特別な工夫が凝らされたド級のすごいすべり台があります。展望台として機能していたかつてのスタート台が、滑りとは別の遊びが加えられてリニューアルされたもの。
そんなローラーすべり台だけでなく、ターザンロープや化石遊具といった大型遊具もある愛知県犬山市の犬山ひばりヶ丘公園。子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。
愛知県の犬山浄水場を見下ろす丘のうえにあって、自然環境を守っていくのが約束されたかのよう。犬山浄水場も隣接する小野洞砂防公園含めて、それら自体が丘陵の上にあります。
気持ちよく散策できるひばりヶ丘公園は、小野洞砂防公園まで含めるとかなりな規模。砂防の方法をいろいろ知ることができるという砂防公園。かなり珍しい趣向といえ、散策の興味なら尽きることがないレベル。
子どもと一緒であっても、随分な訪れ甲斐のある地というのが実際のところ。とはいえ、遊具は探検のついでではなく、そのものを目的にするのに充分なものが揃っています。
ただやはり特筆すべきなのはローラーすべり台。急旋回が特徴で丘を駆け降りる長さもただならぬ規模。滑っておかずにはいられない代えがたい魅力があるものです。
めったにない価値あるすごいすべり台と、あなどれない他の大型遊具。いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べるひばりヶ丘公園をしっかり解説!
ジャイアントスライダーが確かに主役な規模。それに斜面を下る遊具の道のようにいろいろなものが加わっています。ひとつにまとまった遊具エリアでは、どれもが主役級のよう。犬山ひばりヶ丘公園は、こうした遊具のための公園にみえます。
急旋回可能なローラーすべり台は特別仕様
急旋回しているのがなによりも特徴になる大きなローラーすべり台は、ジャイアントスライダーと呼ばれているもよう。このくらいの長さであれば相当大きなほうといっていいです。
公式に公表されていないため、長さははっきり分からないものの360度一回転しています。途中もゆるやかなカーブと急カーブが織り交ぜられて、最後もほぼ180度向きをかえて着地。
こうしたことで計測できる長さも稼いでいるハズで、100 m越えでもおかしくないです。体感的にもそのレベルで、そうなると各都道府県で、たいていはいくつもはないものです。
丘の上のスタート台になっている遊具からの発進で、高低差も随分あります。そもそもローラーすべり台というものは、傾斜がゆるやかでも楽しめるのが最大の長所。
構造的にも滑るというよりも、ローラーの回転で運んでもらう状態。そして、たまにさほどスムースに動かないローラーすべり台があるのも事実。それでもゆったり気分で遊覧できればいいといえます。
それがローラーすべり台の真実といったところ。ところが、犬山ひばりヶ丘公園のジャイアントスライダーは、それでは済まない楽しみが得られるものなのです。
これほど急旋回ではない、ゆるやかにならぐるりと一回転しているローラーすべり台がもっとみつかります。それでも、とてもスムースに滑走できるかどうかはまた別です。
まず、これほどの急旋回で設計されているものは、特別な工夫が施されたジャクエツ製のものだと思って間違いないです。こども園関係で絶大な存在感を誇る事業者のジャクエツ。
急旋回していない部分でも子どもの感性に響く滑りを、自社運営のこども園で確認したり、時にはローラーすべり台らしくないほど爽快に楽しめる箇所も入れ込んでいます。
ジャイアントスライダーの最後の大きく半回転する部分は、途中が爽快感あふれていても安全に着地する設計が反映されているからこそともいえるでしょう。
さらにローラーすべり台部分はそのまま、スタート台がリニューアルされてネット遊具としての要素も加わっています。
ジャイアントスライダーの前に、すべり台を直滑降して肩慣らしもできるようになったのは、比べるとごく小さくてご愛嬌というか。
いえいえ、小さなほうでさえステンレスでない素材。ネット部分含めてこちらだけでも随分楽しめそうです。
ブランコを挟んで他の遊具もいろいろ
スタート台のリニューアルで、滑るだけでない遊びが加わったジャイアントスライダー。もっとも犬山ひばりヶ丘公園は、それだけの公園ではありません。
パーゴラによって日よけになる休憩スペースを挟んで、四連のブランコがあります。パーゴラの隣は、飲料とアイスの自動販売機もある立派なトイレ棟です。ブランコは構成が面白いもの。
よくある座板タイプがふたつ。ほかに椅子タイプとスウィングボールが、ひとつづつぶら下がっています。枠組みも自ずとリスクある範囲への立ち入りがし難くなる雰囲気が優れもの。
幼児向けと思われる椅子タイプはちょっとユニーク。こうしたものでよくあるのは樹脂製ですっぽり嵌る形。そうしたものとはまるで違うため、いまどきのものより昔からあったのではと想像できます。
椅子に体を保持するには、バーで仕切ってあるだけ。バーに掴ることになるのでしょう。ある意味ハーネスで仕切られる、インクルーシブ対応のブランコの原型のようなのは意外な発見?
こうしたちょっとユニークな感じなのは、ブランコの枠組みとも共通する雰囲気のコンビネーション遊具も一緒。すべり台のある丘からブランコを挟んで、さらに丘を下るあたりにまだまだ遊びが用意されています。
立ち並ぶ化石遊具はコンビネーション遊具?
犬山ひばりヶ丘公園には、並んだ道筋を通るとそこそこ長い距離になる、遊具の列があります。時にはこういう形のコンビネーションを見ることはあるものの、やや古典的な手法になりつつあるか?
こういう風にただ並べるのに近い様式は、のびのび遊べる広い遊び場であるからこそともいえます。またどうやら、この形で表現したいものがあったようにも思います。
ブランコの形はこの考えの延長上だったかのよう。そのことは散在する他の遊具というか、オブジェのようなものではっきりしてきます。
骨がイメージであると思われることから、恐竜を想定しているのでしょう。だから立ち並ぶ遊具は、化石遊具とでもいうもの。
そうであるならば頭部と思しき部分のトンネルから始まり、巨大な化石を発見して横たわる姿を探検するように遊ぶというコンセプトがみてとれます。
頭部のあとは長い首がある想定なのかネットによじ登ってみれる部分が断片的に続きます。ならば予想できるのは胴体部分が続くのでは? ということ。
その手前には前翼なのかな? という趣向も! 意図的なのか繁ってきてしまったのか、植物が通行を邪魔している状態。左前翼と考えられる反対側は、こうした仕掛けにはなっていません。
ただの通り抜けられるネットリングトンネルなだけです。植物のとおせんぼは意図的でなかったならば、いつかメンテナンスで取り除かれるのかもしれません。ただ、これはこれで面白いような・・・。
なんにせよ胴体部分への侵入もネットリングトンネル。穴あきのトンネルのようになった後、この化石遊具ではもっともコンビネーション遊具らしいところに至ります。
さらに尻尾方向へ向かう前に背中に上ってみる選択が用意されて、高い位置から化石遊具を確認するもよし、周囲を見渡すのもまたよしです。
すべり台があるため、下りるのはここからがひとつ。階段との組み合わせは、まさしくよくあるすべり台そのもの。
台場のすべり台の対面には、ネットが張られてスロープになっています。上っても下りてもいいとはいえ、すべり台のための上りルートということになりそう。
続くのは雲梯で、これも骨のイメージにはまっています。さらに丸太の平均台が五本カーブを描いて、前後には平均台にのぼる飛び石のような杭が立っています。
飛び石のような杭といえば、遥かに本格的なものが二重の円を描くように、平均台の横に作られています。
取り囲んでいる部分は、もしかして砂場でもあったのかなと思わせます。頭側にも木で囲まれた、それらしき部分があります。もっともそうであったとしても、もう砂場として機能はしていません。
切り株なのかと思われるものはもうひとつ。こちらは横たわっていて、朽ち木ではなく倒木のようす。穴が開いています。潜り込むのはちょっと厳しい大きさです。
骨のようなオブジェももうひとつあって、なぜか横側にロープが張られています。長手の方向に、渡ってみて欲しいという意図でしょうか。
骨渡りの近く、ブランコと化石遊具の間、ふたつを結ぶ軸とは少しずれた感じで大きめのネット遊具もあります。テントというか竪穴式住居のようにもみえる、円錐形になっています。
赤いてっぺんの部分はどちらにせよ、そんな時代考証の時空は超えた趣向でしょうか。竪穴式住居の時代には、化石が転がっていた訳ではないでしょう。
だとすると、恐竜の亡骸が転がっていた時代の火山という設定なのかもしれません。子どもの想像力をどこまで刺激できるのかは分からず、意味をみつける必要はないものの、隠された情報量があなどれません。
ターザンロープは穏健派タイプ
化石遊具の辺りから、少しだけ斜面を下ったところに、ターザンロープが置かれています。斜面の途中を平らにならすようにしてあり、斜面の方向には下りません。
スタート台も特に設けておらず、片方の地面を少し盛り上げて対応しています。なので穏健なタイプのターザンロープ。それでもスムースな滑走には充分な高低差です。
斜面は下の調整池のところまで続いています。この調整池はいつも水を湛えている訳ではなさそう。水があれば水面に浮かぶのだろう四阿が建っています。
オブジェのある芝生の丘のほうに健康遊具も
おおまかに遊具はジャイアントスライダーから、ターザンロープまでの斜面にまとまっています。パーゴラがある辺りの高さレベルで、南は丘になって広場は続いています。
オブジェとともに芝生の丘が続き、途中には少しだけ健康遊具が! ただし子どものスケールには合っておらず、大人向けといえそう。子どもとの遊びの面なら、見逃しても後悔はないはず。
柱が並んだ末には、よりオブジェらしい囲い付きのもので丘は終わりです。丘を園路が囲んでいて、もっとも端ではタイル張りのベンチがある休憩スペースを経由します。
園路を下っていくと駐車場。駐車場内には路面に矢印が描かれています。それに従えばこちら側が出口方面になります。
駐車場入口側からは大階段を上って園内にはいる形。階段の上にはやはり柱のオブジェ。上まで行けば先の丘のところに、ジャンボスライダーが確認できるでしょう。
犬山ひばりヶ丘公園はこのくらいの規模感。つまりさほど広大とまではいかない園地は遊具の密度が高く、気持ちよく休憩などにも使えそうな芝生広場とで埋まっている感じ。
際立つ工夫でそうそうありえないすべり心地のすべり台が、すごい大きさで展開していて、それが一点豪華なのかといえばそうでなく、公園すべてで納得いく時間が過ごせるのが優れものです。
ひばりヶ丘公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:愛知県犬山市大字富岡字永洞1098-329
連絡先:0568-61-8922
駅がどうにもならないくらい遠い訳ではないです。ただ丘の上にあることもあり、自動車で向かうのが妥当に思えるロケーションです。
【自動車を利用する場合】
駐車場:無料(普通車58台、バス3台駐車可能)
駐車場利用時間:8時~17時
浄水場のところまでワインディングになっている坂を上っていくと、公園のある丘の下に駐車場があります。小野洞公園も一緒にいくならば、そちらにも駐車場があります。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄駅:名鉄広見線富岡前約1.2 km
自動車で向かうのは推奨できない細い道で丘陵を上っていけば、1 kmと少しほどで公園の丘の下あたりに到着します。また、いくつかの方向からバスで向かえます。けれども、富岡前駅よりも特に便利とはいえません。
まとめ:余裕ある遊具天国の豊かさが魅力
そうそう見つかるものではないレベルのジャイアントスライダーだけでも大変な魅力。それがリニューアルによって、スタート前にも楽しみが増えた状況です。しかもまだまだそれだけでない遊びが、余裕をもってゆったりと配置されています。
犬山ひばりヶ丘公園は、そうした遊具が中心になっています。さらに加わるのは、きれいに整備されて自由に使える芝生の広場。遊具天国とでもいいたくなる場所で、ゆったり過ごすのはとてもいい感じです。
公式サイト:特別なものはありません