とにもかくにも広大な敷地となっているのが、愛知県名古屋市守山区にある県営小幡緑地。ここはところによっては尾張旭市だったりします。遊具の充実ぶりにはかなり注目の公園です。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介している「子どもと楽しむ公園」シリーズ。その視点からすれば小幡緑地は、どうしてもご紹介したい公園のうちのひとつ。
もっとも子どもと遊具で遊ぼうと思って小幡緑地に出かけるならば、あらかじめ心得ておいたほうが良いことがあるのも事実。尾張旭市の部分もあるのは、ただ名古屋市と両方に跨っているというだけではありません。
あらかじめ知っておきたいのは、小幡緑地を名乗るところが、大まかに三つに分かれているということ。ただものすごい遊具を目指して訪れるならば、広い園地のどの部分に向かうか承知しておいたほうがいいです。
さもなくば嫌気がさしてしまってもおかしくないくらい、大自然に満ち溢れて広大で、そんな園地の中で、遊具の所在地はほんの一部。逆にいえば遊具以外の魅力だってたくさんあります。
愛知県のP-PFI第1号事例となったというオバッタベッタによって、ビュッフェが魅力のレストランやBBQサイト、キャンプ施設もオープンしています。こうしたものができたのが本園。
本園は中央園と一般公道を隔てるだけで、少し離れている西園、東園とは違いほぼ一体。大型遊具もある本園は、P-PFIによる新たな魅力が生まれていなくとも、広大な自然に触れるには、もともと絶好の場所。
中央園については、いまのところ、まるっきり残された自然を生かすための場所。西園はすでに周辺は住宅街で、そんななかに位置する大公園。遊具は一番充実しています。
東園は広い芝生広場がなんといっても魅力で、遊具も少しあります。そしてほとんどの園地が名古屋市に隣接する、尾張旭市に属している場所でもあります。園地を東名高速道路が、貫いてもいます。
小幡緑地が公園でなく緑地と名乗っているのには、大高緑地と同じ由来があり、これだけの環境が維持されてきたのも歴史の賜物です。この事情は東京、大阪、名古屋で根底には同じ経緯になっています。
東京ならば舎人公園や砧公園、小金井公園と同じ、大阪ならば大泉緑地などの緑地と名のつく大きな公園と同じ歴史が背景の、遺産のようなものになっています。さらに小幡緑地と大高緑地に関しては、幸いしたことも秘めています。
理解するのには随分予備知識が必要な愛知県営小幡緑地。「よく分かる」シリーズとして概略もご紹介しつつ、遊具に関しては東園のものを含めた遊具探索編、主要なものになる西園と本園をそれぞれ。
いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つよう、各編に分けてガイドします。西園では特にワイドスライダーや大型複合遊具、すくすくランドなど、極めて充実した遊戯施設があります。
子どもが大型遊具で遊べる小幡(おばた)緑地
小幡緑地で子どもが大型遊具で遊ぶならば、なんといっても本命は西園。また本園にも大型遊具はあります。さらに、ことさらにいうほどの大型ではないものならば東園にもあります。
小幡緑地西園の概要と遊具の様子は?
周囲はすっかり住宅街で、公園の様子もそういったロケーションの公園によくある感じ。スポーツ施設の充実が物語るように大きめな園地ではある西園。
ただ、大まかに三つに小幡緑地を分けた時には、比べてみると小さな界隈になります。それが遊具に関しての充実度は、飛び抜けています。小幡緑地で大型遊具で遊ぶならば本丸に位置するのはここ!
公園管理事務所も本園でなく、ここ西園に置かれています。そして遊具のスポットも四カ所あると考えていいです。それぞれ特徴のある大型遊具が中心になる三つと、加えてすくすくランドです。
小幡緑地の西園については、遊具のスポットを中心に別途特集を用意します。
小幡緑地本園の概要と遊具の様子は?
本園と呼ぶところは、ゆとりーとライン小幡緑地駅(停留所?)前になる名古屋市の守山スポーツセンターに隣接する西側から、東に向かって広大な園地を擁する部分になります。
さらに東側の南のほうに、西園より少し小さい程度の園地になる中央園が隣り合わせ。中央園は公道が一本通って隔たっているだけで、ほぼひと続きです。
中央園を含めて広大な丘陵を散策できる園路が整備されているほか、大きな緑ヶ丘池もみどころ。そんな中ではほんの一部になるものの、守山スポーツセンターに隣接する辺りに、大型コンビネーション遊具が設置されています。
それが2022年11月末より、工事となり遊具更新となる模様。既存の大型複合遊具も使用できなくなり撤去後、新しいものに生まれ変わる予定。他に幼児向けの遊具コーナーもあります。
P-PFIによる施設としてレストランマメボシとキャンプ施設ヤネルも、遊具や守山スポーツセンターの近くになります。マメボシはランチタイムのビュフェも魅力的。
宿泊もBBQにも利用できるキャンプ施設ヤネルなど、小幡緑地の民活導入の様子含めて、本園については別途特集します。
小幡緑地東園の概要と遊具の様子は?
東園は本園とはかなり距離があり、もし本園から歩いて行こうとすれば、住宅街が急斜面に立ちはだかるように存在して、道はスムースに連絡もされていません。ほんの一部を除いて園地は、尾張旭市になっています。
東側の門が正門のような装いで、東名高速が園地を貫いています。高速を挟む園地の西側に小さな川が流れていて、そこが名古屋市との境界です。公園の中央には林の池があり、隣に野球場もあります。
池、野球場と共に遊具があるのは、この西側の境界付近、また広い芝生広場がやはり西側にあって、芝生で自由に遊ぶならば小幡緑地すべてをみても、ここが最適になりそうです。
ただ遊具は特に際立ったものがあるとはいえません。芝生でのびのびと過ごす、残された森を散策するといった利用法が主なものになりそう。園内を見渡せる展望塔のところは丘陵です。
展望塔が立つ丘陵付近を中心に森はかなり残されています。小幡緑地はかつて防空緑地帯として確保されていた場所でもあり、それはこの辺りが開発される以前、一帯を広く含んでいたと考えられます。
こうした計画は東京、大阪でもあったもので、名古屋のこの場所と同じく、今に続いている公園があったりします。小幡緑地はその中でも大高緑地同様に、ほとんど農地解放による散逸を免れた例でもあります。
そうした事情も小幡緑地の遊具探索編で、東園の遊具の詳細と一緒に、もう一度振り返ってみようと思っています。
本園に隣接する小幡緑地中央園には何が?
水生園、野鳥観察の森などが設けられている中央園は、そうであっても大自然を散策する公園路が整備された場所といった趣です。
また整備途上といった面もあり、散策ルートにどんなテーマが加わることになるのかも未知数です。
また現状で本園から東園へ向かう分かりやすいルートにもなっており、本園の駐車場から道を渡った中央園を上り、その先は住宅街にもなっている急斜面を下っていくことになります。
この北側で緑ヶ丘カントリークラブと挟まれる森林は、小幡緑地(の中央園?)として開発される予定地もあるようです(すでに一部園路が存在)。
いまだ開発の余地を残すこんな状況も、大日本帝国の頃からの緑地計画に端を発する、小幡緑地の成り立ちを物語っています。
小幡緑地を訪れるには(アクセスについて)
公式サイトからの引用
車でお越しの場合
西園・本園
名二環経由
名古屋方面小幡ICから約2分
大阪方面松河戸ICから約5分
東園
名二環経由
名古屋方面小幡ICから約20分
大阪方面大森ICから約15分
電車やバスでお越しの場合
西園
・【電車】名鉄瀬戸線『小幡駅』下車、市バスもしくは北へ徒歩15分
・【バス】市バス『小幡ヶ原』下車すぐ
本園
・【電車】名鉄瀬戸線『小幡駅』下車、市バスもしくは北へ徒歩25分
・【バス】市バス『緑ヶ丘住宅』下車、北へ徒歩約5分
・【ゆとりーとライン】『小幡緑地』下車、南へ徒歩3分
東園
・【電車】名鉄瀬戸線『印場駅』下車、市バスもしくは北へ徒歩15分
・【バス】市バス『旭桜ヶ丘』下車、徒歩3分
本園、中央園、西園、東園、それぞれに便利な無料で使える駐車場があります。やはりこの広さのため、利用に適した最寄公共交通機関はそれぞれ違います。
住所:名古屋市守山区大字牛牧字中山1632-1 (西園、公園管理事務所)
連絡先:052-791-9492
【自動車を利用する場合】
駐車場:無料
西園駐車場の詳細(188台)
北駐車場:普通車68台(身障者用3台)
南駐車場:普通車115台(身障者用2台)
門扉開閉時間:8時30分〜19時30分
(早朝利用がある場合は6時30分開門)
西園の北、南駐車場はともに愛知、岐阜県道15号名古屋多治見線に面して隣り合わせです。西園に関しては駐車場のあるところが、正門と思っていいでしょう。
本園駐車場の詳細(320台)
大駐車場:普通車213台、大型車用9台(身障者用5台)
緑ヶ池駐車場:普通車41台(身障者用2台)
弘法様前駐車場:普通車50台
門扉開閉時間:8時30分〜19時(10月〜3月は19時30分まで)
守山スポーツセンターの隣になる大駐車場の他に、緑ヶ丘カントリークラブのほうから入る弘法様前駐車場と緑ヶ池駐車場があります。
特に弘法様前駐車場は分かりにくい場所です。強いていうなら、ハイキングの拠点としてよいかもしれません。どの方面にも下りで、帰り道は上ってくることになる駐車場です。
中央園を利用するには、緑ヶ池駐車場を利用することになります。緑ヶ池駐車場から公道を隔てて、中央園に向かえます。
東園駐車場の詳細(150台)
東駐車場:普通車74台、大型車用4台(身障者用2台)
西駐車場:普通車68台(身障者用2台)
門扉開閉時間:8時30分〜19時(10月~3月は17時30分まで)
(早朝利用がある場合6時30分開門、薄暮利用がある場合19時30分に閉門)
アクセスのしやすさや、使い勝手からメインとなるのは東駐車場になるでしょう。ただし遊具が目的ならば、西駐車場が便利です。
芝生広場に行くには、広場そのものが広いこともあり、どちらでも同じです。いずれにせよ、さほどの距離はないため、どちらを選択してもそう変わるものではありません。
最寄インターチェンジ:名古屋第二環状自動車道(名二環)小幡、松河戸
公式サイトに名古屋方面からと記載のある方向(いわゆる内回り方面)は、小幡ICを下りて小幡インター西交差点を右で本園、左で西園に向かいます(名古屋多治見線沿い)。
大阪方面から(外回り方面)とされている方は、小幡ICがハーフインターチェンジのため流出できず、松河戸IC(これもハーフIC)を利用することになります。
東園は東名高速道路が横切っていますが、利用するのは名二環です。小幡ICの南寄りの大森ICもハーフICです。
内回り利用の場合、小幡ICから本園前などを経由して向かうのが一般的でしょう。外回りの場合は大森ICを利用します。いずれにせよ、下りてからの経路は複雑です。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄バス停留所(最寄駅):小幡緑地(本園、中央園、西園はここから乗換可)
最寄駅:名鉄瀬戸線小幡(西園)、印場(東園)
大曾根駅との間に専用軌道を持つ、ゆとりーとラインの高架部分は小幡緑地駅(停留所)までです。バスはここからは一般道を走ります。
鉄道の感覚で利用できる、小幡緑地停留所は駅そのもの。本園の遊具の辺りに行く限りにおいては、小幡緑地は駅前公園であるといって、実態は間違いありません。
ただそういって済まないのは、小幡緑地が広大で園地がいくつかに分かれるがため。中央園には小幡緑地停留所からいくしかなく、西園、東園は路線バス利用が最適になります。
西園は路線バス利用の場合の利用駅は、小幡駅が小幡緑地停留所と同じくらいの距離。大人が歩ける距離ではあるものの、両方を結ぶ名古屋多治見線を走る市バスの利用が便利です。公式サイトにある小幡ヶ原か小幡緑地西園どちらも敷地に面した停留所です。
東園は印場駅が最寄で、これも歩けないとはいえないものの、子どもと利用する場合は特に、バス(公式サイトにある停留所)の利用が無難に思えます。小幡緑地で遊びたいと思った場合に、東園を含めて訪れたほうがいいのか?
遊具探索編で東園の様子含めて、もう少し詳しくご案内する予定です。併せてご参考にして頂ければと思います。またいずれにせよ、本園以外は自動車の利用が便利です。
まとめ:広大な敷地の利用には、あるといい知識が
ハイキングのようにして自然観察をするには、もってこいな環境が残されています。歴史的にも狙いだった意図は、もちろん充分に果たされる小幡緑地。ただそれだけでなく、もっともっと利用のし甲斐がある公園。
大まかに三つに分かれる園地の事情など含めて、事前に把握しておけば、その魅力を余すことなく堪能できます。「よく分かる」シリーズとなる本篇に、「子どもと楽しむ公園」シリーズの他3編合わせて、ご参考にして頂ければと思います。
公式サイト:公園にあそびにいこう!小幡緑地