公園で欠くべかざる存在感がある遊具といえば、ひとつにはすべり台。それだけに割とどこでも見つかるタイプのものに対して、発展形とでもいえるような、すごいすべり台もあります。
東京都大田区の平和島や昭和島の対岸部に位置する、大森ふるさとの浜辺公園にあるような、ローラーすべり台というのは、すごいすべり台を代表する存在。
どこにでもある訳ではないだけに、あるだけでいやおうなく注目は高まるというもの。子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思えた場所をご紹介しています。
東京都心を見渡しても、ローラーすべり台で遊べる公園というのは、かなり限られています。例えば東京都心とはどこか? という問いに対する答えを千代田、中央、港区だとします。
ゆったりとした傾斜でも滑走可能というのが、ローラーすべり台の特徴。それを生かせる遊覧型のとても長いものとはほど遠い、さくら坂公園、港南緑水公園、あかつき公園以外を見つけるためには、東京23区全域に視野を広げなければなりません。
そうしてやっといくつか見つかるなかで、そこそこの大きさのものになるひとつが、大森ふるさとの浜辺公園にあるローラーすべり台になっています。ゆったりと長い傾斜で滑るならば、設置場所は相当な面積が必要。
ならばこうした状況も至極当然のことです。特別な工夫を凝らした遊具メーカーならば、狭目の面積に大きなカーブを組み込んでも、スムースに滑走させることはできます。
ただし、一般的にはローラーすべり台は急旋回は苦手なのです。大森ふるさとの浜辺公園の特徴は、なかなかのローラーすべり台がある! ということでもあり、その背景としてゆったりとした園地に恵まれているということが挙げられます。
なにしろ遊泳禁止ではあっても、東京23区で白砂のビーチがある場所になっています。また広い緑地があると思わせる理由として、平和の森公園と隣接し事実上ひとつのように繋がっていることがあります。
それに留まらず、平和島公園やその他いくつか小さな公園までもが、ひとまとまりといえなくもないです。さらに言えば、東京ガスの大森グランドも南に隣り合わせで、野球場、ラグビー場ともに天然芝が維持されています。
FC東京のスクールなども開催されている、大森グランド側とは直接連絡はないものの、大森ふるさとの浜辺公園側の白砂の浜辺に挟まれたところにも、フットサルコートやビーチバレーコート、バスケットゴールなどの運動施設があります。
遊具のあるふるさとの広場と白砂の浜辺側(浜辺エリア)は、はまべばしで連絡されていて、むしろ水路で隔たったスポーツ施設(大森東水辺スポーツ広場)と、白砂の浜辺の浜辺エリアのほうが平和の森公園などよりも別物のよう。
広さという点では、浜辺側の存在感が大きなものです。砂浜を見渡すようにレストハウスが設けられて、更衣室、シャワー設備などとともに、売店や靴を脱いで過ごせるキッズコーナーもあります。
かといえば、ふるさとの広場のほうにも、大森海苔のふるさと館という展示施設があり、最上階は展望室になっていたり、設備はなかなかの充実ぶり。いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べる大森ふるさとの森公園をしっかり解説!
大森ふるさとの森公園で遊具で遊ぶ場合には、平和の森公園に隣接する部分になるふるさと広場だけになります。ただ隣の公園ということにはなっても、境界からすぐのところに遊べるものもあるのは、知っておきたいことです。
ふるさとの広場には遊具と大森海苔のふるさと館
ローラーすべり台には広い敷地があったほうがいいといっても、土地があれば済む話ではなく、大きなものであれば設置に費用もかかり、メンテナンス作業も見込んでおかなければなりません。
ローラーすべり台は、そもそもが珍しい種類のものです。都市部のそれも都心近くになるほどありえないのは、規模を伴う大きなローラーすべり台なのだといったほうが、正しい認識なのかもしれません。
またローラーすべり台については、大きければ大きいほど、もう一度スタート地点に戻るのが、大変になるという宿命もあります。逆にそこそこの規模であれば、なんどでも繰り返しトライできるというメリットもあります。
そんなほどよい加減という意味では、大森ふるさとの森公園のものは、まさにいい感じで該当しているくらいといえるでしょう。目立つ遊具はこのローラーすべり台のみになるふるさとの広場。
ただし丘の上の遊具は、スタート台までにいくつかのルート、遊びの部分が組み込まれていて、コンビネーション遊具でもあることを思えば、面白さは滑りに留まっていません。
規模は大袈裟なものではなく、高さも最初の低いデッキから、スタート台の手前でもう一段上るだけ。とはいえコンビネーションは多彩で、すべり台も3つが組み込まれています。
グラグラする橋で連絡されていたり、ネットの上り、渡りと趣向はさまざま。はんとう棒も配置されていれば、音遊びのパネル遊具まで揃っています。
スタート台に向かう上りはラダーになり、旋回するすべり台は上段から。2段目には階段も直結しています。そうして足場付きの斜面を経て、いよいよローラーすべり台に挑む寸法になります。
傍らにはほかにも、ブランコやスプリング遊具が並んでいます。目立つのはローラーすべり台であっても、ふるさとの広場では、丘の上でいろいろ遊んだ後、締めで上から滑り降りるのが、たっぷり楽しむ秘訣なのかもしれません。
ブランコは、よくある座板が2連のものが1基。乗り物と動物のスプリング遊具が、5つ並んでいます。こうした遊具の丘を見渡せるのが、大森海苔のふるさと館の展望室です。
江戸時代の中頃から、1963(昭和38)年まで、東京の沿岸部では海苔養殖が行われていました。
海苔の本場たる大森周辺地域は先駆者であり、ここでふるさとといっているのは、どちらかといえば一般的な意味でなく、海苔のふるさとだ! ということのほうです。
この展示館に置かれた881点の海苔生産用具は、関東の有形民俗文化財となっています。しかも豊富な展示が楽しめるにも関わらず、入館料など一切いらない無料の施設です。
関連リンク:大森海苔のふるさと館
浜辺エリアには遊具はなし
はまべばしを渡った浜辺エリアには白砂の浜辺があります。ふるさとの広場には砂場はないものの、砂場のようなものだとすれば、補って余りあるとてつもないものだといえます。というよりも、なにしろ遊泳は禁止のため、砂遊びの場というのが正確なところです。
夏には大活躍するレストハウスがあって、これにより充実した売店がある公園でもあります。レストハウス内にはキッズコーナーがあって、靴を脱いで寛げる場所にもなります。
レストハウス施設詳細:
室内48席 屋外20席
コインロッカー(男女各44人分)、シャワー室(男女各4台(5分100円))
レストハウス開場時間:9時~17時
大森東水辺スポーツ広場を利用するには
レストハウスの裏手のところに、スタンド付きメインコート1面を含むビーチバレー4面とフットサル場1面があり、使用料が必要な施設とフリーで使えるバスケットゴールがあります。
大森東水辺スポーツ広場となる場所で、予約や利用の手続きなどをレストハウスの大森ふるさとの森公園事務所で行っているとはいえ、厳密には公園とは別の緑地の扱いのよう。
もっとも同じような立ち位置になる大森海苔のふるさと館ともども、利用者目線からすればまるで一体のものにしか思えません。利用についても太田区の大森ふるさとの森公園のHPで確認できます。
平和の森公園は一緒に利用可能
大森海苔のふるさと館や大森東水辺スポーツ広場などは、なにはどうあれ大森ふるさとの森公園と一体にみえる一方、公園の周囲の環境はまだ、深掘りしてみたくなる状況になっています。
まず隣接する平和の森公園は、どこが境界になっているのか分からないくらい、事実上は一体化しています。むしろ平和の森公園のほうが、環七の高架で明確に分断されていて、行き来は橋の下で支障はなくとも、高架を境によっぽど分かれているようにみえます。
大森ふるさとの森公園駐車場のひとつのほうの出入口は、環七の高架下すぐのところから続いていて、隣接している多くの場所は平和の森公園です。
子どもと遊ぶ側面からは多大な関心を払うことなる、平和の森公園の有名なフィールドアスレチックは、駐車場の真横に位置します。
有料であっても格安で、少しくらいお金を払う価値のありそうな本格派のアスレチックフィールド。利用にふさわしいのはズバリ暖かい季節。
というのも、平和の森公園のフィールドアスレチックの目玉は水場を含む冒険なので、濡れても構わない季節のほうが、利用には適しているからです。
そして大森ふるさとの森公園と一緒に利用するならば、むしろ注目したいのは無料で使える幼児アスレチックです。
4基の大型アスレチック風遊具が自由に使えるので、大森ふるさとの森公園を訪れた時には、立ち寄ってみるのがいいです。大森海苔のふるさと館の隣になるテニスコートを挟んだ場所ですから、ほとんど距離もありません。
さらにフィールドアスレチック入場口の西側にある、壁打ちテニス練習場の向こう側、道路を隔てて続くのは戸堀公園。小さなコンビネーション遊具、ブランコ、アスレチック複合遊具などがある公園です。
大森ふるさとの森公園と平和の森公園、戸堀公園は都営、区営、公社の住宅と下水道施設をぐるりと取り囲んでいて、その囲われた中にも遊具のある大森東一丁目第一公園、大森東一丁目第二公園があります。
そのどれもが大田区立の公園で、公道や水路で隔たっていないのはふるさとの広場と平和の森公園だけながら、ほとんど一体の公園地域としてみなしてもおかしくありません。
平和の森公園の道路の向かい側には、平和島公園もあります。平和島競艇のビッグファンまで含めれば、いろいろな楽しみを包括した、スケールの大きな遊び場があるといって過言ではないスポットになります。
大森ふるさとの森公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:平和の森公園2番2号、ふるさとの浜辺公園1番1号 ほか
連絡先:03-3768-6204(レストハウス内ふるさとの浜辺公園事務所)
浜辺エリア利用時間:5時30分~21時(12月29日~31日は閉園)
公式サイトからの引用
公共交通機関を利用される場合
1 京浜急行線平和島駅から徒歩15分
第一京浜を渡って環七通りを平和島方面に向かって歩き、大森消防署前の交差点を右折します。
2 京浜急行線大森町駅から徒歩15分
改札を出て左側の大森町駅入口交差点を渡り、道なりに沿って進みます。東京ガス大森グラウンド手前を左に曲がり、次のT字路を右に曲がって直進すると右手に入口があります。
3 JR大森駅から平和島循環バスで平和島五丁目バス停下車徒歩3分
4 JR大森駅か蒲田駅から大森東五丁目行きバス終点下車徒歩4分
(注釈1)バスを利用のお客様へ本数が少ないです。利用の際はご注意ください。
お車を利用される場合
第一京浜「平和島口」交差点を曲がって二つ目の信号を右折し環七通り高架下の信号を右折します。
(注)カーナビを利用のお客様へ駐車場の住所である「大田区平和の森公園2番2号」と住所入力してください。
【自動車を利用する場合】
駐車場:有料(143台)
利用料金:30分毎100円
最寄インターチェンジ:首都高速1号平和島
公園からすぐの平和島内に、インターチェンジがあります。首都高速自体が両サイドの連絡を遮断しているため、駐車場までは複雑に思えるかもしれません。
とにかく島をでないようにすれば、たどり着けるはずです。環七の高架下付近だけでなく、平和島の南側からも駐車場に入っていけます。その場合は、大森海苔のふるさと館のすぐ横から、入園することになります。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄駅:京浜急行本線平和島駅約1 km
最寄バス停留所:平和島五、昭和島入口(森28、森33)もしくは大森東五丁目(森27)
平和島駅から約1 kmほどでたどり着けるのは間違いないです。ただしそれは住宅街を抜けて大森海苔のふるさと館の辺り、もしくは白砂の浜辺付近まで行く場合で、それぞれルートは全く違います(戸堀公園を目指すのも手)。
環七を東に向かい、高架が跨ぐ平和の森公園内を抜けて、大森海苔のふるさと館を目指していくのが、もっとも分かりやすいものの、少し遠回りになります。この場合でも、高架の手前で壁打ちテニス練習場のところから入れれば、少しは近くなります。
大森駅からのバス便があります。平和島を通る路線が便数は多めです。森27は平和島駅のバス停留所を利用できます。ただし、本数は少なく、向かうのも東京ガスグランドの南側です。
まとめ:実は広大で多彩な楽しみの公園エリアのハブ
目立つ特徴がローラーすべり台で、確かにそれだけならばさほど注目に値しないのでは? と思われてもしかたないのが大森ふるさとの森公園。
実際にはふるさとの広場には、大森海苔のふるさと館があります。橋を渡れば白浜の浜辺があり、そこにはレストハウスが! 平和の森公園の幼児アスレチックはむしろ、こっちの領分。
大きな目でみれば、いくつもの公園の集合体があり、そのハブになる公園。平和島競艇のところには、ビッグファンという商業施設があり、そこには平和島温泉も入っています。
公式サイト:太田区 大森ふるさとの浜辺公園・大森東水辺スポーツ広場