ツインアーチ138がよく分かる【国営木曽三川公園、抜群の眺望と周辺事情、愛知県一宮市】



夜景を彩るイルミネーションは、色を変えて天気を知らせてくれたりします。だから500円の料金を払って展望階まで上らなくとも、国営木曽三川公園138タワーパークにあるツインアーチ138には、お世話になっていたりします。

ツインアーチ138の入場料金:(1日、再入場可)500円
(料金は15歳以上の場合、6歳以上15歳未満200円、4歳以上6歳未満100円、3歳以下無料、65歳以上250円)

子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。周囲の相当な範囲から存在を確認できるタワーのため、もちろん展望階に足を踏み入れれば、いわゆる濃尾平野をぐるりと見渡せ、抜群の眺望が待っています。

岐阜市の市街地がよく分かるほか、名古屋駅のところの高層ビルも確認できます。眼下を流れる木曽川の三派川地区の様子を理解するにも最適の場所で、河川環境楽園の方向に川島地区が大きな中洲になっているのもまた、雄大な景観です。

そうした得難い眺めはもちろん、そもそもの138タワーパークが、地理的にどんな展開の公園なのか、一目瞭然分かるのも注目したいところ。国営公園は大野極楽寺公園光明寺公園に挟まれていること、南派川側の堤防だけでなく、御囲堤でも隔てられていること。

つまり歴史的にはここもまた河川敷ということが、それも歴史といっても具体的に、愛知県側になる尾張平野の部分が、今の形になって発展することになる、そもそもの流れを反映してのものだと実感できるのが興味深いところ。

ただすごいだけでなく、そんな周辺事情を理解したうえで眺めるならば、広大な国営木曽三川公園を貫いて流れるテーマも知ることができそうです。ちょっとだけ事情を知ればもっと意味深いツインアーチ138の眺望含めて、いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。

抜群の眺望!ツインアーチ138をしっかり解説

名前が意味する通り、高さが違うふたつのアーチが組み合わされているツインアーチ138。確かに他では見ることもない形で、アーチ式という構造では日本一の高さだといいます。まさしく国営木曽三川公園三派川地区センター(138タワーパーク)のシンボルです。

有料の展望室からは360度見渡せる眺望が!

138というのは、ふたつのうちより大きなアーチの高さ(地上138m)です。ちなみに一宮にちなんだ数字だそう。ふたつのアーチで抑えられた展望階は地上100 m。フロアはゆったりとしていて、随所にソファまで置かれ、これも有料ながら望遠鏡の用意もしっかり!

展望階ではカフェも用意されています。ゆったりのんびり時間を過ごせ、券を買えば一日何度でも、時間を変えて、景色の変化を眺めに来てもいいのです。FreeWiFiも完備。AR技術を駆使したアプリをダウンロードすれば、周囲に見える山々の名前を確認できたりします。

FREE Wi-Fi SSID:138_Ichinomiya_Free_Wi-Fi(アクセス後所定手続きで無料)

セントルイスゲートは姉妹タワーゲートウェイアーチのミニチュア版

世界的にみるとアーチ式タワーといえば、138タワーパークにも20分の1スケールのセントルイスゲートがある、ジェーファーソン・ナショナル・エクスパンション・メモリアル公園(ミズーリ州セントルイス市、USA)のゲートウェイ・アーチが世界最大。

関連リンク:GATEWAY ARCH

138タワーパークは、これに次ぐものだといいます。とはいえツインアーチ138のアーチはあくまでアーチなだけ。ゲートウェイ・アーチは傍目には分からないものの、アーチの中をトラムという乗りかごで上れ、約192 m(630フィート)の頂点付近に展望室があります。

ツインアーチ138の特徴は

建物の奇想天外なところは、アメリカのものにはまるで及ばないとはいえ、珍しい構造であることに違いはないです。リフトアップ工法(別名タケノコ工法!)で、展望階とアーチ上部を作ってから、油圧ジャッキで19回リフトアップしてできたことなども解説されています。

東京スカイツリーは地上高634 m、東京タワーは地上高333 m(ただし丘の上で標高はもっと)。

全日本タワー協議会加盟の20タワーのひとつで、全国各地の有名タワーが集まっても、アーチ式はツインアーチ138だけ。この中では東京スカイツリーが抜きんでて高く、次は東京タワー。ただし電波塔と違って展望室が一番上のほうにある展望塔では最大級といっていいです。

丘の上の東京タワーでは地上高でみればトップデッキ下端225 m、メインデッキ下端120 m

確かに東京スカイツリー天望回廊の上端は450 m、展望デッキが350 m、東京タワートップデッキは250 mで展望室としても別格とはいえ、東京タワーメインデッキならば150 mでツインアーチ138はその他いくつかと共に、これを追うレベルの塔からの眺めといえます。

3つに分かれて三派川地区をなす木曽川が、再びひとつになる方向では、一番手前の南派川、木曽川本流とに挟まれた川島地区の様子や、渡河する橋の向こうに岐阜の中心街、背景に伊吹山地や両白山地など見渡せます。

南側の尾張平野の方向には、名古屋駅の高層ビルも確認できるものの、まだまだ名古屋の中心市街地は遠いことが分かります。木曽川は三派川地区の先で南に向かい、木曽三川が長島のところで伊勢湾に注ぎます。それもずっと先ということです。

東側も尾張丘陵まで、なお広大なことが分かります。戦国の世から再び天下統一に向かった主役たちの、もともとの本拠になる尾張の地。木曽川の治水は大きな課題で、豊臣秀吉の時代から川筋を安定させようとした試みは、江戸時代初期の御囲堤で完成をみます。

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展望階に多数設置される望遠鏡は100円で利用

眼下に明確に確認できる、つどいの広場東側に続いて見える森林は138タワーパークの敷地から、一宮市の大野極楽寺公園として続いているものです。どちらの公園エリアも南側の市街地との境界には堤があり、それは御囲堤だったところです。

景観が画面に映し出されるテレビ望遠鏡もあり、料金は200円

つまり、公園は河川敷にあり、森林は河畔林なのです。御囲堤は尾張丘陵の辺り、犬山市から続いていて、下流は弥富市まで約48 kmに至ります。どれだけの規模で土木工事が行われて、今の尾張平野の姿があるのか、まざまざと実感できるのが、ツインアーチ138ということです。

大野極楽寺公園にも大型遊具があります。少しだけ足を伸ばして、一緒に遊ぶためのガイドの関連記事もあります。

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食事もできるスカイラウンジ、ビックツリーも営業

展望フロアから一段高くなった席が置かれるスカイラウンジ、BIG TREEビックツリー)。ウインナーコーヒーになる138ブレンドコーヒーを始め、お茶やジュース、ビールなどの喫茶、スフレロールケーキやアイス、かき氷に軽食を景色と一緒に楽しめます。

食事はカレー、スパゲッティ、ピラフなどの軽食と、ブランチセット(トースト、サラダ、プチデザート、ドリンク付き、410円)は、10時~15時までのお得なサービスになっています。平日の11時30分までは、モーニングコーヒー(150円)を格安提供!

営業時間:10時~16時30分(お盆とクリスマスイルミネーション時は延長あり)

イベントやグッズの販売もあり

さくら祭りスプリング、オータムフェスタの時に行われている、非常階段513段を開放するという階段のぼりイベントは、少しマニア向けの人を選ぶイベントといえそう。あくまで入場料を支払ったうえでのことながら、他にも季節ごとのイベントでも活用されています。

年に数日、無料開放日もあることには注目です。
和服で無料日(1月1日~3日)
こどもの日(中学生以下)
浴衣・甚平で無料日(お盆前後、8月14日の濃尾大花火の頃)
敬老の日(65歳以上と同行の子ども)

タワーの中に入ってチケットを渡す受付では、いちみんグッズの販売もしています。受付を抜けてエレベーターに乗るのが有料なので、受付までは料金を払わなくてもいけます。記念メダルについては、展望階まで行かなければ買えません。

ライトアップは天気予報!見方はどうすれば?

天気予報を知らせてくれるというツインアーチ138のライトアップ。では、どのように見たら明日の天気が分かるのかといえば、晴れの場合は、オレンジとピンク、曇りの場合は、グリーンとイエロー、雨の場合はパープルとブルーの2色を交互に点灯します。

ライトアップ時間:17時~21時
(3、4月は18時30分、5~8月は19時、9、2月は18時から)

ツインアーチ138が美しく映えるライトアップ。定例のツインアーチのメリークリスマスのイベント中には、冬のイルミネーションの一環として、特別ライトアップにもなります。その時には天気予報はお休みになります。

樹冠タワーも立派な展望塔

全国的にみても有数の展望塔になるツインアーチ138ならば、有料施設なのは致し方ないとして、周囲を眺望するという意味では、無料の樹冠タワーもあるのが、138タワーパークです。場所は園内東の端の真ん中付近、こちらだって高さは充分です。

138タワーパークの東の端とはいっても、さらに東には大野極楽寺公園野鳥園市民の森など森林が続いています。138タワーパーク木づきの森含めて、周囲を木々に囲まれる中、階段が直角に曲がりながらぐるりと上に続いています。

下から3層目に当たるところの北側に、一旦踊り場的な場所があり、視界が開けている木曽川方向が見えます。河川環境楽園の観覧車が正面に見えています。

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さらに上は少々、構造が複雑なため数え方が難しいものの6層目? の最上部は周囲を見渡す展望フロアです。周囲の木々からも頭を抜けだす高さです。

南側はビオトープなども設けられた、もくもくパラダイスという、いろいろな生き物のための環境を揃えて、観察イベントなども行われる森を学び遊ぶ場です。森の向こうには、一宮の市街を眺められます。

希望の搭は遊び場を見渡すもの

遠くを眺める眺望にはならないものの、つどいの広場希望の塔も展望塔ではあります。

イタリアのベネツィア郊外のヴィラ=ピサニの搭がモデルで、当初は現地にある迷路を参考に、周囲に植栽で作ったものの撤去、いまではつどいの広場という名前にふさわしい、いわゆる広場。希望の搭だけが残されています。

外側にふたつのルートになっている、螺旋階段どちらからでも屋上まで行けます。据えられた女神? らしき彫像と一緒に周囲を見渡せます。

今や広場の主役は遊具とともに大屋根のスペース。搭は普段は周囲を眺めるだけとはいえ、存分に役割を果たす時があって、それがイルミネーションの時期。大屋根はそういった光の演出にもってこいのものです。そしてそれを鑑賞する特等席が希望の搭です。

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138タワーパークを訪れるには(アクセスについて)

住所:愛知県一宮市光明寺字浦崎21番地3

連絡先:0586-51-7105
利用時間:9時30分~17時
(8月13日~15日、11月23日~12月25日は21時まで)
休園・休館日:第2月曜日(8、12月を除く、休日の場合翌平日)
駐車場:無料(900台、駐車場開門は8時)
最寄インターチェンジ:東海北陸自動車道一宮木曽川約2.7 km
最寄駅:JR東海道本線木曽川駅約3 km、名鉄名古屋線黒田約3.3 km
最寄バス停留所:138タワーパーク
(第3、第4駐車場側、名鉄バス一宮駅~一宮総合体育館路線)

国営木曽三川公園138タワーパーク(三派川地区センター)への詳しいアクセスは、関連記事をご参照頂けます。

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まとめ:なにかとスケールの大きな138タワーパークの周辺に事情あり

ツインアーチ138はもちろん、遊具も、河川敷に広がる敷地も、森も、スケールが大きな138タワーパーク。そのスケールには、周囲含めてのいろいろな事情があるのです。とりあえず東側の大野極楽寺公園、西側の光明寺公園と一体になっています。

国営木曽三川公園としても三派川地区センター、一宮市の木曽川河川敷の公園エリアとしても真ん中に位置します。その概要はツインアーチ138に上ると一目瞭然。見事な眺望とともに、観察して頂けるといいかと思います。

公式サイト:国営木曽三川公園 138タワーパーク