥専科鳥もんが入っています。和菓子やアイスのサーティワンなどおやつも調達できます。
市民交流ひろばを訪れるには(アクセスについて)
住所:長野県佐久市佐久平駅南4-3ほか
休園日:24時間年中無休で開園
佐久平駅のすぐ隣が市民交流広場です。イオンモール佐久平はその正面。イオンモールのお約束で敷地に平面駐車場と屋上に大きな無料駐車場(合計2000台)があります。公園の駐車場は駅とは斜向かいの南西側に入口があります。
ちなみに、佐久市がどんなところなのかを端的に表すのが「日本で海から一番遠い地点」の存在。1996(平成8)年に国土地理院の調査によって特定されたのは、群馬県境も近い雨川ダムの南東約2,200 mの地点(長野県佐久市田口字榊山209-1)。標高1200 mのこの地には、このことを示す標柱があります。
これを撮影した写真を佐久市に送ると、到達した認定証がもらえることになっています。ここは、静岡の富士市田子の浦や神奈川の小田原市国府津、新潟の上越市直江津、糸魚川市梶屋敷などへ約115 mに位置しています。
関連リンク:佐久市公式サイト
【自動車を利用する場合】
駐車場:無料(165台 内身障者用15台)
利用時間:8時30分~22時(利用時間外は施錠されます)
最寄インターチェンジ:中部横断自動車道佐久北約3 km
新幹線の新駅と一緒に開発された市街地は道も広々。よく整備されています。高速道路からでも便利ですぐの場所です。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄り駅:北陸新幹線、JR小海線佐久平駅蓼科口すぐ
駅は新幹線の駅らしく、プラザ佐久として観光案内所や売店が充実しています。
また在来線の小海線にも、接続駅が作られています。
まとめ:気持ちのいい避暑地を代表する公園、利便性のよさがありがたい
新幹線駅の開業によってできた街の、ど真ん中にある公園の市民交流ひろば。駅名となっている佐久平は、佐久市、小諸市などがある盆地の通称です。佐久平は日本一長い河川である信濃川(長野県内の呼び名は千曲川)の、もっとも上流にある盆地になります。
市民交流ひろばのある、佐久市の平坦部は標高700 mほど。北陸新幹線なら東京駅から70分程度の街は、周辺エリアの軽井沢で知られる通り、湿度が低くさわやかな風が吹き抜ける絶好の避暑地です。
地域を代表する公園となった市民交流ひろば、佐久平に住む人だけでなく周辺や首都圏からでさえ、訪れてみる価値がありそうです。特に夏には、観光拠点のひとつとして、子どもと信州の街を楽しむのは絶品の小旅行になりそうです。
公式サイト:市民交流ひろば管理事務所