新幹線がすぐ近くの高架を駆け抜けて、眺めるのにもピッタリ。大型コンビネーション遊具で遊びながら、そんなシチュエーションが可能になったのは、品川区立しながわ中央公園が拡張した結果です。
子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思えた場所をご紹介しています。名前に中央と付いているのは伊達ではなく、品川区役所の目の前に位置することからすれば、確かに品川区の中心地点、ど真ん中だといっていいです。
企業の大きな事業所があった跡地を取得して設立された公園が、敷地を拡げたことでしながわ中央公園には、面白い特徴も加わりました。子どもと訪れる視点からいえば、大型コンビネーション遊具が設置されて、利用できるようになったことがまずひとつ。
拡張された西側エリアは駅に隣接することになったのも、利便性からいえばうれしい点です。さらにそれに伴い、もともとあった駅前のユニークな通称タコ公園(神明児童遊園)も、事実上一体のようにして遊べるようになっています。
しながわ中央公園と神明児童遊園を駅前に有する下神明駅のところでは、東急大井町線を新幹線が高架で跨いでいます。新幹線が駆け抜ける様子を、しっかり眺め渡せるというロケーションは、なかなか他ではないレベルのものといっていいでしょう。
この大型コンビネーション遊具が置かれて、高架を見渡せる場所の先は西側が谷間のようになっています。実は鉄道の立体交差は2つの路線に留まらず、谷底に当たる部分をここでは新幹線にほぼ並行しているJRの横須賀線、湘南新宿ラインが通っているのです。
新幹線が十字に交差して跨いでいる東急線はまた、自身は横須賀線などを跨いでいます。こうした地形と、鉄道のダイナミックな交錯がための眺望でもあり、ただ近くに線路があるという以上の意味をもたらしています。
他にも遊具は、区役所のある東側で一般道を挟さむ小さな別園のようなところに、幼児向けらしき小さなものと砂場があります。
さらに、しながわ中央公園ができたときに飲み込まれた形になる、やはり区立のものだったトリム公園の名残りのように、トリム広場にターザンロープが置かれ、健康遊具の傍らには季節には水が流れる水遊び場があります。
立派なグラウンド、シンボリックな噴水などがある、先に開園した部分は品川区役所の目の前。駐車場含めて区役所の施設を、有効利用できる使い勝手にもなります。いずれにせよ平成の時代にできた、今の品川の姿に寄り添った公園。
そしてこのエリアで視点をひろげると、平成の時代には完成させられなかった、東京都道420号鮫洲大山線のことが気になります。山手通り(環六)と環七の間で、東京都心の西側を縦走しようとしているこの道は、途切れ途切れにはすでに姿を表しています。
基本的には住民のための繁華街などが散見されつつも、この沿道の辺りからが、東京都心で人の暮らしが中心となっていくエリア。この道の南の一端で路線名にもある鮫洲ならば、大井公園にも大きな遊具が置かれています。
鮫洲から大井町を抜けて、東急線大井町線で大井町から最初の駅が下神明駅。しながわ中央公園が駅前となったこの駅を、最寄とするもうひとつの大きな公園が戸越公園です。下神明駅の次は戸越公園駅となりますが、どちらの駅からでも距離は同じくらい。
そのためどちらの公園も行き来することには、ほとんど支障はない状態です。都道420号線の車道と歩行者道、ふたつのトンネルが公園の脇をぬけている戸越公園。そこでどんな風に遊べるかと、ちょっと魅力的な商店街のお散歩コースは別途特集します。
戸越銀座や武蔵小山パルムを抜けていけば、都道420号の沿道では林試の森公園にたどり着きます。さらに先はお散歩で! とはいかなそうな距離になるものの、道が完成すれば世田谷公園周囲の遊び場までの、良好なアクセスが出来上がることになります。
東京の西側都心付近、人の暮らしとともにどんな公園が現れるのか、しながわ中央公園もそのひとつの代表になります。いつものように独自に撮影した写真を満載して、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。
子どもが大型遊具で遊べるしながわ中央公園をしっかり解説!
大型複合遊具があるのは、西側のヘリポートになっている多目的広場のとなりになる遊具広場。有料で利用になるグラウンドのあるほうの多目的広場の隣には、ターザンロープと水遊び場があります。道路を隔てた園地にあるのは小さなすべり台とブランコです。
ヘリポートの隣にある遊具広場、新幹線の眺めが秀逸なのもここ
平成にできた公園らしく、特に拡張部分は防災施設としてかなり意識されています。大型コンビネーション遊具は、防災倉庫や応急救護所として活用できる防災複合遊具として意図されているといいます。
ヘリポートであることはすぐに分かるものの、防災複合遊具という意図はすぐに素直に汲み取れない様子ながら、備わっているのは100トンの防火水槽2基、災害用トイレ、防災備蓄倉庫、訓練用消火栓があり、仮設住宅の建設用地として活用可能になっています。
大型コンビネーション遊具は、ヘリポートのほうから進入できるようになっていて、設置されている一段下の遊具広場への橋梁として機能しています。
上のほうからだと、一本橋を渡ってデッキ部分を進み、下が丸見えの網になっている部分なども経て、段差を下りながらいろいろな遊びに挑むことになります。
最初にあるのが螺旋のチューブスライダー、そこからはどんどん段差がついています。この高いデッキの下の辺りは、アスレチック風の仕掛けがいくつか連結されています。
地面に近い部分には、小さな螺旋すべり台に向かって上る手段が、普通の階段以外にふたつ。ロープを使う足場付きスロープと、細かい段差のステップを利用したものがあります。
そのデッキの先にはワイドなジャンボスライダーが控えています。この辺りはほぼ遊びの区切りごとに少しづつ段差を越える感じ。一番奥にはロープを使う足場付きスロープの、より長いものが掛けられています。
徐々に高さを増して湾曲している、デッキの内周の側は大きなネットスロープになっています。それぞれの段にアクセスするだけでなく、横渡りしても面白そう。中段辺りに幼児向けパネル遊具があります。小さな子どもでも、想定内ということです。
デッキの高い部分の下は、ロープと鎖の渡り遊具です。複雑な構造や凝った構成とはいえず、さりげなく回遊するものではあります。その代わりといってはなんながら、どこからでも新幹線を眺めるには程よい方向に展開していて、眺望としては極上です。
トリム広場にはターザンロープ、季節には水遊び場も!
季節には水が流れて水遊び場になるトリム広場には健康遊具もいくつか並んでいます。ここには、しながわ中央公園の遊具でもうひとつ目玉となる、ターザンロープが置かれています。
東側のエリアで品川区役所とは反対側のところ。西側の大型コンビネーション遊具のところと繋ぐ、園路の近くなっています。しながわ中央公園は区役所側が三菱マテリアル、西の拡張側がJT(旧日本専売公社)の跡地が主なものになっています。
1981年4月10日すでに開園していたのは品川区立トリム公園(専売公社研究所跡地)です。木製のアスレチック遊具が並んでたもので、イメージとしては例えば大蔵運動公園(世田谷区)のアスレチックコーナーのような感じ。
トリム公園は、2003(平成15)年4月1日に開園したしながわ中央公園が整備された時に、取込まれた形になっています。そうなると健康遊具は充実したものの、アスレチックな遊びではスケールダウンした形にはなります。
ターザンロープは、トリム公園の名残りというか、そんな風味を補うものというか、今のトリム広場では、通年のものとしては主役となっているといえます。シングルレーンではあっても、長さは充分。
敷地は平坦ながら、スタート台は蹴り出し方向に緩く傾斜してターザンロープとしては理想形のほうです。
このタイプはスイングの強度を、子どもがある程度コントロールできる、通好みの形といえます。スタート台が進行方向に、長めに伸びているのも特徴。助走路としても充分な距離を意識しています。この仕様は当たり前ではないので、注目できるポイントです。
道路を隔てたミニ園地にも遊具が
先に開園してた品川区役所側からは、水を流せる水路のあるロックガーデンが来園者を迎えてくれます。ロックガーデンに向かって右手、一般道路挟んだ部分もしながわ中央公園の一部です。
小さな一画は段差があって、上は砂地のちょっとした広場。ほぼ同じくらいの広さの下の部分には砂場と、幼児向けの椅子型ブランコ。ブランコが単独なのは意外と珍しいように思います。それからスプリング遊具が少々。
さらに敷地の段差を使って小さなすべり台でも遊べるようになっています。品川区役所前までの通りは都道420号線の支線となっており、向かいの大崎寄りの区役所駐車場辺りまで上ってきて、そこからまた下って、区役所前通りとして大崎駅のほうに続いています。
事実上ひとつとして利用できる神明児童遊園
タコというか、茹蛸をイメージした真っ赤なオブジェと、これもイメージはタコであろう、うねる足を思い起こさせるすべり台の遊具が置かれているのが、神明児童遊園。駅と反対側には都道420号のトンネルが通っています。
それなりに珍しいものだ! と公式に認められているのは、区制70周年記念として2017(平成29)年、つまりしながわ中央公園が拡張を果たした年に、しながわ百景に選定されていることで分かります。
すべり台のほうは、左右に分岐するコースを備えた3本仕立てになっています。珍しいといっても、こうした形状とタコをイメージしたすべり台は、まるでみない訳ではないです。ただあれば確かにユニークで評判になることが多いです。
一瞬目を奪われるのはすべり台のほうなのでしょうけれども、オブジェのほうこそ注目したいところがあります。足も正確な本数あって、ところにより吸盤まで表現されています。なにより、自由な遊びの発想を促すまさしく抽象的なオブジェ遊具そのもの。
しながわ中央公園とともに下神明駅前であり、車道部分が先行開通した都道420号線を目安にすぐ近くの戸越公園を目指せます。2022(令和4)年に歩道も完成予定で、そうすればもっと分かりやすくたどり着けるようになります。
有料での利用になる運動施設は立派なもの
しながわ中央公園の運動施設は外周の園路に設定されたマラソンコースを除くと、有料で申し込みの上、占有使用するものになります。多目的広場として、ゴムチップ舗装レタオンで施工された陸上トラックとバスケットゴールがあります。
トラックに囲まれたサッカー場は人工芝のものです。トラックの区役所側の階段のところに管理事務所があります。陸上トラックは200 m、バスケットはスリーオンスリー一基です。
多目的広場利用時間:8時30分~21時(夜間照明あり)
テニスコートは人工芝2面、トリム広場隣接です。
テニスコート利用時間:9時~21時(夜間照明あり)
運動施設の予約:03-5791-3553(公園運動施設予約センター)
管理事務所の近くには、噴水設備と運動施設を見渡せる屋根付きのスペース。ベンチが置いてあります。
噴水からはロックガーデンを挟んで、区役所まで見通せます。開園当初は、この区役所の前庭のようなところがメイン。いまでは一般の用途が格段に広がって、機能的に発展ぶりが著しいです。
しながわ中央公園を訪れるには(アクセスについて)
住所:東京都品川区西品川1丁目27番14号
連絡先:03-5740-5037(管理事務所)
【公共交通機関を利用する場合】
最寄駅:東急大井町線下神明に隣接
下神明駅の駅前です。品川区役所は大井町駅がJRの幹線の駅のため、最寄と考えられていると思います。ただし厳密には品川区役所であっても、最寄駅は下神明駅です。この方面に向かう、便利なバス便はありません。
【自動車を利用する場合】
駐車場:ありません
(ただし隣接の品川区役所に駐車場あり)
区役所を利用しない場合有料になるものの、品川区役所の駐車場はそれだけを利用しても構いません。その場合の駐車料金は30分330円です。区の施設といっても、残念ながら公園利用時の無料処置や割引はありません。駐車場は区役所の南北に、ふたつあります。
まとめ:拡張によって遊び場としてもより充実
JT社宅跡地取得後の拡張で2017年(平成29年)1月追加オープンとなった後、さらに子どもの遊び場としては充実しました。タコ公園が近くなったのも、それが駅前なのもポイント高いです。さらには戸越公園の利用も視野に入れるとよさそうです。
公式サイト:特別なものはありません