便利な中心市街地にあって、かつ大型のコンビネーション遊具が楽しめます。どのくらい大型かといえば、市の案内によれば市内随一のものだといいます。子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。
大垣市が管理する大垣公園が、岐阜県でもっとも古い公園なのではないか? とされているのは大垣城にちなんでいます。先の戦災で焼け落ちた後の再建とはいえ、大垣城があるのが大垣公園。
大垣城の天守は焼失するまでは江戸時代の姿を保っており、国宝にもなっていました。80余りある「最初の公園」として、明治政府の布達に応えるだけの由緒があったのが、大垣公園になります。
再建されて展示館と展望室がある、いまの大垣城が目玉になるものの、子どもと楽しむ視線からは、大型遊具も欠かせない規模を誇ります。取り立てて遊具がふんだんにあるという訳ではないとはいえ、市街地のど真ん中にある立地は便利です。
ここもほとんど、駅前公園といっていいでしょう。大垣の街と一緒に楽しむとよさげな大垣公園を、いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べる大垣公園をしっかり解説!
大垣市の公式サイトでも、岐阜県でもっとも古い都市公園だと案内されています。都市公園ができたのは、1956(昭和31)年に都市公園法が施行されて以来のこと。その意味では、このことも嘘ではないといえます。
ただし、本当に言いたいことを忖度するならば、1873(明治6)年の太政官布達16号により、群衆遊覧の地となっている場所を候補として挙げるように! という通達に応えて公園になった場所ということになるでしょう。
こうしてできた80余りの太政官布達公園のうち、大垣公園も1880(明治13)年に開設された、うちひとつになります。岐阜県では高山公園(高山市)、養老公園(養老町)と並んでのことでした。
高山公園と大垣公園は、版籍奉還により官営地となっていた城址で、養老公園は養老の滝を含む名勝地です。こうした場所が、江戸時代の公共の場といえる寺社境内を含めて候補とされて、日本での公園が指定される始まりとなる出来事になったのです。
1873(明治6)年にさっそく指定された、最初の25には含まれないものの(ちなみに高山公園は最初の25のひとつ)、もっとも古い公園だという話は、こうした事実に依っています。
ほんらいの大垣城を失った代わりに、その後の土地区画整理事業により、かつての本丸由来の0.57 haの敷地は、3.1 haとなり、大垣市のシンボルとしての大垣城に加えて、中心市街地においての憩いの場となっています。
その憩いの場でひと際目立つ存在感があるのが、大型コンビネーション遊具になります。他にある遊具は、ブランコや小さなすべり台とスプリング遊具、さらに水遊び場となる噴水や芝生広場もあるものの、やはり注目の遊びはコンビネーション遊具となりそう。
ぐるりと空中回廊を一周できる大型コンビネーション遊具
なかなかの仕掛けを楽しめる大型遊具は、大型でぐるりと一周できる空中回廊に、いろいろな遊びが組み込まれたコンビネーション遊具になっています。
やはり主役は幅広のジャンボすべり台! ということになるでしょうか。背景として立つOOGAKI PARKと記されたボードも、中心地点を主張するかの如くです。
こうした遊具からの爽快な脱出路としては、すべり台がよく使われます。ここでもジャンボタイプの他に同じような様式ながら、やや幅が狭い代わりに滑走面のうねりが激しいタイプもあります。
さらにチューブタイプのものもあって、大型コンビネーション遊具からのすべり台は合せて3つです。要するに3つということであっても、特にチューブタイプは形が違うというだけの特長に留まりません。
ぐるりと一周する空中回廊は、ただ板敷きで円を描いているだけのものではないです。時にはネットの渡りになり、または一本橋になり、さらにところどころで段差が設けられて、途中には高低差があるのです。
それが上り、下りを単純に繰り返すに限らないところが、いっそうの冒険を提供することになっています。ルートそのものが多段的に、複層構造になっている部分もあります。
チューブスライダーへのひとつのルートは象徴的です。空中回廊の一段下に、四角くトンネル状に囲われた通路が通り抜けています。
このトンネル状の通路のもう一端は、ジャンボ滑り台を挟んだ、大きなスロープの途中にあります。上の空中回廊からのアクセスはできません。チューブをくぐると、トンネル通路に抜けています。順当に考えればここが入口です。
もっとも、そうとも限らないのがこの遊具の面白いところ。すべり台の出発点、トンネル通路を抜けたところへは、もう一方からもアクセスできます。
そこには地面からの大きな階段のルートもあれば、空中回廊を経てくる方法もあります。内側の地上から、クライミングウォールでショートカットしてくるのもありです。そこから、段々と下がるとチューブスライダーのところです。
こうしたすべり台が並ぶ周回の反対側に一本橋で渡ると、はんとう棒でも連絡できる低めの部分から、両方に回廊は上っていく形になっています。回廊の下には雲梯や、ロープ渡りが仕組まれています。
すべり台側の反対側には、上り部分に加えて張り出した遊びも並べられています。回廊の下のロープ渡りと同様のものが、外側にも張り出し飛び石ステップに続いています。
ステップはさらにネットトンネルに続き、途中から丸太橋を渡れば回廊の下です。
丸太橋から空中回廊に行くためには、はんとう棒を利用します。さもなくば雲梯を渡って、ロープ渡りのところに戻ります。してみるとロープ渡り、飛び石、丸太渡りは周回していることになります。
すべり台セクションのほうとのロープ渡りの先は、ラダーで空中回廊に向かえるようになっています。
丸太橋にいかずに、飛び石ステップを進んだネットトンネルはL字型です。隣には大きなスロープになっているネットも架けられています。
大きなスロープネットは、チューブスライダーに向かうトンネル通路への開口部のスロープと一体となる構造です。これで外側を1周みたことになります。こんな感じで複雑にいろいろ入り組んでいるのです。
その他の遊具も少しだけながら設置
遊びがふんだんに組み込まれた、大型コンビネーション遊具があれば、なんら不満はなさそうな大垣公園。もちろん世の中には、そういったものが立ち並ぶような公園もあります。交通は至便、街中で立ち寄れるところも多く、なにしろ大垣城址にはいろいろあります。
そんな楽しみが多くあっても、他の遊具でも遊びたいとなった場合には、残念ながら充実しているとはいえないのも事実。それでもいくつかは、他の遊具もあります。ブランコは一般的な座面のものの両脇に、もう少し腰がすっぽり嵌る安心感のあるタイプ。
定番的ないくつかのスプリング遊具も並びます。真ん中の自動車型のものを、動物モチーフのものが挟んでいます。アヒルのほうは立体的かつ、すこしだけリアリティのある造形です。
すべり台はジャンボタイプを始め大きなものがいろいろ、コンビネーション遊具のほうに組み込まれています。だから、単独のものはむしろ、極めて幼児用の小さなものがある現状のほうが、望ましいともいえます。
そもそものメインなのは大垣城
大垣城は関ヶ原の戦いにおいて、西軍の拠点となったことでも知られています。関ケ原は大垣の西にある訳で東軍を迎えるに当たって、西軍は西に引いたことになります。結果として大垣城は、敵中に取り残されることになり、東軍の手に落ちることになりました。
天下分け目の決戦の攻防の舞台であった要地も、江戸時代の初期からは戸田氏が大垣藩を治めて城下町を発展させて、いまに繋がります。明治に残っていた城も、戸田氏鉄による改修後のものとされています。
大垣の街とも、大垣公園とも切っても切れない関係なのが大垣城。そもそもは大垣公園は大垣城があっての公園です。
大垣城
開館時間:9~17時
休館日:火曜日(祝日ならば翌日)、祝日の翌日、年末年始(12月29日~1月3日)
入館料:200円(郷土館と共通券利用、18歳未満は無料)
18歳未満というのは、18歳になってから最初の3月31日までは適用となっています。例えば高校生は、遠慮なく無料で利用できるということです。(身体障害者手帳、療育手帳及び精神障害者保健福祉手帳の所持者並びに当該所持者の介護者は、手帳提示で無料。)
祝日の翌日という条件の休館日の設定には注意が必要です。その日がそもそもの休館日である火曜日や、日曜日に当たってしまう場合は、さらに1日あとの日がお休みになります。稀な例になるでしょうけれども、だからこそ見落としやすいです。
市役所近くの大垣公園、直接管理ならではのよさも!
公園の管理も指定管理者に任せてしまう風潮があるなか、大垣公園は大垣城と共にいまのところ、市の管理になっています(大垣城ホールは指定管理者が運営)。管理形態の是非はともあれ、プレーパークは便利に利用できていい感じです。
自由に無料で使えるあそびどうぐが、プレハブのプレーパークハウスの前に並べてあります。利用にあたって特に申し込みなども必要ないです。
- プレーパークの無料貸出あそびどうぐ
- ボール
- 砂遊び道具
- バランスバイク
- なわとび
看板には具体的に書かれていないものとしては、例えば輪投げやジャンボ積み木? といったもの。
直接管理だからこそか、おおらかに使えるあそびどうぐのお陰もあって、さりげなく用意された砂場も存分に活用できるというもの? 砂場の砂も山盛りだったりします。
バリアフリーで親子一緒に利用でき、おむつ替えシートなども完備のトイレは、当然のごとく設置されています。トイレ棟はなまこ壁デザイン? の和風の建物です。
2009(平成21)年の改修で広く平坦になった芝生広場は、大垣市街地の憩いの場で公園の南側に位置しています。200本のサクラによる、花見の場としても利用される大垣公園です。
イルカの噴水池は水遊び場
立派な噴水は、公園の修景施設としてはありがちなものです。中心部にイルカの像が鎮座する大垣公園のイルカの噴水池も立派なもので、噴水としても豪快にみせてくれます。
噴水のイルカには少年のような人物が乗っています。大垣公園の噴水は修景施設なだけでなく、水遊び場としても利用されていて、こうした利用は公式に想定されているものです。季節には大型コンビネーション遊具同様に、大垣公園で子どもの支持を受ける施設です。
大垣公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:岐阜県大垣市郭町2丁目53番地
連絡先:大垣市市役所(代表番号0584-81-4111)公園みどり課
大垣市役所もすぐそばの、大垣の中心市街地にあります。それもあって公共交通機関での利用も便利な公園です。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄駅:JR東海道本線、養老鉄道大垣駅南口600 m
最寄バス停留所:大垣城ホール、大垣市役所(名阪近鉄バス)
駅の真ん前ではないものの、駅前エリアの一角といえます。小さな子どもと一緒でも、歩いて向かうことに差し障りはなさそうな距離。であってもバスを利用したいならば、大垣駅南口から大垣市役所線や女子短大線で、大垣市役所を目指すのが分かりやすいでしょう。
大垣市役所線ならば、隣接の大垣城ホール停留所がズバリ目の前といえます。もっとも大垣公園は、大垣市役所もすぐ近く、隣の街区といった感じです。大垣駅からは6分ほどになっています。
【自動車を利用する場合】
駐車場:なし
公園専用の駐車場はないものの、大垣市営の丸の内駐車場が、公園南側の一般道、西のはす向かいにあります。その意味では、有料ながら実質的な利用に際する駐車場が用意されていると思ってよい状況です。
丸の内駐車場
住所:岐阜県大垣市丸の内2丁目23番地
駐車料金:100円(30分毎)
営業時間:7~22時
最寄インターチェンジ:東海環状自動車道大垣西約4 km
東海環状自動車道と名神高速道路の、養老JCTが近くにあります。大垣西でなく名神高速道路の大垣ICを利用しても、さほど変わりません。
まとめ:多くを望めなくとも、充実ぶりも間違いない遊具あり
大型コンビネーション遊具のほかには、近所の公園とさほど変わりないものだけに限られます。そうであっても、近所に模造であっても大きなお城はないでしょうし、ただの街中の公園であれば、大抵はここまで大きな遊具は望むべくもありません。
かねてからの街の中心となる施設から、時代の流れとともに変わってきたのが大垣公園。そうした由緒、歴史から中心市街地に充実の憩いの場が残ったことになります。
その一画には大きなコンビネーション遊具が置かれました。ならばこの充実ぶりは稀有なもの! といえる存在感を放っていることも間違いありません。大垣の街を子どもと楽しむならば、立ち寄るのが必須といっていいだけのものがあります。
公式サイト:大垣市 大垣公園