子どもと無料で楽しむなかさと公園【群馬県千代田町、人気の遊び場】



良品と呼べるものに触れた時の感じに似ています。なかさと公園は遊んだ時には、しっかりと満足感を得れるだろう公園。遊具もどれもがさりげなく充実していて、さらにちょっとユニークなものもあります。

子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。利根川のほとりにある小さな自治体の公園。かといって、こじんまりとしてはいません。敷地は関東の富士見百景に選ばれた、ふれあいばしが渡される道路で南北に隔てられています。

利根川側になる南側が冒険ランドで、遊び甲斐のある遊具が揃った場所。もうひとつの管理棟のある北側は、野球場が大きな面積を占めるものの、少しだけ遊具がある幼児広場に加えて、多目的芝生広場バーベキュー広場があり、そこそこ大きな駐車場も備わっています。

スーパー堤防部分を生かした起伏ある敷地、いろいろと揃った遊具に気持ちのよい芝生の園地。ここはひとかたならぬ公園です。いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。

子どもが大型遊具で遊べるなかさと公園をしっかり解説!

群馬県の千代田町が属する邑楽(おうら)郡は、他に板倉、明和、大泉、邑楽といった町のある地域。利根大堰がある町でもあり、関東の縁にある山地なのではなく、むしろ群馬県でも一番都心に近いほうの場所になります。

江戸時代に東遷事業で東京湾から、現在の銚子への流れに変わった利根川の水資源は、高度成長期になって利根大堰の建設によって、再び東京を潤すことになっています。一般的には知名度が高いとはいえない千代田町ながら、大正時代より盛んになった植木園が多数存在して、造園業では翠色の植木の里として全国に知られています。

また、サントリーグループのビール工場、利根川ブルワリーも千代田町にあります。当地生産のザ・プレミアム・モルツは、千代田町の深層地下天然水を使って作られています。原料の大麦も現地で生産が盛んなものです。

近隣の太田市は、スバルの生産拠点として知られる街。そして、千代田町に隣接する大泉町では、かつてのスバルの前身となる中島飛行機の飛行場が、米軍の管理を経てスバル大泉工場となっています。

町を表徴するのが水資源、赤城颪(あかぎおろし)はまた、ここを通り抜けます。豊かな大地があり、大手企業によるものを含む、工業の町の面も併せ持ちます。

こんな地域性は「水と風」をテーマに2001(平成13)年、新世紀と共に開園したなかさと公園に力強く反映して、遊び場としてもたまらない魅力を放っています。

冒険ランドは遊具が勢ぞろい

駐車場から多目的広場に隣接する、ロックガーデンの横の坂を上って、ふれあいばしを越えた先が冒険ランド

橋に向かう築山は、大きくて目立つものです。ショートカットの階段もあるものの、ゆったりとした作りのお蔭で、坂はのんびりと上れます。

ふれあいばしは群馬県で6ヵ所のみとなる、国土交通省関東地方整備局の定める関東の富士見百景のひとつです。管理棟にある銘板の隣には、富士見の写真も飾られています。

冒険ランドの向う側には、スーパー堤防部分になる風の丘の広場に続いて、利根川の流れがあります。高さの割には眺望が確保されるのも、このロケーションのためでしょう。こんな風景を借景とする冒険ランド、公園の富士山の眺めを含む見本写真は、見事に魅力を捉えています。

ことさらな派手さはないとはいえ、遊具の規模、種類、そして中にはとてもユニークなものもあり、なかさと公園冒険ランドは注目の大型遊具のある遊び場になっています。ひとつひとつをみてゆきます。

展望台から発進のローラースライダーは60 m

ふれあいばしからは一番公園奥となる、ローラースライダーは全長60 m。もっとも大きな遊具となるもので、ローラー滑り台らしく、ゆるやかなカーブと傾斜で冒険ランド全体を見渡しながらじっくり楽しめるものです。

スタート台は展望台になっていて、眺望は360度すべて。特に利根川方向には本格的な望遠鏡が据え付けられています。しかも使うのは誰でも自由で無料なのです。

着地点の隣に、マットが用意されたボックスが置かれています。特に自前のものを用意することなく快適に遊べるようになっています。

スタートする丘の上に至る道は、坂道と階段どちらもあります。階段の下は日時計花壇広場で、ここも快適な芝生のスペースです。

展望台の上も広々していて、ただのローラー滑り台のスタート台ではないです。

ところでこの展望台付近は、知らなければすぐには理解できないものを、目撃することがある場所。ちょうど対岸が妻沼滑空場というグライダーの発着場になっていて、管理者の日本学生航空連盟の航空部や、社会人クラブなどが飛行しているのを目にすることがあります。

闇を突き抜けるトンネルスライダーもまた楽し

ローラー滑り台になっているロングスライダーに加えて、もうひとつの違う魅力の滑り台も、隣に設置されています。

ちょっとした築山から単独で滑り下りるものは、トンネルスライダー。その名の通りトンネルの中を滑り下りるものです。樹脂製のチューブスライダーと違うのは、金属製のため、途中はまったく光を通さないこと。

もっともさほど長くはないので、暗闇が続いて怖いというほどではないはずです。軽くカーブしていて先が見通せないのは、ちょっとした演出になっています。それで滑る前に感じる異世界感が面白い感じ。

回転エキサイトは刺激度抜群も見守りは必須

冒険ランドの「ぼうけん」の象徴になりそうなユニーク遊具が、回転エキサイト。シーソーの発展形ともいえそうなこの遊具、難易度は見た目よりも、もっと高いです。

小さめの子が遊んでみるならば、しっかり見守りが必要なくらい、名前の通りエキサイティングな遊具です。

着座部分に乗る時には、地面まで片方ずつ下せる仕組みです。その際には反対側は高く上がり、かつ地面に下ろした時の衝撃が伝わってきます。不用意にしていると、その際に顔面をバーにぶつけたりすることもあるでしょう。

また、自ら回転する仕組みではないので、旋回するにあたっては、回してくれる人がいるとスムースです。その点、保護者がゆっくり回してあげれば遊べる年齢は広がります。

子どもだけの場合、早く回してみたくなったり、飛び乗ってみようと思ったりすることもありえそうです。やろうと思っても動かしてから飛び乗るのは相当難しいです。率直に言って、遊具の範疇を越えてしまう行為なので止めて置いたほうが無難です。

周りを囲ってあって、決められた進入口もあります。回転中の遊具にうかつに近づかないなど、当然の注意のほかにも、気をつけて遊びたい遊具。その代わりに刺激度も抜群で人気も高いものです。

ザイルクライミングもかなりの大きさ

大きなザイルクライミングもあります。この遊具は規模の設定がザイルの性質上、自由度が高いなかで、ひとつの支柱から張られるものとして大中小と分類すれば、間違いなく大きな部類に入るものです。

上に向かう時には、存分にチャレンジできるだけのものです。

高さのある場合のお約束の通り、下の部分はネット状になっています。

ザイルネットという名前の遊具はまさにトランポリン

回転エキサイトほどではないにしろ、ユニークで楽しい遊びができるザイルネット。ザイルネットというのは、ザイルを網状にしたものの一般名称でもあります。だから、この命名よりもトランポリンといったほうが、遊具の内容を適切に表しています。

ふわふわドームに似た遊び方をする遊具ながら、たくさんの人数が一度に乗ることはできないです。ただし、管理面では遥かに容易いものです。ザイルの活用方法としては、かなりアリなものに思えます。

これからところどころで、増えていきそうな遊具です。なかさと公園でもひとつしかないので、もっと増設してもいい感じです。予算的にも管理的にもあまり難しさがないので期待です!

関連記事:公園選びの参考書!公園遊具の種類を徹底考察【ザイルとネット遊具】

ロープウェイは見た目以上に考えられたターザンロープ

ターザンロープをロープウェイと呼んでいるのは、ある意味とても適切です。2つが並んで設置されていて、それぞれ躯体が木製と鉄製の2種類。同じものがふたつじゃないところは珍しいパターンです。名称のなにが適切なのかは、関連記事をご参照頂けます。

関連記事:公園選びの参考書!公園遊具の種類を徹底考察【ターザンロープ】

構造体の素材が違うという見た目だけでなく、スタート台の高さが変えてあるところには注目です。こうなっていれば、最初のスウィングからの勢いが違い、微妙に難易度が変わってきます。

こんなところも、公園の企画に関わった誰かがとてもよく分っているな! と感心するところです。なかさと公園がまさに良品のようだというのは、印象だけではなくこんなところからもくることなのです。

ジャングルクライムを踏破したら眺めで一服

山型の両斜面と側面すべてが、クライミングウォールになっています。登り切れたならば、上から周囲を眺めて達成感を味わいたいところ。

冒険ランドの幼児広場(南)は控えめ

なかさと公園には幼児広場という場所が、南と北の2ヵ所あります。南側の冒険ランドにあるのが幼児広場(南)です。こちら側のほうが控え目で、あるのは小さな滑り台の遊具。

さらに、なかなかおしゃれなスプリング遊具がふたつです。いろいろな遊具の揃う冒険ランド側の敷地だけに、北側よりもいっそう年齢の低い幼児向けになっています。

芝生広場、ゲートボール場、風の丘広場など南側だけでも広々した敷地

桜の並木があり、健康器具もあるスーパー堤防部分の風の丘広場だけでなく、冒険ランド側では特に、芝生のエリアが目立ちます。

ただし、河川敷とは反対側の道路側には、ゲートボール場もあったりします。冒険ランド側のトイレはゲートボール場脇です。

もうひとつの遊び場は北側の幼児広場でコンパクト

管理棟と駐車場がある公園北側、管理棟からはキャンプ広場の手前、野球場のセンターの位置の奥にも、幼児広場(北)があります。トンネルスライダーと同じ様式の滑り台が組み込まれた、コンビネーション遊具が中心です。

こちらのスライダーはずっと小型で、高さもよくある程度ながら、実は簡単に上れる階段などはないという、ハードな一面もある複合遊具です。

また、2連の標準的な形のブランコが傍らに置かれています。

これに動物のスプリング遊具を加えて、四阿(あづまや)が備わるのが幼児広場(北)になります。

多目的広場は自由に使える芝生の広場、駐車場や管理棟も

管理棟のある駐車場脇から幼児広場(北)にかけてと、冒険ランドに向かう築山に挟まれるのが、芝生で自由に遊べる多目的広場です。

管理棟には管理事務所の他、建物内と外から直接出入できるトイレがあります。

建物内には自動販売機もたくさんあり、ソファでゆったり休憩もできます。

噴水のある管理棟横の水色広場は、夏には水遊び場になります。

野球場とバーベキュー場の利用は有料

野球場利用料金:(半日4時間)1,500円
バーベキュー棟利用料金:1卓1時間150円

展望台の望遠鏡まで無料の公園ながら、北側の野球場バーベキュー場については利用料金がかかります。町役場の都市整備課の窓口に申込み、使用許可を得て利用します。

野球場・バーベキュー棟の利用受付:先着順・窓口受付のみ、2ヵ月先まで
受付時間:平日8時~17時15分(毎週水曜日は19時30分まで)

なかさと公園を訪れるには(アクセスについて)

住所:群馬県邑楽郡千代田町大字舞木470-16
連絡先:0276-86-7003(千代田町役場都市整備課土木管理係)
公園利用時間:9時~17時
施設休業日:遊具は年中利用可
年末年始(12月29日~1月3日)は管理棟(及び裏のトイレ)、野球場、バーベキュー場が休業。

バス便がいちおうあります。ただし、実際の利用に適したものではないです。自動車で利用するのが基本になる公園です。東武小泉線でバスに連絡するのは舘林駅と結ぶ路線の終点、西小泉駅。ただし隣接する小泉町駅、東小泉駅と公園との距離はほぼ同じ(約6 km弱)です。

東武小泉線(路線の運行が一本ではなく変わっています)で太田駅から向かうと、利用するのは東小泉駅になります。バス便は太田駅も経由して、西小泉駅を通り公園近くのバス停留所を経て千代田町役場を結んでいます。

【自動車を利用する場合】

駐車場:無料(84台)

冒険ランドとは道を隔てた管理棟脇に76台、バーベキュー広場脇に8台分の駐車場があります。

最寄りインターチェンジ:東北自動車道舘林約16 km

北関東自動車道からならば、太田桐生I.Cを利用するのも手です。場合によっては、関越自動車道花園I.Cを利用して埼玉県側から向かう方法もあります。

【公共交通機関を利用する場合】

最寄駅:東武鉄道西小泉駅約5.5 km

最寄りバス停留所:なかさと公園北
(広域公共バスあおぞら舞木南経由路線千代田町役場前)
バス料金:200円(高校生以下、60歳以上100円)

東武線の太田駅を経由する太田記念病院と、千代田町役場を結ぶ広域公共バスあおぞらが、公園北側の足利千代田線のなかさと公園北停留所まで運行しています。

利用できるバス便
公園最寄行
西小泉駅8時58分発(太田駅は8時38分)、なかさと公園北9時17分着
西小泉駅14時38分発、なかさと公園北14時57分着

公園最寄発
なかさと公園北12時2分発、西小泉駅9時59分着
なかさと公園北17時42分発、西小泉駅18時(公園は17時で閉園です)

まとめ:なにかと目につくよいところ、好感度高く注目の穴場

派手さというよりも、なにかとさりげなくよさを感じてしまう好感度の高い公園です。ただし多目的トイレなどの、福祉的な配慮は万全とはいえない面はあります。遊具も全般的に挑戦的な度合が高いです。

とはいえコンパクトな公園は、芝生が敷き詰められて気持ちよく飛び回れる面もあります。注目すべき遊具が並びながらも、それだけが楽しみ方ではない面白いなかさと公園です。

公式サイト:千代田町役場公式サイトなかさと公園



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