違った種類の上りに挑む! といった趣向の大型遊具があります。その数はふたつ、名前は立体迷路とトリデ。どちらもが世代が変わっても、その名前を引き継いでいます。
同じ世田谷区立で、かたや遊具に留まらずミニSLの乗車や、交通公園になる交通広場、自由度の高い遊び場になるプレイパークに、スケボーなどの専用施設まで揃った世田谷公園。
比べれば何倍もの広さになる世田谷公園と、こどものひろば公園はすぐ近く。隣り合ってこそいないものの、互いを行き来することに、いささかの問題も感じません。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思えた場所をご紹介しています。子どものための施設が盛り沢山で、それも個性際立つ世田谷公園は、そうであっても、それだけでもない公園。
充実したスポーツ施設に、大きな噴水や近くの売店、文化施設なども揃い、公営プールも大きなものです。駐車場が用意されているのも、こうした状況からすれば自明のことに過ぎないといってよいでしょう。
場所も都道420号鮫洲大山線、この辺りでは未通部分に挟まれていたため、三宿通りとして知られてきた幹線道路に直結している世田谷公園に対して、こどものひろば公園は裏通りにあります。
使い勝手からすれば、事実上一体として差し支えないふたつの公園は、目立つほうとそうではないほうに、明確に分かれている状況。それでもこどものひろば公園には名前通りの特徴が!
時は1973(昭和48)年、世田谷区の小学校から募集したプランをもとに設計された、由緒からして遊び場そのものなのが、こどものひろば公園のほうなのです。
それが同じ世田谷区の公園といっても、存在感ありの世田谷公園において、遊具で遊びたければこどものひろば公園もあるよ! とは広報していません。だから気づかないこともあり得えます。
見逃してしまっては惜しいこどものひろば公園。遊具での遊びなら特にそう。いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べるこどものひろば公園をしっかり解説!
こどものひろば公園は、一般道で園地が東西に分かれています。大型遊具があるのは東側の川の公園、西の山の公園側にも遊具があります。大型遊具は2019(令和元)年にリニューアル済みです。
川の公園に大型遊具がふたつ
立体迷路のほうも、もうひとつのトリデと同じく2代目です。特に立体迷路のほうは以前の面影を残しています。真ん中辺りからすべり台での脱出口があるのは新しくなったところ。
以前の姿というのは、今のこどものひろば公園でも確認できます。ちょうど立体迷路のところに、かつての姿が掲示されているからです。
記憶する限りでも、以前はさまよう方向が上に向かう迷路なだけでしかなかったのが、同じ上る目的ではあるものの、アスレチックなテイストで展望を獲得するのが、ミッションのような仕掛け。
目隠しになるところが多かったのが、かなり開放的なところも変化したところ。だから迷路という名前は、どちらかといえば引き継いだものを表しているだけで、そういう要素はあまり感じません。
上っていく手段は実にいろいろで、その中での主なものは穴の開いたパネルをジグザクに折り返しながらのルートになる模様。
最上段へのアプローチの手段がそうなっているからで、中央部分に対称に2つのルートが同じ形で展開しています。探索が一筋縄ではいかないところは、確かに迷路のよう。
最上階は左右が少し高くなって展望窓がはめ込まれ、一段下がると、どちらのサイドにもすべり台があります。片側は樹脂製の三連の幅の広いもの。
三つが並ぶ中でも、やや真ん中だけが高くなっていて少しだけ変化があります。
反対側のサイドは素材が同じ樹脂でできたシングルレーンの旋回型。ちょうど一回転して地上に下ります。
地上からのエントリーは、ジグザグパネルのほか、湾曲ラダーやはんとう棒のようなもの、梯子といったものもあります。
1層目の2段目というのが正しいのか、ジグザグ上ったところにはラダーもしくは、ステップ付きのパネルでショートカットもできます。螺旋スライダーの入口はここ。
この大きな登坂パネルからは裏側になる面、旋回スライダー側はラダーでなければ、中央の穴あきパネルを使うか、グルグル鉄棒を上るはんとう棒を利用。
三連すべり台側では青と赤違った種類のはんとう棒が、ショートカットになっていることになります。
2代目トリデのほうはテイストは似たまま。木と鉄の違いはあれ、全体に茶色なところも共通点。それでもかなり今風になって、見かけはずいぶん違うかも。
かつてとは、ほぼ置き換えられる形なのは立体迷路とも同じ。ほどんど同じ幅での展開だけれども、かつての機能を代行するものは半分ほどに圧縮されています。
継承される機能のところも、素材やデザインなどは構造部もすべり台も渡り部分もまるで違っています。横に出っ張った大きなラダーはちょっとユニーク。
要するに、もう標準仕様としてメーカーが用意しているモジュールを使い、複雑に組み立てられているということ。登坂パネルも穴あきと、ステップとロープ付きに機能が分かれました。
そんななか特に注目したいのはレールウェイ部分。直接そこだけエントリーしても、クライミングウォールから続いてラダーを飛び移って、ザイルを足掛かりに渡ってもいいです。
そうするとぶら下がって滑空するレールウェイが刺激的。これはこれでターザンロープといった遊具とは違うものになるでしょうが、スイングして滑空する点は同じ楽しみのものです。
ターザンロープは置かれていないため、代わりになると思えば、これも上出来なもの。そしてザイルが足場の側とは反対に、ザイルを手掛かりに鉄棒を渡る部分が接続されています。
トリデに加わった難易度が高めの部分は、周回しようとチャレンジしても、おいしいところだけ使ってもどちらでもいいのです。
ほかに川の公園側には、すべり台とブランコがあります。ニコちゃんマーク? みたいな顔が描かれたすべり台は、ステンレス座面でよくある様式ではあっても、細部のデザインが意欲的。
上るのは階段でなくラダーですし、滑走面の横のガードも下のほうは、ほとんど無くなっています。普通のすべり台は西側にもあるため、使い勝手はどうあれ興味深いです。
ブランコも形は普通ながら四連になって、充実しています。ここに座椅子タイプがないことも、すべり台同様こどものひろば公園に、西側部分もある意義になってきます。
川の公園側の中央付近、ベンチのある辺りには健康遊具がひとつ。
ぐるぐる体をひねって大人が体をほぐすのも、子どもが戯れてもいいのでしょう。
もっともこのベンチと健康遊具また違った意味もあるのかもしれません。東側を川の公園と呼ぶ理由であろう流れの先には池があります。改修で整備された部分でもあります。
池と呼ぶのはまさしくじゃぶじゃぶ池。水を流す季節には裸足では入らないことを条件に、自由に流れと戯れられます。
西側の山の公園との連絡には傾斜があります。その傾斜を利用した流れや、流れを眺める橋も令和初頭のリニューアルで再整備。
噴水も設けられた川と山の境界には一般道があります。公園が道路で隔たるのは東京というか、密集住宅街の公園ならではといったところか。ただ、さほど交通量のある道ではありません。
山の公園にもちょっとした遊具が
こどものひろば公園には、山の公園側にも遊具があります。川の公園側からは、球戯広場と少年野球場を経て、世田谷区の下馬図書館が隣接する東端に挟まれたところです。
至って普通の形のすべり台が置かれているのが、ただそれだけで終わらないのは、やはり東側のちょっと変わったデザインのものと滑り比べられるところ。
それはブランコについてもそうで、普通の座板タイプが二連一基加わるだけでなく、座椅子タイプのものも二連で用意されています。東西合せて抜かりなく! という状況。
砂場があるのも、東側の存在意義となるでしょう。砂場については、世田谷公園のものと較べても大きく、囲いもしっかりされた衛生的なものです。
山の公園側にも健康遊具がひとつ。大人のぶら下がりが目的でしょう。子どもによっては上ってみても? といったものです。
少年野球場は少年団体のみ利用できる子ども専用球場。大人も使うほうは、世田谷公園に全面芝生のものがあります。
道路と少年野球場に挟まれたスペースには、球戯広場があり、傍らにトイレが設置されています。土のスペースは囲われはおらず、申し込みも必要ないフリースペース。球戯で使って欲しいという命名なのです。
やはり令和初頭の整備で作られたトイレは、多目的対応、また子ども向けに小さな便座が重なっている、幼児対応がされたもの。まったく、こどものひろば公園という名前にふさわしい設備です。
世田谷公園とペアのようなもの?
こどものひろば公園については、遊具の充実ぶりから、世田谷公園に子どもと遊びにいくのであれば、ぜひ一緒に訪れるのがいい公園といえます。
どちらも共に使うことで、良さが生きそうな、それぞれの特徴があります。距離の面でも、ペアのように考えるのを妨げる要素はまったくないです。
補うものがあるという点では、世田谷公園にもこどものひろば公園にも、ローラーすべり台はありません。どちらにもないだけでなくすぐ近所にも、それなりのものと思えるローラーすべり台はないです。
ただ、そうした着目点なら駒繁公園がクローズアップされるのです。ミニ? と呼ぶ程度のものながらローラーすべり台があるのです。
600 mほど南のほうに向かうと、駒繁神社のところが少し傾斜した地形になっていて、隣接して駒繁公園があります。ごく小さな公園ながら、ここも遊具は充実しているといえます。
こどものひろば公園に輪をかけて、住宅街の中で狭い道に囲まれています。明らかに近隣の利用のみ想定されているため、あえて特集まではしません。ただ歩いて少し足を伸ばすなど、訪れてみるのも悪くないです。
こどものひろば公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:東京都世田谷区下馬2-31-4
連絡先:03-3412-2501(世田谷公園管理事務所)
世田谷公園の管理事務所が、一緒に管理しています。少年野球場の問合せも、世田谷公園管理事務所にします。申込はけやきネットからです。
関連リンク:けやきネット
世田谷区サイトからの引用
公共交通機関
東急世田谷線、田園都市線 三軒茶屋駅 徒歩15分
東急田園都市線 池尻大橋駅 徒歩20分
東急バス 自衛隊中央病院入口(渋谷駅~三宿病院(循環)・野沢龍雲寺(循環)・多摩川駅・東京医療センター)下車すぐ
【公共交通機関を利用する場合】
最寄駅:東急田園都市線、世田谷線三軒茶屋
最寄バス停留所:自衛隊中央病院入口
三軒茶屋駅のもっとも近い出入口から、公園西側、下馬図書館のところまで600 mほどです。わりあい駅に近い公園になります。ルートは住宅街を抜けるため単純ではありません。
公園の東、都道420号線に自衛隊中央病院入口というバス停があって、すぐ裏手が公園です。渋谷駅からの、渋谷31、32系統の乗り場が分かるならば、利用もひとつの手。都立34、35系統は各方面一日二回の運行で、特に往復利用することは難しいです。
西側に少し離れた住宅街の中に、住宅前というバス停留所があり、黒06系統のバス停。駅から歩きたくないならば、三軒茶屋駅から利用できます。黒06は目黒駅とを祐天寺駅などを通り結ぶ路線のため、そういった方面から直通も可能ではあります。
【自動車を利用する場合】
駐車場:ありません
周囲は道が狭小な住宅街で、民間駐車場もありません。自動車で訪れたいならば、そういう意味でも、区立世田谷公園と一緒に利用するとよい公園です。都道420号線のパーキングメーター事情含めて、世田谷公園の特集記事をご参照ください。
まとめ:子どもと遊具で遊ぶならこちら側
子どもにも個性的な楽しみが一杯ある世田谷公園。訪れたならば、一緒に楽しめる公園。そういう順序で説明するのが妥当な規模であっても、こどものひろば公園にも名前そのものな個性があります。
それは地域の子どもの願いから生まれたもの。いずれにせよ、遊具で遊びたいならば、こちら側にも留意せざるを得ません。園地の規模でなく遊具に目を向ければ、大型なもので遊べるのはこどものひろば公園のほうです。
公式サイト:とくにありません