とても大きな、そしてとてつもない特徴のある、滑り台のような遊具があります。けれども、それは決してただの滑り台ではないことも、肝に銘じたほうがよいのです。彩都なないろ公園のダブルフリーフォールは、関西初となる遊具として登場したユニークなもの。
とても珍しい遊具なので、確かに滑り台としか言い表しようがないフリーフォール。正しい遊び方をすれば、いわゆる滑り台では体験できない、刺激的な瞬間が待っています。子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。
彩都として知られる国際文化都市(国文都市)は、大阪府の箕面市と茨木市に跨る、UR都市機構・大阪府が開発しているニュータウン。このエリアからは大阪平野を見下ろすことになり、見晴らしもよい場所。
特に彩都なないろ公園の展望広場はちょっと知られていて、晴天ではあべのハルカスも視野に入ります。公園は19時に、駐車場を含めて完全閉鎖されるため、夜景は季節限定ながら関西屈指のものです。
敷地面積は約5.2ヘクタールとなる彩都西、約2.6ヘクタールとなる彩都なないろ(甲子園球場のグランド面積は約1.3ヘクタール)は、どちらも彩都にある大きな公園。子どもと遊ぶうえでは、彩都なないろ公園は80度の傾斜を持つダブルフリーフォール、彩都西公園は長さ70 mのローラースライダーと、違った魅力のある遊具があります。
主役となる遊具の種類が違うので、せっかくならどちらも行くとよさそうな距離感のふたつ。なのでどちらも一緒に、いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べる彩都なないろ公園、彩都西公園をしっかり解説!
それぞれ違った市に位置するふたつの公園。実際には、ほとんど同じとなるアクセス方法などとても近くにある公園です。そしてそれぞれが、違う持ち味の遊具を用意しています。ならばどうせ行くなら、どちらにも立ち寄りたくなります。
彩都なないろ公園は、開発で人口が増えたこの地域に新設された彩都の丘学園(小中一貫校)に隣接、公園名や遊具に学園の子どものアイディアも採用されています。それぞれの特徴を、子どもが無料で遊べる特徴ある遊具を中心に解説します。
彩都なないろ公園の紛れもない主役なのがダブルフリーフォール
あまりにユニークなために、これ無くして彩都なないろ公園については語れない! という存在なのがダブルフリーフォール。3.5 mと5.5 mあるふたつの傾斜80度の壁が、ラビリンス風に組み上げられた木製の塔に、立て掛けられているような遊具です。
木製で幅のある塔の部分も、階段と呼ぶには複雑な構造です。そのため、一種の複合遊具ともいえるものになっています。
このダブルフリーフォールという呼び名、例によって英語由来の日本語なのかといえば、free fallという英語にはれっきとした意味があって、それは自由落下。つまり物理用語で本来は重力の働きによって物体が落下する現象のこと。
また、スイスの会社が開発した遊園地のいわゆる絶叫マシンに、フリーフォールという商品名の製品があります。壁を滑るという意味では、こういった概念よりは滑り台に近いようでもあります。
滑り台というのは、典型的なものでいえば彩都なないろ公園のコンビネーション遊具にもついている、よくある種類のものとか…
たまに公園で見かけ、やはり彩都なないろ公園にもあるコンクリート製のものとか、発展形としては彩都西公園のローラースライダーとか、そいういったものを指すのでしょう。
大阪にあるものでいえば、大きさといい大泉緑地の冒険ランドにあるジャンボ滑り台などは、スケールといい極めて類似のものに見えます。
このジャンボ滑り台との比較でいえば、ある程度自由に姿勢を試せて、多彩な滑りができることに対してダブルフリーフォールは、決められた遊び方を厳密に守らなければ危険があり得る! という大きな違いがあります。
ダブルフリーフォールでは、気ままに勢いをつけて飛び出したりしたら、それこそ本当に真下のコンクリートの床面まで、自由落下しかねない傾斜になっています。だからこそ、滑るという感覚よりも落ちる風な遊びなのだと、名前からして主張しているのでしょう。
その点をしっかり理解して、推奨の着衣(長袖、長ズボンを身に着けて靴を脱ぎ靴下着用)で、手順通り滑ります。例えばゴム底の靴などがブレーキになると、前のめりになったり姿勢を乱す原因になります。
均等に抵抗が掛かるように、壁面に接触するのはすべて服なのがよいです。保護のためにも素肌を露出させないようにしたほうがよいでしょう。
ダブルフリーフォールを滑る遊びの手順
(なお、濡れている場合は利用しない)
- ダブルフリーフォールに上る前に下の器具でつかまりチェック
- 所定の着衣で最上部でバンザイの姿勢でバーをつかみ、足を出して座る
- その姿勢から飛び降りるようにスタート
- 下についたらすみやかに離脱する
という手順を守らなくてはいけません。そしてそうすれば、他の遊具ではなかなか味わえない、独特の感覚を体験できることになります。注意事項を守れば、危険はないものです。あまり恐れる必要はありません。
2連のフリーフォールが造られたのはここが全国初です。下に他の人がいないことを確かめることも重要なこと。レーンが多ければ順番も早く回ってきます。長さが違うのも面白い点でしょう。長いほうは、同じものがびわ湖こどもの国にもあります。短いものとツインなのがここだけ! な点。
彩都なないろ公園はまだまだ遊具もいっぱい
他にもコンクリート製の幅の広い、こちらはれっきとした滑り台もあります。両脇は階段とクライミングウォールで、上る時には選択肢ありです。
滑り台が組みこまれていたコンビネーション遊具はアスレチックテイストが強いもの。階段の他に、ステップを使う坂や、ザイルネットなどの上る手段がいろいろ。
中でもリングトンネル部分がスリリングで、冒険心を煽られるものになっています。
ウォール遊具は、クライミングのステップのついた壁と鉄棒部分、ザイルのネット部分が交互に並んでいます。
ターザンロープはシングルレーンで、自然の傾斜を利用した穏健派。
円形の砂場は幅広滑り台の前。周囲にあるシーソーやスプリング遊具は、カラフルでとても楽しげです。2連のブランコ、屋根付きの休憩スペースもここです。
彩都西公園の主役は長く眺めのよいローラー滑り台
駅側の北入口から入ってすぐの展望広場から、ローラー滑り台が発進します。園内を見下ろす場所でありながら、スタート台はさらに階段を上った先です。
全体が斜面に位置する園内でも、一番の急傾斜に設置された長いローラースライダーは、カーブして森の向う側に下りて行きます。
しばらく着地点は見えず、雄大な眺望を目の当たりにしながら、曲がっていく仕様。急斜面になっているため次第に高さも増します。またカーブの先には短いトンネル部分が現れることになります。
最後にはかなりの高さから、まっすぐ地上に。もちろん途中にはスピード調整となる、なだらかな部分を経てゴールとなります。やはり、長さ、高さ、演出ともに気の利いたローラースライダーが、彩都西公園の主役です。
ローラースライダー以外に彩都西公園にある遊び場は?
展望広場と並ぶのは円形花壇。眼下の斜面にはビオトープを従えています。
ローラー滑り台で下りた丘の下には、きれいな芝で覆われた芝生広場が広がります。
傍らには、自動販売機などもある管理棟があります。裏側が公園西入口、建物の脇には、水遊び場として機能するミスト噴水。そこで子どもが遊ぶ時には、大人が座って見守れるベンチのあるシェルターを設置。
芝生広場の南の端にも、小さな複合遊具が置かれています。遊具はこの草原のような広場に相応しいものだと、近づいてみると分ります。
色といい、形といい、なにやらバッタか何かのよう。
遊具の説明をみれば、それは正解! 見る、聞くという遊びが仕掛けられた遊具になっています。
対面に置かれたアンテナのところにいる子と、お話をしてみるようにとの解説です。
お話のあとには、滑り台で合流してもいいです。
小さいけれどもラダーやザイルの上り、クッションの穴あきの床など、工夫が詰まった遊具です。段差は低く、ラダーやザイルの段も少しだけ。幼児でも問題なしです。
さらに先の芝生の斜面の途中には子供広場。そこには、小さな2連の滑り台が置かれています。
この中段の場所では飛び石の他に、ふたつのスプリング遊具でも遊べます。
大まかに四角形となる、敷地の南側のそれぞれの角は、西が南入口、東が東入口になっています。
彩都なないろ公園の遊具以外の魅力
大型のローラースライダーの他にあるものは、割合にシンプルな彩都西公園に対して、彩都なないろ公園では、遊具の種類も豊富なうえに、もう少しいろいろな趣向が凝らされています。
無料ドッグランは、犬の飼い主にはうれしい施設。目の前の斜面の上が展望広場になっています。
公園内の遊具のある場所、そのドッグランとは反対側は築山になっています。
その上の細長いスペースは、やはり展望スペースです。
遊具のある場所と、その築山を挟むようにして大きな多目的広場があります。
生きもの池というビオトープは、こちら側になっています。
多目的広場には、メインエントランスが通じています。メインエントランスを挟んで南側の公道、東側の谷間に面する歩行者用の道側の周囲は、桜の並木道として桜の木が植えられました。
公道側、築山の足元の辺りに公園のトイレがあります。子ども連れの利用に配慮されたものです。
彩都なないろ公園、西公園を訪れるには(アクセスについて)
彩都なないろ公園
住所:大阪府箕面市彩都粟生北2丁目
連絡先:072-724-6749(箕面市役所みどりのまちづくり部公園緑地室)
利用時間:9時~19時
彩都西公園
住所:大阪府茨木市彩都やまぶき一丁目
連絡先:072-620-1654(茨木市役所建設部公園緑地課)
彩都の開発と共にしっかり河川整備された河合裏川と、大阪モノレールに挟まれるように彩都西公園があります。彩都西駅の西側に出て、南方向すぐにも入口がある駅前公園です。
河合裏川はこの辺りより少しの間だけ上流が、茨木市と箕面市の境となります。市境と川が離れる先の右岸に、彩都なないろ公園があります。
彩都西駅と彩都なないろ公園は約1 km。バス便は毎時1本ほどです。公園行は坂道ながら快適な道ではあります。坂道を1 km歩けるならば、駅からは徒歩で訪れるのもよいでしょう。
【自動車を利用する場合】
彩都なないろ公園
駐車場:無料(20台+北駐車場)
公園の南西の角、ドッグランの奥に南駐車場があります。距離があってやや不便になる北駐車場は、フリースペースの駐車場。東側のメインエントランス横から河合裏川の上流に向かった橋のところです。
彩都西公園
駐車場:無料(33+身障者用2台)
駐車場利用時間:9時~17時
駅前を通る茨木・摂津線を西に進み、すぐの彩都西郵便局のある交差点を南に入った先、公園管理棟の隣に駐車場があります。
最寄インターチェンジ:新名神高速道路茨木千堤寺
(彩都西公園約4.5 km、彩都なないろ公園約5.2 km)
茨木千堤寺I.Cが便利ながら、場合によっては茨木I.Cを利用するほうが近い場合があります。どちらを選ぶかは、交通状況も併せて判断するしかありません。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄り駅:大阪モノレール彩都線彩都西駅 1.4 km 徒歩18分
彩都なないろ公園最寄りバス停留所:彩都西駅より阪急バス彩都栗生南五丁目
(運賃150円)
阪急バス23系統(千里中央駅行)にて、2つめの停留所になります。駅方向に戻って川沿いを上流に行くのが近い(350 mほど)です。帰りは彩都西行、もしくは経由のバスを利用します。
ほぼ同じ距離にある阪急バス22系統(千里中央行き)にて、彩都粟生北5丁目バス停も利用できます。運賃も同じで、河合裏川上流方向の橋のところ、北駐車場付近にあります。
このバス停留所を利用する場合、帰り道で気をつけたいのは、どちらの方向も千里中央行であることです。この路線は彩都周辺を巡回するように運行しています。東に向かう21系統でなければ、彩都西駅には戻れないです。
まとめ:本来そのつもりはなくとも、広い範囲の人を納得させる特色あり
都市計画上はともに、住区基幹公園(彩都なないろはうち近隣公園、彩都西はうち地区公園相当の規模)となり、都市全体というより街のための公園。彩都の開発ともにできた経緯からも納得ながら、仕上がりはもっと遠来の利用にも耐えるレベルにあるといえます。
特にそれぞれ違う市のものであるふたつを合わせて考えれば、相当な遊び甲斐があります。残念ながら駐車場の規模は、そんな背景からすると致し方ない程度。ただし、彩都西は駅前公園でもあり、彩都なないろ公園では、少し離れた場所ながら追加の駐車場も用意してくれています。
彩都の人だけのものでは、いかにももったいない面があります。箕面市のウェブサイトでも、どうぞ遠くからでも遊びに来てくださいとのこと。確かに大型遊具は、その価値ありのものです。
公式サイト:
箕面市ウェブサイト彩都なないろ公園