子どもと無料で楽しむ戸越公園【東京都品川区、人気の遊び場】



よくぞここまで! とでもいいたくなるコンクリート製の大きなすべり台があります。東京都品川区の戸越公園といえば、見事な回遊式庭園で知られて、その由緒正しきことは遺構として残る正門、薬医門の佇まいからして、すぐに伺い知れます。

庭園の中心となる池はなにしろ、ここに水を湛えるために、玉川上水から長い用水路を築いたほど(細川藩の開削は既存の仙川用水の先)。そもそもはすぐ隣の文庫の森ともども、江戸時代に肥後細川家の下屋敷だった場所(文庫の森には遊具はありません)。

池に注ぐ滝も造営されていて、途中はせせらぎのようになっており、水遊び場として使える雰囲気になっています。子どもと遊びに出かけて「ここはいいな」と思えた場所をご紹介しています。

室町時代の管領家として隆盛を極め、応仁の乱では東軍を率いた細川家。一族の細川藤孝・忠興親子が義明方から信長について以来、秀吉、家康と時々に服する先を誤らず、現代にも続いて細川護熙首相を生んだ、最有力の外様大名のひとつだった名家。

ある意味、華麗な変遷ぶりともいえる変化は、戸越公園にも受け継がれているかのよう。江戸時代後期から明治にかけて、いろいろ所有者が変わり、三井家のものとなったのち、寄付されて区立公園となるといった変化があっても、回遊式庭園は維持されています。

庭園は訪れて散策するにはもってこい。公園としての主な価値は、そこだけでも見い出されるものの、この周辺では遊び場としても、砂場とすべり台をモチーフとするふたつの場所が、目に留まるものでした。

コンクリート製すべり台はいまは青いペイントでメンテナンス済

いまでも残る方が、ユニークな形の、大きなコンクリートのすべり台。着地する場所に砂場、周囲にはブランコ、鉄棒と基本的なものが揃っています。

エコルとごしの建物とローラーすべり台

もうひとつのほうは、公園の大きな変化に伴いすでになくなり、そこに2022(令和4)年春できたのが、エコルとごし品川区立環境学習施設ということになります。

公園の南側を抜ける都道のトンネルは車道と歩行者(自転車も)道は別

戸越公園の南側のトンネルは、都道420号鮫洲大山線。東京の形をしっかり整えるために、山手通り(環六)と環七の中間付近を南北に貫く道路で、鮫洲の八潮橋交差点から目黒通りまでは開通しました。

この通りに着目すると、「子どもと楽しむ公園」シリーズとしても気になる公園が、沿道に並ぶことに気がつきます。特に戸越公園について歩道の整備も終われば、さらにしながわ中央公園との関わりが明確になります。他にもみられる沿道にあるいくつかの公園。

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これは東京で、主に人が暮らすための街が出現しているエリアであることを、反映しています。いつものように独自に撮影した写真を満載して、そんな視点も交えながら、人気の遊び場へのお出かけに役立つようガイドします。

子どもが大型遊具で遊べる戸越公園をしっかり解説!

大型の遊具は、コンクリートのすべり台だけになってしまったのが現状。着地する砂場は2重になって、緩衝帯とは別の専用部分はとても遊び易いです。かつてあったもうひとつの遊び場は、エコルとごしになっています。

恐らくこれからは敢えて作られることはない形式のすべり台

頂点からはふたつの滑走面が選択できます。どちらもコンクリートを滑るもので、ローラーすべり台はもとより、平滑な面のものであってもグリッサンドなどとは機能的に、もう比べるすべもありません。

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コンクリートで作られたすべり台といえば、とてつもなく大きなジャンボすべり台であるとか、この素材しかないというものもあります。例えば大泉緑地冒険ランド(大阪府堺市)のものなどが該当します。

大蔵公園(世田谷区)のすべり台として機能するのかも疑問な小さいもの

逆に小さなもので、ただ盛り上がった面を覆い被せただけのようなものなど、ある特定の状況であればこれからもありえるでしょう。けれども、そこそこの大きさならば敢えて作るのは、施工を考えてもあまり選択肢に挙がらないように思えます。

いまは青く塗り換え

それが戸越公園にあるような、複雑な構造のものであればなおさらです。そうなれば、こうしたものは、いまみつけれられるもので終わり。ユニークで、他にはないものになっていくと考えらえます。

実際にはなっていくというか、すでにもう珍しいものでしょう。滑るためにはコンクリートで作られた、螺旋の階段を上っていきます。

その先はなだらかにカーブして、砂場に着地するほうを選ぶのがひとつ。

砂場は着地する緩衝帯と、屋根付きの遊び場とで、しっかり分けてあります。さりげなく傍らにあるのがベンチとテーブル。見守りへの配慮がうれしいです。

もうひとつの選択肢としては、上りの螺旋階段と対になるように巻き込んで滑り下りるものがあります。

ボディ部分の下部には、違う宇宙をみせてくれる演出が施されています。いまどきのスゴイすべり台の志向からは外れていても、また違う別のおもしろさがあるもの! になっています。

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戸越公園の他にある遊びは?

ひとつだけになってしまった、戸越公園の遊具の遊び場には大きなすべり台の他に、幼児向けの小さなものがひとつ。

4連のブランコが一組。これはよくある標準タイプといっていい座板のタイプ。

そしてささやかな鉄棒と、大きなすべり台のひとつの着地点に並ぶ砂場で、すべてといっていいでしょう。

他に健康遊具のようなものがあるものの、こうしたものはどこにあっても、なんだかあいまいな機能であることに変わりありません。変形ラダーだと思えば、これも数に入れてもいいのかもしれません。実際にそう使われることも、よくあるでしょう。

また、遊具の集まる広場でなく、薬医門を入ったところの広場には、高さのある鉄棒がポツンと置かれています。懸垂運動をしたい大人には最適な形ではあります。

通年ではない楽しみ方になるものの、滝から池の途中のせせらぎは水遊びによさそう。水に入ることは禁止ではなく、水遊び場だと敢えて推奨もされていないものの、浸かってみるのには適した感じです。ワイルドではあるので、サンダルは必須でしょう。

エコルとごし前にローラーすべり台

エコルとごしの建物前には小さなものながら、ローラーすべり台が加わりました。ミニミニに限りなく近い、ミニタイプくらいの大きさか? それでもカーブしていて、ただのミニミニではないです。

エコルとごしは環境学習交流施設

エコするということでエコルなのか、展示や体験できることからするとそんな線で命名されたに違いないです。

屋上に太陽光発電設備を備えた建物は、三階四つのフロアが利用できます。いわゆるグランドフロアは、公園側と道路側で段差があって道路側はエントランス。

公園側から入ったフロアはコミュニティラウンジとして、自由に使える椅子とテーブルが置かれています。テラス部分含めて、休憩所として自由に利用可能です。

奥のほう、ローラーすべり台が窓の外に見える辺りはキッズスペースで、乳幼児のための屋内スペース。遊び場道具も置かれています。

コミュニティスペースとなっている二階を挟んで、三階が本格的な体感施設。映像展示常設展示の部屋があり、メッセージ展示スペースと多目的スペースもあります。

映像展示は部屋の三面の壁を全部使うグラッフィクが動いていて、タッチによって変化があるもの。陸海空の環境を表現なのかな? といったところでバランスプラネット/いきものタッチと呼びます。

常設展示はトイカケのジカンとされ、パネルや掲示物、リサイクルに関連する物品などが展示されています。

メッセージ展示スペースではミライのタネとして、メッセージを作れます。多目的スペースは教室風のイベント用の場所。その窓の外は菜園デッキとなっています。

環境テーマの展示と、世代を問わないコミュニティの場所。さらに子どものためにも充実しているといった場所といえそうです。随時イベント・講座・ワークショップ開催もあります。

しながわ中央公園とは繋がりあり、そして著名商店街を辿れば

平成になってから品川区役所の前に作られたしながわ中央公園は、2017(平成29)年に拡張された時に、下神明駅と隣接することになりました。この駅は戸越公園の最寄駅でもあり、特に拡張部分まではかなり近い距離になっています。

下神明駅の横の車道トンネル(ふたばトンネル)戸越公園の横のトンネル(豊トンネル)は、開通した鮫洲大山線。続けてふたつの公園を結ぶ付近の歩道の整備が進んでいます。

東側の様子、西側も同様に建設予定

品鶴線(横須賀線など)の住吉踏切は、新幹線高架の下を通す歩道橋(跨線人道橋)でパスし、その後廃止する予定の模様。やや遠回りになりそうで、完成形はどうなるのか?

下神明駅の北側を回り込むルートもあります。やや分かりにくいものの、歩道橋の様子しだいでは近道になるかも。

しながわ中央公園の横を抜けると、この道路は大井町に至り、商業地を過ぎた住宅街には大井公園鮫洲運動公園があり、遊具で遊べます。

逆方向の戸越公園横の豊トンネルを抜ければ、国道1号線、さらに中原街道を過ぎて、目黒通りに至る手前に、林試の森公園があります。

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例えば林試の森公園を目指して鮫洲大山線を歩いても、道路が立派に整備されていることを除けば、極めて日常的な風景で距離もそこそこ。強いて言えば中原街道を過ぎると、スクエア荏原があり大型遊具で遊べるくらい。

中原街道平塚橋交差点付近にあるスクエア荏原、音楽ホールもあり

それでも並行する街路に注目すれば、走破してみるのも一興になります。戸越公園のちょっと北側から戸越銀座商店街が始まり、さらには武蔵小山パルムを散策できるからです。

品川用水としながわ中央公園に移設された遺構

しながわ中央公園の拡張部分には、川でもないのに古戸越(ことごえ)橋が置かれています。これは親柱と高欄が移築されたもので、元は下神明駅側にあった水路に1933(昭和8)年に架けられたものです。水路が暗渠化された後も、残っていた遺構なのです。

かつては、しながわ中央公園の敷地も流れていたこの水路は、品川用水の名残りです。戸越公園の池を満たすために細川藩が引いた用水路(戸越用水)は、1664(寛文4)年に前年からの工事で完成したのち、細川藩は1666(寛文6)年には維持整備を止めています。

戸越の農民たちが幕府に請願して、これを農業用水とすることが叶ったのが1667年、1669(寛文9)年には品川用水として使われるようになります。いま戸越は「とごし」と読んでいるのが、もともとは「とごえ」だったのが古戸越川にも残っていたのです。

戸越公園の池からの、かつて古戸越橋が架けられていた古戸越川は、江戸を越える境目として戸越だ! と考えられていたというこの地域を巡る、品川用水の末流のひとつとして残っていたことになります。そして今のふたつの公園を繋ぐ流れだったのです。

戸越銀座商店街を散策するのもあり

戸越公園を北に少し(350 mほど)進んだ付近は、戸越銀座商店街の東の端になります。全長1.3 kmで約400件ほどの店舗が連なる商店街は、東京で一番長い規模の商店街として知られています。実際には3つの商店街振興組合の連合体には独自のウェブサイトも!

関連サイト:戸越銀座商店街オフィシャルサイト

商店街のちょうど真ん中辺りを国道1号線が貫いています。この戸越銀座交差点付近の地下には、地下鉄都営浅草線の戸越駅があります。商店街の通りは平日(月~土)15時~18時、日祝日は14時~19時が、お買い物優先道路(歩行者専用道)となります。

戸越銀座交差点から少し西に入ったところには、東急池上線の戸越銀座駅があります。商店街を2つの路線が通っていて、近所の住民でなくとも利便性が高いです。そして商店街のウェブサイトがあることでも、意欲の高いことは伺えます。

なにしろ全国にある○○銀座の元祖もここ。それも意欲が先走ってあやかり命名されたということではなく、谷間地形のこの地のぬかるみ対策に、関東大震災で壊滅した本家の銀座で発生したレンガ瓦礫を、譲り受けたことがきっかけとのことです。

ショッピングモールでは味わえない買い物そのものだけでなく、戸越銀座温泉(ホンモノの天然温泉)といったエンターテイメントもあります。

関連サイト:戸越銀座温泉

西の端付近の組合名は、銀六商店街でこれはレンガを貰いにいった銀座6丁目を表し、そもそもこの地にあっても、銀座6丁目商店街だったからです。

商店街は中原街道に突き当り、少し平塚橋のほう(左折)に進むと、歩道橋を渡って武蔵小山商店街パルムに向かえます。

さらに続く暮らしの痕跡は武蔵小山パルムへ

全長が800 mほどになるアーケード街は東洋一との呼び声で、1956(昭和31)年に470 mでオープン。以後拡張して今に至ります。東京ではもっとも長いアーケード街になります。

店舗数は約250あまり。東急目黒線を地下に移設するにあたり、整備されてすっかり駅前は様変わりして、高層の再開発ビルが建っています。かつては駅前とはいっても狭隘な路地にお店が立ち並び、それはそれで魅力ある街でした。

関連サイト:武蔵小山温泉清水湯

今でもアーケード街を進んだ先の街路にもお店が立ち並び、例えば銭湯価格の天然温泉、それも黄金の湯と東京でよくある黒湯のどちらでも入れる清水湯は、もっと都心側の林試の森公園の横を抜ける、かつての品川用水の流路だったあたりの道沿いにあります。

関連サイト:賛否両論

恵比寿で人気の日本料理店、「賛否両論」の笠原将弘店主は、正月屋吉兆での修行のあと、しばらくは実家の焼き鳥屋、「とり将」という、やはりアーケードを外れた路地で腕を揮っていたのです。アーケードのみならず、飲食・買い物の醍醐味を味わえるのが武蔵小山。

パルムにもウェブサイトがあります。商店街の事務所、パルム会館のところには商店街の大駐車場(132台、8時~20時、15分100円、20時~8時、60分100円)があり、加盟店の買い物ならば(店舗ごと)1000円で30分、2000円で60分サービスが受けられます。

関連サイト:武蔵小山商店街パルム

焼き鳥といえば、武蔵小山商店街を象徴するように、駅前と平塚橋側の出口に店を構えている「鳥勇」。駅前は再開発ビル内に移転したものの本店はそのまま。店頭で焼かれたものを選んで食べて、最後に精算。他に一番通り店も健在です。

戸越公園を訪れるには(アクセスについて)

住所:東京都品川区豊町2-1-30
連絡先:03-3782-8819

自動車で向かうには、まったく適していない公園です。公共交通機関を利用するのがよいです。

【公共交通機関を利用する場合】

最寄駅:東急大井町線戸越公園、下神明(どちらからも450 mほど)

下神明駅からは鮫洲大山線の車道トンネルを跨ぐ東急線をくぐって南側から

戸越公園という駅があって最寄ながら、隣の下神明駅もほぼ同じ距離です。ただし450 mとしているのは、それぞれの最寄になる公園入口まで。遊具のあるところまでは戸越公園駅からのほうがやや近いです。とはいえ、さしたる違いではないです。

戸越公園駅方面からなら区立戸越体育館と大崎高校の間にある公園への歩行者道を

戸越公園駅からは、北側に向かって鮫洲大山線にでれば東側にトンネル入口や、大崎高校のグランドのネットフェンスが見えて、向かっていけば分かりやすいです。下神明駅からは鮫洲大山線を目安に進みます。

【自動車を利用する場合】

駐車場:ありません。

周囲は密集住宅街で街路も狭く、近くの大通りといえる国道1号線から大崎高校に至る、鮫洲大山線にも目立った駐車場はありません。民間駐車場が皆無ではないものの、駐車場を見つけにくい公園になります。

まとめ:古典的遊具と最新設備、区役所前と一緒に利用も

他ではそうそう見つからないユニークなすべり台が売り物の公園には、エコルとごしが新たな魅力を加えています。さらに区役所前のしながわ中央公園や、周囲の魅力的な商店街を探索するのもいいです。

水辺と広場という点ならば、由緒を同じくする文庫の森まではほんの少しだけの距離。特に芝生で過ごしたいならば、一緒に利用するとよいです。

公式サイト:特別なものはありません
エコルとごし公式サイトエコルとごし



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