かなり遊び甲斐を感じられるアスレチックコーナーがあります。だから充実した運動施設のほうを利用しなくとも、お出かけするだけの価値を感じられる東京都世田谷区の大蔵運動公園。ただ競技場などはとても立派な設備を誇っています。
公園内の位置取りとしては、専ら近くの住宅街からのアクセスになるほうといえるアスレチック広場。さらに隣り合うスペースに、いかにもな近所の公園風の遊具スペースがあり、実のところ、この幼児園にしても侮れないところがあります。
置かれているのはやや古めかしいものであれ、個性的で動きを存分に楽しめる遊具になっているからです。子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思えた場所をご紹介しています。それでもこれだけなら、やはり区立の公園らしいといったレベルになるでしょうか。
木で組まれたアスレチック遊具が、大型で本格派といってよく、数も揃ってなかなかのものなのも事実。アスレチック広場が公園の奥まったところにあって、目立たないのも事実。加えて公園のメインゲートとなるほうにも、児童園という遊具の遊び場があります。
遊び場、お出かけ先としての大蔵運動公園の価値については、こうして離れたふたつの遊び場がそれぞれ、それなりの魅力があるからというだけではないのです。大蔵運動公園のメインゲートの前の道を横断すれば、そこにあるのは都立砧公園です。
ここにこうした公園があるのは、かつての東京を取り巻くグリーンベルト構想による砧緑地があったからに他なりません。いま都市公園としては都立と区立に分れ、それぞれの役割を担うとはいえ、そもそもは一体の場所。
遊び場としては、砧公園にみんなのひろばが整備されたことで、そうともいえなくなってきたとはいえ、かつては砧公園だけでは片手落ちな感じがしたくらい、メインゲート前の遊具も存在感を主張できるものです。
どちらも一度に遊ぶことに特段の問題はありません。砧公園がとても大きな公園のため、端と端になる遊び場にはやや距離があるくらいのことで、それでもゆったり散策を兼ねるならば、ちょどいいくらいともいえます。
23区内にある都立公園として指折り数える規模になる砧公園については、別途ひとつの特集記事になっています。あわせて利用したい大蔵運動公園も、いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べる大蔵運動公園をしっかり解説!
世田谷区立総合運動場としての役割を担う大蔵運動公園で主要になるのは、確かに充実の運動施設。その上で遊び場としても見逃せない場所でもあります。それが都立砧公園と共に遊ぼうというのならば、ちょっとしたお出かけ先として過不足ないものになります。
かつてはここがメイン!であってもおかしくなかった児童園
大袈裟なものはなくとも、ひととおりが揃っていて砧公園の存在をもってしても、こちらでも遊ばなければ残念になってしまいかねなかったのが児童園。展示されているC57形式蒸気機関車にも、負けない存在感になるのは鉄パイプの迷路。
派手でなくとも印象が強いのは、「ひととおり」揃っている遊具のどれもが、それぞれどこか個性的だから。すべり台は螺旋を描いており、鉄棒はよくある程度のものに加えて、これはどんなつもり? といいたくもなる高さになるのが加わっています。
まるで体操選手でも目指して欲しげな、規格外の高さの鉄棒にも見えます。もっとも運動施設としての鉄棒のつもりではないはずです。そうだとしたら、あまりに安全への配慮に欠けることになります。
これはあくまで遊戯施設としての設置ということになるでしょう。どちらかといえば正確に分類するならばラダーの一種。特に車輪をしてからなんらかの技を試みるような設備ではないです。
ちょとした技なら体育で教えて貰えることもある、ぶら下がり技程度になるでしょう。ぶら下がりながら、いろいろな運動を試みるための高さです。もっとも、こうした鉄棒はもうあまり見かけることはないものではあります。
鉄の素材が目立つ点でも、古典的な面はあります。自由度の高いぐにゃぐにゃしたスネイクジャングルの隣には、これも抽象度が高く見かけることも多い、スプリングが支えるプルルンが並んでいます。
これなら遊具の値段にも見合うという評価なのか、公園担当者からも支持が厚そうなプルルンの隣には、さらに小さなすべり台を備えたコンビネーション遊具が置かれています。
児童園では飛び抜けていまどきな感じがするコンビネーション遊具は、高さこそないものの組まれている遊びは多彩です。ただ確かに対象年齢は低めといえそう。
意図的なのでしょう。周辺には木チップが積まれています。それを生かせる本来は砂場用のようにも思える部材も採用されて組み込まれています。
ブランコはよくある座板タイプと座椅子タイプが、4連でそれぞれ並んでいます。
他には迷路の傍らにクライミングウォールが3つ並んでいます。これらはユニークというか古典的なほうのもので、ボルダリングなどと呼ぶものとは、確然とした違いがあるものになってしまっています。上のパイプはタッチして、ゴールとして使えるでしょうか?
蒸気機関車は運転室のところまで上っていけます。石炭庫は、明確に登らないで欲しいと書かれた屋根や側面同様、入って行く足掛かりなどは見当たらないものの、行ってみることはできる様子。蒸気機関車に限らず、そういう気にさせる、自由度の高さを見受ける遊具が多い印象です。
児童園と園路を挟んで対面するところには、バスケットゴールもあるローラースケート場、桜が咲き、自由に遊べる広場もあります。
アスレチックコーナーと幼児園は公道を隔て
歴史的経緯があろうと、一般道で隔たっていて、連絡橋もないのであれば砧公園は一体とは言えないのではないか? と問われたならば確かにそうともいえます。ただし、それをいってしまえばアスレチックコーナーや幼児園も同様です。
砧公園のみんなのひろばや子供の森ほどの距離はなくとも、大蔵運動公園内では両端に分かれている児童園と運動施設の敷地とは、一般道で敷地が分かれていて、園路だけを通ってたどり着けない場所にあるのが、アスレチック広場と幼児園です。
アスレチック遊具が並ぶアスレチックコーナーとなっている広場からは、低い位置に住宅地を見下ろせるようになっています。少し向こうを流れる、多摩川が作ったといわれる国分寺断崖線はまさにここ。
神奈川県との境になっている多摩川までが、山手通り(環状6号)と環七の間から環八の先のここまで広がる台地の上の世田谷区とは、少し様相が違う割合は小さなエリア。砧地区のほんの一部になる場所に降りるのが、あづまやのところからの遊歩道など。
大蔵運動公園はこれもまた崖下に向かう一般道が隔てる、アスレチック広場、幼児園とこのエリアの崖線を含み、こうした地形で当然ある湧水の痕跡のように親水園があり、多摩川までいかずとも、仙川、野川がささやかに流れてすぐ下流で合流しています。
アスレチックコーナーになっているのは、縦、横などに組まれた丸太の渡り4種類。
これも丸太のロッククライム、吊り橋、見晴台、ネットクライム、ロープ渡り
丸太うんてい、アミダに組まれた山型、そしてロープウェイ(ターザンロープ)といった12種類です。
さらに隣接するのが幼児園、児童園に対しての幼児園ならば未就学児対象かといえば、それだけではない遊具もたくさん。
いわゆるコーヒーカップとして使える遊具は、ほんとうにグルグル回せるものです。
変形のシーソーなど、小技の効いた遊具とでもいいたくなる機能や、ユニークなデザインのものと砂場などなかなか盛り沢山です。
もっとも砂場へ向かうコンクリートの斜面はミニワイドすべり台なのでしょうが、これはすでに時代に置き去りにされた感じになっています。
古びてはいるものの、だからこそもうありえないものが見つけられることのほうが、対象年齢よりも特徴になっている幼児園です。
ここは大蔵運動公園?総合運動場?
世田谷区というのは、東京23区の中で周辺に位置する広いほうのなかでも、大田区とほぼ同じで次いで2位の面積があり、人口は太田区、練馬区を20万人近く引き離して、断トツの1位になっています。
自治体の規模としては、首都圏でいえば千葉市、または大阪府の堺市、福岡県の北九州市と似たものになり、仙台市や広島市をやや下回る程度になります。どれも面積でいえばかなり広く、中には比べるようなレベルではない大きなところもあります。
しかも例にあげたどれもが政令指定都市、特別区ではないものの市は区に分かれている自治体ばかりです。それだけの自治体である世田谷区の原則、在住、在勤、在学者を対象とする運動施設で主要なものが集まる場所です。
そういう意味でスタンドを備えた陸上競技場、野球場、体育館、テニスコート、レストランもある温水プール棟などまとめて、世田谷区立総合運動場と称しています。これを含めて運動施設以外のよりパブリックなものを含めて大蔵運動公園と捉えるのが適切でしょう。
さらには砧公園に挟まれるように、総合運動場のものとは別にもっと以前からある体育館、テニスコート、トレーニングルーム、ゴルフ練習場、屋外プールのある大蔵第二運動場もあるのが、世田谷区の施設のすべてです。
大蔵運動公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:東京都世田谷区大蔵4丁目6番1号
連絡先:03-3417-9575(砧公園管理事務所)
総合運動場のウェブサイトでは、運動施設については03-3417-4276(世田谷スポーツ振興財団総合運動場管理事務所)に問い合わせて欲しいと告知しています。大蔵運動公園の運動施設以外については、砧公園管理事務所が担当しています。
事情が複雑なのは隣接する都立砧公園の案内先である、砧公園サービスセンターは違う番号になっています。いまのところ都立砧公園の指定管理者になっている東京都公園協会のほうの管理所はサービスセンターで、砧公園管理事務所とは別のものです。
こちらの管理事務所は、敷地内の砧公園土木管理事務所のところにある事務所のことです。温水プール棟の大蔵第二運動場側にあります。
公式サイトからの引用
バス
「成育医療研究センター前」下車(徒歩5分)
「NHK技術研究所」下車(徒歩6分)
「大蔵二丁目」下車(徒歩6分)
「日大商学部前」下車(徒歩6分)
(渋24)渋谷駅~成城学園前駅
(渋26)渋谷駅~調布駅南口
(等12)等々力操車所~成城学園前駅南口
「区立総合運動場」下車すぐ
(都立01)都立大学駅北口~(桜新町駅)~成城学園前駅南口
(玉31)二子玉川駅~成育医療研究センター
(玉32)二子玉川駅~美術館
【自動車を利用する場合】
駐車場:有料(総合運動場119台)
駐車料金:100円(30分毎)
利用時間:6時~21時30分
大蔵第二運動場の駐車場とは別です。
駐車場:有料(大蔵第二運動場171台)
駐車料金:100円(30分毎)
開門時間:4時30分~24時(土日祝日は5時から、12~2月の平日は5時30分から)
ゴルフ場とトレーニングルーム定期券利用者には無料時間があります。
最寄インターチェンジ:首都高速用賀、東名高速東京
西から東名高速を下りても、東から首都高速を下りても環八にぶつかることになり、どちらからも直進はできません。首都高速からならば右折、東名高速からならば左折して左手にみえる、砧公園の周囲をぐるりと回わるルートが分かりやすいです。
環八の次の信号、世田谷清掃工場前交差点を左折したところが美術館通り(世田谷美術館のほうに向かう道)です。急カーブを経ながら砧公園に沿って進み、大蔵通りまで進んだところが砧公園西交差点です。
大蔵通りは砧公園と大蔵運動公園の境になっている道路で左折(両公園の方)すると、少し先に大蔵第二運動場、総合運動場の駐車場の入口が並んでいます。東名高速を渡る公園橋まで着いたならば行き過ぎです。とはいえ見逃すことはないでしょう。
東名高速からならば、環八をUターンして(右折のみの指定方向以外進行禁止の標識があり、この場合は転回はできます。手前のUターン路のようなところは公道でないため進入できません。左折路はほんの手前で分岐。)、岡本の住宅街を抜ければ公園橋を渡れます。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄駅:小田急線祖師ヶ谷大蔵(約1.4 km)
最寄バス停留所:総合運動場前
正面ゲートの目の前に、総合運動場前停留所があります。区立の施設でありながら総合運動場、大蔵第二運動場ともに多くの駐車場があるのは、決して公共交通機関で不便ではないとしても、どこの駅からも分かりやすい、近いとはいえない事情もあるのでしょう。
東急玉川線用賀駅から砧公園に向かいそのまま公園を抜けて来ればとても分かりやすいものの、約2 kmほどあります。上手くたどり着けるならば快速、急行は停まらない小田急線祖師ヶ谷大蔵駅からは、もう少し近いです(1.4 kmは幼児園まで)。
バス路線は周囲をたくさん運行しています。利用できなくはない停留所もたくさんあります。ただし、それぞれの事情に合った路線が分かるまでは総合運動場前を目指すのがよいです。
まとめ:じっくり訪れられるのならば砧公園と一緒に
運動公園と名がついて主要施設は運動するためのものなのが大蔵運動公園。総合運動場と称するだけはあります。それにしては遊び場としても見どころ充分。かつては砧公園と合せて考えた場合、遊具については区立のほうが主役になりかねない面がありました。
けれどもいまでは砧公園も、みんなのひろばが充実しています。ファミリーパークという芝生がきれいなエリアは、児童園からメインゲートを出て、砧公園に入ってすぐのところです。やはりどちらも利用したい公園、そのほうがより満足できそうです。