最大規模の都立公園になる葛飾区の水元公園。23区では最大、多摩地区まで含めても上回るのは、東京の水源となる貯水湖と一体で狭山丘陵をなす、例外的で毛色の違う野山北・六道山公園のみ。
そんな飛び抜けた存在になる都立水元公園を貫くのが小合溜井。埼玉県営公園になる対岸のみさと公園含めて、豊かに水を湛える小合溜井が水郷としての水元公園の魅力を支えています。
水元公園とみさと公園は、小合溜井を取り囲む環境からの恩恵による楽しみがたっぷり盛り込まれた公園で、よくある公園としての機能に加えて、保護されている水辺の環境に触れられるのが特徴。
ただ散策するのみならず、学びがあったり、ここだからこそのバードウォッチングが可能だったり、釣りをしたりと、大人にとっても見逃せない憩いの場となっています。もちろんフリースペースも充分。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。ところが子どもと楽しむ公園としての視点からは、水元公園については小合溜井の存在がほとんどなくなってしまう界隈が重要。
Cブロックとされている東金町運動場の部分が、最も遊具が充実していて、もはや水郷の雰囲気もありません。おまけに水元公園のA、Bブロックとは離れた場所になっているのです。
みさと公園は小合溜井が豊かに水を湛える付近の対岸で、雰囲気だけならばむしろ東金町運動場の部分よりも水元公園と一体に感じられることでしょう。水辺の楽しみが主な点も、まるで同一です。
そして実はこういう意味で水元公園エリアとまとめてしまうならば、みさと公園こそがこのエリアを代表する遊具スポットです。「子どもと楽しむ公園」シリーズとしてはみさと公園も別途特集します。
小合溜井が小さな橋で渡れるくらいの流れになって、すぐ橋を渡って北側に戻るとみさと公園。そのまま江戸川に向かう流れを進むと東金町運動場に至ります。県道で隔たった先には大型遊具。
外環道でさらに園地を分ける江戸川側に、目を見張る本格派のクライミングウォールなど特異なものまで加わる運動施設と、ちょっとした遊具が置かれています。水元公園の遊具を語るならここも必須。
Aブロックの冒険広場だけが、遊具のある場所ということではありません。しかもより注目度は高いのです。いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べる東金町運動場をしっかり解説!
水元公園の東金町運動場は、水元公園の南側で東に飛び出た部分。運動施設がいろいろ揃うほか、大型のネット遊具とターザンロープ、複合遊具などがある一帯があり、運動施設のエリアにも、アスレチックテイストの遊具などが置かれています。
ネットとコンビネーション、大型遊具が並ぶのは
水元公園で遊具で遊ぼうと思って、大型のものはどれ? となった時には、Aブロックの冒険広場にある三つのすべり台か、東金町運動場にあるネット遊具という答えになりそうです。
ドイツ語からの用語で、クライミングで使われていたものを指す言葉のザイル。要はロープのことで、登山で安全確保のために強度が確保されているものを、特に指していると思っていいです。
遊具界隈では支柱を立ててテンションで自立していられる、ザイルを使った遊具がみられます。代表的なものはザイルクライミングなどと呼ばれるもの。
水元公園で遊べるのは、ザイルで作られたネット遊具としては、どちらかといえば珍しいものです。ザイルクライミングのように高さはつけずに、平面的な構造をしています。
メーカーのパーツリストには、ザイルの網目にはめ込む、ゴムのようなマットがあって、そんなマットと細かい網目を配しています。マット部分は飛び跳ねてみるのもよさそう。
傍らにはマット部分を大きくしてひとつだけの、まさしくトランポリン型のものもあります。ひとり用というだけでなく、何人かで一緒に乗れるくらいの大きさはあります。
冒険広場ほどではなくとも、東金町運動場のネット遊具の場所も、ちょっと盛り上がって丘のようになっています。さらに冒険広場と同じように、ターザンロープもあります。
ターザンロープも別の場所にもあるからと、変わった装いになってはおらず。最も標準的といえるシングルレーンのもの。敢えて言うならばこちらはスタート台もなく、もっと平穏なタイプ。
Bブロックの水辺のさととは、都県道54号松戸草加線の都道部分の終端付近で隔たった、Cブロックとされる東金町運動場。ここから江戸川河川敷の手前まで続いています。
東金町運動場だけでもなかなかの広さ。雰囲気も随分変わります。外環道が開通したことで遊具のある東金町運動場は、高架下の道路でまたも区切られることになります。
道路で区切られた大型遊具があるエリアには、わずかに水元公園らしいといえそうな池と湿地とともに、さらにコンビネーション遊具のコーナーも、外環道寄りに置かれています。
さほど大きくはないとはいえ、組み込まれた遊びはいろいろ。すべり台が小さなローラー式のものとワイドなものふたつ。
それぞれが一端となって、一段高くなった回廊が展開しています。ローラーへ近い登坂手段は、ザイルラダーです。
三角屋根のところは少しだけ段差のある鉄板の床。T字を描くようにグラグラする鉄橋が繋がっています。
屋根下の列はそれぞれ趣を変えたラダーの進入路。もちろん降りてもいいとはいえ、すべり台があるので用途は主に上りの手段か。
すべり台については、ワイドタイプも選べるのです。ワイドタイプの横には階段も備わっています。
ワイドスライダーの対面側は、足場付きの板のスロープです。小合溜井は水辺のさとですでに小川に変わっています。都県道まではほぼ都県境だった小合溜井。
この遊具のあるエリアを斜めに横切って、外環道の下を抜けてすぐのところからは、小合溜井が公園の南の境となり、公園の北側が都県境に変わります。
外環道の両側に切り抜かれたような緑地もあります。孤立して残されたようになっていて、特に遊具エリアの対面はアクセスもよくないです。
あとはスプリング遊具がふたつ、コンビネーション遊具の近くのベンチのところにあります。東金町運動場の主な遊具はこのエリア。ただ、それだけではなく、外環道の反対側にももう少しあります。
運動施設付近には難易度高めの遊具も
東金町運動場を外環道を越えて江戸川のほうにいく、つまり東のほうに進むと、いやがおうにも目立つクライミングウォールの先、メインの運動施設になる多目的広場との間に遊具が見つかります。
この遊具は高いところまで使い尽くそうとすれば、とても難易度が高いものです。このシリーズは国土交通省が遊具のリスクとハザードを解説するときに、リスクを有する遊具の代表例に挙げられています。
ザイルの遊具やターザンロープもアスレチックテイストで、運動場と名のついたCブロックに相応しいといえばそうなる遊具。その路線の極めつけともいえます。この遊具採用例はあまり多くないです。
冒険心を満たせる反面、明らかに高い難易度はとっつきにくい面もあるでしょう。できれば、すぐ近くで見守りながらの利用が、望ましいレベルに思います。設置に二の足を踏む面があるのは分かります。
ただ、このメーカーの遊具、比較すればもっとリスクの高い部分を盛り込んだ例もみています。できあがった結果をみれば、東金町運動場にあるものはどちらかといえば易しい組みかたです。
高いところにかなりな身体能力を要求される要素は含んでいます。けれども、そういった部分は届いたり辿りつけなれば、触れることもできません。
逆に低いところには簡単に戯れられる要素も用意されています。ただ拒絶するだけでなく、高い目標にするところもあるといった感じ。
グラグラするうねるバーについてはこのシリーズ定番で、下のほうでも上の方でも楽しみかたは同じ。上のほうまでいければ、また違った達成感が得られるというだけです。
いたずらに刺激を煽っているような遊具では決してないです。それでも東金町運動場の場合は、適度な演出に留めてあって、このシリーズにしては穏健派になっています。
ほかにスプリング遊具としては、大型なものが三つ隣接して置かれています。とりあえず置く遊具の代表的なものである一人乗りのもの以外だけというのが、これも珍しいです。
四人乗り、三人乗りというのは、特にあまりみたことがないです。四人乗りのほうが、三人乗りよりも小さいというのも、どこかユニーク。三人乗りは派手なアクション用。
四人乗りはコミュニケーション重視でしょうか。二人乗りのシーソー風なものは三人乗りのライド部分が二つになったものでもあります。一般的にあり得るほうな二人乗りも、こんな形なのは珍しいです。
他に健康遊具もあるものの、こちらはお約束通りの大人仕様。あまり遊んでみる感じの要素はありません。凸凹に突起が組まれて、青竹踏み用の疑似丸太のある足裏マッサージコーナーもさもありなん。
水元公園東金町運動場の運動施設は
東金町運動場では、ザイル遊具や複合遊具のあるところから外環道の下を抜けると、このブロックのための駐車場があり、そこからは大きなクライミングウォールが見えています。
遊具のそうしたものとは違う本格派。スポーツクライミングセンターで利用できるもので、表裏違う主旨で競技レベルの用意があります。もっともセンター建物内では、初心者用のものにも取り組めます。
隣にテニスの壁打ち用の練習場があって、さらにとなりに遊具の広場といった並び。さらに東に進むと北側が不動池のある原っぱです。この原っぱの南側に運動施設が並んでいます。
多目的広場はフリースペースではなく、よく整備された人工芝のグラウンドでサッカーでよく使用される模様。クラブチームのスクールが開催されていました。
よく言われるような意味での多目的スペースは、多目的広場の西側にあります。土のスペースが2面で、さらに隣のレンガ広場も合せて自由に使えそう。
レンガ広場ではダンスに取り組む若者も集まっていました。多目的広場の南の端には、野球場とテニスコートが6面並んでいます。
テニスコートの隣には東京都の下水道局が園地に食い込むように存在して、江戸川の堤防に向き合っています。小合溜井の流れはこの堤防を貫通して江戸川に至ります。
東金町運動場は依然小合溜井に沿っているものの、共にあるといった雰囲気の水元公園A、Bブロックやみさと公園とは違った様相の場所です。ある意味普通の公園、よくある公園らしい場所。
水郷の雰囲気を楽しみたいならば、A、Bブロックを訪れるのがいいです。そちらのほうが都立水元公園だからこその個性であり、魅力ということになりそうです。
水元公園東金町運動場を訪れるには(アクセスについて)
住所:東京都葛飾区東金町8丁目27−1
連絡先:03-3600-6576
公式サイトからの引用
水元公園
JR常磐線・東京メトロ千代田線「金町」から 京成バス(戸ヶ崎操車場または西水元三丁目行き)「水元公園」下車 徒歩7分
※3月から11月の土日祝日は、午前9時から午後4時40分まで金町駅発着で公園沿いを走る循環バスが運行されています。
公式サイトに載せられているアクセスは、水元大橋のたもと、噴水広場に向かう場合です。もちろんこのルートで東金町運動場まで、それなりの距離を歩いてもよいです。
ただし、東金町運動場に隣接するバス停もあります。圧倒的に便利なのは金町64系統の路線です。これは公園沿いを走る循環バスとも違います。
東金町運動場以外を目指す場合の詳細は、よく分かる編をご参照ください。
【自動車を利用する場合】
駐車場:有料(24時間営業)
駐車場利用料金:(普通車)200円(1時間まで、その後30分毎100円)
最大料金12時間ごとに800円を繰り返し。
三つある水元公園駐車場のうち、第三駐車場が東金町運動場を利用するためのものになっています。公園の外環道東側にあります。それぞれの駐車場は共通利用はできず、おのおの別料金です。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄駅:JR常磐線金町1.6 km
JR金町駅北口の住所は東金町です。けれども東金町運動場が駅から最も近いエリアではありません。ザイル遊具のところまでで約2 km。バス便が便利なので利用したい距離でしょう。
金町駅南口には京成金町駅(京成線)があります。こちらの路線が便利な場合は、利用してなんら問題ありません。
最寄バス停留所:桜土手、高須
金町駅南口のバスターミナルから金64系統が、都県道54号松戸草加線を通っています。金町よりに桜土手、都県境付近に高須という停留所があります。ザイル遊具のあるエリア沿いです。
まとめ:水元公園で主要な遊具遊びの場、けれども・・・
都立水元公園で遊具で遊ぶならばと考えると、どちらかといえば種類も多い東金町運動場が中心なります。同じ公園内のことであえてそういうのは、冒険広場とはかなり離れているから。
ただし、忘れてはいけないのは埼玉県営みさと公園。違う都道府県の管理のもので、東金町運動場とも冒険広場とも離れています。事情はどうあれ事実上一体の小合溜井のエリアで、遊具の本命は冒険トリデです。
公式サイト:東京都公園協会 公園に行こう!水元公園