荒川区で隅田川沿いにあるということで、その存在にはいろいろな意味が出てきます。瑞光橋公園そのものは、まったく大きなものとはいえない規模。ただし都立汐入公園と繋がっています。
隣にあるということでなく、あえて正確な表現を心掛けると、繋がっているということになるふたつは、管理しているのが東京都と荒川区で違うということなだけで、一体のものと思いたい事情があります。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。一体として考えたいというのは、遊び場としてのこと。遊具のラインナップを考えると、どちらも欠かせないからです。
瑞光橋公園にあるローラーすべり台は汐入公園にはなく、汐入公園にある大型コンビネーション遊具は、瑞光橋公園にはありません。瑞光橋公園のコンビネーション遊具はずっと小さくて遊びの要素も少ないです。
そして違う公園といっても、園路は繋がっていて、一般道を経ずに行き来ができます。どちらの公園も隅田川に面していることは、大きなアイデンティティになっています。その川沿いの園地で接続しているのです。
決して細い道がいちおう繋がっているといった、はかない状態ではないのです。だから一緒に利用するのになんら違和感は感じないはず。ただ敷地としては東京都下水局の白髭西ポンプ所と都立産業技術高専を挟んでいます。
そのため知らなければ見過ごしてしまう可能性はあります。どちらかに行くなら一緒に遊んだほうがよさそうな状況を、いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べる瑞光橋公園をしっかり解説!
隅田川沿いに繋がって、スーパー堤防として整備された再開発街区に収まっている! という点で、瑞光橋公園は汐入公園とは別のものとはいえない感じ。事実、瑞光橋のあちら側は汐入公園です。
荒川区ならば注目したい遊具がローラーすべり台
瑞光橋公園で大きめな遊具ふたつのうちのひとつ。より刺激的なのが、ローラーすべり台になるでしょう。
そうはいっても、作ろうと思えば相当大きなものも作れてしまうローラーすべり台の中では、ミニタイプといえるものになります。
瑞光橋公園は、かつての汐入水門の遺構となっている公園です。遺構を眺められる展望広場のための築山を利用して、短く駆け降りるものです。
世の中に存在する中には、度肝を抜くような規模のローラーすべり台もみつかります。単独の大型遊具を代表したり、時には大型コンビネーション遊具に組み込まれたり。
残念ながら東京の特に都心近くになればなるほど、そもそもそういったものを設置するだけの敷地の確保が困難です。
本来のよさはゆったりと遊覧できること。さしたる傾斜がなくとも、滑空を楽しめるのがローラーすべり台。
それでもローラーすべり台はどんな規模であっても、そんな魅力の片鱗は見せてくれるものです。
そうしてこういったミニローラーすべり台、23区でも指折りの小さな面積となる荒川区では、隠れ名物とでもいえる遊具な状況。
同じく南千住を最寄駅とする少し上流側にある天王公園のものは、同じような規模で隅田川の川辺を散策しながら、一緒に楽しめなくもなかったりします。
さらには2021(令和3)年にはさらに上流で荒川遊園近くに、宮前公園隅田川側がオープンすると、もう少し本格的なものも楽しめるようになっています。隅田川からは離れる日暮里公園のもの含めてなかなかのラインナップ。
丘に沿って滑る日暮里公園のものは、滑走中にみている人のすぐ脇を抜けられるタイプ。さらには荒川区内では、ミニミニタイプとでも呼ぶものもいくつか見つかります。尾久第五児童遊園のものなどはミニのほうに入れてもいいくらいです。
荒川区はローラーすべり台銀座なのか! とでもいえそうな状況。瑞光橋公園では、とても大きな都立の汐入公園と繋がっていて、一緒に遊べることで価値は増しているように思えます。
コンビネーション遊具は小さめなもの
瑞光橋公園では敷地の割には、遊具が揃っている印象です。ローラーすべり台のほかに目立つのはコンビネーション遊具。ふたつ並んで存在感はありです。
さほど高さはない1段目になるデッキがあり、そこからはすべり台で下りられます。くぐり抜けたりできそうな、薄緑の金網ウォール3つが周囲に配置されて、台上に上る手段はふたつ。
ひとつはザイルネットそのもの。もうひとつは短い階段を経て、ザイルでできたブリッジを渡ることになります。この橋の床面にあたる部分も、ザイルネットそのものです。
瑞光橋公園でわくわく広場とされるのは、このコンビネーション遊具のところで、荒川区ではこの複合遊具をアスレチック遊具だと表現しています。
要するにこのザイルネットの冒険が主眼な様子ということです。ローラーすべり台とわくわく広場を往来するのが、この公園での遊びの主流になりそうです。
その他にある瑞光橋公園の遊具は?
あえて分類するまでもない程度ながら、園内の遊び場はさらにちびっこ広場が設けられています。
入口はただネットが渡されているだけとはいえ、しっかり囲い込まれた砂場はそこそこの大きさ。出入口前にはベンチがふたつ置かれています。
さらにブランコがあって、2連で1基。座板の様式はよくある一枚板のものです。
あとはスプリング遊具が2つ並んで、遊具はそれですべて。トイレ棟はコンクリートのしっかりしたもの。そこでは飲料の自動販売機も利用できます。
瑞光橋は隅田川を渡河するものにあらず
公園の名前にある瑞光橋は、園内の橋ではなく一般道の橋です。この通称川の手通りは、瑞光橋がなければ河岸をそのまま進めません。
明治通りが隅田川を渡河している白髭橋から、汐入公園のところの千住汐入大橋まで、隅田川の右岸を通るのが川の手通り。都道314号線の白髭橋より北側の通称です。
瑞光橋は隅田川を渡る橋ではなく、瑞光橋公園になっている入り江を渡る橋です。展望広場から汐入水門の遺構や入江の岩場や葦原も眺められます。
また、汐入公園と瑞光橋公園の境目も、この橋になっています。この入江の由緒については園内の掲示板に書かれていて、もともとは運河の入口です。
今の日本貨物鉄道(JR貨物)の隅田川駅のところが、かつては常磐炭田から常磐線で運ばれた、石炭の集散地になっていたとのこと。鉄道と水運がここで交わっていたことになります。
陸運への移り変わりで運河はすでに埋め立てられて、それだけでなくこの一帯は高層住宅に再開発されています。そうした再開発によってできたのが汐入公園であり、瑞光橋公園です。
その再開発事業についての掲示は、汐入公園のほうにあります。スーパー堤防として整備されて生まれ変わった街の歴史は、この地の産業の盛衰に関係しているのです。
この再開発地帯は、ちょうど隅田川が南のほうに流れを変える地点であり、対岸に流れ込んでいる旧綾瀬川は、時代をもっと遡ると角田川だったといいます。
さらにこの合流地点よりも上流は旧荒川であり、その荒川とは西遷された荒川が流れ込んだ入間川だったりと、江戸開府以降の治水の歴史だけとっても複雑な成り立ちがあります。
汐入水門はそうした地域柄から水害に対面してきた歴史を物語る遺構で、そんな経緯はスーパー堤防に作られた汐入公園へ続いていて、瑞光橋公園含めて地域を取り囲んでいる今の姿に繋がっていることになります。
ちなみに汐入公園に向かう水神大橋から瑞光橋公園の下流の白髭橋にかけての対岸付近が、吾妻鏡にて源頼朝が安房から再起を図り、東国勢を結集して鎌倉に向かう途中、諸勢力と合流した隅田だと云われます。
そのことでも分るように、この川向こうはもっと時代を経ても下総だった場所。ならばという話題になるかもしれないのは、武蔵にちなんで東京スカイツリーが634 mになっているということでしょうか。
隅田川の向こうはもともと武蔵ではないのだから! という誤解があるといいます。実際には下総と武蔵の境界に変遷はあったものの、境目になる川は白髭橋の少し下流、堤通公園の付近で暗渠になっている川といわれます。
その南側はずっと武蔵国で、東京スカイツリーのある場所はそこに含まれているとのことです。東京の下町の変遷は、河川の流れと深く繋がっています。そんな関係の真っ只中の瑞光橋公園です。
瑞光橋公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:東京都荒川区南千住8丁目18番1号
連絡先:03-3802-3111(荒川区役所内線2757)
最寄駅は汐入公園と同様に南千住駅。ただ隅田川に沿って独特な形をしている汐入公園。大きな敷地が再開発地帯を取り囲む、汐入公園の一端と繋がっている瑞光橋公園を目指すならば、汐入公園のもう片方とは別方向に向かうことになります。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄駅:JR常磐線、東京メトロ、つくばエクスプレス南千住約1 km
最寄バス停留所:都バス都立産業技術高専キャンパス前(上46路線)
南千住駅からはJR貨物駅の敷地に遮られているため、ちょっとだけ迂回することになります。公道側出入口前の瑞光橋公園前交差点を渡った、隣接する都立産業技術高等専門学校の校門のところに、バス停留所があります。
南千住駅と上野松坂屋前を結ぶ路線で上野から浅草を経由して、南千住付近では汐入公園が囲い込む、再開発地域の高層住宅街などを巡回するルートになっています。
【自動車を利用する場合】
駐車場:ありません
駐車場はありません。汐入公園には有料ながら駐車場があります。自動車で訪れたいならば、汐入公園の駐車場を利用するのがよさそうです。他にあまり便利な選択肢はなさそうでもあります。汐入公園のアクセスをご参照ください。
まとめ:ふたつでひとつと思えば、よりよいのが瑞光橋公園
もし公共交通機関を利用して、瑞光橋公園を訪れようとして、一緒に汐入公園でも遊びたいならば、瑞光橋公園を先に訪れるのがよさそう! な立地条件になっています。
遊具で遊ぶという目的であれば、なおのことそうだといえます。そんな子どもと楽しむ面からすれば、あと知っておくとよいことがひとつ。荒川区のローラーすべり台を制覇したいならば、ここが一番東側ということ。巡回路の片側の端になるのです。
公式サイト:特別なものはありません