とても長いローラーすべり台が、東京都の奥多摩エリアまで行けばあります。都下で一番長いスケール、さらに関東地方というくくりでみても、ここが最長と目されます。
青梅市花木園に設置されているこれが、無料で使い放題とくれば注目せざるを得ません。圏央道周辺に収まる立地なこと、幼児が利用する場合でも問題なしなことなども、見逃せない要素です。
それと共にもっと大きな子どもでも楽しめる異色の遊び方がある! 面白いのはそんなところです。子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思える場所をご紹介しています。
関東エリア最大の規模となる青梅市花木園のローラーすべり台の詳細、さらに関東一円のローラーすべり台事情、ローラーすべり台の遊び方などもぜんぶ分かるように、いつもの通り独自に撮影した写真を満載して、お出かけに役立つようガイドします。
東京都でも、関東でも一番!青梅市花木園のローラーすべり台
やはり全長211mともなると、どこにでもあるものではないです。しかも青梅市花木園のローラーすべり台は、とっても独自なところがあるもの。まずは関東の各都道府県ごとに長さランキングを検証します。
東京周辺(関東)のローラースライダー、県別ランキングを検証
東京周辺(関東地方)のローラースライダー県別トップランキング一覧 | |||
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都道府県名 | 場所 | 長さ | 料金 |
東京都 | 青梅市花木園 | 211 m | 無料 |
埼玉県 | 仙元山見晴らし公園 | 203 m | 有料(未就学児無料、保護者同乗) |
神奈川県 | おだわら諏訪の原公園 | 169 m | 無料 |
茨城県 | 北山公園 | 161 m | 無料 |
栃木県 | 佐野市運動公園 | 151 m | 有料(未就学児無料、保護者同乗) |
千葉県 | 千葉市昭和の森 | 109 m | 無料(駐車場有料) |
群馬県 | 倉渕せせらぎ公園 | 94 m | 無料 |
こうして見てみると分かるのは、どれも関東平野を取り囲む山地との境目にあるということです。たいていの大きなローラーすべり台は自然の高低差を利用して作られていることが分かります。
多摩丘陵に位置する東京都の青梅市花木園のローラーすべり台は、関東の都道府県を見渡した県別ランキングをまとめてみると、最大のものと結論づけられます。
木製、自然素材の遊具の難しさ、ローラーすべり台は王道へ回帰
今なら青梅市花木園のものが最大として、群馬県の県立赤城森林公園SUBARUふれあいの森には、全長380 mに及ぶ飛び抜けた規模のローラースライダーがあったのです。残念ながら使用休止(2017年8月28日より)でSUBARUふれあいの森の公式な告知でも、ローラーの状態がよくないとされています。
木製や自然素材の遊具について、良いところ、反面の管理の難しさなどついてふれた、関連記事があります。ローラーに森林公園らしく木材を使ったため、暖かな肌触りが格別のもので、逆にどうしてもメンテナンスが難しかったのでしょう。
関東のローラーすべり台事情は、やはり王道へ回帰したと言えます。SUBARUふれあいの森からも、再開は難しい見込みだとお話を聞きました。すると利用できるローラースライダーの中で関東で最長のものを挙げるとすれば、青梅市花木園のローラーすべり台になるでしょう。
群馬県では、かつてSUBARUふれあいの森の超絶規模に比肩するものが、妙義山パノラマパークに存在したり。それが現在では、関東各県別のトップランキングでは94 mの倉渕せせらぎ公園が最上位。
続いて80 mのぐんまこどもの国冒険のとりでに組込まれたものなど、やや他県に比べて小さめとなっています。とはいえ100 m級のものですから遊び甲斐は充分。
また、ローラーすべり台は長さだけでなく滑り心地だって大切! ローラーすべり台の中には長いがゆえに、もう一度滑ることが大変になって人気が低迷しているものもあります。
なかなか難しい各地のローラーすべり台事情です。そうであってもローラーすべり台は、すごいすべり台を代表するもの。「子どもと楽しむ公園」シリーズの主要なテーマになります。
都道府県別ベストを東京との近さで分類!
東京との近さを整理してみるために、圏央道の近くなのかもっと遠くなのかで分けてみます。
- 圏央道周辺
- 青梅市花木園
- 千葉市昭和の森
- さらに外郭エリア
- 仙元山見晴らし公園
- おだわら諏訪の原公園
- 北山公園
- 佐野市運動公園
- 倉渕せせらぎ公園
青梅市花木園のローラーすべり台の特徴は、なだらかな斜面を生かしているところです。敷地の広さがポイントなのでしょう。青梅市花木園は奥多摩とはいえ東京都。都内の遊び場で、この環境は注目ポイントです。
なだらかな園地でかつ多摩のエリアということで、幼児を含む小さな子どもが行きやすく、また使いやすい特徴になっているといえます。いわゆる都会の子どもには馴染みの薄い、大自然真っ只中でもあります。
みなが完全無料ではない最長クラスのローラーすべり台
また、もうひとつ注目したいのは、青梅市花木園の場合は完全無料で利用できること。ローラーすべり台について、埼玉県の仙元山見晴らし公園も栃木県の佐野市運動公園も公営ですが有料施設です。
ちなみに埼玉県で無料の最長は秩父郡横瀬町農村公園の100 m、栃木県で無料の最長は粟野城城山公園の115 mです。東京だけでなく周辺の県も都境では駐車場が有料だったりします。青梅市花木園の駐車場は無料。だから完全無料というのです。
100 m前後のローラーすべり台ともなると、各地域有数のものではあります。しかしながら埼玉、栃木では県内トップと比べて無料のものは、規模は少し小さくなっているのが分かります。
まったり、ゆったりが特徴の青梅市花木園のローラーすべり台
スタート台からして地面から高いところに設置されていないのが、青梅市花木園のローラーすべり台。同じ関東最長クラスでも、おだわら諏訪の原公園のものに比べてまったり、ゆっくりと楽しむ雰囲気なことが分かります。
実はローラーすべり台の最大の特徴になるのは、あまり傾斜がなくともローラーの回転で運ばれるように滑れることです。滑走部分は構造物なので高くするのも、大きくするのも自由。
空中高く滑走して、とても派手に豪快に見えるおだわら諏訪の原公園のものでも、傾斜は意外にゆったりなのが分かります。ただ、どちらかといえばおだわら諏訪の原公園のほうが傾斜が付けられた部分もあり、ローラーが滑らかなのも事実。
青梅市花木園では、より刺激が低く、地面にも近いため恐怖心を引き起こすことも少ないでしょう。幼児や低学年の子どもと一緒に楽しむのに最適! というのはこんな意味です。なのですが青梅市花木園の場合、それだけではすみません。
変った使い方が推奨されている青梅市花木園のローラーすべり台
のんびりムードでゆったり眺望を楽しむ余裕まで持てれば、ローラーすべり台を極めたといえそう。スリルや迫力というよりも、構造的にはそういうものなのです。そんな特徴の生命線となるローラーがもし壊れてしまうと問題になります。
指や服などが巻き込まれてしまったりとても危険です。スムースな滑走を助けるために、大抵はマットのようなものが置いてあったり、売店で売っていたり、時には有料でレンタルされたりします。
ところが青梅市花木園ではローラーの破損に繋がるので使用しないで欲しいと注意書きがありあります。プラスチックローラーの材質によるのでしょう。ローラーすべり台のローラーの主流は、すでに金属製です。
敷物は段ボールを利用、公園では用意せず
プラスチック製のマットが使えないことは珍しいです。代わりとなる段ボールも用意されていません。園内で売ってもいないため、持って行った方がよさそうです。なだらかなだけに、滑りはあまりよくないという事情もあります。段ボールを敷いた方がスムースに滑れるはずです。
青梅市花木園のローラーすべり台、推奨の遊び方とは
そんな事情もあってか高学年の子ども、慣れた人にはこれまた珍しい滑り方が推奨されています。おしりはローラーにつけずにしゃがんで滑ってみて! ということです。場合によっては、逆に禁止されている滑り方です。図でも分かる通り、手すりにはつかまって欲しいということです。
ふと思えば違った楽しみ方が…
お尻をつけるのが推奨の低学年や幼児は段ボールは要らないかも。ローラーに運ばれる感覚で楽しむ遊具なのだと考えればさもありなん。大人の感覚で刺激がない! という考えを改めると211 mのあいだ森の中を楽々散策できる、そう思えばなだらかで長いすべり台の意味も違って見えてきます。
あたかもテーマバークのライドマシンの自然の中バージョンのようです。これは却って極上の豊かな体験! といえるかもしれません。もう一度滑るときの坂道も、のんびりゆったりと余裕を持って楽しむのが青梅市花木園の作法かなと思います。
子どもが大型遊具で遊べる青梅市花木園をさらに解説!
青梅市花木園でのもうひとつの遊びは、木製のアスレチック遊具。基本的に2つの木組みの台座を、2つの吊り橋ともうひとつの橋で渡る小規模のものです。作りも素朴な感じ。そしてあまり幼児向けではない様子。
丸太の橋は幼児でも大丈夫? ただ渡った先はザイルの橋。隙間も大きいです。保護者も子どもを支える余力はなさそうで一緒には無理でしょう。ダメなら戻るしかないです。
この丸太とザイルの吊り橋の両端に、アスレチックな仕掛けがあります。ひとつは高さに挑むもの。もうひとつは渡りがテーマになるルート。
斜面を背にして左側が渡りをテーマにするほう。進入路として梯子状の階段があります。
上った先で丸太吊り橋に向かわなければ、木橋からロープ渡りに向かうことになります。
上のロープに掴って、下のロープを渡り歩くやつです。掴るロープの高さが2段階なのは、体格によって選べる秀逸な工夫に思えます。
続いて吊り丸太渡り。グラグラして体力も必要なやつ。いちおう下は鎖で連結してあります。動きは一定の範囲ではあります。さらに平均台を渡って終わりです。
目の前には丸太スロープ。ロープを使って急斜面をよじ登るのも、ロープを頼りに降りるのも高さがかなりあり、簡単そうではないです。なので挑戦しがいは充分。
丸太スロープは単独で置かれて、そこからは、ザイルの先のショートカットを経由するか、一番端から挑むか、いずれにせよ高さに挑戦する斜面に向かって右のセクションになります。
この一連のアスレチックの隣には、ブランコがあります。枠が太い丸太である以外は、街の中にもよくある標準的な普通の座板のものです。
元々は農業公園として生まれた青梅市花木園
青梅市や奥多摩は、東京の市街地とはまったくイメージの異なる大自然が拡がっています。そして手つかずの自然の中には、人が関わってきた里山の風景があります。
名前の通りさまざまな花木が植えられた公園は、農業体験が大きなテーマになっています。2年間契約で農業体験できる体験実習農園、果樹の展示見本園などが本来の施設の目的です。
同時に自然に親しむという目的が掲げられています。遊具が素朴なのも、こういったテーマが関係あるのでしょう。バーベキュー用のかまどがあります。予約をしてから利用することになっています。
公園は多目的トイレなどに力を入れることが多くなっています。青梅市花木園のものは多目的というより身障者用です。いまどきとしてはちょっと古典的な設備です。
池を中心とした植栽は、なかなかの景観。一望する場所は屋根付き。休憩やお弁当を食べるのに良さそうです。自動販売機もあるとはいえ、充実しているとまではいきません。近くにコンビニや飲食店もありません。飲食については万全の準備が必要です。
青梅市花木園を訪れるには(アクセスについて)
住所:青梅市小曾木4丁目2615番地1
車での利用が絶対的におススメです。青梅市花木園へのバスはなく最寄バス停から徒歩となります。そのうえバスの便数も多くありません。
【自動車を利用する場合】
駐車場:無料(有料期間有)
土日祝日の有料期間(3月~5月、9月~11月の花の季節)
普通車一回300円、大型車一回1,000円
駐車場利用時間:9時~17時
第1駐車場は小さいものの、入口に隣接しています。入口から丘を右手に下りると第2駐車場、左手に下りると第3駐車場があります。どちらも第1よりやや大きめです。
ローラーすべり台の終点から右に進むと、第1駐車場に戻るようになっています。アスレチック遊具は終点付近からやや下ったところ。展望休憩スペースも終点付近と同じくらいの高さ。池のある辺りが一番低い場所です。
駐車場からは階段を上ります。その先ローラーすべり台のスタート地点までは緩やかな登り坂。211 mの滑走はたったこれだけの高低差です。とてもなだらかで坂の上り下りの負担もあまりないのが分かります。
【公共交通機関を利用する場合】
最寄バス停:小曾木診療所前徒歩10分(都営バス、西武バス)
利用する鉄道駅:東青梅駅北口、(飯能駅南口)
近くに鉄道駅はありません。そのうえでJR青梅線の青梅駅、青梅市役所のある東青梅駅、中心市街地となっている河辺駅などがもっとも短い距離にある駅です。この3つの駅を連絡しながら、青梅市北部の青梅市花木園のある丘陵地を周回する都バス路線、埼玉県の飯能駅南口を結ぶ西武バスの路線が利用はできます。
すべてを合わせても1時間に一本の便が確保される程度、運行の状況も複雑で分かりにくいです。バス停名となっている小曾木診療所でも、患者さんは病院の私設バスで行き来するようです。沿線の方で事情が分かっている場合以外には、とてもおススメできる状況ではありません。
それでも利用したい方は以下の点ご注意下さい。
- 公共交通機関を利用する時の注意点
- 利用する鉄道駅:東青梅駅、飯能駅(西武線の場合はこちらも可)
- 青梅駅、河辺駅発着の双方が東青梅駅を経由(合わせて1時間に一本)
- 都バスは花木園の周辺の丘陵地を巡回(小曾木回りで向かい、トンネル回りで戻る)
まとめ:長いローラーすべり台は特別なものながら全体的には素朴な公園
特徴のあるローラーすべり台は長いけれども、刺激的とまでは言えません。けれどもだからこその意味があり、小さな子どもにはぴったり。なんども滑りたくなっても、登り坂もゆるやかでちょうどよい感じです。
公式サイト:青梅市 青梅市花木園