東京都足立区の都立舎人公園は拡張開園によって、遊び場としてもそれまで以上に充実しました。これなら「どこにも負けないレベル」といえるくらい。それも利用に際しては一切の費用は掛かりません。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。そもそもが大きなソリゲレンデ(芝ソリ場)があったり、大型遊具も2連のターザンロープがありました。
なにしろ夏には浮球の池がオープンします。これはいわゆる徒渉池、ただしちょっとしたプール施設かと見紛うような、規格外のじゃぶじゃぶ池です。こうした遊び場として、23区有数の存在感だった公園です。
それに留まらず予定されていたC地区が、いよいよ拡張開園したのが2021(令和3)年6月。バーベキュー広場が立派になって駅前に移動し、気持ちのいい芝生の広場や池、自然観察園などとともに、冒険の丘と幼児の遊び場が加わりました。
こうなるともはや比べ得るのは、全国レベルで見渡さなければなりません。実は大きくて遊び場や遊具が充実した公園は、人口も事業所も中央官庁も集中する東京で、その割には多くはないのです。
お金を出せばいくらでも楽しみ、遊び場があるためか、敷地を確保するのが困難なためか。単純に思えば、それなりに費用が掛かる大型遊具の購入代金が、捻出できないということはなさそうです。
東京23区ならばもう別格、東京都下でいってもふわふわドームのある、国営昭和記念公園や都立小金井公園などでなければ、同じレベルとはいえないでしょう。遊具が揃い踏みする冒険の丘はインパクト充分です。
なんなら諸条件あわせて鑑みれば、東京ナンバーワンといっても差し支えなくなった舎人公園。冒険の丘周辺を特集して、いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べる舎人公園冒険の丘をしっかり解説!
大型遊具は冒険の丘に6つ、隣接して事実上一体の遊び場、幼児の遊び場のものを含めれば7つ並んでいます。他にそこそこの大きさのものを含めて、遊具の遊び場としては、東京はいうに及ばず、全国的にみてもかなりな充実ぶりをみせることになりました。
冒険の丘エリアは丘の周囲に大型遊具が揃い踏み
トイレやベビー休憩室のあるインフォメーションの建物を挟んで、築山された場所と青く海のイメージを抱く大型遊具が置かれた、幼児の遊び場があります。冒険の丘エリアの入口と目されるのはここのよう。
具体的に築山が舎人冒険の丘に当たるようで、冒険の丘エリア全体が丘の上なのではないです。ちょっとした展望台のようになったところからは、遊具に向かう回廊が渡されています。
丸く小さな墳丘のような形の舎人冒険の丘。繋がる大型遊具に向かうならば、一度丘を階段で下りてからでもいいです。冒険の丘エリアの外周路とでもいえる園路で、素通りしてしまうことも可能。
エリア全体で見れば丘と繋がる大型遊具、樹上の小道は序の口な存在。さらに名前の付いた大型遊具が5つで合計6つ。丘と対面する場所の幼児の遊び場にも大型遊具があります。
樹上(じゅじょう)の小径は、つまり空中回廊。それだけに一気に駆け抜ける脱出路として、樹脂製のすべり台が用意されています。長いほうはチューブで少しうねりながら降下するもの。
それだけではなくすぐに開口する短めのものも、もうひとつあります。丘から辿れば展望スペースに進み、曲がると短いほう。そこにはショートカットの階段も並んでいます。
さらに冒険要素となるネットの橋が斜めに架かり、少しだけ上りながら長いほうのチューブスライダーに向かう趣向です。ここにもショートカットの階段があります。
どちらのすべり台にせよ、冒険の丘への挑戦はここで終わりではなく、あくまで始まりの滑走をすることになります。
丘からの道すがらある展望台部分は、自然観察園の方を眺められるもの。鳥類の観察のための解説看板もあります。そしてここも、冒険の丘の眺めの締めくくりにはなりません。先には違った眺望スペースも待っています。
すべり台を滑ってみたとして、次に目の前に現れるのが森の遊具。デザイン的には樹上の小径との繋がりを感じさせるもので、高さはかなり控えられるものの、やはり地上から離れて回遊する1種です。
小さなすべり台や、ねじれたクライミングウォールを、活用するくらいの高さはあります。全体は四角形から、すべり台ルート、クライミングウォールルートが飛び出た感じ。
南側の四角形な回廊部分に地上に近いところがあって、簡単な進入路はそうした辺りに設置されています。
ところによってはかなりの難易度。特にクライミングウォールへの出っ張り部分が該当します。ただし他は、バラエティに富んだ仕掛けではあっても、大きな困難はないです。
一部分を除けば、推奨年齢よりはもう少し幅広く遊べそう。そんな時には見守りを忘れないでください。ついて回るには、ちょうどよい高さでもあります。
同様の推奨年齢が掲げられる、森の小道遊具が続く冒険の丘。ただし、森の小道遊具の様子をみればなおさら、6歳~12歳というのは冒険の丘全体を捉えてのことだ! という印象です。
柵で囲われたエリアすべてを指すとみられる森の小道遊具。冒険の丘エリアと隣接の幼児の遊び場同等のコンビネーション遊具ロードと、いくつかの遊具が組み合わされたスペースにみえます。
本体とでもいうべき回廊部分には、かなり多彩なパネル遊具が組み込まれています。これはこの遊具が、幼児も対象である証拠のようなもの。
落書きボードと、これも落書きできる床面もいわずもがなの幼児仕様といえます。明らかに冒険の丘も、小さな子どもであっても遊べる場所です。
置かれているブランコは2座とも、インクルーシブ遊具と言われる潮流に従った形をしています。
たとえ障害があっても、他の子どもと一緒に遊べるように! という趣旨になるインクルーシブ遊具。都立公園では砧公園に作られたみんなのひろばから導入された概念。それが全国的にみても先駆けです。
結果としてブランコなど見れば、そうとう小さな子どもでも安心して思う存分スイングを楽しめる仕様になっています。だからどうみても人気は沸騰中。1基2座程度ではとても需要をこなせない現状です。
柵の中、コンビネーション遊具の周囲には、ブランコの他にも変わり種のスプリング遊具や、ハンモックネット、吊り橋なども配置。まるで刺激的でないともいえないのが、森の小道遊具です。
そして森の小道遊具を見下ろせそうな位置に建っているのは、円筒埴輪の搭。3回転する螺旋のチューブスライダーが迫力あります。
この搭には遊びの機能がほかにも加わります。すべり台を堪能するためにネットの道を進む、ネット遊具にもなっているのです。
大きなネットスロープか階段を上ると最初のフロア。フロアはネットで出来ていて、さらに上へと向かうネットチューブに潜り込める仕組み。ほかに穴も開いています。
このフロアには地上からの道がもうひとつ、側面の穴から内部に仕込まれたネットスロープを使い、穴から這い出せるようになっています。
さらにネットスロープ自体にも穴が開いていて、対面の出入口も利用できるという、なかなか凝った構造をしています。
青いネットスロープがあって、繋がるのは緑の最初のフロアのネット。そこから青いネットチューブを上れば青い上段のフロアがあり、そこはすべり台のスタート地点です。
ちなみに 円筒埴輪の搭の天井はネットです。そして壁の上段にはなぜか覗き窓が! どうやら、もっとアクティブに遊ぶならばロープを使ってみるのもありのようです。
2段目のフロアまでいって、最終的にはチューブスライダーを駆け降りれば、遊具のミッションはすべてこなしたことになります。
円筒埴輪の搭の先、冒険の丘の最深部には舎人城。このエリアは遊びの城下町であったのか! と驚くところ。ただし遊具としての舎人城には、ほんとうはそれほど驚くほどの仕掛けはありません。
シンプルには階段を上って、チューブスライダーを直滑降。さもなくばネットの段差を伝って行きます。
こうした楽しみはあってもなんだかさすがに、お城らしく展望が本分ともいえそう。ここからも自然観察園の方向を、水鳥の池や芝生のみんなの広場越しに見渡せます。
舎人城から直下になる場所、森の小道遊具との間の谷間には、いくつかの遊具が漁網ネット遊具のところまで並んでいます。斜面を利用した登坂系がいろいろ4つ。
そのものも谷間を上り下りすることになる、漁網ネット遊具とシリーズのようなものにみえます。
他の5つよりは小振りな、このハンモック風でもあるネットスロープで、冒険の丘の遊具はすべて。全部で6つのラインナップはこうした感じになっています。
幼児の遊び場もそれなりなスケール感あり
冒険の丘が、決して幼児に向かないという遊び場ではないのは、見ての通り。そのうえでソフトなフロアの仕様が示すように、明確に3歳~6歳をターゲットにした幼児の遊び場もあります。
トイレ、ベビー休憩室、そして自動販売機などがあるインフォメーションの建物を挟んで、舎人冒険の丘に並んでいるのが幼児の遊び場。冒険の丘エリアとして一体と捉えても良い配置です。
なぜここに? という疑問は抜きにするとして、イメージは明確に海のよう。魚を描いたパネルを掲げるポールにはネットが渡されています。
サイズが小さめなスプリング遊具や、床に描かれた絵など、楽し気な雰囲気や演出はいい感じ。
同様に柔らかなドーム状の部分も。これは! と思ったものの対象年齢はやはり3歳以上。
0歳~2歳も対象といった趣向ではないようです。
対象年齢にお約束的な、パネル遊具を散りばめたコンビネーション遊具は、冒険の丘の遊具に比べれば小振りと言えば小振り。
パネル遊具に囲まれた台に、若干の高低差、さらに長いゆったりとしたスロープが連絡している形。小さなすべり台が使えるくらいの高さならあります。
ここはここでそれなりのスペースが確保されています。なによりゆったりとソフトな素材で床が敷き詰められているところが、のんびりムードを盛り立てて過ごしやすいスペースになっているといえそう。
さらにこのエリアにはどうしてなのか、健康遊具のコーナーがあります。その舎人ライナーの走る大通り側が、舎人公園最後の整備予定地になっています。
バーベキュー広場は駅前に
C地区の拡張開園での変化の中には、バーベキュー広場が舎人公園駅からのC地区入口に移ってきたことも挙げられます。
入口のところには、舎人BBQショップがあります。食材の販売もあり、大人の楽しみのアルコール飲料なども揃います。
店舗情報
営業時間:9時~17時
定休日:年末年始、12月~2月の毎週水曜日
お問合せ:03-3857-3427(コールセンター)
舎人公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:
足立区古千谷1(舎人公園第二駐車場 電話番号03-3854-8160)
足立区舎人公園1-1(舎人公園第一駐車場 電話番号03-3898-3555)
足立区古千谷1-7(舎人公園第三駐車場 電話番号第二駐車場と同じ)
冒険の丘のあるC地区は、モノレール路線の日暮里・舎人ライナーの舎人公園駅からすぐ目の前。駅のある交差点の南東側の区画になります。第三駐車場がその区画内にあります。
舎人公園全体のアクセスの詳細は関連記事もご参照ください。
【自動車を利用する場合】
駐車場:有料
駐車場料金:1時間まで300円、以後30分毎に100円
(入庫後24時間最大料金1,200円を繰り返しになります。)
収容台数:第一駐車場78台、第二駐車場46台、第三駐車場33台
第三駐車場から自然観察園、水鳥の池、みんなの広場を抜けて進んだ先が冒険の丘です。第二駐車場は、道路を渡って隣り合わせの場所です。冒険の丘などに向かう場合、第一駐車場がやや遠いことになります。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄駅:日暮里・舎人ライナー舎人公園駅
運賃:初乗り170円(小児90円)、日暮里からで340円(小児170円)
(小児とは小学生。就学前の幼児は運賃を払った人に同伴2名まで無料、1歳未満は無料。)
高架を走るモノレールの舎人公園駅から下りて、交差点を渡るとパークスのあるC地区の入口、南東方向にあたります。遊具の遊び場は南側、園内を進めば到着します。
鉄道が便利なため、周囲をバス路線も走っているといっても、あらかじめ知識がないのであれば、日暮里・舎人ライナーの利用が簡単です。
まとめ:交通至便な駅前公園、東京屈指の遊具の遊び場
古くは大日本帝国時代の大緑地計画で確保された敷地に、1981(昭和56)年開園した舎人公園。だからこそか余裕の敷地に、遊び場としてもダイナミックな施設、いろいろ揃った遊具が魅力でした。
時を重ねること40年余り、新たに加えらえた歴史によって、東京屈指というレベルで遊具は充実しています。駅前で利用しやすいこともあります。売店も充実しています。ぜひじっくり訪れたい公園になっています。
公式サイト:東京都公園協会 公園に行こう! 舎人公園