子どもにとって必須の道具といえるのが遊ぶためのおもちゃ。そして、世の中にはおもちゃのまちというところがあります。皆がそう呼んでいるとかいうことでなく、本当に地名になっているのが栃木県の壬生(みぶ)町のある地域。さらには、その地の近隣にある東武鉄道の駅名もおもちゃのまち駅といいます。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。壬生町のおもちゃのまち駅から、歩けなくもない距離のところにはとちぎわんぱく公園があります。まさしく子どもが遊ぶために作られた公園です。
そうして、基本的には無料で遊べるとちぎわんぱく公園に対して、格安ながら入場料のいる施設が隣接している壬生町おもちゃ博物館。ありとあらゆるおもちゃが揃って、展示されているだけでなく、実際に手に取れるおもちゃもたくさんあります。
館内の吹き抜けホールと展望ホールには大型遊具もあります。特に吹き抜けホールのほうは、相当に大型のものです。季節には快適に水遊びできるなかにわもオープンします。遊園地とは違い、入園料さえ払えばあとは無料で利用できるものばかり。
むしろ売店となるおもちゃやさんはロビー、飲食店となるおいしいものやさんも館外です。館内に入ってしまえばお金を使うことなく、たっぷり遊べる場所なのです。館内ですから荒天でもなんの影響もなく、空調も効いていて、どんな季節でも安心なのはとてもいいところです。
また、入館したその日のうちならば何度でも出入りが可能。だからこそとちぎわんぱく公園が隣にあることが活きてきます。壬生町おもちゃ博物館の正面入り口、噴水の横にはふたつを結ぶゲートがあって行き来はとても簡単です。
博物館といっても眺めるだけの場所ではない壬生町おもちゃ博物館。何が見れて、どんなものに触れて、どんな遊びができる場所なのか、いつものように独自に撮影した写真を満載してご案内します。
子どもが大型遊具で遊べるおもちゃ博物館をしっかり解説!
入場料を払って入館する館内は、3つのフロアの本館と2つのフロアの別館に分かれています。ロビーにここだけのトミカなども販売するおもちゃ博物館のおもちゃやさん、館外の壬生総合公園の通り沿いに飲食店のおもちゃ博物館のおいしいものやさんがあります。
それぞれの概略は次の通りです。
- 本館
- 1階きっずらんどからだあそびぞーん
- なかにわ(屋外スペース、夏には水遊び場に)
- おもちゃとあそびのへや(おもちゃで自由に遊べるスペース)
- きんぐとくぃーん(2階までの吹き抜けを使う大型遊具あり)
- おもちゃれっすんるーむ(オリジナルリカちゃんを作る部屋)
- 2階きっずたうんてんじ・たいけんぞーん
- おもちゃストリート(吹き抜けを囲む展示と各部屋への道)
- おもちゃひろば×8(ジャンル別のおもちゃ展示・体験室)
- なりきりすたじお(コスプレ撮影室)
- おもちゃのまち(壬生町のおもちゃのまちについての展示)
- 3階そらのひろばあそびてんぼうぞーん
- そらのひろば(展望室と遊具、飛行船遊具みらいごうあり)
- ロビー おみやげコーナー
- おもちゃ博物館のおもちゃやさん(売店)
- 館外 屋外飲食コーナー
- おもちゃ博物館のおいしいものやさん(飲食店)
- 別館
- 1階わくわくゆめひろば
- わくわく夢広場(イベントなどに使わるホール、お弁当持込可)
- 2階てつどうもけいのへや
- 鉄道模型の部屋(鉄道模型の展示)
入館料:
当日券 600円(おとな)、300円(こども)
年間券 3,000円(おとな)、1,500円(こども)
年間券は発行日から1カ年有効、こどもとは、中学生以下、満4歳以上。
開館時間:9時30分~16時30分
(8月は17時まで、1月3,4日は10時30分~15時30分)
休館日:月曜日(休日の場合は翌日、8月は無休)
本館1階 きっずらんど からだあそびぞーん
本館一階は展示よりも、実際におもちゃや大型遊具で遊ぶスペースです。
なかにわ
入場料を払って入館するとすぐにあるのが屋外スペースのなかにわ。水深35 cmの水遊び場です。例年7月から9月中旬にオープンします。
水着着用が必須のため、なかにわでも遊ぶつもりなら準備が必要です。水を張らない季節は乗り物で遊べるスペースになります。
おもちゃとあそびのへや
なかにわの隣、ひとつ奥にあるのが用意されたおもちゃで自由に遊べるスペースです。
乗り物とおままごとのおもちゃが用意されています。プラレールは積み重なった大きな既存のもので遊んでも、自分で組み立ててもいいです。
きんぐとくぃーん
中世のお城をイメージしている壬生町おもちゃ博物館。その主となる王様と女王様は、大きな遊具になっています。2階まで吹き抜けを使っています。
青いきんぐのほうは、滑り台が組みこまれたコンビネーション遊具。
ちょっと幅の広いステンレスのものだけでなく、旋回するチューブスライダーもあります。チューブスライダーの出口についている黒いものは、遊具を作ったジャクエツという会社の特許で、静電気を逃してくれるもの。快適に遊べるよう工夫されています。
内部にはスウィングボールがたくさん。上に行く階段もここからです。
赤いくぃーんのほうは、オレンジ色のネットが張り巡らされたネット遊具です。
ネットトンネルは決まりはないものの、上っていくルートのほうが使い易そうです。
ひとつ上ったら、きんぐの方に向かうか、さらにのぼるかの選択肢が生まれます。どこまでも終始ネットを使う遊具です。
くぃーん本体の底部だけはネットではありません。ちょっと一休みの場です。
小さな子ども(小学校2年生まで)のためにボールプールも設置されています。
他にはキューブのラビリンス風の遊具も置いてあります。
おもちゃれっすんるーむ
一般販売を行っていないという、限定品のオリジナルリカちゃんを作る部屋がおしゃれれっすんるーむ。ただし有料のプログラムです。リカちゃんとドレス、帽子、ピアス、靴、ブラシのセットで3,500円。10時30分~11時30分、13時~15時30分まで開催です。
本館2階 きっずたうん てんじ・たいけんぞーん
2階には実にさまざまなおもちゃが展示してあります。ジャンル別の部屋に分かれるなかには、展示のみならず実際に遊び体験できるスペースのある部屋もあります。
おもちゃストリート
きんぐとくぃーんを囲む吹き抜け部分も、おもちゃの展示に取り囲まれています。このおもちゃストーリートから各部屋を訪問します。
おもいでひろば
おもいでひろばは歴史の古い遊具を揃えます。実際にはオセロも黒ひげも思い出でなく現役でしょう。体験スペースのある部屋は、だいたいこんな風に部屋の真ん中にスペースが設けられています。
展示物の中にはなるほど(大人には)懐かしい! キャラクターがいたりします。
世界のおもちゃ歴史年表なども掲げられています。年表は付添の大人の暇つぶし?
ぶりきのひろば
表面を錫で加工したブリキ。さびにくい、印刷した色が長持ちするのがメリットだと解説されています。大正~昭和の敗戦直後辺りまで、よく使われた材料。安全性を問題として使われなくなったとの解説通り、遊び体験コーナーはなく、その分展示が豊富です。
ゼンマイ仕掛けなど、自動で動く仕組みが次第に特徴となっていったぶりきのおもちゃ。残念ながら触れて動かせはしないのです。
みんなのひろば
みんなのひろばは、共遊玩具のスペース。目や耳の不自由な子どもや保護者が、使いやすい工夫がされたおもちゃを並べています。このスペースも体験スペースがあります。
おもちゃのまち
壬生町がおもちゃ博物館を作ったのは、ここがおもちゃのまちだから。おもちゃ業界の偉人が業界の発展のためおもちゃのまちを作ったのが壬生町。おもちゃのまちの部屋に来れば、そのドラマが分かるようになっています。
おもちゃのまちの部屋に行かなくても、おもちゃのまちのことが分かる関連記事があります。壬生町おもちゃ博物館がある壬生総合公園の特集をご参照ください。
関連記事:子どもと無料で楽しむ壬生総合公園
あかちゃんひろば
乳児を飛び越して、もっと小さなあかちゃんにだっておもちゃは大事です。小さな子どものためのおもちゃの部屋。体験コーナーのある部屋です。
のりものひろば
1階のおもちゃとあそびのへやでも片翼を担っているように、乗り物のおもちゃは双璧のうちのひとつ。
なので当然のように体験スペース付き。しかもこんなラグを敷ける家はなかなかないだろうというスケールで道路が描かれています。
ままごとひろば
おもちゃの双璧のもう片方であろうままごとの部屋。体験コーナーもなかなかのゴージャスぶり!
なりきりすたじお
なりきりすたじおはコスプレ体験ができる部屋。衣装を身に着けて等身大のフィギュアと一緒に写真に収まれます。
げーむのひろば
今やすっかりゲームといえばビデオゲームながら、いわゆるボードゲームや得点を競う何かの疑似体験のものなど、バーチャルなだけでないゲームも含めて揃った部屋です。ここも体験スペースつき。
くみたてひろば
組み立てるおもちゃということで、やわらか素材のブロックの遊び体験は当然として、
このジャンルそれだけではありません。ブロック系の遊具! といえばそういえば、これもそうだな! と思えるものを展示の中に発見できるスペースです。
館内アプリで遊ぶミュートイと封印の紋章
壬生町おもちゃ博物館の2階では、封印された紋章を、解放する冒険の旅も用意されています。レブタットという封印解除の道具は、無料貸し出しされるタブレットの中、館内専用アプリでトライします。
本館3階 そらのひろば あそびてんぼうぞーん
本館3階にゆくと、ここにもちょっと大型の遊具が置いてあります。3階は展望台でもあり、お弁当などを拡げられるスペースにもなります。
そらのひろば
そらのひろばで主役となるのは飛行船遊具みらいごう。強烈な冒険はなく、小さな子どものための遊具です。飛行船への乗船が楽しみ方。ゆるやかーな滑り台から脱出します。
キューブや動物の遊具。
さらに小さなミニミニ滑り台なども置いてあります。
本館のその他の施設
本館にはロビーに売店、館外に飲食店が入っています。どちらも入館券がなくとも利用できます。
おもちゃ博物館のおもちゃやさん
ここだけのトミカとなるのは壬生町おもちゃ博物館のお城のロゴいりバス。おもちゃ売店で売っています。
おもちゃ博物館のおいしいものやさん
正面入り口を出て、壬生総合公園の陸上競技場のほうに回ると食事のとれる飲食店があります。ここは軽食なので、場合によってはとちぎわんぱく公園のゲートをくぐったところの虹のひろば横、こどもの城に隣接するレストランピッピを検討してもいいでしょう。こちらもすぐ近くです。
コイン式の乗り物も2種類
正面入り口前にはパンダの乗り物。
飲食店横にはミニメリーゴーラウンドがあります。どちらも一回100円。
別館1階 わくわくゆめひろば
別館の1階はわくわくゆめひろば。イベントなどはここで開催されます。
おもちゃ病院も基本はこのわくわくゆめひろばでの開催になります。第3日曜日の13時~15時(8月、2月、3月を除く)、子どもひとりにつき1点のおもちゃを基本無料で修理してくれます(高価な部品が必要など費用が掛かる場合あり)。
トミカを使って書いた車の絵の展示はなかなかの力作。本館3階のそらのひろばに加えて、ここもお弁当などを持ち込めるスペースです。屋内のフリースペースはこのふたつ。加えて2階のテラスも屋外ながら同様に使えます。
テーブル以外にも敷物を持ち込んでも大丈夫。ピンクの壁はボルタリングウォールワクワの丘。4歳以上が利用できます。
別館2階 てつどうもけいのへや
別館の2階は鉄道模型の展示室になります。
本館からの通路には、歴史ある鉄道の車両の写真が並びます。
貸してくれるのはNゲージ車輛。もしくは車両は持ち込んで、コースだけを使ってもいいです。もはや遊びというレベルではない本格派のスペースです。
コースが限られていることもあり、日時によっては予約が必要なケースも多いでしょう。運転体験予約状況を示すボードで混雑具合は確認できます。
運転しなくても、カメラを搭載した車輛が走っています。運転目線でジオラマを見学できる仕組。
展示も子どものためのものという感じではありません。
もっとも、ちょっと興味本位で触ってみるものもあります。
ボタンを押すと動き出すトーマスもあります。
ささやかながら、子どもの遊びのための線路と車輛も! これは空いている限り、自由に遊べます。
おもちゃの範疇には収まらなそうながら、鉄道模型の販売もあります。
本物にこだわっているような各種展示。
本当の価値は分からなくとも、動かしてみるのはとても面白いです。
別館前には無料の展示とコインカー(バッテリーカー)
この別館前、壬生総合公園の通路の横には巨大なマシンのようなものが!
特に料金など必要なく内部に入ってみれます。
タイムトラベラーという想定なのか、中には歴史を語る展示が!
滑り台で脱出可能です。
タイムトラベラーの横の広場ではコインカーという100円で動くバッテリーカーに乗れます。ただしコインカーが使えるのは不随時。状況によりしまったままのことがあります。
壬生町おもちゃ博物館を訪れるには(アクセスについて)
住所:栃木県下都賀郡壬生町国谷2300
連絡先:0282-86-7111
駐車場:無料(壬生町駐車場約450台弱、他合計約1600台分)
無料の駐車場がいくつも用意されています。もっとも便利なのは壬生総合公園の駐車場です。それに限らずもっとたくさんの無料駐車場が利用できる事情は関連記事をご参照ください。
関連記事:よく分る道の駅みぶのこと【便利な公園の駐車場にある背景】
自動車の利用が便利な公園ながら、最寄り駅まで電車でも便利な公園です。最寄り駅は東武宇都宮線の国谷駅、おもちゃのまち駅ともに約2 kmほどです。徒歩で向かうか、タクシーでも5分程度です。またおもちゃのまち駅からは貸自転車を利用する方法もあります。
おもちゃ博物館までのアクセスの詳細は関連記事をご参照ください。
まとめ:中味が詰まった館内の魅力、加えて室内施設のメリットを享受
とちぎわんぱく公園という、ほとんど完全無料で楽しみ抜ける県営公園と一体で運営される施設です。無料で充分楽しめるとちぎわんぱく公園。こどもの城という屋内施設だってあるとちぎわんぱく公園と較べても、なお価値を認められる個性と遊びがあります。
思い切って遊べる大型遊具、ジャンルが豊富なおもちゃを遊び体験できるスペースなどがあります。それが空調もしっかり効いた建物の中で用意される点、さらに入場料を払っても余りあるメリットになるでしょう。
公式サイト:壬生町おもちゃ博物館