そのものは極めてシンプルであっても、その演出には驚かされるものがあります。名古屋市緑区の大高緑地の遊び場で、恐竜広場というところがあります。シンボルになっているのは恐竜たち。
そびえ立つ巨大なオブジェにはちょっとした機能があり、すべり台でもあります。すべり台としては古典的なもの。恐竜の姿をしているなりに鳴き声の演出も。広場の名前の由縁はこれ。
他にもかねてから富士山遊具もあり、さらに卒なく揃っていたのが大型コンビネーション遊具。年代感の違いから、追加されたものだったのでは? と思うのが、さらに加えられたものもあるから。
恐竜広場にはもうひとつ大型コンビネーション遊具が出現。シンボルの恐竜とはあまり関係なくどんどん充実しています。子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」 と思える場所をご紹介しています。
いまだに残る、古典的遊具もまだちらほら。それでも時間を経て最新の形に変化を続けています。緑地と呼ぶ経緯を考えても、大高緑地には抱えている歴史があります。だからこそ、広大でたくさんの楽しみがあるスポット。
時に戸惑うことがありそうな、全容の把握は容易でないことも事実。その中で恐竜広場は街にも隣接して、分かりやすい魅力あふれる子どもの遊び場です。たまらない恐竜広場の楽しさ。
いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。大高緑地で遊ぶならば、もうひとつのメルヘン広場も欠かせません。そちらが分かる特集は別途用意しています。
ふたつの特集を合せて、他にも交通広場や若草広場などの、ちょっとした児童園など、大高緑地での子どもの遊びの大枠は、理解できるようになっています。それでもまだまだいろいろある大高緑地の概要も触れています。
子どもが大型遊具で遊べる大高緑地恐竜広場をしっかり解説
恐竜のすべり台は存在感充分。それに負けない大型コンビネーション遊具があり、さらに、もうひとつが加わっています。そこに富士山遊具まで加えれば主要なものは全部。そしてそれだけでない、小技の効いた遊具がまだまだ置かれています。
シンボルは恐竜すべり台、それでも恐竜広場はそれだけでなく
公園中央部にある、ロングスライダーのあるメルヘン広場に対して、公園の南の端にあるのは恐竜広場。バス通りに面した場所で、大高緑地となっている丘陵を上っていく手前。
ここだけをみれば街のなかにある公園そのもので、園内を車では通り抜けできない大高緑地では、むしろここから奥のほうに立ち入っていくのは、坂道になることもあって難儀します。
大高緑地の中のひとつの遊び場であることは事実。けれどもそんなこともあって、ここだけで相当満足できるひとつの公園の遊び場と認識すると、それが実態に合っているともいえます。
恐竜のオブジェは基本はすべり台。鉄製の階段で上って、滑るという点では機能は極めて普通で、滑走面がさほど高い位置でないことで、コンクリート製であることのメリットはあまりないでしょう。
それでもこの造形はコンクリートならでは。胴体を短いトンネルにして抜ける途中で鳴き声が聞こえる演出付き。もちろんすべり台をステンレスにしてもよかったのでしょう。
けれども尻尾の見掛けのリアリティは、恐竜広場の作り方が最適だったに違いありません。今となっては注文も生まれるかもしれなくても、恐竜なしでは広場は名前倒れになってしまいます。
駐車場(大高緑地第6)がバス通りから入ってすぐで、そこには砦前売店もあります。飲料や種類豊富なソフトクリームなどが買えるだけでなく、ラーメンやおにぎり、ポテトフライやお団子などを用意。
軽食や喫茶のために店内も利用できるようになっています。アクセスも便利で、ここだけで完結できるだけの施設もあるのが、恐竜広場ということになります。
恐竜のほかで目立つのはコンビネーション遊具
ひとつは大ちゃん、もうひとつは高ちゃんと呼ぶ、すべり台でもある恐竜オブジェがシンボルではあれ、遊び場では他にも目立つ遊具が目白押し。
それぞれチューブスライダーのある高低ふたつの塔と、さらに幼児用の回廊が続き、スライダーで渡る部分まで連結された、大型コンビネーション遊具。
恐竜広場では新顔となる、ぐるりと一周する空中回廊にあらゆるアクセスが詰め込まれたほうの、もうひとつの大型コンビネーション遊具。わずかにロープで、クライミングウォールに連結されています。
さらに寄り添うように低い小さなほうの複合遊具も置かれたものになっています。サイズ感から幼児向けのものと思われ、やや擬人化されたキャラクターが迎えてくれます。
先にあったほうの複合遊具は、塔を上ること、樹脂製のチューブスライダーで脱出することが目標。より高い三段目まで行くほうはスパイラルで三回転して地上に戻ります。
もうひとつは低いほうの塔の二段目から少しうねって滑走するもの。ふたつの搭は二段目、一段目で連絡されています。この搭はどちらもそれなりの難易度。
張り出している雲梯はパスしてもいいとして、上に行くためにはラダーで上るのみ。豪快な滑りを体験するには、それなりの過程が要求されます。
それでも一段目には階段もあります。階段で上ってみてチューブで隣の塔にいってみるだけでもいいです。
その気ならば地上から一段目も試練を課しても構わないのです。
その点、隣の遊具はパネル遊具なども組み込まれて、少し低い年齢層にも配慮されています。もっとも塔のほうとの連絡はハードそうな雲梯経由。もちろんここは簡単にパスできます。
この幼児スペースと思しきセクションもそれぞれの連絡については遠慮なし。スライダーの渡りはとても魅惑的。手助けをしなくても把手に届くことが利用の条件でしょう。
スライダーの起点か終点か、いずれにせよ末端には小さなチューブスライダーがついています。スライダーも一人では無理でも、挑戦したい子どもがいたら、支えてあげて体験は可能な高さといえます。
恐竜広場にはまた違った大型コンビネーション遊具が加わっています。一周できる空中回廊にはいろいろな遊びが組み込まれています。それと小さめのすべり台+地上レベルの易しいアスレチックハウス。
多彩にはめ込まれた周囲の遊びをぐるりとみてみると、チューブスライダーは短めでストレートなタイプ。傍らには湾曲ラダーや変形はんとう棒が並びます。
ステップで一旦少し上る部分もあります。このルートには中間の台があり、さきは足場とロープ。他のところに、おなじ形で一気に上に上るところもあるので、こちらは体験版。
すべり台はどれもミニタイプながら、種類はあります。ステンレス座面のワイドスライダー。色分けでレーンが描かれています。二人で滑ってみてもいいよ! ということか。
一回転だけの樹脂製スパイラルスライダーもあります。足場とロープを手掛かりに上っていく湾曲スロープの隣です。この複合遊具には、当然よくあるすべり台でみるような鉄の階段も備わっています。
円周の空中回廊の中心部は穴が開いているのではなく、椅子に使えそうな台が設置されています。
上のほうは、真ん中で一息つく、ただ周囲を眺めるといった過ごし方だけでなく、パネル遊具が随所に組み込まれています。ふたつの塔の大型遊具よりも、幼児を意識していることが伺えます。
脇にあるクライミングウォールとはロープで連結されて、こちらは難易度アップ。繋がってはいない少し小さなほうは、もっと明確に幼児対象のようす。
森の小屋的ななにかをイメージしていると思われ、ビジュアルに溢れています。基本は小さなすべり台。それがそっけなく置いてあるのはなく、イメージ豊かに装飾されています。
パネル遊具や短いチューブをくぐってみたりの遊びが組み込まれています。ささやかながらちゃんとコンビネーション遊具しています。
低い位置で取り組みやすい冒険も脇に用意されています。イモムシらしきオブジェは戯れるだけでもいいものの、平均台のように使うならば、もっとそれらしい形のほうよりも難しいかも。
そして恐竜広場では富士山遊具もなかなかの存在感。恐竜のすべり台ほどの複雑な造作のものはもちろんながら、そうではなくとも、もうコンクリートで大型の遊具を作るような時代でもありません。
特にそんな時代を生き残ってきたコンクリートの山の遊具。東海地方といっても富士山のある静岡県というよりも、名古屋の付近で特にみられることになった結果、ご当地遊具とでもいえる存在。
なにしろ考案者は名古屋の市職員だといいます。最適な素材ではなくとも、滑ってみたりもできる山は、大高緑地恐竜広場ではことさらに上りの機能も加えられています。
また外観もそれふうの装飾付き。さらにツートンカラーになって、まん丸ではなく一方には長さがある点は、名古屋なら色々見つけられる富士山遊具の中でも特別な感じがします。
階段でやんごとなく頂上に向かうほかにも、手掛かり、足場になる石のステップがゴロゴロはめ込まれています。時にはロープを使ってコンクリートの斜面をよじ登ったり。
なめらかな滑走面は大きくとられています。緩衝帯の砂場に向かって一気に滑る冒険はそそられるものがありそう。おおよそ円の半周分、円滑な部分があります。端のほうならここを上るチャレンジに使っても問題はなさそう。
とても大きなもの以外でもいろいろな遊具が!
こうした大型の目立つ遊具の他にも、そこそこな大きさのものから、ちょっとしたものまで、たくさんの遊びがあるのが恐竜広場。ずっと残っているのかな? と歴史を感じさせるものも!
恐竜との関係でいえば、やはりコンクリート製らしき動物のオブジェはさりげなく、たくさん並んでいます。こうしたものはいまどきならば、たいていはスプリング遊具になっているでしょう。
そうした流れにそって入れ替わっているのか、加わったのかは別として、そうした類のものも並んでいたりします。総じて残せるものはそのままな感じ。
ただ入れ替えてしまうという感じではないです。シーソーや変形の長いラダー遊具は2018(平成30)年に取材した時のままのようです。古典的なものも残っているのです。
休憩スペースの裏手の鉄棒もそのままです。ただこの隣の辺りは変わっていました。かつては健康遊具? のようなものが並んでいたのが見当たりません。
変わって置かれたのがなんとジャングルジム。「子どもと楽しむ公園」シリーズでは、標準セットのひとつに捉える鉄棒のささやかな進化形。でも、たいていは複合遊具に一足飛びに進むことが多いです。
こうしたラダー系の発展形ではもっと進化したものも、新しく加わっています。難易度高めで、そこそこ大きなラダーの組み合わせはクライミングボード含めて組まれています。
軽く砦要素もあって、メルヘン広場に近いイメージ。でもこちらのほうがアスレチックな感じです。
これまた御三家遊具と標準セットのひとつ、極めて基本的な様式のブランコの隣にできていました。このブランコは四連のまま。しっかり数を確保しています。
こうみるとやはり大きな変化は新しいほうの大型コンビネーション遊具。置き換えられて加わっている様子は、特に関連性はなく、まったく違う形といえます。
かつては列車を模したものと駅? へ向かうネットブリッジの組み合わせだったところが、大型コンビネーション遊具となっています。かつてのものもほのぼのムードは買えますが、やはり今のほうがゴージャス。
いろいろな歴史を乗り越えてきた大高緑地らしく、積み重ねられたものが重みをもつバラエティ豊かな遊び場が、恐竜広場ということになりそうです。
大高緑地恐竜広場を訪れるには(アクセスについて)
住所:愛知県名古屋市緑区大高町砦前62(砦前売店)
大高緑地住所:愛知県名古屋市緑区大高町高山1-1(管理事務所)
連絡先:052-622-2281
大高緑地の住所とされているのは、交通広場のところにある公園管理事務所の住所。恐竜広場を目指す時、ナビに入力するならば砦前売店の住所のほうがいいです。
第6駐車場のところにあるのが砦前売店です。ただ第6駐車場はたくさんある大高緑地の駐車場のうちのひとつ。大きなほうでもありません。こちら側から向かえるのはほかに第7駐車だけ。ずっと離れた丘の上です。
【自動車を利用する場合】
駐車場:無料(恐竜広場へは第6駐車場が便利、第6は8時30分から19時まで)
大高緑地のすべての駐車場:無料(普通車1,663台 身障者用33台 大型車12台)
最寄インターチェンジ:名古屋高速3号線大高出入口
恐竜広場へ名古屋市中心部のほうから向かうならば、大高ICが便利。そのまま大高インター北交差点を経由してアクセスすればよいです。違う方面からの場合は、それぞれひとつ前で下りたほうがいいかもしれません。
公式の案内が笠寺ICからの利用をすすめているのは、そのまま1号線と連絡するのが分かり易いからだと思われます。その場合は恐竜広場とは反対側の左京山のほうからのアクセスです。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄駅:JR東海道本線大高駅、南大高駅
恐竜広場付近から、大高緑地にアクセスするには大高駅、もしくは南大高駅を利用するのが便利です。恐竜広場付近の公園入口までは、1 kmほどです。
最寄バス停留所:大高緑地西
名古屋市営バス
高速1号系統(地下鉄栄~森の里団地)
鳴子13号系統(地下鉄鳴子北~南大高駅)
名鉄バス(地下鉄鳴海駅前~イオンモール大高)
恐竜広場に向かう場合は広場横にバス停留所があります。
関連リンク:バス利用の公式案内
まとめ:恐竜広場だけでも納得の遊び場
大高緑地で遊ぶにあたって、往来のしやすい恐竜広場だけであっても、そうそうありえない充実の遊具があります。遊びに出かけて、ここだけでゆったり過ごしてちょうどいいです。
広大な園内での配置を考えると、他の部分も堪能しようとすれば、まるでふたつの大きな公園を掛け持ちして回るようなものです。もちろんそれもよし。
それでも大高緑地のアナザサイドとでもいえる恐竜広場、それだけでも満足できる納得の遊び場になっています。
公式サイト:公園にあそびにいこう! 大高緑地