あまたある都立公園の中で最大規模の公園(23区域)になるのが水元公園。わずかに追随を許すのは、東京ドームを建築面積でみたときの2個分に、少し足りない程度の葛西臨海公園。
都立葛西臨海公園は昭和にできた埋立地の、現状一番海側を占める公園。首都高速湾岸線で区切られた部分になります。しかも首都高速の陸側もまだまだかつては海だったところ。
かつての海岸線には、東京メトロ東西線が走る辺りまでいかなければなりません。そうしたことで総合レクリエーション公園や、公共、民営の運動施設など、広い施設がある界隈。
大きな倉庫街や大規模住宅を含む完全に市街地となっている場所から、高速道路で切り離して万全の用意で作られた、葛西臨海公園でも及ばない規模なのが都立水元公園です。
都下の多摩地区含めても、小金井緑地が元になる小金井公園が葛西臨海公園よりも少し狭い程度。狭山丘陵そのものである野山北・六道山公園だけがより広い都立公園ながら、ここは少し例外的。
東京の水道を確保するために作られた多摩湖、そして正確な立地は埼玉県でも、やはり東京の水道のためにある狭山湖などと一体で、保全地区なのが野山北・六道山公園なのです。
関連リンク:野山北・六道山公園
まだ奥多摩といった雰囲気ではなくとも、すでに市街地にある雰囲気ではなくなっています。この里山に分け入っていくのは、公園で遊んだり散策する以上のアクティビティに思えます。
充分広いと認識できる光が丘公園、代々木公園、上野恩賜公園、舎人公園といったところがなんとか半分よりは広いかなという程度になってしまいます。さすがな存在なのは立川飛行場跡地の昭和記念公園。
昭和記念公園は国営公園で、全く違う基準となる面積を前提に作られています。水元公園との比較では二倍には少し足りないくらいの面積です。子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。
陸軍の飛行場で、占領後は米空軍が使用していた飛行場の跡地だった昭和記念公園は、一からの整備となった国家プロジェクトのようなもの。水元公園はここにある小合溜井が活用されています。
どんどん市街地化が進んだ地域の自然環境を残している水元公園も、小合溜井のことを考えると、実はもっと時代を遡った頃の大事業が元になっています。この点で埼玉県営みさと公園も背景は一緒。
むしろ水元公園の東金町運動場は、みさと公園よりも水元公園の小合溜井が豊かに水を湛えている部分とは毛色が違います。水元公園で遊具で遊ぶならば、むしろ東金町運動場を無視できません。
本特集では水元公園の概略や、冒険広場の遊具、隠れた場所にあるちょっとした遊具などを、いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
東金町運動場の詳細は、別途特集編を用意してお届けする予定でいます。また、広大な水元公園は事実上、みさと公園と一体の公園地区になっています。四つの特集で全容をお伝えしたいと思います。
子どもが大型遊具で遊べる水元公園をしっかり解説!
水元公園での遊具の遊び場は、中央広場、せせらぎ広場などのあるAブロックの冒険広場と、東金町運動場側になるCブロックになります。Bブロックはメインゲートのような存在の噴水広場から水辺のさとなどにかけて。遊具はちょっと隠れたところにあります。
せせらぎ広場近く、ドッグラン、バーベキュー広場と隣接する冒険広場
一般的なステンレススチールでなく、グリッサンド風な板材でできたロングスライダーが、趣を変えて三基置かれた冒険広場。ターザンロープや小さめの複合遊具もあります。
大きく湾曲した小合溜井の内側部分を占める中央広場は、公園の真ん中に位置するというよりも、その大きさが中央を主張している感じ。園内ではずば抜けて広い芝生の広場です。
中央広場の西側には流れが導入されていて、水辺がダイナミックに展開する水元公園で、安心して水に入っていけるせせらぎ広場が繋がっています。ここは徒渉池で水遊び場と思っていいです。
公園の西に突き出る形で、小合溜井の出どころになる水元かわせみの里があり、その付近も含めて中央広場周囲が、水元公園のAブロックになります。東の小合溜井沿いは水生植物園とバードサンクチュアリ。
せせらぎ広場と道路になっている水元さくら堤で挟まれた中央広場の西側に、北から順に自由広場、バーベキュー広場、冒険広場、並んでドッグラン、そして第一駐車場が続きます。
このバーベキュー広場、ドッグラン、第一駐車場に囲まれた冒険広場が、遊具が並ぶ丘になっています。実のところこうした広場のうち、冒険広場だけは広場というよりもなだらかな丘。
丘を利用したふたつのロングスライダーと、自立した鉄塔からのロングスライダーが置かれています。またターザンロープは微妙な配置ながら丘の中腹を利用。ただし斜面方向への設置ではないです。
丘のてっぺんに小さめのコンビネーション遊具。さらにいくつかのスプリング遊具がちりばめられています。大型すべり台の存在が、ここはそこらにある遊び場と違う! と主張している様子です。
複合遊具の樹脂製のうねる小さなすべり台を含めて、冒険広場にあるのは四つ。ロングなほかの三つも滑走面は滑らかタイプ。斜面に二組で並ぶものも、丘の上の塔から滑るものも一緒。
塔からのものはグリッサンド本来のU字型に湾曲して、体を包み込むようにしてくれるものです。素材は同様でもちょっと滑りのテイストが、二連のものと塔のもので違うことになります。
ロングタイプとしての規模は塔のからのほうがやや長いのか。滑り始めの転落を防ぐ金網もこちらだけです。
ただし長さも大きくは違わずなので、ことさらな配慮は地面からの高さの違いによるといっていいです。二連のほうは丘にそったふうな設置状況。
塔への登りは垂直で単純なラダーだけなこともあって、滑り手は選ぶ雰囲気はあります。もちろん見守りはすべきながら、しっかりラダーを握れる子どもなら恐れる必要はないです。
丘の頂上で周囲を見渡す塔から出立するほうがやはり冒険広場の主役。ラダー下で万一に備えつつ、挑戦をサポートしてあげてください。
多数が並ぶスプリング遊具を挟んで、丘の上にはやや小型の複合遊具と少し下りたところにターザンロープ。
公園の規模を考えたうえでは、冒険広場だけでは遊具は控えめです。すべり台もローラータイプはないです。
ターザンロープも極めてよくあるタイプ。そうはいっても三つのロングスライダーのテイストの違いに加わるものなので、遊具の種類はそこそこ。でもやはり他の遊び場も合せて楽しみたいところ。
東金町運動場方面だけでなく、みさと公園にまでいくとなおさら、移動だけでなくしっかりと時間を使わざるを得なくなるのです。
水元公園に話を戻すと、A、Bブロックの境目付近、サービスセンターの前にも、少しだけスプリング遊具が並んでいます。白い膜屋根のある広場の片隅です。
東金町運動場のほうがやや遊具が充実
Bブロック側とは一般道で区切られたCブロック。周囲は東金町で、さらに今ではCブロックを東京外環自動車道が横切っていて、また一区切り。そうして区切られた東の江戸川側にはいろいろな運動施設があります。
西側の一般道と東京外環で挟まれた辺りが、水元公園で最も遊具が充実しているといっていいです。東金町運動場のこの場所では、大型のネット遊具が象徴的な存在感を示しています。
また、東側の運動施設エリアにもアスレチックテイストのものなど、本格遊具も加わっています。遊具視点ならば水元公園で見逃してはいけない、東金町運動場の詳細は特集編をご参照ください。
Bブロックにも隠れた遊具が!
中央ゲートな雰囲気があり、公園名を冠したバス停に繋がる噴水広場付近。公園を代表する建築物となる水元大橋が跨ぐ水辺を延長するがごとく、釣り堀として利用される内溜というところがあります。
内溜のたもとには香取神社があります。香取神社と並ぶようにひっそりと石庭広場があって、鉄棒とスプリング遊具が三つほど並んでいます。
石庭広場そのものがごく狭いスペース。内溜で皆が釣りをしている方向からは、鬱蒼とした木々に覆われていて、隠れた場所になっています。
水元さくら堤側からならば、香取神社は見逃すことはないでしょう。それであっても石庭広場の存在には、気づかない可能性が高いです。そこだけが飛び出ていても、水元公園、Bブロックの一部になっている内溜。
釣りをすることはなくても、内溜は存在感あります。ただ、内溜のところに隠れた石庭広場があることを認識するためには、前を通りかからないと難しい状況にあります。
水元公園の他にある施設は?
小合溜井の水を豊かに湛える部分が、S字を南北軸で逆さにしたような形になっているところに、水元公園のA、Bブロックと対岸のみさと公園があります。
みさと公園は南側の湾曲の内側です。小合溜井は小さな橋で渡れる程度の小川になって、水元公園の南側を西に向かって流れていきます。
こうした流れになって後、都県道54号松戸草加線がちょうど埼玉県に出ていく付近が境目になって、Cブロックということになります。
住所でいう東金町は、金町駅の北口含む水元公園の南の境のほとんどの部分です。Cブロックは運動施設がある東金町運動場と認識できそう。ただ都県道と外環道に挟まれた部分は遊具のある場所です。
水元公園・みさと公園は中川と江戸川の間にあるといえ、流れは中川側から江戸川のほうに向かっています。現在では小合溜井には水元小合溜水質浄化センターから給水されています。
平成の時代に開設された浄化センターは、生態系の復活も意図されて、象徴となったのがカワセミ。なので浄化センターは水元かわせみの里と呼ばれて、かわせみの池とともに水元公園の西側の入口付近を占めています。
半川橋から、水元公園の西端、都県道葛飾吉川松伏線まで、東京と埼玉の境となっている大場川からの水を取込む位置にかわせみの里の建物があり、水辺のふれあいルームでは展示や講座が開かれます。
大場川からだけでなく、中川からの取水や内溜からの循環により浄化された小合溜井は、大場川とを隔てる立ち入り禁止の堤に沿って東に向かい、自由広場に沿うように南下します。
自由広場の小合溜井沿い、水生植物園とメタセコイアの森に挟まれた辺りのバードサンクチュアリは、野鳥から隠れて様子をうかがえるように、観察施設が設けられています。
かわせみの池、水元公園・みさと公園が連絡される南側のものと同様に、野鳥の観察、撮影などには最も適した場所といえます。野鳥を狙うカメラマンも多数訪れる著名スポットです。
周囲が苗場、水生植物園となっているグリーンプラザには園芸のほか、防災ショールームとしての展示もあります。建物の二階テラスからは自由広場も園芸展示も見渡せます。
冒険広場に隣接するバーベキュー広場とは別に、自由広場の北西側にはキャンプ広場もあります。利用は指導員が率いる中学生以下の少年を中心とするグループとされています。
バーベキュー広場のほうは、手ぶらでバーベキューセットなども用意されます。ただし、予約制になっているため利用日前月1日からの受付をして利用します。(専用番号03-3857-3427)
対岸にみさと公園を臨む付近のBブロックは、水元大橋が象徴的。たもとの噴水広場にはParksの売店があり、飲食物や遊び道具の販売のほか、軽食もとれます。
ちょっと北側にはもう少し食事らしいものも提供される涼亭があります。涼亭は集会所としての利用も可能で座敷の広間を有料で借り切って使えるようになっています。
ほとんど釣り堀の様相を呈する内溜に加えて、Bブロックの水辺は釣りにももってこいです。水元大橋の東側には睡蓮池やはなしょうぶ園があり、小合溜井とは別の水辺が整備されています。
園地の南の端の辺りで小合溜井は細い流れに変わり、水元公園と流れは東に展開します。54号松戸草加線までは水辺のさとになっています。
夜間など閉鎖される部分やオニバス池、ごんぱち池などがあります。水辺の生きもの館では、園内の植物や生き物の写真や、展示があります。
園内で捕らえられたという大きなスッポンは、プラスティックのタブの中にいて、覗きこめるようになっています。
葛飾区金魚展示場というのがユニーク。江戸前金魚と呼ばれる江戸茜、江戸錦など24種類1,000匹ほどを展示しているとのこと。3月から10月の月曜日以外とその他の季節は土日祝日に開場しています。
水元公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:葛飾区水元公園・水元猿町・東金町五、八丁目・埼玉県三郷市高洲三丁目
連絡先:03-3607-8321(水元公園サービスセンター、葛飾区水元公園3-2)
公式サイトからの引用
水元公園
JR常磐線・東京メトロ千代田線「金町」から 京成バス(戸ヶ崎操車場または西水元三丁目行き)「水元公園」下車 徒歩7分
※3月から11月の土日祝日は、午前9時から午後4時40分まで金町駅発着で公園沿いを走る循環バスが運行されています。
水元公園はとても広大。向かう場所によって、適した駐車場もバス停留所も違っています。詳細はよく分かる編をご参照ください。
【自動車を利用する場合】
駐車場:有料(24時間営業)
駐車場利用料金:(普通車)200円(1時間まで、その後30分毎100円)
最大料金12時間ごとに800円を繰り返し。
三カ所の駐車場を利用します。料金は共通でなくそれぞれかかります。冒険広場なら214台分ある第一駐車場。一番広いです。
水辺のいきもの館を利用するならば第二駐車場(24台)。東金運動場を利用するには第三駐車場(49台)がいいでしょう。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄駅:JR常磐線金町(どちらの公園も)
JR常磐線金町駅が最寄です。京成金町駅(京成電鉄)は南口にある駅。便利なほうを利用すればいいです。どちらに向かうにしろ、徒歩では厳しい場所といえます。
最寄バス停留所:水元公園(京成バス金61~63、小56)
複数の路線が違う経路で水元公園バス停を通ります。ただしここが最寄なのかといえば、土日限定ならばBBQ広場・冒険広場入口バス停(金63)を利用できます。バーベキュー広場北のほうで、公園沿いの道路にあります。
しかしながら、土日限定のうえ本数も多くはありません。また東金町運動場を隔てる54号松戸草加線沿い、遊具のある辺りには、高須、桜土手(金64)という停留所があります。
公園脇のバス停がほかにある中、水元公園バス停だって園地のすぐ隣。ただし内溜のところということで、水元内溜水辺の道を少し歩くことになります。北西側の水元かわせみの里付近なら、大場川停留所も検討するといいです。
まとめ:広大でいろいろな魅力たっぷり、子どもの遊びは?
とても広い公園で遊び甲斐もいろいろ。一番の遊具の遊び場は、Cブロック、東金町運動場にあります。冒険広場とCブロックは少し距離があるのです。どちらもひとときに遊ぶのは少し大変です。
公式サイト:東京都公園協会 公園に行こう! 水元公園