子どもと無料で楽しむ府中の森公園【東京都府中市、人気の遊び場】



公園名にもあるとおり、主要なテーマになっているのは森。それを象徴するもり公園にじいろ広場が、もっと大きなテーマを実現しようとしています。2021(令和3)年10月のリニューアルはさきがけのひとつ。

東京都府中市の東側にある府中の森公園は、森・丘・川が表現されているというだけある、見どころ一杯のスポット。その森となっている界隈のひとつにある遊具広場が、もり公園にじいろ広場とされる場所になっています。

インクルーシブ公園のブランコ

いってしまえばここは、インクルーシブ公園とは? という問いへの答えがはっきりとみえる遊び場。このリニューアルの時点でいえば、全国的にみてもそれが実現されているのは稀なことだったものです。

子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。いずれにせよ、ユニバーサルであったりインクルーシブであったりかどうかは別として、遊具が充実していることだけでも間違いないこと。

反面、東京でもこの辺りまでくると、やはり稀な例ではあっても完全無料の公園もでてきます。府中の森公園は駐車場は無料でないため、その気になれば一切のお金を使わずに過ごせる、完全無料には該当しません。

関東計画という、いまの日本のありかたにも関係する大きなビジョンの末に、大公園が集中することになった地域柄からすれば、なんとかならないのかな? という面はあれインクルーシブについては先頭を切った形になります。

遊具についてはインクルーシブなところが焦点をあてるべき点。そして公園そのものは他にもいろいろ魅力が一杯です。いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。

子どもが大型遊具で遊べる都立府中の森公園をしっかり解説!

さりげなくインクルーシブ化が進行している事例は他にもあれど、まとまったエリアとして作られたもり公園にじいろ広場は典型例。完全にインクルーシブとなった囲われた内側と、その外にも影響がみえています。

にじいろ広場の囲いの中は、だれでもみんなでに徹底配慮

アドベンチャーキャッスルについては、もうひとつあるコンビネーション遊具、もりこうえんコースターのような高さはない! という点では明確に違います。

かといってただただ、難易度が低いということでもないです。なんら挑戦する場面がないのでは、遊びになりません。クライミングスロープ? のステップがある部分の傾斜がゆるやかなのは意味ありげ。

車椅子でも入っていける傾斜であったり、通路の幅というのはユニバーサルという意味ではすでに試みがあったこと。インクルーシブと言い始めたのには、もっと付け足す意味があります。

インクルーシブな遊び場を目指す時に重要なのは、例えば車椅子でも入っていけるという特別な配慮というだけでなく、みんなで一緒に遊べるということになります。

もり公園にじいろ広場としては、府中の森公園遊具広場全体にユニバーサル対応の遊具を配置。全部で14あるうちの10種類が対応しているものになります。

インクルーシブ対応という意味では、まだまだこれからアイディアを凝らしていこうという過程にあるといえます。だからどの程度理念が実現できているのかはそれぞれといったところ。

にじいろ広場と垂れ幕が掛かった囲いの中が、特にすべてゴム塗装してあって、アドベンチャーキャッスルほか、あみあみピラミッドマシュマロ君がA・Bふたつ置かれています。

囲いの中でいえば、もっともインクルーシブなのはマシュマロ君というトランポリンになるのか。ふわふわドームのような膜素材でできたものは、競技用のトランポリンほど大袈裟でなくとも、飛び跳ねるのでもOK。

だたそういう使い方が主眼となるふわふわドームとは違い、ゴロゴロと戯れるのにもいい感じの形状に留まっているともいえます。真ん中には穴が開いていて、窪んだ部分で過ごせるようになっています。

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穏やかな挑戦として中心部を目指すのもよさそうな傾斜。この膜素材はもともと場合によっては、赤ちゃんでも大丈夫なようにする研究もされています。

基本的なルールが掲示されています。混雑時や身体能力の差はそれぞれ考慮。

ある程度の身体能力の差があっても一緒に遊べるという意図ならば、年齢差がある場合にも当てはまります。年代が大きく隔たっていても大丈夫という面も、注目していいでしょう。

あみあみピラミッドも同様で、ピラミッドという名前でクライムネットだと説明されていても、傾斜は地面に緩やかについているだけでネットそのものは地面と平行。高さもほとんどありません。

そもそもハンモックタイプのネット遊具は、不安定なところを思い思いのまま、挑戦するものになります。ひろびろとして、なおかつ軽く傾斜もあるところなど、なかなかのバランスです。

アドベンチャーキャッスルは、外側とコミュニケーションできる程度の高さのパネル遊具を経て、ワイドスライダーが目的地のように存在しています。

もし、車椅子をなんらかの補助によって下りて、誰かと一緒に滑れるとしたら、傾斜のゆるやかなワイドスライダーは、まさしくインクルーシブ。

活発に思う存分遊ぶにしても、それなりに楽しめる程度といえるでしょう。遊びの強度の面では全般的にゆるやかなため幼児向けとしても、配慮が充分な遊び場ということにもなりそうです。

囲いの外も多くはインクルーシブ遊具

遊具広場にはもりこうえんコースターといった、インクルーシブではない複合遊具も置かれています。それによって本格的な冒険も可能。

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砧公園のレールウェイ、みんなのひろばのすぐ横

もっともみんなのひろばはまるで一角を占めるように、レールウェイ式のターザンロープもあり、どうしても冒険度が穏やかになる点を補っています。なかなかそうしたところを両立するのは大変そう。

そうした意味では、スーパーハイパーブランコのコーナーは注目してもよさそう。府中の森公園では、3種類のブランコが集まるところをこういっています。

中でもハーネスのついたブランコは、インクルーシブな遊具を代表する存在感。これは特にインクルーシブを謳わなくとも、置き換えて設置される例も出てきています。幼児であっても安心。

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むしろ幼児向けの座椅子タイプよりも、刺激が強く喜ばれていると感じます。考えてみるとよくみるブランコというのは、結構リスクがある遊具といえそうです。そうはいっても、だからいけないのかといえば別の問題です。

ブランコには決してハザードはなく、リスクを管理することこそ遊具の重要な意味でもあります。世の中のブランコが全部ハーネス付きになるのも考えもの。観察していると、独占されがちという問題さえあります。

スーパーハイパーブランコのうち、カゴタイプのものは多人数でも一緒に乗れる意図があったものです。助け合うという意味を付け足して、インクルーシブとしているのでしょう。三つ目の種類としては、よくあるブランコが二連で置かれています。

砂場は公園の遊び場でも、子どもの発達段階の初期から利用できる、最も基本的な遊戯施設といえます。おはなテーブルは砂場にサンドテーブルを設置して、車椅子対応しています。

もちろん車椅子での進入路あり

凹んだ両側に足場もあって、高さがあっても一緒に! という配慮がみえます。砂場の傍らにあるパネル遊具がモリのバケツパネル。バケツリレーをするものと説明されています。

カラフルな小さなバケツをパネルの開口に沿って動かしてみます。ホールドでなくバケツなのは、ちょっとした公園内でみつかる小さな素材を入れて運んでみるためです。確かにパネル遊具としては複雑で、単に幼児向けではなさそう。

バネバネバランスは、インクルーシブといったらこれ! な感じはいまのところハーネス付きのブランコと双璧な感があります。支点部分を境にいわゆるギッタンバッコンするものでなくバネを使うもの。

いちおう構造上の支点はあります

スプリングシーソーに分類されるもので、なおかつとても幅広。支点式のもののような、いかにもなシーソーの挙動はしない代わりに、乗り物感は一層強いかも。

なのでどちらかといえば、大型のスプリング遊具そのもので、その心は皆で一緒に乗れること。介助者が同乗することも想定されています。そうはいってもシーソーのお約束で、端にはハンドルがあります。

ハンドルを保持してシーソーらしく遊ぶのもあり。近くにいわゆるスプリング遊具も5種類並びます。もり公園にじいろ広場では、インクルーシブ対応外という案内。

コスパの高さで定評のスプリング遊具は、やはり欠かせないということか。乗り物と動物のモチーフの中には、ひとり乗りのほか、ふたり乗りもひとつ混じっています。

メロディウォール♪ は音符の形の鍵盤を叩いて、ドレミファソラシドを奏でてくれるメロディパネル。休憩スペースのところ、正方形の大きなベンチの目の前にあります。

伝声管付きパネルであるおはなしパネルだ! とともに音に関する遊びを、府中の森公園で提供しています。音が伝わる両端の間はパネル遊具。これらもインクルーシブというのは、やはり複雑さ、機能性の高さがポイントのようです。

他にはインクルーシブ対応ではないという、キリンでGO!レインボーシーソーやさいがあります。7種のやさいは要するにオブジェ。抽象的ではない具体的なものの形を表しているもの。

インクルーシブでないというより、インクルーシブもなにもないといったところ。こうしたものとどう戯れるかは、誰もがみな同じように自由で、創造的であったらなおよいです。

キリンでGO! はミニミニローラーすべり台。ゆったりと傾斜がなくとも楽しめるのがローラーすべり台の本来の機能。それでもインクルーシブとするのはさすがに無理か。

レインボーシーソーについては、さすがにインクルーシブな対応は難しい強度でしょう。変形タイプながら、バネバネバランスとは違う、支点で交互に上下するもの。

ハンドル付きの両端の座部。座部の下には緩衝部となるゴムの輪っかがつくという、まったくの標準形のものになっています。さらに地面にも緩衝マットがあり念入りです。

特にこの囲いの中の反対側に集まるインクルーシブではない遊具。そしてキリンでGO!レインボーシーソーと並ぶもりこうえんコースターの迫力は主役級。

二段二層に過ぎないといえばその通り。とてつもない複合遊具とまではいかないものの、冒険度は遊具広場の中では断トツになります。

ウネウネしたところを足場のステップを使って上っていくのが、二層部までいく手段です。密な手すりも近くなため、それほど不安定ではないのです。

上からはスパイラルスライダーで地面に帰還。ほぼ一回転と少しだけ旋回します。なんだかんだで囲いの中以外もゴムマットが敷かれているため、着地点も周囲と変わらぬ仕様です。

下の段からもすべり台が使えるようになっていて、それは二連のストレートタイプ。名前にあるコースターは、こっちを指してはいないのでしょう。

呼び名については遊具の案内板に面白い告知があります。スマホでQRコードを読み込むと子どもの声でニックネームが聞けるそう。

インクルーシブ対応でないからせめてものということではなく、他の遊具の案内にも同じ対応がされています。

二連ショートスライダーのところには、直近に階段。他のどの手段でも最終的にすべり台へは少しだけステップを上ります。

一層部分にもフルに幅を使うルートも用意されていて、足場からネットの橋を伝っていくところがあります。

次の足場をひとつ越えて、ごく小さなネットスロープのショートカットがハンドル付きのパネル遊具のところまで続きます。さらにステップ付きのクライミングウォールがあります。

クライミングウォールは大小二つが、行き先は違う形で並んでいる格好です。長いほうは二層部への進入路。短いほうは二連スライダーへのショートカットといったところ。

スパイラルスライダーへの道は容易ではない仕様。スロープの影には簡単なパネル遊具が隠れています。こうした年齢差を意識した配置はある意味定番です。

コースターにたどり着くには少し冒険が必要な要素があるコンビネーション遊具が、もりこうえんコースターということになります。

森以外のテーマになるスポットは

というテーマで展開があるのが府中の森公園。実は憩いの場になるオープンスペースという意味では、この調布・府中の境界付近は他の公園含めて驚くべき充実度。その中でも府中市美術館 府中の森芸術劇場など立派な施設が並んでいるところは、どこか中核となるイメージです。

丘:なだらかな丘はのんびり過ごせる広場

遊具広場の傍らには、木々とともに土が盛り上がった丘を確認できます。目立って遊具広場からも見渡せるのが、大きな広場のきれいな芝生の丘です。

花のプロムナードは300 mの桜並木

見上げるような存在感があるのは、傾斜があるというよりも大きいため。公園を貫く花のプロムナードという、北側の正門と噴水のある花の広場を結ぶ、広い園路の中央付近西側になります。

サッカー・ホッケー場小野球場テニスコートといった運動施設、グラウンドももちろん、晴れていれば日の降り注ぐ環境ながら、大きな広場の丘はゆったりと日光浴をしたければここだろう! という場所です。

そしてよく見ると大きな広場とその周囲、遊具広場と隣接する辺りには、木々の間に小さめの他の丘もあります。遊具で遊ぶついでに駆け上ったり、丘を巡ったり、まったりとだけでなく活発に利用してもいい感じです。

川:水が流れる要素はそれこそいろいろ

遊具に限らず丘を駆け巡るのも寛ぎのみならずの遊びの要素なら、府中の森公園の川の要素は、もっと遊びと関わっています。水の流れは、花のプロムナードに沿っている部分もあります。

正門付近、花のプロムナード府中市美術館の反対側の付近には水辺の広場(じゃぶじゃぶ池)があります。規模が大きく、かなり充実した水遊び場です。

水辺の広場からは花のプロムナードに沿って、ちょうど遊具広場のところまで、流れといって水路のように水遊び場が続いています。流れの部分も大きく蛇行したり、休憩スペースを挟んだりしています。

水遊び場のある公園でもところによっては、府中の森公園流れ部分程度でしかないこともよくあります。そうして流れのなかにも、ここぞじゃぶじゃぶ池といったスペースも!

こうして花のプロムナードを、花の広場の方向に向かう途中、道の反対側、公園の売店パークスの前、駐車場の隣には川というか池のような水場もあります。

花の広場まで至ると、豪快な噴水が流れ落ちています。噴水広場でなく花の広場というのは、噴水は花壇にもなっているからなのでしょう。

噴水の傍らには展望広場があり、デッキから日本庭園を眺められるようになっています。池のある風景を鑑賞することになり、水場ということならばここまで続いていることになります。

展望デッキから眺める方向、左手には園路を挟んで池がもうひとつ。日本庭園はもっと続いています。噴水のある花の広場とデッキからの眺めの右手側は、武蔵野の森となっています。

森:では森のテーマになっているのはどこ?

武蔵野の森の夏場は昆虫原っぱという位置づけ

武蔵の森にしても、森という名前で呼んではいても林間といったくらい。もっと鬱蒼とした部分はないので、府中の森公園の森をテーマにした部分はこの辺りを指すのか、そもそも全体なのか。

もり公園にじいろ広場のところから西側の方の周辺部は、緑のプロムナードとして武蔵野の森も、府中の森公園も囲んでいる状態です。やはり森は全体のテーマというべきか。

南側に府中の森芸術劇場、北側に府中市美術館

公園の一番南側に隣接するのは府中の森芸術劇場。公園と反対の道路側には、広場と立派なエントランスがあります。劇場へは府中の森公園武蔵野の森からも入っていけます。

森側の入口のところでは、レストランカンターロが営業しています。府中の森公園を利用するにあたっては公園の売店パークスのみならず、こうした飲食店も利用するのに何の差し障りもないのには注目したいところです。

劇場としては多目的ホール、音楽ホール、観劇用と3つの目的別のホールを備えて、本格的な興業も盛んに行われています。会議室、音楽練習室なども利用できます。

府中の森芸術劇場
開館時間:9時~22時

公式サイト:府中の森芸術劇場

北側の府中市美術館府中の森芸術劇場の存在と関係するように、園内には彫刻が11体配置されています。森を巡り、彫刻を探し出すのも楽しみ方のひとつになっています。

府中市美術館については、公園敷地内にある施設という位置づけ。こちらにも府中乃森珈琲店というカフェがあって、軽食まで用意されています。

府中市美術館
営業時間:10時~17時
利用料金:無料(有料展示企画あり)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、年末年始
(ほか展示入れ替え時など臨時休業あり)

公式サイト:府中市美術館

府中の森公園にもパークスは健在

府中の森公園サービスセンター

都立公園の売店ブランド、パークスはここでも健在。多目的スポーツ広場ゲートボール優先広場といった施設のところ、つまり府中の森公園ではサービスセンターの隣となる場所で営業しています。

場合によってはパークスはコンビニのような店舗で営業している場合があります。府中の森公園では古典的な売店風、つまりは遊び道具などの雑貨もあるものの、飲食物が中心です。

アルコールの販売もあって、この休憩所の東側、駐車場脇のバーベキュー広場を利用する時に、お酒を追加する時にも便利です。ただバーベキュー広場については、そのものの器具、食材とも持込のみです。

日差しを避けられる売店前の休憩所には、ガチャガチャが置かれていたり、建物の外には飲み物、アイスといった自動販売機も並んでいます。

休憩スペースは売店のものではないので、自動販売機を利用しても、持ち込んだものを飲んでも食べても、ただ休むだけでも問題ありません。あくまでここは休憩所で、売店もあり軽食も取れるということです。

売店営業時間:9時~17時
定休日:年末年始

ただならぬオープンスペースの残る訳

いわゆる武蔵野だった府中の森公園の周辺は、森が未開発で残っていたというのとは違います。周囲にあるのは平和の森公園浅間山公園や、隣の調布市となる味の素スタジアム(東京スタジアム)と付近の都立武蔵野の森公園野川公園など。

そもそもは日本陸軍の施設があった場所で、占領後は米軍施設として接収されていたものです。東側の調布飛行場、味の素スタジアムなどを含む野川公園の辺りのもろもろから府中の森公園までの一帯はかなり広大。


さらに東の隣は国立天文台があり、文教施設や都立多磨霊園を含めるとただならぬオープンスペースになっているのが現状。こうした公共施設が密集することになったのには、関東計画が関係しています。

関東平野空軍施設整理統合計画(KPCP、 通称関東計画)は、関東平野の在日米軍を横田に整理統合しようとしたもので、結果、安保条約発効時都内208か所(沖縄を除く全国2,824か所)あった米軍基地が、2021(令和3)年7か所(全国131か所)となりました。

伴い基地だけでなく、現在の代々木公園であるワシントンハイツ(旧陸軍代々木練兵場)の機能をそのまま移転していた、関東村住宅地区(米軍人と家族の居住区)も返還されることになります。

米第5空軍司令部となっていた米軍府中空軍施設は、旧陸軍燃料本部だったところで、米軍の通信業務の中枢を担っていた部分以外になるほとんどが、1975(昭和50)年に返ってきました。

府中の森芸術劇場府中の森芸術劇場

府中の森公園はこうした土地にできた、公共施設のうちひとつです。隣接の航空自衛隊府中基地の他、未利用地は残っており、さらに米軍通信施設も2021(令和3)年に予定外に返還されてしまいました。

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未利用地の活用は、通信施設跡含めての計画に練り直しとなったのです。こうした時の流れにつれ、多摩地区の他の市街地とも事情が違うこのエリア。付近には駐車場含めて無料の公園も存在するのです。

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インクルーシブなことだけでなく、試みとしては完全無料での活用も考慮できるはずです。ちなみに米軍立川飛行場(立川基地)の跡地を活用したのが、近くにある国営昭和記念公園ということになります。

府中の森公園を訪れるには(アクセスについて)

住所:東京都府中市浅間町1-3-1(ほか緑町2、天神町2)
連絡先:042-364-8021
開園日:常時(サービスセンター及び各施設は年末年始休業)

公式サイトからの引用
京王線「東府中」下車 徒歩10分
JR中央線「武蔵小金井」から京王バス(一本木経由)府中駅行き
「天神町二丁目」下車

【自動車を利用する場合】

駐車場:有料(110台)
駐車料金:1時間まで300円、以後20分毎100円、12時間最大1200円を繰り返し)
営業時間:24時間

いつでも閉まることなく営業していて、どんな場合でも締め出される心配は皆無。子どもとの利用では、それで役立つかどうかは知れないことではあります。インクルーシブな遊び場があることへの対応としては三台分の身障者用スペースを用意しています。

府中の森公園としては、完全無料対応でないことをこの特集でガイドしているものの、実は周囲の事情を含めると、少し奇妙な状況になっています。府中市美術館は、公園敷地内にあります。

府中の森公園駐車場を北に進んで突き当たった道路の向こう側に美術館の駐車場

美術館としてだけでなく、ワークショップが行われたり、市民ギャラリー、美術図書館としても使われています。そういうこともあってか、園内でない米軍通信施設の返還地に無料駐車場が用意されています。

府中の森芸術劇場の地下にも駐車場があります。こちらは1回300円、8時30分~22時の利用時間内ならこれだけです。どちらも施設を利用する人のための駐車場ということではあるようです。

ただ、周囲の状況を考えると、公園でも例え無料駐車場だとしても目的外利用に悩まされる状況には思えません。ならば利用者目線の劇場や美術館のような対応ができるのではないか? という疑問はどうしても持ってしまうところではあります。

【公共交通機関を利用する場合】

最寄駅:京王線東府中駅約500 m(ただし府中の森芸術劇場まで)

東府中駅からは7分ほどで、府中の森芸術劇場のところに着きます。北に向かい甲州街道を渡って、平和通りを進み突き当たって左手に建物が見えます。東府中交差点になる並木道はすぐ見つかるはず。分からなかったとしても北に向かえば大丈夫です。

最寄バス停留所:天神町二丁目(府中駅~東府中駅~多磨町)
(府中市コミュニティバスちゅうばす多磨町ルート)

ただ遊具広場にはあと800 mほどあります。遊具広場の隣、じゃぶじゃぶ池の裏手に天神町二丁目バス停があります。バス利用の場合は府中駅を結ぶ、ちゅうバスを利用します。毎時2本ほど公園を利用するような時間には運行があります。

まとめ:関東計画で確保の敷地は有効利用、遊具はさきがけ

府中の森公園のある地域全体で言えることとして、歴史的経緯から恵まれた公園用地が確保できている事情があります。そうして用意された公共施設は充実。公園、美術館、劇場だけでなく霊園も隣接しています。


府中の森公園としても、特に遊具の面でインクルーシブ対応を先駆けて実現したという実績も築きました。それがなくとも周囲を見渡して比較すれば、子どもと楽しむ公園として遊具が充実しています。

これで完全無料であれば、もう言うことなし。ただし駐車場については現在の規模では充分でないということで、料金免除されるケースのためにスペースは確保したいのかもしれません。

身体障害者手帳、愛の手帳・療養手帳、精神障害者保健福祉手帳を持つ人を優先させたいのだということなら、それも積極的にやるべきことと考えられます。

予定外に返還してもらえた米軍の通信施設が、公園の北側に未利用で存在しています。広大な敷地を有効利用してもらえたら、府中の森公園はさらに使い勝手を増すことになるのでしょう。

公式サイト:公園に行こう!府中の森公園

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